内勤営業と外勤営業、どちらを重視するべきか? – 成功につながるチーム構成とは

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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外勤営業か内勤営業か。一般的にこの2つの戦略は相対するものだと言われます。しかし、現在の市場において両者の役割は融合しつつあり、どちらも営業チームを構成するうえで欠かせないものになっています。

参考:
インサイドセールスとは?「働き方改革」の第一歩「訪問しない営業」が必要な6つの理由

内勤営業では、無駄なく高度に自動化されたアプローチを採用でき、一方の外勤営業では、顔を合わせた直接のコミュニケーションによる強みを活かすことができます。では、どちらの方法で市場を開拓すればよいでしょうか? 内勤営業と外勤営業の違いを探り、現代の営業チームにおいてそれぞれが果たす役割について考えてみましょう。

内勤営業と外勤営業がどのように違うかと言うと、内勤営業の担当者は主に非対面式での営業活動を行うプロフェッショナルであり、外勤営業の担当者は主に対面で商談をまとめるプロフェッショナルです。

米国の営業担当者570万人のうち、約47.2%が内勤営業、約52.8%が外勤営業に従事しています。

両者の境目があいまいになりつつあるというのは、本当なのでしょうか? また、Forbesの記事(英語)でも取り上げられていますが、内勤営業の内容は従来と変わらないのでしょうか? 

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    内勤営業と外勤営業の境界線があいまいに

    外勤営業の担当者が非対面式での営業活動に費やす時間は、就業時間のほぼ半分(45.4%)です。この割合は2014年に比べて88.4%伸びています。

    営業活動の内容や使用するツールは、内勤営業も外勤営業もほぼ同じです。両者の違いはそれほどありません。

    外勤営業が営業活動に費やす時間

    画像提供元:InsideSales.com(英語)

    しかし、日本の営業担当者は、働いている時間の25.5%を「ムダ」と感じているようです。これを金額に換算すると、年間で8,300億円の経済損失になります。

    日本の法人営業の無駄

    (出典:HubSpot 日本の営業組織に対する意識・実態調査

    「営業業務でムダと感じているもの」を複数回答形式で質問した結果は、以下のようになっています。

    1位 社内会議 33.9%
    2位 社内報告業務 32.4%
    3位 キーパーソンとの面会ができず再訪問 26.6%
    4位 日々の商談の移動時間 24.0%

    (出典:HubSpot 日本の営業組織に対する意識・実態調査

    なお、経営者に「インサイドセールス」について尋ねたところ、35.6%が「知っている」と回答しています。「知っている」と回答した経営者で、「すでにインサイドセールスを導入している」か「1年以内に導入予定」と答えたのは35.4%です。

    また、営業担当者のなかで「週に1日以上テレワークをする」と回答したのは18.4%と少なめでした。ところが、インサイドセールス導入企業に限定すると、その割合が39.7%に増えたのです。

    週に1日以上テレワークする法人営業担当者の割合(出典:HubSpot 日本の営業組織に対する意識・実態調査

    営業効率のムダが認識されているなかで内外勤営業の境界線が曖昧になり、営業に関する具体的な改善策やインサイドセールスの導入にはついては着手が進んでいないというのが、営業現場の現状といえるでしょう。
     

    内勤営業の強み

    外勤営業と比較した内勤営業の強みには、以下があります。

    • 営業効率が高まる
      外勤営業と違って移動時間がないため、時間を有効活用した営業活動が実現します。
    • 営業プロセスの短縮
      資料や上司の決裁がその場で確認できるため、営業プロセスを短縮できます。「すぐにでも回答が欲しい」とうような局面にも有利でしょう。
    • 営業手法の標準化
      マニュアルやツールを使えば、誰でも同じレベルの営業力で商談を進められます。外勤は営業担当によって成果が大きく異なるケースも少なくありません。

    内勤営業(インサイドセールス)をより効率的に行うためのツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

    インサイドセールスに必要な4種のツールとは?立ち上げ成功のカギを握る導入ステップ徹底解説
     

    外勤営業の強み

    内勤営業と比較した外勤営業の強みには、以下があります。

    • 顧客に安心感を提供できる
      各種情報や資料を現物で伝えられるのは、外勤営業の大きな強みでしょう。また、対面での商談は顧客に安心感を与えられるので、クロージングにも適しています。
    • 納品と代金の回収を同時に行える
      外勤営業なら、商談と同時に納品と代金回収が可能です。商品の購入を急いでいる顧客には、外勤営業に強みがあるでしょう。
       

    小規模企業では内勤営業担当者の割合が高い

    では実際に、内勤営業と外勤営業どちらの担当者をチームに迎えるべきでしょうか。なんとももどかしい答えですが「状況による」と言うほかありません。会社の成長段階や営業モデルに左右されるのです。

    InsideSales.comの調査によると、収益が5億ドル以上の大規模企業では、現在のところ外勤営業の担当者が多数を占めています(71.2%)。ただしInsideSales.comでは、内勤営業モデルや両者を組み合わせたハイブリッドモデルを採用する企業が増えるにつれ、この割合は低下すると考えています。


    内勤営業の担当者の割合が最も高いのは、収益が5,000万ドル以下の小規模企業です(47%)。そして興味深いことに、大規模企業の内勤営業担当者の割合は増加し続けており、2018年には内勤営業担当者が最大で4.9%増えると見込まれています。

    また、内勤営業の基礎知識やメリット、導入を成功に導くための方法を解説した無料ガイドをご用意していますので、ぜひご活用ください。
     

    内勤営業と外勤営業の最適なバランスとは

    2017年には、営業担当者のうち内勤営業担当者が43.5%を占めていました。しかしこの割合は、2019年には4.59%増加すると見られています。なぜなら、営業チーム内の内勤営業担当者と外勤営業担当者のバランスが50:50になるよう変化しつつあるからです。

    内勤営業担当者と外勤営業担当者のバランス

    画像提供元:InsideSales.com(英語)

    このような変化が続いているのは、ほぼ半々というのが理想的な割合だとほとんどの企業が考えているからです。

    データを見ると、企業が成長するにつれ、営業チームの構成に1つのパターンが生じることがわかります。関係志向の営業モデルで、取引額が32,000ドルを超える場合、いくつかの役割が特に活躍しているようです。

    InsideSales.comの調査によれば、外勤営業チームと営業開発チームが協力体制を築けている企業では、関係志向の営業モデルを最初から効率的に導入できていることがわかりました。また、収益の多い企業になると、アカウント対応の役割を分担して顧客サポートを強化する必要があるため、内勤営業チームと営業開発チームがそれぞれ大きな存在感を発揮します。

    また、マーケティングと連携したインバウンドの営業開発チームは、契約更新チームと強力に結び付き、アカウント管理チームをサポートします。そして、最も高い成長段階にいる企業では、これにチャネルプログラムが加わります。

    外勤営業と営業開発の協力体制

    画像提供元:InsideSales.com(英語)
     

    内勤営業と外勤営業の役割分担が重要

    内勤営業と外勤営業の強みは異なります。そのためどちらかを選択して導入、ではなく双方の強みを活かした役割分担を行い、内勤営業と外勤営業がスムーズに連携できる仕組みを整えることが大切です。

    営業効率が上がる内勤営業で顧客の興味度を高め、対面による安心感を与えられる外勤営業がクロージングを担当するなどの戦略を導入すれば、全体的な営業成績の向上も見込めます。
     

    販売報酬は内勤営業も外勤営業もほぼ同じ

    最高の人材を引き止めておくには、市場価値に見合う報酬を支払う必要があります。InsideSales.comの調査結果によると、米国の内勤営業担当者の基本給は平均42,833ドル、OTEは平均96,299ドルでした。

    営業部門の管理者は、外勤営業担当者の方が豊富な経験を積んでいると考える傾向にあるため、外勤営業担当者は高額の基本給を要求します。InsideSales.comの調査では、内勤営業担当者が多数を占める企業に比べて、外勤営業担当者が多数を占める企業では、基本給が36%高いことがわかりました。

    意外にも、OTEは外勤営業担当者が9.2%上回るだけでした。OTEには売上予想額が反映されるはずなので、実際には内勤営業も外勤営業とそれほど変わらない売上額をもたらしているようです。
     

    内勤型と外勤型それぞれのノルマ達成状況

    年間のノルマを達成している営業担当者はわずか60.9%でした。なんと、外勤営業担当者は、内勤営業担当者よりも平均で29.6%も高いノルマを課せられています。

    そして、営業担当者が売上目標を100%達成するのは確かに長い道のりですが、それほど悪い結果が出ているわけではありません。

    内勤営業担当者と外勤営業担当者、営業チームとマーケティングチームが、もっと緊密なコミュニケーションで協力体制を強化しながら(AIなどを活用して)生産性を向上すれば、将来の営業成績を大幅に引き上げることができるでしょう。

    多くの企業にとって、売上目標を達成できる可能性を高めるには、内勤営業と外勤営業の共同作業をサポートすることが欠かせません。役割(内勤か外勤か)に応じて担当地域を割り当てることもあるでしょうが、多くの企業では、内勤営業の担当者が自ら少額の取引をまとめつつ、主要な戦略的アカウントへの働きかけに関しては外勤営業担当者をサポートする立場に回っています。
     

    内勤型と外勤型の営業活動

    以前の記事(英語)で述べたように、営業というのは大変な仕事です。では、内勤営業と外勤営業のどちらの担当者がより多くの成果を挙げているのでしょうか。

    内勤営業担当者中心の営業チームは、外勤営業担当者中心のチームよりも、42.5%多く電話をかけ、10.2%多く留守番電話にメッセージを残し、8.8%多くEメールを送信しています。また、ソーシャルメディアにも力を入れていて、外勤営業担当者よりも49%多くの接点を得ています(18.1%対12.1%)。

    電話営業は有効な手段ではありますが、適切にアプローチしなければ相手に不快感を与えたり、営業担当者自身の気力をただ消耗してしまう可能性もあります。

    電話営業の適切な実施方法については、以下の記事をご覧ください。

    『電話営業つらい』は時代遅れ?トークスクリプトと話し方のコツ

    テレアポ新時代:見込み客を獲得して営業とつなぐインサイドセールス

    全体として、営業チームに内勤営業担当者が多い企業は、外勤営業担当者が多い企業よりも、ノルマ達成率が9.8%高くなっています。

    ただし、次のような点も考慮する必要があります。

    • 外勤営業担当者が中心の企業では、内勤営業担当者が中心の企業よりも、成約率が30.2%高い
    • 外勤営業チームが扱う契約の規模は、内勤営業チームが扱う契約の規模よりも、平均130.2%大きい
       

    取引志向と関係志向の営業モデル

    さて、ここまでの数字を見て、外勤営業の担当者を全員解雇しようという気持ちになってしまったかもしれませんが、これはあくまでも特定の環境下における営業活動の結果でしかないため、注意が必要です。

    たとえば、取引志向の営業モデルは金額が小さくセールスサイクルが短いため、内勤営業が向いています。金額が大きく(35,000ドル以上)セールスサイクルが長い関係志向の営業モデルでは、チームに外勤営業担当者がいた方が成果を見込めるでしょう。

    取引志向の営業モデル

    • 営業担当者は関係を築くことなく取引をまとめようとする
    • 意思決定者の人数が少ない(1~3人)
    • セールスサイクルが短い(90日以内)
    • 取引規模が小さい(35,000ドル以下)

    関係志向の営業モデル

    • 従業員数が多い企業(100人以上)に向いている
    • 多数の意思決定者(4人以上)との信頼関係の構築が必要
    • セールスサイクルが長い(90日以上)
    • 取引額が大きい(35,000ドル以上)

    そしてもう1つ、営業チームを構成するときには、必ず顧客のニーズを考慮してください。顧客はどのような連絡手段を好むでしょうか。どのようにすれば契約を結んでくれるでしょうか。電話越しに100万ドルの契約を結ぶことは可能でしょうか。それを決めるのは顧客をおいてほかにいません。

    個人的には、どの業種や業界、製品でも、フィールドセールスが必ずしも不可欠なわけではないと考えています。もちろん、フィールドセールスのモデルを重視している業界はありますが、だからと言ってそれが現在の市場に最適とは限りません。

    見たところ、変化のゆるやかな業界では外勤営業(フィールドセールス)が一般的なようです。たいていは、経営陣のだれかの「いや、私たちは今までずっとこのやり方で来たのだ」といった考えが、妨げとなっているのでしょう。こうした旧態依然とした体制から抜け出し、新しい概念を試せる余裕を持たなければなりません。

    現代の購買者は、ますますデジタルに強くなっています。私物をAmazonなどのウェブサイトで購入する機会が増えれば、自然と、B2Bの世界でも同じようなモデルがスムーズに機能することを期待するようになるでしょう。

    こうした購買者を迎え入れるために、デジタルの営業モデルをしっかりと確立しておく必要があります。つまり、チーム内に内勤営業の担当者が必要になるということです。
     

    最後に

    内勤営業と外勤営業を必ず成功へと導けるような、絶対の方法は存在しません。現在各社はさまざまな営業モデルに挑戦し、さまざまなチーム構成を試し、自社の製品や購買者や市場に適合するものを見つけようとしています。


    内勤営業部隊を育成するリソースがない、すぐにでも組織を構築したい場合などは、外注するのも1つの手段です。

    インサイドセールスの成功に繋がるテレマーケティングとは?代行会社ランキング&おすすめシステム紹介


    ぜひ皆さんの会社でも、ぴったりな方法を探してみてください。

    リモートで取り組む営業活動、インサイドセールスの概要についてご興味のある方は、下記の記事をご確認ください。

    インサイドセールスとは?なぜ注目されるのか、独自調査データを踏まえて解説

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