相手に嫌がられず、価値を提供できる営業電話のコツは?

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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あなたは名前と電話番号の入ったリストを片手に、ひたすら営業電話をかけています。今日中に100件も電話をかけなくてはならないからです。営業責任者はとにかく少しでも多く電話をかけるようにと、営業担当たちを必死に煽っています。

相手に嫌がられず、価値を提供できる営業電話のコツは?

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大切なのはもちろん、電話をかける数ではなく、そこで何を話すかです。電話の相手がこれまで聞いたこともないような、素晴らしいトークを展開する必要があります。

そのための重要なポイントについて、この記事で説明したいと思いますが、その前に、典型的な営業電話での会話を紹介しておきます。

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    営業電話の会話例

    **見込み客の電話が鳴る**

    見込み客: もしもし?

    営業担当: わたくし、○○と申します。

    (1.5秒ほど間が空く)

    突然お電話してすみません。

    本日お電話差し上げたのは、お客様の重大なお悩みを戦略的に解決できるソフトウェアのご紹介をさせていただきたいと思いまして。

    お時間少しよろしいでしょうか。

    見込み客: 今ちょっとと忙しいのですが。

    営業担当: でしたら、後日改めて製品のデモをご覧に入れましょう。これは数々の賞を受賞した素晴らしい製品でして...

    見込み客: けっこうです。興味ありません。

    営業担当: あなたが経営者の方ですか。2時間だけでもいただければ、製品の良さを必ずお伝えしますよ。予算がないと言うなら話は別ですけど。

    **電話を切った音**

    これは冗談ではありません。営業担当とのあいだで実際このような会話が、毎日数多く繰り返されているのです。これなら転換率1%未満と聞いても、おそらく誰も驚かないでしょう。

    転換率1%未満ということはすなわち、営業電話を100回もかけて、そのうち1人ともう一度連絡を取れるかどうかです。

    もし見込み客に電話をかけて、本当にこのような語り口で製品を売り込もうと考えているなら、すぐにやめてください。

    あなた自身が辛い思いをするだけでなく、見込み客は気分を害し、ブランドのイメージも損なわれるなど、何も良いことはありません。

    この記事の内容を理解し、これまで耳にしたこともないほど素晴らしい営業電話をかけるようになれば、相手とつながりを持てる割合は14~20%まで向上します。1%未満とは比べものになりません。

    よくある営業電話の断り方

    仕事とは言え、断られるのは辛いものです。営業電話の成功率を上げるため、まずはどのような理由で断られることが多いのかを確認しておきましょう。かけた営業電話を断られる理由には、次のようなものがあります。

    • 見込み客の業務と提案したサービスがマッチしていない
    • すでに同種のサービスを利用していて、変更は考えていない
    • 一切の営業電話を断る方針である
    • 営業担当者の態度が気に入らない

    営業電話を断られる際には、これらの理由をやんわりとした言い回しで伝えられることが多いでしょう。
     

    失敗する営業電話とは

    逆にいうと、これらの「断る理由」を満たしている営業電話をかけてしまうと、失敗につながる可能性が高いということです。具体的にいうと、失敗する営業電話には次のような特徴があります。

    • 顧客のニーズを把握していない
    • 顧客の業務内容や業務方針、現状を理解していない
    • 電話の基本的なマナーができていない

    特に、顧客の情報を調べず、闇雲に営業電話をかけている場合、ニーズのミスマッチなどを理由に断られることが多くなります。
     

    営業電話の基本マナー

    電話を介してとは言え、営業電話の実態はコミュニケーションです。その場においては、営業担当者のマナーや印象が大切です。相手に良い印象を与えるため、ひいては営業電話を成功につなげるため、気をつけておきたい基本的なマナーを2つ紹介します。
     

    電話に向かう姿勢

    営業電話をかける際には、「相手の貴重な時間をいただく」という意識を持って臨みましょう。特に企業の担当者に電話をする場合は、仕事中の時間を割いて話を聞いていただくわけです。時間をかけてくれている相手に対する気遣いや感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。

    また、「相手の利益になるように」という意識も大切です。自分の伝えたいことだけを伝えても、相手の気持ちは動きません。自社のサービスや製品を導入することで、相手にとってどのようなメリットがあるのかを伝えることができれば、興味を持ってもらえる可能性は上がります。
     

    かける時間帯は?

    当然ですが、相手の迷惑になるような時間帯に電話をすることは避けましょう。具体的には、始業前・終業後や、昼休憩の時間帯は避けるべきです。

    ただし、電話をかける相手が営業担当者など外回りを伴う業務を行なっている場合は、始業後あまり時間がたたないうちにかけると良いでしょう。時間が経てば経つほど、外出してしまい繋いでもらえない可能性が高まるためです。
     

    成功する営業電話の秘訣とは?

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    ステップ1:業種を2つか3つ特定する

    最初に電話をかける相手を選ぶ必要があります。自社の製品にマッチしない相手に電話をかけて、時間を無駄にするべきではありません。自社に最も適した顧客の業種は何かを考えてください。あるいは、過去に電話をかけて成果のあった相手の業種を思い出し、それらの共通点に注目しましょう。

    たとえば、接客業や小売業が適している場合もあれば、金融や銀行が適している場合もあるでしょう。どの業種をターゲットとするかが決まったら、次のステップに進んでください。
     

    ステップ2:製品にマッチする見込み客を20人特定する

    業種が特定できれば、製品やサービスを利用しそうな企業、または人々を探すのは、かなり楽になるはずです。Googleニュースやアラートを使って、関連性のあるキーワードに引っかかったニュースに登場する人に目星をつけてみてください。

    ステップ2:製品にマッチする見込み客を20人特定する

    それには画面にあるように、検索バーに「コンテンツマーケティング」などと入力し、キーワードを登録します。

    登録後、「コンテンツマーケティング」をクリックすると、以下のように登録キーワードの関連ニュース一覧を確認することができます。

    ステップ2:製品にマッチする見込み客を20人特定する3

    この結果から、関連性の高そうなニュースを選択肢、関連している人などをリストアップしていきます。

    その後、対象となる人を探した後は、ソーシャルメディアなどを使い仕事上どのような交流関係などがある、ネットワークを持っているかを理解しましょう。
     

    ステップ3:見込み客をそれぞれ調査する

    ここまでくれば、受話器を取って実際に電話をかけ始めたいという方も多いでしょう。ですが、もう少し待ってください。営業電話を成功させるために、やるべきことがまだ残っています。

    先ほどソーシャルメディアで検索を行いましたので、検索でヒットした各見込み客のプロフィールを見て、以下について調べてください。

    1. 企業の業務内容
    2. その人の企業での役割
    3. 類似した企業に製品やサービスを提供したことがあるか
    4. その人に関する何か面白い情報を1つ

    なかでも決して忘れてはならない大切なことがあります。それは、相手の名前の読み方を確認することです。営業電話でまくしたてるように話しかけられ、おまけに名前の読み方まで間違っていたのでは、気分を害して誰も話を聞こうとは思わないはずです。

    最近ではFacebookをビジネス目的で利用される方が非常に多くなっています。ぜひ、Facebookを活用して見るなどしてみましょう。
     

    聞いたことがないほど素晴らしい営業電話

    ここまで説明すれば、これがもはやコールドコールではないことにお気付きだと思います。電話をかける相手を選別し、受話器を取る前にある程度の下調べも済ませているからです。ですがこのひと手間が、良い成果をもたらすことは間違いありません。

    ではいよいよ、その会話の進め方について説明します。

    最初に自分の名前と会社名を伝えてください。堂々と、力強く話しましょう。コールドコールではあまりにも多くの人が、自分の名前を聞きとり難いほど小さな声で言いますが、これは良くありません。

    見込み客から「何ですか?誰?」と聞かれるようでは、出だしから失敗と言わざるを得ません。

    大声で挨拶をする必要はありませんが、はっきりとわかりやすく話しましょう。

    「私は○○会社の△△と申します」と言った後、少し間を空けてください。

    コールドコールをかける人は、営業文句にすぐ入ろうとしがちですが、ここで一度深呼吸しましょう。8秒間何も言わず待ってください。

    その8秒のあいだに、見込み客は電話の相手が誰なのか思い出そうとするでしょう。知っている人のようだけど、顧客だったか。それとも過去の同僚だろうか。いや、今一緒に働いている人かも、などと考えているはずです。

    この時点ですでに、通常のコールドコールよりも相手を惹きつけることに成功していますので、ここで何かより距離が縮まるような質問をしてください。目標は、相手に話しをしてもらうこと。そして、相手や相手の会社について情報を得ていることをアピールすることです。

    たとえば次のように質問をしてください。

    • ○○さんは△△大学を出られたのですね。学生生活はいかがでしたか。
    • 現在の△△会社には10年以上もお勤めなのですね。入社されてすぐは大変だったでしょう。
    • このたびは昇進おめでとうございます。役職が新しくなって何が大きく変わりましたか。

    このように的を絞って質問してください。相手を笑わせることが大切です。質問にまんざらでもないようなら、続けて他の質問もしてみましょう。

    たとえば、相手が「△△大学は有意義でしたよ。あそこの文学部は素晴らしい」のように答えたなら、「それはいいですね。私の姪がライターを志望しているので教えてあげたいです」などと続けてください。

    そうこうしているうちに、相手の方から「ところで、電話の要件は何?」と聞いてくるはずです。

    笑ってしまいますが、本当に必ずこう聞かれます。

    電話の相手も楽しくて笑っています。

    私も「そうでした。忘れてました」と答えてまた笑います。

    これによって間違いなく、会話が明るくなります。ただし、相手が非常に急いでいる様子なら、要点だけを素早く伝える必要があります。

    ここから、ポジショニングステートメントを使って会話をしてください。それによって、似たタイプの企業と何度も仕事をし、共通の課題をすでに理解していると、見込み客に示すことができます。多くのコールドコールがそうであるように、こちらが伝えたいことだけを一方的に話すべきではありません。

    たとえば、ポジショニングステートメントを次のように伝えます。「私は接客業の営業責任者の方とよく仕事をさせていただいています。営業スタッフを5名から8名ほど抱えていて、生産性を高める方法について悩んでおられることが多いです。御社の場合はいかがですか」

    このような質問を、同じ悩みを抱える(と事前の調査で明らかになっている)相手に対して行ってください。

    そして、その悩みについてより詳しく説明してもらいましょう。

    これですべて上手くいくはずです。電話の相手が自分たちの課題や目標について説明した後、その貴重な情報を基に、製品やサービスの紹介を始めてください。

    誰だって1日を楽しく過ごしたいと思っています。見込み客を笑顔にしたり、笑わせたりすることで、自らの課題について話す機会を与え、自社のソリューションで課題を解決できる可能性があることを伝えましょう。そうすれば、その人の1日をより良いものにすることができます。そして、相手との関係を強化し、最終的には売上げを増やすことができるはずです。

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