営業担当の皆さん、見込み客へのアプローチの仕方を見直す時がきました。
セールスにおいて、営業担当者が大きな力を持っていた時代は終わりました。今、焦点となっているのは購入者です。今日の見込み客は、営業担当者に引けを取らないほどの情報量を手にしています。そのため、営業担当者とやりとりする必要があるのは実際にプロダクトを購入したり、何か確認する必要があったりするときのみです。
皆さんはこの変化に適応する準備はできていますか? この「情報と裁量を兼ね備えた購入者」の新しい時代において、従来の営業戦略は効果を失いつつあります。コールドコールや単刀直入な売り込みは終焉を迎え、ウォームアウトリーチや関係構築が重要となってきました。
今日、営業担当者は、ハードセルの代わりに、営業側・購入側の双方にとって望ましい新しい営業テクニックを身につけ駆使していく必要があります。そこで今回は、この新しい時代に営業担当者が生き残っていくために、避けては通れないインバウンドセールス戦略から、5つのセールス術をご紹介したいと思います。
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新時代の営業はセールスではなく、手助けをする
インターネットの進化により、購入者は、プロダクトの基本情報を知るのに営業担当者を頼る必要はなくなりました。これにより、購入プロセスにおける営業担当者の役割は大きく変化しました。強引な売り込みは、十分な情報収集能力と裁量を持つ見込み客には通用しません。
新しい時代の営業担当者は、質問に答えたり、火急の問題に対処するソリューションについてブレインストーミングしたり、サービスやプロダクトについて詳しい確認をとったりして、見込み客をアシストします。見込み客が自社のプロダクトと競合他社のプロダクトの違いを知りたいと言えば、正直に答え、見込み客がそれぞれのオプションの相対的なメリットをよりよく理解できるよう助けます(関連記事はこちら:Always Be Closing Is Dead : How to Always Be Helping in 2016)。
手助けすることには、問題が起きたときに対処することも含まれます。成約後に問題が起きた場合、別のチームメンバーにまかせてしまう営業担当者もいますが、頼りになる担当者であれば、どんなときでも顧客から離れることはありません。顧客が購入内容に満足していなければ、問題を解決しようと尽力するのがインバウンドの営業担当者です。
次回、見込み客と話す際には、以下の5つの質問をして、見込み客のサポートに全力を尽くす用意ができていることをアピールしましょう。
- プロダクトに関して分かりづらい部分や確認したい点はありませんか?
- このプロダクトが最適かどうかを判断するために、何かお手伝いできることはありませんか?
- このプロダクトにどのような価値を期待されていますか?
- 弊社のサービスをより深く理解していただくために、何かできることはありませんか?
- 現在苦労している大きな問題は何ですか? それらを解決するのにこちらでお手伝いできることはありますか?
新時代の営業は、短期間ではなく、長期間の関係を構築する
これまでは、一旦見込み客が成約したら、それ以上営業担当者が関わることはありませんでした(次回に契約を更新するときまでは・・・)。
新しい時代の営業担当者は、これとはまったく違うアプローチをとります。今日のセールス環境において不可欠なのは、見込み客との関係構築です。作家のKen Cook氏は、これについて、「関係が非常に重要であるのは、セールスが進化を遂げたためだ。21世紀において、セールスが成功するかどうかは、ソリューションよりもまず信頼にかかっている」と述べています。
そしてこの「関係」は、最初のコンタクトから築かれなければなりません。以前はコールドコールという、ほとんど取っ掛かりのない状態からコネクションを作ることが提唱されていました。しかし、営業担当者の実に64%が、コールドコールは過去3年間全く改善されていないと述べています(関連記事はこちら:How A Modern Sales Team Can Beat The Competition With Relationships [Infographic])。
今日のインバウンドセールスでは、営業担当者は、電話を手にする前に、見込み客について調査し、オンラインでエンゲージし、ラポール(相互信頼)を構築する糸口を探します。そして関係が構築されたときにのみ、プロダクトを紹介します。
以下は、見込み客と関係を築くための、3つの簡単な方法です。
- ソーシャルメディアでエンゲージする。LinkedIn、Twitter、Facebookなどで会話し、馴染みになれば、つながりを育みやすくなります。
- 多くの質問をする。相手のことを知りましょう。「景気はいかがですか?」という通り一変の質問だけでなく、家族やスポーツ、天気、関心事、趣味、目標など、関係構築に役立ちそうなありとあらゆるトピックについて質問してみましょう(関連記事はこちら:見込み客の悩みを聞き出したいセールス担当者に役立つ100の質問)。
- 頻繁にフォローアップする。2~3週間に1回、「お元気ですか?」とメールを送ることで、個人的な絆が築かれます。定期的なコミュニケーションは、ラポールの構築に役立つだけでなく、常に頭の片隅に記憶しておいてもらうのに有効です。
新時代の営業はプロダクトではなく、戦略を売る
見込み客には、事業全体における計画や目標があります。見込み客がそれらの目標を達成できるようにサポートするのは、営業担当者である皆さんの仕事です。言い換えれば、新しい時代の営業担当者は、単にプロダクトを提供するだけでなく、事業戦略を提供できる必要があるのです。
今日の営業担当者にとって最も重要なのは、見込み客や顧客の問題を解決することです。単にプロダクトを提供するだけでなく、目標を達成するための戦略に関するアドバイスも提供します。見込み客にアプローチする際は毎回、その見込み客が次の素晴らしい導入事例(ケーススタディ)になるかも知れないという心づもりでアプローチしてください。
開発面や戦略面でサポートするためには、見込み客の、事業レベル・個人レベル両方における現在の状況と、今後どうしていきたいのかというビジョンを理解することが重要です。課題、目標、夢などについて率直な意見を聞き出すには、自由に応えられるような質問を投げかけましょう。
- 見込み客の市場を分析し、改善の機会を探る
- 新しい施策で成功をおさめた企業の要旨や導入事例(ケーススタディ)を共有し、フィードバックを尋ねる
- 目標に向かって確実に進めるよう、定期的に電話でフォローアップする
新時代の営業は台本ではなく、自分の言葉で話す
すべての見込み客に対して同じ台本を使うコールドコールは、関係構築の方法としてもはや効果的ではなくなりました。今や購入者は、すべてのやりとりにおいて、パーソナライゼーションやカスタマイゼーションを期待しています。
今日の購入者とラポールを構築するには、信頼を得ることが不可欠です。そして信頼を得るための最善の方法は、ひたすら誠実であることです。事実、Brian Tracy氏によれば、セールスの成功のうち、最大80%が、その営業担当者のパーソナリティーに起因しているそうです。
自分のパーソナリティーを出していくためにはどうすれば良いのでしょう? 答えはシンプルです。
台本を使わないこと。
見込み客について調査し、相手に合ったプレゼンテーション資料を作成して、他の営業担当者がこぞって使うようなセールスピッチの台本は捨ててしまいましょう。そうすれば自然とパーソナリティーが出てきます。ときには脇道に逸れて、ビジネスだけでなく見込み客と個人的なレベルでつながるチャンスを逃さないでください。
新時代の営業は押し付けるのではなく、導く
インバウンドセールスにおいて、営業担当は時間をかけて見込み客のニーズを調査し、購入者の課題や目標に心から関心を持ちます。新時代の営業担当者は、単にプロダクトを売り込むのではなく、見込み客が事業にとって最善のソリューション――それが自社のプロダクトであれ、他社のものであれ――を手に入れられるよう、ガイダンスやオプションを提供することに心を砕きます。
HubSpotセールス部門のVPであるPete Caputaは、営業担当者は「受け取る以上に差し出すべきである」と述べています。
次回の営業訪問では、見込み客のために3つオプションをリストアップしてください。1つ目は自社のプロダクト、2つ目は競合他社のプロダクト、3つ目は現状維持です。各オプションのメリット・デメリットと長期的に事業にもたらす影響を客観的に話し合います。自社のプロダクトを褒めちぎるのではなく、見込み客が持つすべての選択肢を提示し、信頼を獲得した上で、意思決定をしてもらいます。
新時代の営業はアウトバウンドではなく、インバウンド
アウトバウンドの営業担当者が、もはや効果のない時代遅れのコールドセールスにしがみついている一方、インバウンドの営業担当者は上記の行動を身につけ、新時代の購入者に応えています。インバウンドの営業担当者は、古い閉鎖的なセールス術を自動化する代わりに、セールスのやり方自体を一新しています。
インバウンドの営業担当者は、これらの新しいセールス術をすでに会得しています。セールスファネルに入るすべての見込み客に対して、自分自身として接し、サポートを申し出て、長期的な関係を築き、戦略面で支援し、ガイダンスやオプションを提供しているのです。
今日の購入者によりよく応えるために、営業担当者はどうすべきだと思いますか? コメント欄で皆さんの意見をお聞かせください。
編集メモ:この記事は、2015年11月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。 Mike Renahanによる元の記事はこちらからご覧いただけます。