セールステックとは?注目の背景と8カテゴリー・代表ツールを解説

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池村真澄
池村真澄

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セールステックとは?注目の背景と8カテゴリー・代表ツールを解説

📋 この記事の要点

  • セールステックとは、営業(Sales)・技術(Technology)からできた造語で、ITにより営業活動を効率化・生産性向上させる手法やツールの総称
  • 注目される背景には、営業人材の不足、顧客の情報収集手段の変化・働き方の多様化、データに基づく営業への転換という構造的な変化がある
  • 代表的なカテゴリーは、SFA・セールスイネーブルメント・CRM・顧客体験・顧客コミュニケーション・カスタマーサポート・BI・コーチングの8分類に整理できる
  • ツール選定では「機能の多さ」ではなく「自社の課題に効くか」「現場が使いこなせるか」が判断軸になる
  • 導入は課題の棚卸しと費用対効果の試算を行ったうえで、スモールスタートするのが失敗を避ける最短経路

この記事は14分で読めます

営業活動にIT技術を合わせたセールステックを活用することで、業務の効率化と営業成績の向上が実現できます。ただし、闇雲に導入しても効果は期待できないため、課題の棚卸しを行ったうえで、費用対効果の試算をもとにスモールスタートで導入するのがおすすめです。

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    本記事では、セールステックによる営業のデジタル化に興味を持っている人に向けて、セールステックとは何か、代表的なカテゴリーとツールの種類、成功事例から導入時におさえておきたいポイント、使いこなすために必要なスキルまで詳しく解説します。

    セールステックとは?

    セールステック(Sales Tech)とは、ITによって営業活動を効率化し、生産性を高める手法・ツールのことです。営業(Sales)・技術(Technology)からできた造語です。ITツールやAI、ビッグデータ分析などの最新テクノロジーを活用して営業プロセスをデジタル化し、データドリブンな営業の実現を目指します。

    セールステックの代表的なツールは、SFA(営業支援)やCRM(顧客関係管理)などです。これまでは欧米を中心に広まっていたセールステックですが、近年は日本でも導入が進んでいます。

     

    セールステックが注目されている背景

    セールステックへの注目は、数字にも表れています。株式会社xenodata lab.の予測によると、国内のセールステック市場規模は2030年までに6,030億円超に達する見込みです。この成長を後押ししているのは、営業現場で起きている3つの構造的な変化です。人材不足による生産性向上の必要性、顧客の情報収集プロセスの変化、そしてデータに基づく営業活動への転換。それぞれについて、順に見ていきます。

    セールステックが注目されている背景

    出典:セールステック業界の2030年AI予測レポート

     

    人材不足・働き方改革により、生産性の向上が求められている

    セールステックが注目される大きな要因に人材不足が挙げられます。人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」の調査では、人材不足を感じる企業の34%が、「営業職が不足している」と回答しました。

    また、近年はワークライフバランスを重視する働き方改革によって残業時間を削減するような取り組みも増えています。限られた人員と時間で効率よく成果を出すための施策として、セールステックの導入が検討されるようになってきました。

     

    情報収集の手段・働き方の多様化に対応する必要がある

    時代にあわせて見込み客と接点を持つ場所が、対面営業や対面セミナーからオンライン営業やオンラインセミナーへと広がりました。同様に、リモートワークの普及により働き方のスタイルも多様化しています。

    買い手側の意識も変化しています。「日本の営業に関する意識・実態調査2026」では、買い手が好ましいと考える営業スタイルについて、非訪問型の営業の方が好ましいと回答した方が26.8%となり、増加傾向が見られました。

    情報収集の手段・働き方の多様化に対応する必要がある01

    さらに、買い手の36.7%が「購買検討時に生成AIを活用したことがある」と回答するなど、この1年で情報収集の手段として生成AIが深く関与していることがわかります。

    情報収集の手段・働き方の多様化に対応する必要がある02

    多様化した営業スタイルと買い手の情報収集の手段の変化に対応し、見込み客との適切なコミュニケーションと営業組織のマネジメントを両立させるためにも、セールステックが求められています。

    日本の営業に関する意識・実態調査2026データ集 無料ダウンロードする→

     

    データに基づく営業への転換が進んでいる

    従来の営業は、担当者個人の経験や勘に依存する部分が大きいものでした。しかし、セールステックの普及により、商談の進捗や顧客の反応がデータとして蓄積され、属人化していた営業ノウハウを組織の資産として活用できるようになりました。

    近年はここにAI機能が加わり、蓄積されたデータをもとに次のアクションを提案する仕組みも実用化されつつあります。

    実際に「日本の営業に関する意識・実態調査2026」からは、直近1年の営業職における生成AIの活用率が、28.9%から43.4%に拡大したという結果が示されました。

    データに基づく営業への転換が進んでいる

    さらに、有料版生成AIツールへの投資に対しても、45%が「高いリターンがある」と回答するなど、データに基づく営業が、明確な成果につながっていることがうかがえます。

     

    セールステックの代表的な8つのカテゴリー

    セールステックには、目的の異なるさまざまなツールがあります。代表的な8つのカテゴリーと目的は次の通りです。

    カテゴリー 主な目的

    SFA(営業支援)

    営業活動の効率化・生産性向上

    セールスイネーブルメント

    営業活動を総括的に改善

    CRM(顧客関係管理)

    顧客との良好な関係性の構築

    顧客体験

    顧客ロイヤルティの向上・リピーター創出        

    顧客コミュニケーション

    顧客とのコミュニケーションの促進

    カスタマーサポート

    顧客満足度の向上

    データ分析・可視化(BI)

    課題の抽出

    コーチング

    営業職の育成・教育

    自社の課題に最も近いカテゴリーから着手することが、導入後の定着と成果につながります。顧客情報の分散が課題ならCRM、商談進捗の不透明さが課題ならSFAが出発点の候補になります。

    ここからは、各カテゴリーの詳細と代表的なツールについて解説していきます。

     

    SFA(営業支援)

    営業支援(SFA)は、営業活動を効率化させるための支援ツールです。幅広い分野をカバーしているのが特長です。

    案件管理、商談の進捗状況の把握、見積書や請求書の作成、売上の予測、情報の共有など、さまざまな機能を備えています。

    SFAを選定する際は、選択形式で入力できるものや社員ごとのカスタマイズに対応しているものなど、現場が使いやすくスムーズに導入できるツールを選ぶと良いでしょう。

    【SFAツールの例】

    • Sales Hub
    • Salesforce Sales Cloud
    • Senses
    • GENIEE SFA/CRM
    • eセールスマネージャー

     

    セールスイネーブルメント

    セールスイネーブルメントは、営業活動を改善し、強化するための取り組みです。営業研修やツール導入、マネジメントなどの施策を一貫して行うことで、営業の効率化や生産性の向上を図ります。

    セールスイネーブルメントツールを導入する際は、目的別に選定すると効果が表れやすくなります。例えば、商談の工数削減が目的であれば、商談内容の書き起こしに強みのあるツールを選びましょう。

    なお、近年は、商談内容の自動書き起こしと解析にAIを活用するツールが主流になりつつあります。議事録が自動で作成されることで、確認の負担が少なくなりフィードバックを効率的に行えます。

    【セールスイネーブルメントツールの例】

    • amptalk
    • ailead
    • Sales Doc
    • MiiTel
    • ACES Meet

     

    CRM(顧客関係管理)

    CRM(顧客関係管理)は、「顧客とのやりとりの情報を集約して管理する」という概念で、企業と顧客の関係性の可視化や向上を図るためのツールです。

    CRMは、セールステックのなかでも代表的なものとして認識されています。IT専門調査会社IDC Japan株式会社の国内CRMアプリケーション市場予測によると、2023年の国内CRMアプリケーションの市場規模は2,497億8,600万円を超えており、2028年には3,950億8,200万円になると予測されていることから、今後も各企業で導入が推進されると考えられます。

    CRMを導入する際は、ツール導入の目的を明確にし、目的に見合ったものを選定するようにしましょう。例えば、業務効率化を目的とする場合、操作しやすいツールを選ぶと効果的です。

    【CRMツールの例】

    • HubSpot CRM
    • Salesforce Sales Cloud
    • Zoho CRM
    • Synergy!
    • Mazrica Sales

     

    顧客体験

    顧客体験は、購買プロセスの体験に付加価値を付け、顧客ロイヤルティの向上や継続利用へつなげるものです。具体的には、Webサイト訪問者へのポップアップ表示や、システム上のガイド機能などが該当します。

    顧客体験ツールを導入する際は、費用対効果を確認しましょう。プラン設定が多かったり、オプション費用が発生したりするので、十分に考慮する必要があります。

    【顧客体験ツールの例】

    • KARTE
    • WalkMe
    • Chat Plus
    • Repro
    • Pendo

     

    顧客コミュニケーション

    顧客コミュニケーションのツールは、顧客とコミュニケーションを取り、関係性を醸成することを目指すツールです。

    オンライン商談システムやコールセンターシステムが代表例で、ツールによっては通話内容を解析して適切なアクションを提示する機能を持つものもあります。

    顧客コミュニケーションツールの接続方式は、「URL接続」「ナンバー接続」の2つに分類できます。オンラインに慣れた顧客には、商談用URLにアクセスしてもらうURL接続を、オンラインに不慣れな顧客や新規顧客には、電話などで専用の接続番号を伝えてツールに接続してもらうナンバー接続と使い分けましょう。

    【顧客コミュニケーションツールの例】

    • ベルフェイス
    • どこでもSHOWBY
    • meet in
    • BIZTEL
    • Aircall

     

    カスタマーサポート

    カスタマーサポートは、顧客満足度や継続率の向上を目的としたセールステックです。

    FAQサイトの構築・管理、ヘルプデスク最適化、問い合わせの一元管理などの機能が備わっています。近年は、AIチャットボットによる一次対応の自動化も一般的になりました。

    カスタマーサポートツールは、チャネルを基準に選ぶのがポイントです。電話、メール、SNSなど多種多様なチャネルがあるため、自社で扱っているチャネルに対応したツールを選ぶ必要があります。

    カスタマーサポートの分野は前述のCRMでカバーできることもあるので、CRMツールも選択肢に入れておくと良いでしょう。

    【カスタマーサポートツールの例】

    • Zendesk
    • Freshdesk
    • Helpfeel
    • 楽楽自動応対
    • Tayori

     

    データ分析・可視化(BI)

    データ分析・可視化(BI)は、顧客行動や営業活動を定量分析し、改善・強化するセールステックです。顧客の課題を抽出する、次に取るべきアクションを支援するといった機能が搭載されています。

    BIツールの導入形態は、「クラウド」、「デスクトップ」、「オンプレミス」の3つに分けられます。小規模にはじめたい場合はクラウド型、個人ですぐに使いたい場合はデスクトップ型、全社的にデータ管理をしたい場合はオンプレミスがおすすめです。

    BIツールを導入する際は、得られたデータを読み解き、仮説や戦略を立てられる情報リテラシーを持った人材を確保しておきましょう。

    【BIツールの例】

    • データポータル
    • Power BI
    • Tableau
    • MotionBoard
    • Domo

     

    コーチング

    コーチングは、営業担当者の教育・育成を担うセールステックです。オンライン教育システム、マニュアル共有アプリケーションが該当します。

    教える側と教わる側が双方向にコミュニケーションを取れるツールを導入すれば、営業担当者が主体的に学ぶきっかけになります。

    コーチングツールを導入する際は、操作性を重視しましょう。教える側と教わる側、双方にとって使いやすいインターフェースになっているかが大切です。

    【コーチングツールの例】

    • CommercialTribe
    • TANREN
    • Teachme Biz
    • UMU
    • AmiVoice RolePlay

     

    セールステックを導入した成功事例

    ここからは、セールステックの導入により課題解決につながった企業を紹介します。自社の課題解決のヒントとして把握しておきましょう。

     

    株式会社マネーフォワード|オペレーションの効率化と最適化を実現

    クラウド会計ソフト「マネーフォワード」で知られる株式会社マネーフォワードは、2020年に、各種クラウドツールを代理販売するサービス「マネーフォワード クラウドStore」を開始します。

    世間の働き方改革に対する意識の高まりが後押しとなりサービスは拡大したものの、取引情報の管理が課題となっていました。スプレッドシートでの管理では一元化ができず、運用が属人化し、月次経常収益の数値が正しく算出されない状態だったのです。

    そこで、HubSpotのOperations Hubを導入したところ、売上管理のミスがなくなり、資料作成の時間も3分の1ほどに削減されました。各担当者の意識の高まりにともない売上も向上し、前年度の同時期に比べて3.5倍の成長を実現しています。

    参考:HubSpot導入事例_株式会社マネーフォワード

     

    パナソニック インダストリー株式会社|アナログ・デジタルのハイブリッドで顧客体験を向上

    電子部品を扱うパナソニック インダストリー株式会社は、顧客のもとに通い信頼関係を築く営業スタイルに強みを持つ企業です。

    営業DXの推進にあたり直面したのが、顧客情報の一元管理でした。顧客情報や受発注データが担当者ごとに管理されていたため情報共有がスムーズに行えず、営業活動の遅れにつながっていました。

    そこで、顧客情報をまとめて集約し活用できるよう、Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubを導入します。その結果、インサイドセールスからメルマガを配信して商談につなげられるようになり、より多くの顧客との接点が増えました。

    セールステックの活用によって従来の対面営業だけでは得られなかった成果を挙げた好例です。

    参考:HubSpot導入事例_パナソニック インダストリー株式会社

     

    セールステックの導入時に知っておくべきこと

    セールステック導入を検討するときは、「今の組織で使いこなせるのか?」という観点が大切です。

    課題を解決できる機能があるか、実績があるツールであるかといった点も重要ですが、セールステックを使うのは現場の営業担当者である点を疎かにしてはいけません。

    導入を成果につなげるためにも、マネジメントルールを統一し、試行錯誤を繰り返しながら組織全体で取り組みましょう。

    また、セールステックを使いこなすためのカスタマーサポートの存在も重要です。導入時はもちろん、導入後にツールを定着させるための支援も行っているかどうかも選定基準に加えると、自社に適したセールステックを選びやすくなるでしょう。

     

    セールステックを使いこなすために求められるスキル

    セールステックで得られる効果を高めるには、使い手側のスキルも重要です。ここからは、セールステックを使いこなすために求められる3つのスキルについて解説します。

     

    デジタル分野の知識・スキル

    セールステックは、実際に営業を行う現場で活用して初めて効果が得られます。特にCRMやSFAは便利なツールですが、現場で正しく使いこなせないために、導入しても定着しなかった事例は少なくありません。

    研修や段階的な導入などによって、着実に知識とスキルを習得できる環境を整えましょう。

     

    コミュニケーション・ヒアリングのスキル

    セールステックを使いこなせたとしても、実際の営業の現場では人にしかできない部分が存在します。

    見込み客や既存顧客と関係性を強めていくには、対面や電話でのコミュニケーションが欠かせません。セールステックによって営業が効率化される分、人でしか対応できない作業への注力が必要です。

     

    データの読解力・判断力

    セールステックの導入により、顧客や商品、サービスに関するデータが大量に蓄積できるようになります。AIが分析結果や次のアクションを提示してくれる時代であっても、どの提案を採用し、どう行動に移すかを決めるのは人の役割です。

    データを読み解き、判断する力の重要性は、むしろ高まっているといえるでしょう。

     

    使いこなせるセールステックの選定とスモールスタートが成功の鍵

    セールステックを活用することで、業務の効率化と営業成績の向上が期待できます。効果をあげるには、導入時に課題の棚卸しを行ったうえで、次のポイントに留意しましょう。

    • 課題を解決できる機能があるか
    • 実績があるツールか
    • 自社で使いこなせるかどうか

    セールステックには多様なカテゴリーがあり、選択に迷うかもしれません。自社に最適かを見極めるには実際に使ってみるのが一番です。スモールスタートで、実際の使用感や費用対効果を検証しながら進めることが失敗を避ける近道になります。

    HubSpotでは、CRM・SFA・カスタマーサポートなど各種ツールを提供しており、無料プランからスモールスタートできます。部門をまたいで顧客データを統合したい場合も、必要な製品を組み合わせて段階的に拡張することが可能です。

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    セールステックに関するよくある質問

    セールステックとCRM・SFAはどう違いますか?

    セールステックは、営業活動にITを活用する手法・ツールの総称であり、CRMやSFAはその中に含まれる代表的なカテゴリーの1つです。セールステックにはこのほか、セールスイネーブルメント、カスタマーサポート、BI、コーチングなど複数のカテゴリーが含まれます。

     

    セールステックは何から導入すべきですか?

    セールステックを導入する際は、まずは自社の課題を棚卸しし、最も影響の大きいボトルネックに対応するカテゴリーから始めましょう。顧客情報が分散して共有できていない場合はCRM、商談の進捗が見えない場合はSFA、営業担当者間の成果のばらつきが課題ならセールスイネーブルメントが該当します。無料版やトライアルを使い、スモールスタートすると失敗しにくくなります。

     

    中小企業でもセールステックは導入できますか?

    中小企業でもセールステックは導入できます。近年は無料プランや低価格帯のプランを提供するツールが増えており、初期投資を抑えた導入が可能です。中小企業の場合は、高機能な製品を選ぶよりも、専任担当者がいなくても運用できる操作性や、複数機能が統合されているかどうかを重視すると定着しやすくなります。

     

    セールステックを導入したのに定着しない主な原因を教えてください。

    セールステックが現場に定着しない主な原因は、導入目的が曖昧なまま進めたこと、現場の業務フローに合っていないこと、入力の手間が現場の負担になっていることの3つです。 導入前に現場へのヒアリングを行い、入力項目を必要最小限に絞り、導入後の定着支援を提供しているベンダーを選ぶと定着しやすくなります。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

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