この記事の要点
- AI搭載型CRMとは、CRMに蓄積された顧客データをAIが分析・学習し、営業予測や顧客分析、コンテンツ生成などを行える新しいCRMツール。
- AI搭載型CRMでは、顧客データの自動収集やリードスコアリング、売上予測、メール文章生成などを通じて、営業・マーケティング業務の効率化や高度化を実現できる。
- AI機能の精度を高めるためには、顧客情報だけでなく、行動履歴・商談履歴・問い合わせ内容などを継続的に蓄積・一元管理する“データ土台”の整備が重要。
- AI搭載型CRMを活用することで、データ分析工数の削減、顧客ごとの最適なアプローチ、ワークフロー改善、売上予測精度向上などにつながり、よりデータドリブンな営業・マーケティング活動を実現できる。
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近年はAI技術の急速な発展・活用により、さまざまなテクノロジーやサービスにAI搭載製品が増えてきました。顧客情報を一元管理するCRMにも、AI機能が搭載されたサービスが増加しています。
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- 自動リードスコアリング
AI搭載型CRMとは、CRM(顧客情報管理)に蓄積された大量のデータをAIに学習させ、データ分析やコンテンツ生成などを行える新しいCRMです。
AI搭載型CRMの代表的なAI機能として、以下のような機能があげられます。

- データ収集の自動化
- 顧客行動予測とコミュニケーション最適化
- 経営戦略につながる営業予測
- コンテンツ生成
上記はあくまでも大枠としての機能ですが、さらに細分化するとAI機能を活用してできることも多種多様であることがわかるでしょう。
AI搭載型CRMを企業が導入するメリットには、以下があります。
AI搭載型CRM導入のメリット4つ
- データ分析の手間と時間が省ける
- 最短距離で顧客にアプローチできる
- 専門知識がなくても簡単にAIを活用できる
- 社内のワークフローを改善できる
AI搭載型CRMは比較的新しいツールでもあるので、なかなか具体的で信頼できる情報に辿り着けないと悩むケースも少なくありません。
そこでこの記事では、CRM導入が日本よりも進んでいる海外事例も取り入れながら、わかりやすくAI搭載型CRMについてお伝えしていきます。
- AI搭載型CRMは、データ分析やコンテンツ生成の自動化機能が搭載された新しいツール
- AI搭載型CRMの代表的な機能一覧
- 【AI搭載型CRMの機能①】データ収集の自動化
- 【AI搭載型CRMの機能②】顧客行動予測とコミュニケーション最適化
- 【AI搭載型CRMの機能③】経営戦略につなげる営業予測
- 【AI搭載型CRMの機能④】コンテンツ生成
- AI搭載型CRMを導入する5つのメリット
- AI搭載型CRMを導入・運用する際の注意点
- 【実例で解説】AI搭載型CRMを導入した企業の声
- AI搭載型CRMなら豊富な機能を兼ね備えているHubSpotがおすすめ
- 【Q&A】AI搭載CRMについてよくある質問
- AI搭載型のCRMの導入で、時間効率を意識してビジネスの業務効率をあげられる
AI搭載型CRMは、データ分析やコンテンツ生成の自動化機能が搭載された新しいツール
AI搭載型CRMとは、CRMにAI機能を搭載した、新しい形のCRMツールです。タスクの一部をAIに任せることで、ビジネス全体の業務効率をより改善できます。

【CRM】
- 顧客情報
- 取引情報
- 行動履歴
- 問い合わせ履歴 など
【AI機能】
- データ収集自動化
- コミュニケーション最適化
- 営業予測
- コンテンツ生成 など
AI搭載型CRMでは、従来のCRMが持つ「顧客情報を管理する役割」に加え、AIによる分析・予測・自動生成機能を活用できる点が大きな特徴です。
たとえば、顧客データや行動履歴をもとに見込み顧客を自動で抽出したり、問い合わせ内容に応じた返信文を生成したりと、これまで担当者が手作業で行っていた業務を効率化できます。
また、営業活動においても、成約確度の高い顧客の予測や、最適なアプローチタイミングの提案などを行えるため、担当者の経験や勘だけに頼らない営業活動が可能になります。
近年では、生成AIの進化により、メール文面や提案資料の作成、商談内容の要約などにもAIが活用されるようになっており、CRMは「顧客管理ツール」から「営業・マーケティング活動を支援する業務基盤」へと進化しています。
AI搭載型CRMの代表的な機能一覧
AI搭載型といわれても、具体的にどのような活用方法があるのかイメージできない方もいるかと思います。
代表的なAI搭載型CRMの機能は、主に以下のとおりです。

AI搭載型CRMの代表的な機能一覧
- 【AI搭載型CRMの機能①】データ収集の自動化
- 【AI搭載型CRMの機能②】顧客行動予測とコミュニケーション最適化
- 【AI搭載型CRMの機能③】経営戦略につなげる営業予測
- 【AI搭載型CRMの機能④】コンテンツ生成
これらの機能を活用するためには、CRMの土台である顧客情報の収集・蓄積・管理が欠かせません。
それぞれのCRMツールによって、搭載されているAI機能も違います。
ぜひ、ここで紹介するそれぞれの機能の特徴を理解したうえで比較してみてください。
【AI搭載型CRMの機能①】データ収集の自動化
AI搭載型CRMでは、顧客に関するさまざまなデータを自動で収集・整理できる機能が搭載されています。営業担当者やマーケティング担当者が個別に情報を調べたり、手作業で入力したりする負担を軽減できる点が特徴です。
また、収集したデータをAIが分析することで、顧客理解の深化や営業活動の最適化にも活用できます。
3-1. 顧客接点からのデータ収集を自動化できる
AI搭載型CRMでは、Webサイトの閲覧履歴や問い合わせフォーム、メール、SNS、チャットなど、さまざまな顧客接点からデータを自動収集できます。
たとえば、以下のような情報を蓄積可能です。
- どのページを閲覧したか
- どの資料をダウンロードしたか
- どのメールを開封したか
従来は担当者が個別に確認・入力していた情報も、自動でCRMへ反映できるため、入力漏れや管理ミスの防止につながります。
また、商談前の企業リサーチに役立つ情報収集を支援する機能を備えたCRMもあります。企業情報やニュース、事業内容などを自動で収集することで、担当者が事前調査にかける時間を削減できます。
3-2. AIによるデータ分析・セグメント化ができる
企業では、営業部門・マーケティング部門・カスタマーサポート部門などで、それぞれ異なるツールを利用しているケースも少なくありません。
AI搭載型CRMでは、こうした分散した顧客データを一元管理し、顧客ごとに情報を整理・蓄積できます。
たとえば、以下のような情報をまとめて管理可能です。
- 顧客情報
- 商談履歴
- 問い合わせ履歴
- メール配信履歴
- 購買履歴
- サポート対応履歴
情報が部門ごとに分断されにくくなるため、担当者間の情報共有もスムーズになります。結果として、顧客対応の品質向上や、業務の属人化防止にもつながるでしょう。
3-3. 分散したデータを一元管理・蓄積できる
収集・蓄積したデータは、AIによって分析・分類できます。
たとえば、顧客の行動履歴や購買傾向をもとに、以下のような分析が可能です。
- 成約確度の高い見込み顧客の抽出
- 離脱リスクの高い顧客の予測
- 興味関心ごとの顧客分類
- 最適なアプローチタイミングの提案
また、AIによるセグメント化を活用すれば、「特定の商品ページを複数回閲覧した顧客」や「一定期間アクションがない顧客」などを自動で抽出できます。
これにより、顧客ごとに適切なタイミング・内容でアプローチしやすくなり、営業活動やマーケティング施策の精度向上が期待できます。
【AI搭載型CRMの機能②】顧客行動予測とコミュニケーション最適化
これぞAI搭載型CRMともいえるのが、CRMに蓄積された顧客データをもとに提案される「顧客行動予測」と「コミュニケーション最適化」を兼ね備えたAI機能です。
具体的には、下記のようなサポートをしてくれます。
【参考例】
- 最適なアプローチタイミングを提案
- 徹底した分析によるリードスコアリング
- チャットボットによるリアルタイムサポート
実際にどのような使い方ができるのか、解説していきます。
4-1. 最適なアプローチタイミングを提案
CRMを使い続けていくことで、システムのなかにはあらゆる顧客データが蓄積されていきます。
AI機能では、その蓄積されたデータをもとに顧客の行動を予測し、最適なアプローチタイミングを教えてくれるので、アプローチの時間ロスが軽減できるでしょう。
たとえば、以下のようなイメージです。
- メール開封率や時間帯を分析して、見込み客(リード)にメールを贈る最適なタイミングを提案
- 過去の通話記録や契約に繋がった時間などをもとに、電話発信に最適なタイミングを提案
最適なアプローチタイミングがわからない状態だと、とりあえず営業の電話をかけてみても先方が不在で、再度電話する手間がかかってしまいます。このような、AI機能が最適なアプローチタイミングを提案してくれることで、コミュニケーションにかかる負担が軽減できるでしょう。
4-2. 徹底した分析によるリードスコアリング
CRMの基本機能に含まれる顧客分析ですが、AI機能が加わることで、より迅速に徹底的な分析をおこなったうえで顧客のリードスコアリングが可能です。
【リードスコアリングとは】
見込み顧客の購買意欲にスコアをつけて、見込み顧客のなかでもより成約・契約・販売につながる優先順位をつける手法のこと。リードスコアリングをすることで、より成果につながる営業やマーケティングをおこなえる。
顧客にスコアをつけていくには、顧客の行動履歴を含む膨大なデータが必要となります。
膨大なデータのなかから
「〇〇という行動をしている顧客は◯点」
「〇〇な反応をした顧客には◯点」
というように、細かい点数を割り振ってスコアリングしていくのですが、リードスコアリングです。
しかし、人間がやろうと思うとなかなか難しく、正解がないともいえます。

※スコアリングのイメージ図であり、あくまでも一例です。
しかし、AI機能が備わったCRMであれば、膨大なCRMの顧客データを学習させて分析・リードスコアリングまでを任せられます。事前に条件を指定しておけば、プログラムに沿って最適なリードスコアリングを自動でおこなってくれるのです。
4-3. チャットボットによるリアルタイムサポート
コミュニケーションを最適化してくれるAI機能のひとつが、AIを使ったチャットボットによるリアルタイムの顧客サポートができるという点です。
従来までのチャットボットは、作られたシナリオの中から最適な答えを提示するのが一般的でした。AIを使ったチャットボットでは、顧客とのやり取りから学習したうえで、自動的に最適な答えを出してくれます。

※あくまでも比較イメージです。
顧客それぞれの質問に対して柔軟に回答できるため、最適な答えや情報を提供できる可能性が高まります。AI機能を組み合わせたチャットボットをWebサイトなどに組み合わせられるCRMを導入することで、コミュニケーションコストを抑えられるでしょう。
【AI搭載型CRMの機能③】経営戦略につなげる営業予測
顧客情報や取引情報などの収集・蓄積していくことで、経営戦略につなげるためのしっかりとした営業予測を立てられるようになります。
たとえば、以下のようなイメージです。
【参考例】
- 売上予測や販売予測
- 顧客生涯価値(LTV)の予測
- 案件優先度の分析
ビジネスを軌道にのせて事業規模拡大するためには、定期的に経営戦略を見直しながらPDCAをまわしていかなければいけません。経営戦略の見直しや施策立案などに欠かせないのが、顧客情報や実績などをもとにして考える営業予測です。
ここでは、AI機能がどのような形で営業予測に役立つのかをご紹介します。
5-1. 売上予測や販売予測
AI搭載型のCRMでは、顧客との取引実績や売上実績などのデータをもとに、売上予測や販売予測を立てることも可能です。
経営戦略を考えるうえで、より精度の高い売上予測や販売予測が必要となります。日頃からCRMにあらゆる情報を入力しておけば、その膨大なデータをもとに、AIが最適な予測を立ててくれるのです。
たとえば、以下のように多方面の予測も立てられる場合があります。
- ビジネス全体の売上予測
- チームの実績にもとづく売上予測
- 個人の実績にもとづく販売予測
- 購買に至るプロセスごとの数値予測 など
もちろん、AIがより精度が高く実現可能な売上予測・販売予測を立てるためには、さまざまな数値データが必要となります。
CRMであらゆる顧客データを収集・管理していくことで、よりAIでの予測機能を最大限まで引き出せるでしょう。
5-2. 顧客生涯価値(LTV)の改善
AI機能が搭載されているCRMを活用することで、顧客生涯価値(LTV)の改善が可能です。
顧客生涯価値は、ビジネスを継続していくために重要な指標とされるので、経営戦略などを考える際にも議題に上がります。
【顧客生涯価値とは】
顧客生涯価値とは、LTV(Life time value)とも呼ばれる。一般的には、ひとりの顧客が「顧客である期間」に会社に対してあたえる価値のことをさす。
近年、新規顧客獲得にかかるコストが増えており、既存顧客の顧客生涯価値をあげることが重要だとされています。そこで、力を発揮してくれるのがAI搭載型のCRM(顧客関係管理)です。
AI搭載型CRMでは、コミュニケーションの最適化だけでなく、顧客それぞれのニーズに合わせた新規提案を行えます。
たとえば、CRMに記録されている以下のような情報を活用することで、AI機能を最大限に活用できるでしょう。
- 過去の取引実績や販売商品
- 過去の取引タイミングや発注スパン
- 問い合わせや商談時の記録
AI機能が、顧客それぞれにパーソナライズした提案をし、その提案をもとに営業担当が最適なアプローチをすることで既存顧客の顧客生涯価値の改善・向上が期待できるのです。具体的に、〇〇機能という名称はついていない場合が多いのですが、AI搭載型だからこそ活用すべき機能のひとつといえるでしょう。
5-3. 案件優先度の分析
日頃からCRMを活用してあらゆる顧客情報を収集・蓄積し、そのデータをAI機能で分析・予測していくことで「どの案件を優先すべきか」を明確にできます。
たとえば、以下のようなイメージです。
- 優先的に営業すべき顧客を分析・リスト化できる
- 各営業案件と営業先を分析して、アプローチすべき優先順位をつけられる
AIによって提案された案件優先度を参考に、新規営業や既存顧客への営業をおこなうことで、より確実に成果につながるアプローチを実現できるでしょう。
【AI搭載型CRMの機能④】コンテンツ生成
コンテンツ作成機能を兼ね備えているCRMに多いのが、生成AIを活用して手軽にコンテンツ生成ができるコンテンツ作成に特化したCRMです。
生成AIの技術は、目まぐるしく進化しているので、できることも常に変わり続けていますが、主に下記のような方法での活用が採用されています。
【参考例】
- パーソナライズされたメール文章の自動生成
- アンケート設問の自動生成
- さまざまなコンテンツの自動生成
AI搭載型CRMの醍醐味ともいえる機能のひとつが、コンテンツ生成機能です。このAI機能を活用することで、「今まで自分で作るために、何時間も時間を費やしていた」というケースを事前に回避できるでしょう。
なかでも代表的なコンテンツ生成として挙げられる、3つについてご紹介していきます。
6-1. パーソナライズされたメール文章の自動生成
生成AI機能を兼ね備えているCRMには、蓄積している顧客データをもとに、よりパーソナライズしたメール文章の自動生成が可能です。
例えば、以下のようにメール文章を自動生成してくれます。
【参考例】
- 開封率の高くなるメールの件名を提案してくれる
- 顧客それぞれにパーソナライズされた、メール本文を自動作成できる
今までに、以下のような経験をしたことはないでしょうか。
「こんな言い回しで大丈夫だろうか?」
「この文章で、きちんと相手に言いたいことが伝わっているか?」
メールを書く際に無駄に悩んでしまい、思った以上に時間を使ってしまうケースも少なくありません。その状況にあわせたメール文章を生成してくれるAI機能を使えば、提案された文章の内容を確認して、少しの修正だけでメール送信できるようになるでしょう。
6-2. アンケート設問の自動生成
コンテンツ生成をしてくれるAI機能のなかには、ウェブサイトなどに設置するアンケート設問を自動生成してくれる機能もあります。
アンケートの設置は、顧客のリアルな声を集めるのに欠かせない施策のひとつです。そのため、CRM機能には手軽にアンケートフォームを作成できる機能も搭載されている場合があります。
しかし、たとえアンケートを設置していても、最適な質問を投げかけられなければ、求めている顧客の声は集まりません。そこで活躍してくれるのが、アンケートの設問を過去データをもとに提案・生成してくれるAI機能です。
「新規顧客や見込み客対して、このような設問を入れたアンケートを作るべき」
「既存顧客へのアンケートは、業務改善を含めてこのような設問が必要」
アプローチ先と目的にあわせて、アンケートフォームに載せる設問を提案から自動生成までおこなってくれます。
6-3. さまざまなコンテンツの自動生成
AI搭載型CRMでは、メール文章やアンケート設問以外にも、さまざまなコンテンツ自動生成をおこなえます。
たとえば、簡単な質問に答えていくだけで、以下のようなコンテンツを目的に合わせて最適化させた内容で生成可能です。
- ランディングページ
- ポッドキャスト
- 導入事例
- ブログ記事 など
たとえば、以下のようなイメージです。

※あくまでも一例です。生成されたコンテンツを微調整する必要があります。
マーケティング施策としてコンテンツを作りたい場合は、AI機能を活用したコンテンツ生成で、業務効率も改善されるでしょう。
AI搭載型CRMを導入する5つのメリット
AI搭載型CRMで活用できるAI機能について理解できたところで、「本当に自社に必要なのか」と感じている方もいるかもしれません。
AI搭載型CRMの導入においては、具体的に以下のようなメリットがあります。
AI搭載型CRM導入のメリット5つ
- データ分析の工数を大幅削減しデータ活用に注力できる
- 個別の顧客に最適なアプローチができる
- 高度な分析が専門知識なしに可能となる
- ワークフローを最適化できる
- 売上予測・意思決定の精度が向上する
AI搭載型CRMに搭載されるAI機能は、業種や企業規模を問わず、幅広いビジネスで活用されています。
ここでは、それぞれのメリットについて具体的に解説します。
7-1. データ分析の工数を大幅削減しデータ活用に注力できる
AI搭載型CRMを導入することで、CRMに蓄積された膨大な顧客データの分析作業を自動化できます。
従来は、営業担当者やマーケティング担当者が、ExcelやBIツールを使ってデータを集計・分析するケースが一般的でした。
AI搭載型CRMでは、顧客の行動履歴や商談履歴をもとに、自動で傾向分析や優先順位付けを行えます。
たとえば、以下のような分析を自動化できます。
- 成約率の高い顧客属性の抽出
- 問い合わせ増加の傾向分析
- メール開封率や反応率の分析
- 失注しやすい案件パターンの可視化
これにより、担当者は「分析作業そのもの」に時間を費やすのではなく、「分析結果をどう活用するか」という戦略立案や顧客対応に集中できるようになります。
また、レポート作成やデータ整理の負担も軽減されるため、業務全体の生産性向上にもつながるでしょう。
7-2. 個別の顧客に最適なアプローチができる
AI搭載型CRMでは、顧客ごとの行動履歴や興味関心を分析し、最適なタイミング・内容でアプローチできます。
たとえば、以下のような悩みを抱える企業も多いでしょう。
「見込み顧客にいつ連絡すべきかわからない」
「複数案件のうち、どれを優先すべきか判断できない」
「顧客ごとに提案内容を変えたいが工数が足りない」
AI搭載型CRMでは、顧客のWebサイト閲覧履歴やメール反応、過去の商談履歴などをもとに、成約確度や関心度を分析できます。
その結果、興味関心の高い顧客へ優先的にアプローチする、顧客ごとに最適化したメールを配信する、離脱リスクの高い顧客へ早期フォローするといった細かい対応が可能になります。
顧客ごとに適切なコミュニケーションを行いやすくなるため、営業効率だけでなく、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
7-3. 高度な分析が専門知識なしに可能となる
AI機能の活用に興味はあっても、「専門知識が必要そう」「運用が難しそう」と感じる方もいるかもしれません。AI搭載型CRMであれば、あらかじめAI機能が組み込まれているため、専門的な開発を行わなくても利用できます。
近年のAI搭載型CRMでは、以下のような機能を直感的に利用可能です。
- ダッシュボード上での自動分析
- レポートの自動生成
- AIによる営業アドバイス
- 顧客分類やスコアリングの自動化
たとえば、「どの顧客が成約につながりやすいか」をAIが自動で提示してくれるため、データサイエンスの知識がなくても高度な分析を業務に活用できます。そのため、IT知識のない営業部門やマーケティング部門でもAIを活用しやすい点が大きなメリットだといえます。
7-4 ワークフローを最適化できる
AI搭載型CRMを活用することで、日常業務の一部を自動化し、社内全体のワークフロー改善につなげられます。
たとえば、以下のような定型業務を自動化できるケースがあります。
- 商談内容の要約・記録
- フォローメールの作成
- タスクの自動割り当て
- 問い合わせ対応の一次返信
- レポート作成
従来は担当者が手作業で行っていた業務をAIが補助することで、入力作業や確認作業の負担を軽減できます。
また、業務フローが標準化されることで、「特定の担当者しか対応方法を知らない」といった属人化の防止にもつながります。その結果、部署間の連携がスムーズになり、組織全体の業務効率や生産性向上を期待できるでしょう。
7-5 売上予測・意思決定の精度が向上する
AI搭載型CRMでは、過去の商談データや顧客行動データを分析し、将来的な売上予測や成約予測を行えます。
- たとえば、
- 今月の売上見込み
- 成約確度の高い案件
- 失注リスクの高い案件
- 今後需要が高まりそうな顧客層
などをAIが分析・可視化できます。
従来は、営業担当者の経験や勘に依存していた判断も、データをもとに行いやすくなるため、より精度の高い意思決定が可能になります。
また、予測データをもとに人員配置やマーケティング施策を最適化できるため、経営判断のスピード向上にもつながるでしょう。
AI搭載型CRMを導入・運用する際の注意点
導入メリットの多いAI搭載型CRMですが、もちろん導入時や運用時に注意しなければいけない点があります。
以下の2つの注意点を理解したうえで、導入すべきか考えてみましょう。
AI搭載型CRMを導入・運用する際の注意点
- データが少ない段階では、最適な予測結果が出づらい
- AIに学習させるデータによっては、権利迫害リスクがある
それぞれについて、詳しく解説していきます。
8-1. データが少ない段階では、最適な予測結果が出づらい
さまざまなデータ分析・予測・生成などをおこなってくれるAI搭載型CRMですが、データ量や質が不足している段階では、最適な結果を出してくれません。なぜなら、AI機能を最大限に活かすためには、大量のデータをAIに学習させる必要があるからです。
そのため初めてCRMを導入する企業で、まだ顧客情報が蓄積できていないケースでは、力を発揮するまでに多少の時間が必要になるでしょう。
AI搭載型CRMの力を最大限まで引き出すためにも、以下を意識して顧客データの収集・蓄積を行っていく必要があります。
- あらゆる層の顧客情報を収集する(既存顧客、新規顧客、見込み客など)
- 基本情報だけではなく、行動履歴や販売実績などまで網羅して入力する
- 問い合わせ内容や商談内容の詳細も記録する
- 営業担当だけではなく他部署でも積極的に顧客情報入力をする
上記のような取り組みを意識するだけで、大量の顧客データを収集・蓄積していけます。
データが少ない段階では正確に動いてくれる可能性が低いからこそ、十分な顧客データを蓄積していかなければいけません。
8-2. AIに学習させるデータによっては、権利侵害リスクがある
大量のデータを学習させることで力を発揮するAI搭載型CRMですが、学習させるデータによっては権利侵害リスクなどのも考えられるので注意しなければいけません。
- AI搭載型CRMは、主に以下のような情報を学習させながら運用していきます。
- CRMに蓄積されたあらゆる顧客データ
- CRMの情報を元にした分析データ
- Web上から取得したデータ
- 学習させるために手動で読み込ませたデータ
このなかで注意しなければいけないのが、自社で収集した顧客情報以外のデータです。
たとえば、著作権などが発生している資料や、使用許可取得が必要な資料などをAIに学習させてしまうと、権利侵害につながってしまいます。
AI搭載型CRMを使う場合、アウトプットされたデータに権利侵害の可能性がないのかまで確認する必要があるでしょう。
8-3. AI搭載CRMを活かすには、データ土台の整備が先決
AI搭載型CRMを導入する際は、「AI機能そのもの」に注目しがちですが、実際にはAIが学習・分析するための“データ土台”が整備されているかどうかが非常に重要です。
AIは、CRMに蓄積された顧客データをもとに分析や予測を行います。そのため、入力データが不足していたり、情報が部門ごとに分散していたりすると、AIによる分析精度や提案内容にも影響が出てしまいます。
裏を返せば、質の高い顧客データが蓄積された状態こそが、AI機能の真価を引き出す前提条件だといえるでしょう。
たとえば、以下のような情報が整理され、一元管理されているCRMほど、AIによるアウトプットの精度向上を期待できます。
- 顧客の基本情報
- Webサイト閲覧履歴
- メール開封履歴
- 商談内容や議事録
- 問い合わせ履歴
- サポート対応記録
- 購買履歴や契約履歴
こうしたデータが継続的に蓄積されることで、AIは「どの顧客が成約しやすいか」「どのタイミングでアプローチすべきか」などを、より高精度に分析できるようになります。
「まずデータ土台を整える」という意識が、AI活用の成否を分ける大きな判断といえるでしょう。
なお、HubSpot では、AI活用の前提として顧客データ基盤の重要性を重視した設計思想が採用されています。この考え方については、CEOによる以下の解説記事にて詳しく紹介されているので、あわせてご覧ください。
【実例で解説】AI搭載型CRMを導入した企業の声
AI搭載型CRMについて理解が深まってきたところで、実際に企業がどのように活用して成果を出しているか気になりますよね。
国内でのAI搭載型CRMの導入は、ここ数年で新たに登場したCRMということもあり、ほとんどの企業がその効果を体感している最中です。そこで、ここではCRM導入が日本よりも進んでいる海外企業を例に、実際に当社のAI搭載型CRM「HubSpot」を導入された企業の実例をご紹介していきます。
海外事例ではありますが、同様の課題を抱えている日本企業も多くあるので、ぜひ参考にしてみてください。
9-1. AI機能によってパーソナライズされた顧客対応により、企業全体で週750時間を節約!
フランスに拠点をおいている金融テクノロジー企業「Agicap」では、膨大な数の営業活動への対処に大きな課題を抱えていました。企業の成長スピードを加速させたいと考えているが、営業活動に費やす時間が多過ぎるだけではなく、直接的に収益に繋がらない業務が多かったのです。
そこで、より収益に直結する施策に注力できる環境を作るために、AI機能搭載型CRMを導入されました。その結果、以下のAI機能を活用したことで、抱えていた課題をクリアすることに成功したのです。
- AIアシスタントによるコンテンツ制作のサポート
- AIによるワークフロー解説で、チーム内のコミュニケーション改善
- AI分析により、データ収集・分析時間の大幅削減
- 営業通話の自動記録化で、よりパーソナライズされた顧客対応実現
AI搭載型CRMを導入したことで、取引速度は20%向上し、企業全体で毎週750時間を節約できたのです。その結果、浮いた時間をより密度の高い顧客対応や営業活動などに回すことができるようになっています。
参照:HubSpot「Agicap Saves 750 Hours a Week and Increases Deal Velocity by 20% with Agent Hub(英語)」
9-2. AI機能を活用したコンテンツ制作とリード生成の増加で、企業収益は前年比73%増加!
フランチャイズの仲介業を専門とする「Franchise Brokers Association」では、遅いコンテンツ制作と複数システムのデータ分散などが理由で、業務効率が改善できず販売目標も達成できていないという課題を抱えていました。社内のシステム環境が複雑になってしまっていることから、出遅れた顧客対応になってしまったり、リード獲得しても成約に繋げられないとお悩みでした。
そこで、AI搭載型CRMを導入したことで、企業が抱える課題全体の解消が実現したのです。
- AIコンテンツ生成で、ブログやSNSの記事制作250%向上
- AI予測機能を使って、現実的な目標値を設定しチームのモチベーション強化
AI搭載型CRMの導入により、コンテンツ生成とリード生成が大幅に増加したことで、結果としてマーケティング最適化を実現できたのです。その結果、企業全体の取引成立も増加したことで、収益が前年比73%増を達成できたといえるでしょう。
参照:HubSpot「Franchise Brokers Association(英語)」
AI搭載型CRMなら豊富な機能を兼ね備えているHubSpotがおすすめ

すぐにでもAI搭載型CRMを試してみたいという方は、AI機能Agent Hubを搭載しているHubSpotをぜひお試しください。
HubSpotは営業やマーケティング、さらにカスタマーサービスなど、ビジネス全体の支援をするためにAI機能を活用可能です。
AI搭載型CRMであるHubSpotには、主に以下のようなAI機能をご利用いただけます。
HubSpotのAI機能
- HubSpot内のどこからでも呼び出せ、コンテキストを理解して業務をアシストする「Agent Hub Copilot」
- マーケティング・営業・サポートなど各業務領域のタスクをCRMデータをもとに自律実行する「Agent Hub Agents」
- 2億件超のデータベースでCRMを自動補完し、購買意向の高い見込み客を可視化する「Agent Hub Intelligence」
便利に活用できるAI機能だけではなく、基本的なCRMとしても使いやすさや柔軟なカスタマイズ性にこだわっているのがHubSpotの強みです。
マーケティング・営業・サポートのすべての顧客データが同一CRM上に蓄積されるため、各AIエージェントはその文脈を参照して動作します。「顧客を理解したAIが接点を持つ」状態を、技術的な専門知識なしに実現できるのがHubSpotならではの特徴です。
実際に、HubSpotのAI機能に触れてみたい方は、HubSpotの無料版をぜひ試してみてください。
【Q&A】AI搭載CRMについてよくある質問
AI搭載型CRMについてよくある質問をまとめました。
Q1. AI搭載型CRMとはどのようなツールですか?
AI搭載型CRMとは、顧客情報を管理するCRMにAI機能を組み合わせたツールです。CRMに蓄積された顧客データをAIが分析・学習することで、データ分析や営業予測、コンテンツ生成などを自動化できます。
従来のCRMが「顧客情報を管理するツール」だったのに対し、AI搭載型CRMは「顧客データを活用して営業・マーケティング活動を支援するツール」として進化しています。
Q2. AI搭載型CRMでは、具体的にどのようなことができますか?
AI搭載型CRMでは、主に以下のような機能を利用できます。
- 顧客データの自動収集
- 顧客行動の予測
- リードスコアリング
- 売上予測や案件分析
- メール文章やコンテンツの自動生成
- AIチャットボットによる顧客対応
Q3. AI搭載型CRMを導入するメリットは何ですか?
AI搭載型CRMを導入することで、データ分析や定型業務を自動化できるため、業務効率や生産性の向上を期待できます。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- データ分析の工数削減
- 顧客ごとの最適なアプローチ
- 売上予測の精度向上
- ワークフローの最適化
- 専門知識なしで高度な分析を活用可能
単純作業の負担を減らしながら、営業やマーケティングなど「人が判断すべき業務」に集中しやすくなる点が大きな特徴です。
Q4. AI搭載型CRMを導入する際に注意すべきポイントはありますか?
AI搭載型CRMは便利な一方で、「データ土台」の整備が重要です。
AIはCRMに蓄積されたデータをもとに分析・予測を行うため、入力データが不足していたり、情報が分散していたりすると、分析精度が低下する可能性があります。そのため、顧客情報や商談履歴、行動履歴、問い合わせ内容などの情報を継続的に蓄積・整理することが重要です。
また、AIに学習させるデータによっては、著作権や情報管理に関するリスクもあるため、運用ルールを整備したうえで活用する必要があります。
Q5. AI搭載型CRMはどのような企業に向いていますか?
AI搭載型CRMは、営業活動や顧客対応を効率化したい企業に向いています。特に、以下のような課題を抱えている企業では導入効果を期待しやすいでしょう。
- 営業活動が属人化している
- データ分析に時間がかかっている
- 顧客対応の質を向上させたい
- コンテンツ制作に工数がかかっている
企業規模を問わず活用できますが、AI機能を十分に活かすためには、日頃から顧客データを蓄積・整理していく運用体制づくりも重要です。
AI搭載型のCRMの導入で、時間効率を意識してビジネスの業務効率をあげられる
AI搭載型CRMは、顧客情報を管理するだけではなく、AIによるデータ分析・営業予測・コンテンツ生成などを活用しながら、営業活動やマーケティング活動を効率化できる新しいCRMであることをご紹介しました。
AI搭載型CRMの代表的な機能には、以下があります。
- 顧客接点からのデータ収集の自動化
- 顧客行動予測やリードスコアリングによる営業支援
- 売上予測や案件分析など経営戦略につながる分析
- メール文章やブログ記事などのコンテンツ生成
- AIチャットボットによるリアルタイムサポート
また、AI搭載型CRMを導入するメリットとして、以下が挙げられます。
- データ分析の工数を削減し、戦略立案や顧客対応に集中できる
- 顧客ごとに最適化されたアプローチを実現できる
- 専門知識がなくても高度な分析や予測を活用できる
- 定型業務を自動化し、ワークフローを最適化できる
- 売上予測や意思決定の精度向上につながる
一方で、導入・運用時には以下の点にも注意が必要です。
- 部門ごとにデータが分散しているとAI活用の効果を最大化しづらい
- AIに学習させるデータによっては権利侵害リスクが発生する可能性がある
- AI機能だけでなく、継続的にデータを蓄積・整理する運用体制が重要となる
AI搭載型CRMを導入する際には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 顧客情報・行動履歴・商談履歴などを一元管理できる環境を整備する
- 自社の課題に合ったAI機能を搭載したCRMを選定する
- AI任せにせず、人による確認や運用ルール整備も行う
本記事で解説した内容を参考に、ぜひAI搭載型CRMの特徴や活用方法を理解し、自社の業務効率化や顧客体験向上につながるCRM選定・運用を進めてみてください。
