チャットサポートとは?仕組みの分類からAI活用まで徹底解説

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磯野 留以(いその るい)
磯野 留以(いその るい)

最終更新日:

この記事の要点

  • チャットサポートとは、Webサイトやアプリ内でAIチャットボットや有人オペレーターが顧客からの問い合わせにリアルタイムで対応する、カスタマーサポートの仕組み。
  • チャットサポートは、電話やメールよりも迅速に顧客対応しやすいチャネルとして注目されており、生成AIやAIエージェントの進化によって活用の幅が大きく広がっている。
  • 2026年現在のチャットサポートは、「ルールベース型」「生成AIチャットボット」「有人チャット」「ハイブリッド運用」「AIエージェント」などに分類され、それぞれ得意分野や役割が異なる。
  • 生成AIチャットボットやAIエージェントを活用することで、問い合わせ対応の自動化、解決率向上、顧客体験の個別最適化、運用コスト削減などが期待できる。
  • 一方で、回答精度不足による顧客離脱やハルシネーション、エスカレーション設計の難しさなどの課題もあるため、AIとオペレーターの役割分担やナレッジ整備が重要となる。
  • チャットサポート導入を成功させるには、CRM連携による顧客理解、継続的なナレッジ改善、KPIの見直しなどを行い、「導入して終わり」にしない運用体制を構築することが重要。

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チャットサポートとは?仕組みの分類からAI活用まで徹底解説

カスタマーサポートに問い合わせる顧客は、できるだけ早く解決したいと考えるのが一般的です。

しかし、電話対応ではコールセンターの処理能力に限界があり、待ち時間が発生することは珍しくありません。また、メール対応で大きなタイムラグなく返答できる仕組みを構築することも容易ではないでしょう。

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ウェブサイトの訪問者とリアルタイムにやりとりすることで、コンバージョン率や顧客サポートが向上します。

  • ウェブサイト訪問者にリアルタイムに対応
  • 煩雑なタスクをチャットボットで自動化
  • 必要な情報をチームで共有
  • 外出先でもチャットに対応

顧客の「すぐに解決したい」という要望を満たす手段として、「チャットサポート」の導入がおすすめです。

チャットサポートを導入することにより顧客からの問い合わせに素早く対応でき、顧客満足度の向上が期待できます。問い合わせに対応する企業側にとっても、サポート業務の効率化が可能です。これらのメリットを発揮するには、チャットサポートの仕組み、メリットとデメリット、注意点をしっかり理解した上でカスタマーサポートの業務設計を行う必要があります。

本記事では、チャットサポートの概要、メリット、代表的なツール、自社に合ったチャットサポートシステムの選定方法を解説します。

 

カスタマーサポートにおけるチャットサポートとは?

チャットサポートは、Webサイトやアプリ内でAIチャットボットや有人オペレーターが、顧客からの問い合わせにリアルタイムで対応するカスタマーサポートの仕組みです。

顧客が商品やサービスについて問い合わせを行う場合、主なチャネル(顧客接点)としては電話とメールが挙げられます。これらはカスタマーサポートが顧客の意見を聞き、問い合わせ内容を解決したりVOC(Voice of Customer)として商品・サービスの改善に活かしたりするために重要ですが、顧客視点としては「電話だとつながりにくい」「メールはすぐ返ってこない」といった使いづらさがあります。

電話やメールよりも問い合わせの障壁が低く、顧客がアクセスしやすいチャネルとして「チャットサポート」が注目されています。

チャットサポートは主にWebサイトの特定ページや右下などに表示され、顧客の任意のタイミングでの問い合わせが可能です。企業としては、有人対応を行うことはもちろん、AIチャットサポートを導入することで即時回答が可能となります。
カスタマーサポートの主な3つのチャネルについて、特徴を表にまとめました。

チャネル

対応の柔軟性

回答の早さ

心的ハードル

課題解決への期待

電話

最もきめ細かな対応が可能

つながれば迅速に回答を得られる

  • 営業時間内に限られ、ハードルは高め
  • 混み合うことがあり、すぐにつながる期待感は低い

問題の解決を大いに期待

メール

1回のやり取りでの柔軟性に限界

数日かかることもある

いつでも問い合わせできるが、迅速性への期待は低い

期待は薄め

チャット

きめ細かな対応が可能

迅速に回答を得られる

いつでも問い合わせができる

解決をある程度期待

電話で問い合わせる場合、オペレーターにつながれば柔軟な対応が可能です。しかし電話窓口には受付時間が設けられていたり、電話自体が繋がりにくい場合もあります。また、メールはいつでも問い合わせできますが、回答を得るための待ち時間が発生します。

チャットサポートの場合は、顧客からの問い合わせをWebサイト上でリアルタイムに対応できます。チャットサポートを利用して、顧客の問い合わせに素早く、そして柔軟に対応することで、電話とメールのそれぞれのメリットを同時に顧客に提供できるのです。
 

【無料で利用可】チャットサポートシステムの導入イメージ

チャットサポートシステムを導入する多くの場合、Webサイトの特定ページの右下に追従ボタンを表示し、問い合わせをしたい顧客がすぐに利用開始できるようにしています。

HubSpotでは、無料で利用可能なチャットツールを提供しており、次のような画面で利用できます。

無料で使えるWeb(ウェブ)チャットツール|HubSpot(ハブスポット)

無料で使えるWeb(ウェブ)チャットツール|HubSpot(ハブスポット)

まず、HubSpotのWebサイトにアクセスすると、上の画像のように、「画面右下にチャットアイコン」が表示されます。画面右下のアイコンをクリックすると、以下のようなチャットウィンドウが開きます。

「画面右下にチャットアイコン」が表示されます

チャットサポートでは、まずチャットボットが問い合わせ内容を確認します。問い合わせ内容が「無料版を利用してみたい」場合には、アカウント登録の画面へのリンクが瞬時に表示され、実作業に誘導できます。この場合には、問い合わせ開始から誘導まですべてチャットボットが対応します。

また、問い合わせ内容が複雑な対応では、下の図のように「担当者と話したい」という選択肢が用意されています。担当者へ引き継ぐ前にチャットボットがいくつか質問し、問い合わせの概要を把握しておくことで、担当者はすぐに本題から対応を始められます。

チャットサポート

上記のウェブチャット機能は、専門知識がなくても簡単に実装できます(気になった方は、こちらから気軽に試してみてください) 。
 

チャットサポートの仕組みは5つに分類できる

2026年現在、チャットサポートは単純な「自動応答」だけでなく、生成AIやAIエージェントの登場によって大きく進化しています。

現在のチャットサポートは、大きく次の5つに分類できます。

  • ルールベース型チャットボット
  • 生成AIチャットボット
  • 有人チャット
  • ハイブリッド運用(AI+有人)
  • AIエージェント

それぞれ特徴や得意分野が異なるため、自社のサポート体制や問い合わせ内容に応じて使い分けることが重要です。
 

ルールベース型チャットボット

ルールベース型チャットボットは、事前に設定したシナリオや条件分岐に沿って回答を行うチャットサポートです。「シナリオ型」「選択肢型」などと呼ばれることもあり、あらかじめ想定された質問に対して、決められた回答を返します。

例えば、特定の銀行の口座振替について問い合わせる顧客に対し、以下のように選択肢を順番に提示します。

  • 支払い方法を変更したい
  • 口座振替が可能か知りたい
  • 支払いに対応している銀行か知りたい

顧客は上記の順番に選ぶことで「〇〇銀行による口座振替ができます」という情報にたどり着けます。

ルールベース型は、FAQや手続き案内など、問い合わせ内容が定型化されている業務と相性が良い点が特徴です。

一方で、想定外の質問や複雑な相談への対応は苦手であり、精度を高めるには事前のシナリオ設計やメンテナンスが必要になります。
 

生成AIチャットボット

生成AIチャットボットは、大規模言語モデル(LLM)を活用し、顧客が入力した自然な文章を理解して回答を生成するチャットサポートです。従来のルールベース型とは異なり、あらかじめ決められた選択肢だけではなく、顧客の文章全体を分析して柔軟に回答できます。

主な特徴は次の通りです。

  • 自然な会話形式で対応できる
  • 表現の違う質問にも柔軟に回答できる
  • FAQやマニュアル、社内ナレッジと連携できる
  • 多言語対応や24時間対応を行いやすい

近年では、企業独自のFAQやマニュアルを参照しながら回答する「RAG(検索拡張生成)」を組み合わせた運用も一般的になっています。

一方で、生成AIは誤情報を正確な情報かのように回答する「ハルシネーション」と呼ばれる現象が起きるリスクがあるため、重要な案内や複雑な問い合わせでは、有人確認や回答制御が必要になるケースもあります。
 

有人チャット

有人チャットは、オペレーターがリアルタイムで顧客対応を行うチャットサポートです。チャットボットとは異なり、個別事情を考慮した柔軟な対応ができるため、複雑な相談やクレーム対応、高額商材の問い合わせなどに適しています。

また、顧客の感情をくみ取りながら対応できる点も、有人チャットの大きな強みです。

一方で、問い合わせ件数が多い場合は待ち時間が発生しやすく、オペレーターの人件費や教育コストも必要になります。

さらに、電話やメールとは異なる「チャット特有のコミュニケーション」が求められるため、簡潔かつ丁寧に対応するためのトレーニングも重要です。
 

ハイブリッド運用

ハイブリッド運用は、AIによる自動対応と有人チャットを組み合わせる運用方法です。

例えば、最初の問い合わせはチャットボットが対応し、内容が複雑になった場合のみオペレーターへ引き継ぐことで、対応品質と業務効率の両立を図れます。

具体的には、次のような運用が一般的です。

  • よくある質問はAIが自動回答
  • 契約変更やトラブル相談は有人対応へ切り替え
  • AIが事前に問い合わせ内容を整理してオペレーターへ共有

この方式では、オペレーターがゼロから状況を確認する必要がなくなるため、対応時間の短縮や顧客満足度向上が期待できます。
 

AIエージェント

AIエージェントは、生成AIを活用しながら、単なる「回答」だけでなく「問題解決」まで自動化する仕組みです。

例えば、従来の生成AIチャットボットでは、

  • 配送状況を確認したい
  • パスワードを再設定したい
  • 予約を変更したい

といった問い合わせに対して、「操作方法の案内」を行うケースが一般的でした。

一方、AIエージェントでは、外部システムと連携することで、

  • 実際に配送状況を取得する
  • パスワード再設定を実行する
  • 予約内容を変更する

といった処理そのものを自動で行える場合があります。

なお、生成AIチャットボットとAIエージェントの境界は明確ではなく、製品やベンダーによって定義も異なります。一般的には、「質問への回答」を中心とする生成AIチャットボットに対し、「業務処理や課題解決まで実行できる」点が、AIエージェントの特徴として位置付けられることが多くなっています。

HubSpotでは、24時間の迅速サポートや信頼性の高い回答、ミーティングの設定など高度な対応も行える「Breeze顧客対応エージェント」を提供しています。

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チャットサポート導入のメリットは?

本章では、企業の立場から見たチャットサポート導入のメリットを解説します。
 

1. 有効な問い合わせを多く収集できる

顧客にとって、チャットサポートは「画面遷移が少なくて済む」「入力の手間が少ない」などの特性により、電話やメールよりも比較的問い合わせのハードルが低いチャネルです。

そのため、サイレントユーザーと呼ばれる「商品やサービスについて気になってはいるが問い合わせまで考えていなかった顧客」と接点を持てる可能性が高くなります。
 

2. 顧客の待ち時間短縮

チャットサポートの導入により、電話やメールでは避けられない「問い合わせまでの待ち時間」「回答までの待ち時間」を短縮可能です。

また、一般的にチャットサポートを利用する人は、インターネット利用に抵抗が少ない傾向があるため、参考URLを示すだけでユーザー自身で解決できる場合があります。オペレーターの作業負荷が軽減できるだけでなく、迅速かつ的確な回答により顧客満足度向上に貢献できます。
 

3. サポート内容・履歴のデータベース化

チャットサポートでの顧客とのやり取りを蓄積することにより、コミュニケーション履歴をナレッジベースとして活用できます。

電話対応のやり取りをナレッジベースで活用するには、音声データをテキストに変換する手間があり、時間と費用が発生します。一方、チャットサポートでの顧客とのやり取りはテキストデータなので、履歴の蓄積や分析の作業負荷が軽減できます。
 

4. 解決率を最大化できる

チャットサポートは、顧客が疑問を感じたタイミングですぐに問い合わせできるため、問題解決までのスピード向上が期待できます。

特に近年では、生成AIチャットボットやAIエージェントの活用により、営業時間外でも問い合わせ対応が可能になりました。FAQの案内だけでなく、予約変更や契約内容確認などの手続きまで自動化できるケースも増えています。

また、必要に応じて有人対応へスムーズに引き継ぐことで、複雑な問い合わせにも柔軟に対応できます。顧客が途中で離脱しにくくなるため、問い合わせ全体の解決率向上につながります。
 

5. 顧客体験を個別最適化できる

チャットサポートでは、顧客の行動履歴や購入履歴、過去の問い合わせ内容などを活用し、一人ひとりに合わせた対応を行いやすい点も特徴です。

さらに、生成AIを活用したチャットサポートでは、顧客の質問内容や会話の流れを踏まえながら、自然な形で追加提案やサポートを行えるようになっています。

顧客ごとに最適化された対応は、利便性や満足度の向上だけでなく、継続利用や購買促進にもつながります
 

6. 大幅なコストカットが期待できる

チャットサポートは、電話サポートと比較して1人のオペレーターが同時に複数の顧客へ対応できるため、業務効率化につながります。

さらに、ルールベース型チャットボットや生成AIチャットボットを導入することで、よくある問い合わせを自動化でき、人件費や対応工数の削減が期待できます。

近年では、AIによる一次対応を中心に据える企業も増えており、

  • 問い合わせ件数の削減
  • 対応時間の短縮
  • 夜間・休日対応の自動化

などを通じて、サポート部門全体の運用コスト最適化が進んでいます。
 

7. オペレーターはより高度な対応に注力できる

チャットサポートで定型的な問い合わせを自動化することで、オペレーターはより高度な顧客対応へ集中しやすくなります。

例えば、

  • クレーム対応
  • 法人顧客との調整
  • 購購買検討中の顧客への個別対応
  • 個別事情を含む相談対応

など、人による判断やコミュニケーションが重要な業務へリソースを振り分けられます。

また、AIが事前に問い合わせ内容を整理した状態で有人対応へ引き継ぐことで、オペレーター側の負担軽減にもつながります。

単純作業をAIに任せ、人はより付加価値の高い業務に集中するという役割分担は、2026年現在のチャットサポート運用における重要な考え方となっています。
 

チャットサポート導入のデメリットは?

チャットサポート導入では、メリットと同時にデメリットも発生します。デメリットもしっかり理解した上で、サポート業務の設計に反映しましょう。
 

1. 自動応答の精度によっては離反を招くことがある

チャットサポートを利用する時点で、顧客は素早い回答を期待しています。

チャットサポートは、クローズボタンなどをワンクリックするだけで問い合わせ画面から離脱できるので、迅速な回答がない場合はすぐに離脱される可能性があります。

また、問い合わせ効率化のために必須となっている自動応答についても、精度によってはかえって離反を招くことがあります。自動チャットボットでは人間のオペレーターのようなきめ細かな対応や、顧客の意図のくみ取りは難しいことから、ちぐはぐな返答をしてしまった場合は顧客から悪印象を持たれてしまいます。

加えて、生成AIチャットボットによっては、間違った情報をさも正しい情報かのように回答してしまう「ハルシネーション」の影響も考慮に入れなければなりません。

このリスクを把握しつつ、精度の向上に努めることが重要です。
 

2. チャットサポート体制の構築・運用コストが必要となる

新しいツールや対応項目を現場に加える場合は、どのような内容でも同様ですが、チャットサポートを導入する際には体制の構築や軌道に乗せるまでの運用コストが必要となります。

既存オペレーターへの新しいスキルセットの教育や、専任オペレーターの採用はもちろん、体制移行のためのダウンタイムや新しいツールの導入・運用コストも視野に入れる必要があります。
 

3. かえって離脱が増える可能性がある

チャットサポートは便利な仕組みである一方、運用方法によっては顧客満足度の低下につながる可能性があります。

例えば、

  • 欲しい回答にたどり着けない
  • AIの回答が不自然
  • 同じ質問を何度も求められる
  • 有人対応へ切り替えられない

といった状況が続くと、顧客がストレスを感じ、途中で問い合わせをやめてしまうケースがあります。

特に近年は、生成AIチャットボットの導入が進んでいますが、回答精度やナレッジ整備が不十分な状態で導入すると、誤案内や混乱を招く可能性もあります。

チャットサポートは「導入すれば自動的に顧客満足度が上がる」システムではないため、顧客視点で使いやすさを継続的に改善することが重要です。
 

4. エスカレーション設計が重要となる

チャットサポートでは、AIやチャットボットだけですべての問い合わせを解決できるわけではありません。複雑な相談やクレーム対応、個別事情を含む問い合わせについては、適切なタイミングで有人対応へ切り替える必要があります。

この「どの段階で、どの担当者へ引き継ぐか」を設計することを、エスカレーション設計と呼びます。

エスカレーション設計としては、例えば、

  • 一定回数以上やり取りが続いた場合
  • 顧客が不満を示す表現をした場合
  • AIが回答に自信を持てない場合

などを条件に、オペレーターへ引き継ぐ運用が一般的です。

エスカレーション設計が不十分だと、顧客が解決できないまま長時間AI対応を繰り返すことになり、満足度低下につながります。
 

代表的なチャットサポートシステム4選

本章では代表的なチャットサポートシステムを4つ紹介します。各社のカスタマーサポート業務と予算にマッチしたシステムを探しましょう。
 

1. HubSpot「ウェブチャット」

HubSpot「ウェブチャット」

HubSpotは営業活動の促進からカスタマーサービスの効率化、Webサイトの構築に対応した統合型カスタマープラットフォームを提供しています。「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」「Content Hub」「Date Hub」で構成されており、Service Hubにチャットサポート機能(ウェブチャット)が実装されています。

Service Hubを利用すればコーディングなしにチャットボットの作成、カスタマイズが可能です。目的に応じたテンプレートが用意されており、運用開始までの作業量を軽減可能です。テンプレートの編集が可能ですが、テンプレートを利用せずゼロからチャットボットを構築することもできます。

また、HubSpotが提供するCRMツールと連携しており、問い合わせいただいた顧客の情報や問い合わせ内容、応答履歴は自動的にCRMに蓄積され、一元管理できる状態に。問い合わせ内容だけでなく、自社Webサイトのどのページを閲覧したのか、どの資料をダウンロードしたのか、営業担当者とどのようなやり取りをしたのかまですべて1つの画面で確認できます。

基本的なウェブチャット機能や、連携するチャットボット作成ツールは無料で利用できますが、より高度なCRMプラットフォームを構築する場合は以下のプランへアップグレードできます。
 

【プラン】(Service Hub)

Starter

  • 概要:顧客を第一に考え、本質的なサービスを提供するために不可欠なツール
  • 月額費用:2,400円~/シート

Professional

  • 概要:セルフサービスと自動化の規模を拡大するための包括的なヘルプデスク用ソフトウェア
  • 月額費用:12,000円~/シート

Enterprise

  • 概要:高度な管理に役立ち柔軟性を高めるさまざまな機能を備えたヘルプデスク用ソフトウェア
  • 月額費用:18,000円~/シート

※2026年5月時点での価格となります。最新の価格はHubSpot製品・サービスカタログをご参考下さい。
 

2. sAI Chat(サイチャット)

sAI Chat(サイチャット)

sAI Chatは人工知能を活用したAIチャットボットサービスで、自動応答型、ハイブリッド型のシステムです。sAI Chat本体の販売だけでなく、導入部門の利用率向上、FAQ改善、KPI管理などの運用もサポートしています。

キリンホールディングス株式会社のお客様相談室では、顧客の何気ない声を収集する目的でsAI Chatが採用されています。シナリオ型、自然文検索(顧客の質問文から質問の候補を表示)による問い合わせ方法を利用しています。
 

【プラン】

Starterプラン

  • 概要:まずチャットボットを試したい企業向け
  • 初期費用:要問い合わせ
  • 月額費用:要問い合わせ

Standardプラン

  • 概要:本格的に問い合わせ改善をしたい企業向け
  • 初期費用:要問い合わせ
  • 月額費用:要問い合わせ

DXプラン

  • 概要:総合的に問い合わせチャネルを改善し、顧客の声を活かして売上向上につなげたい企業向け
  • 初期費用:要問い合わせ
  • 月額費用:要問い合わせ

 

3. Zendeskメッセージング

Zendeskメッセージング

Zendesk社は、カスタマーサポート業務全般に対応したシステムとして「Zendesk for Service」を提供しています。チャットサポート機能としては、「メッセージング」機能を搭載しています。

Zendeskのメッセージングを導入することで、Webサイトやアプリにウィジェットを表示し、顧客が簡単に問い合わせ可能な仕組みを構築することが可能です。AIエージェントによる24時間のサポートが可能で、問い合わせ対応の自動化が実現します。

また、サポート担当者のためのワークスペースも充実しており、サポート担当者が顧客のためにパーソナライズされた対応を行うための支援が可能となっています。

ウィジェットをブランドに合わせてカスタマイズしたり、AIエージェントのワークフローをLINE、Facebook、Instagramに広げたりと、利便性も高くなっています。
 

【プラン】

Support Team

  • 概要:問い合わせ管理の基本機能
  • 月額費用:19ドル(年払い)

Suite Team

  • 概要:AIエージェント、自動返信、自動解決レポートなど
  • 月額費用:55ドル(年払い)

Suite Professional

  • 概要:より強力なAI機能、顧客満足度調査、フォームの条件分岐など
  • 月額費用:115ドル(年払い)

Suite Enterprise + Copilot

  • 概要:より強力なAI機能、承認ワークフロー、サンドボックス、監査ログなど
  • 月額費用:要問い合わせ

 

4. ChatPlus(チャットプラス)

ChatPlus

簡単なタグを埋め込むだけで、Webサイトの閲覧者とリアルタイムでチャットできるシステムです。有人での柔軟な対応に加えて、チャットボットの自動応答にも対応可能です。

通常、チャットサポートシステムは顧客向けに導入されますが、Chat Plusは社員向けシステムとしての導入実績があります。日本航空(JAL)の働き方改革の一環で、ChatPlusのチャットボットを導入し、導入1ヵ月で問い合わせ数を約30%削減しました。
 

【プラン】

ミニマム

  • 概要:手軽にチャットを試せる
  • 月額費用:1,500円(年契約)

ビジネスライト

  • 概要:シナリオ型のチャットサポートを運用
  • 月額費用:9,800円(年契約)

プレミアム

  • 概要:有人チャット支援、分析、改善、セキュリティの強化
  • 月額費用:28,000円(年契約)

AIライト

  • 概要:ナレッジサジェスト、生成AIによる設定補助
  • 月額費用:50,000円(年契約)

オートAI

  • 概要:高精度なAI応答
  • 月額費用:80,000円〜(年契約)

AI Agent Plus

  • 概要:カスタマイズ型AIの運用、大容量データ学習、パーソナライズ判断
  • 月額費用:要問い合わせ

 

自社に合ったチャットサポートシステムの選び方

前章で紹介したシステム以外にも多くの特徴的なチャットサポートシステムが販売されています。どのシステムを利用するか選ぶ際に検討すべき点を説明します。
 

チャットシステム導入の目的

各企業では問い合わせの仕組みとして、チャットだけでなく、電話やメール、SNSなどの複数チャネルを利用するケースも少なくありません。また、企業によって各チャネルの問い合わせ数も異なるでしょう。そのため、チャットシステムを導入した際にどのように併用するか、何の目的で導入するのかを明確にしておく必要があります。

複数チャネルを活用したカスタマーサポート業務を十分検討した上で、チャットに求められる役割を実現するシステムを選びましょう。
 

使いやすさ

使いやすさは、特に以下の観点から確認してみましょう。

  • シナリオ型や人工知能型における運用前のデータ登録
  • 登録済みのテンプレートの有無
  • チャット作業やレポート機能

できれば無料の試用期間を利用して、実際の使い勝手を確認しましょう。
 

サポート体制

システムのサポート体制について、無料/有料のサポート対応内容を確認して、導入部門の実力に合ったサポート体制を整備しておきます。
 

予算

高精度なAIチャットボットは高額になる傾向があります。必要な機能を精査して、購入すべきシステムとプランを選びましょう。
 

チャットサポートシステム導入の成功ポイント

チャットサポートは、単にシステムを導入するだけでは十分な効果を発揮できません。

ここでは、チャットサポートシステム導入を成功させるための主なポイントを解説します。
 

ナレッジの質を高める

チャットサポートの回答品質は、参照するナレッジの質に大きく左右されます。特に生成AIチャットボットやAIエージェントでは、FAQやマニュアル、社内データベースなどを参照しながら回答を生成するケースが一般的です。そのため、古い情報や内容の重複、不十分なFAQが残っていると、誤回答や不自然な案内につながる可能性があります。

例えば、

  • よくある質問を整理する
  • 表現を統一する
  • 最新情報へ更新する
  • オペレーターの対応履歴をナレッジ化する

といった取り組みが重要です。

チャットサポートの精度を高めるには、システムだけでなく、継続的なナレッジ整備が欠かせません
 

チャットボットとオペレーターの役割を定義する

チャットサポートでは、「AIに任せる範囲」と「人が対応する範囲」を明確に分けることが重要です。

例えば、

  • FAQ対応や受付はチャットボット
  • 契約変更やクレーム対応は有人対応
  • 高度な判断が必要な相談は専門部署へ連携

など、役割分担を整理しておくことで、スムーズな運用につながります。

特に近年は、生成AIによって対応可能な範囲が広がっていますが、すべてをAIで完結させようとすると、かえって顧客満足度が低下するケースもあります。

AIとオペレーターそれぞれの強みを活かした設計が、チャットサポート成功のポイントです。
 

KPIを見直す

チャットサポート導入後は、従来のサポート指標だけでなく、AI時代に適したKPIを設定・見直す必要があります。

例えば、以前は「対応件数」や「応答速度」が重視される傾向がありました。現在ではこれらに加えて、

  • 問い合わせ解決率
  • 自動化率
  • 有人対応への切り替え率
  • 離脱率

などを総合的に確認する企業が増えています。

また、生成AIを活用する場合は、「誤回答率」や「AI回答の品質評価」を確認するケースもあります。

単純な効率化だけでなく、「顧客体験が改善されているか」を含めて評価することが重要です。

KPIについて詳しく知りたい場合は、以下記事もあわせて参考にしてください。

 

CRM連携で顧客体験向上を目指す

チャットサポートは、CRM(顧客管理システム)と連携することで、より高い効果を発揮できます。

例えば、CRMと連携することで、

  • 過去の問い合わせ履歴
  • 購入履歴
  • 契約状況
  • Webサイト上の行動履歴

などを踏まえた対応が可能になります。これにより、顧客ごとに最適化された案内を行いやすくなり、「毎回同じ説明をしなければならない」といったストレス軽減にもつながります。

さらに、オペレーターへ引き継ぐ際も、過去のやり取りを共有した状態で対応できるため、対応品質や解決スピードの向上が期待できます。

チャットサポートを単独ツールとして導入するのではなく、CRMやMA(マーケティングオートメーション)と連携し、顧客体験全体を最適化する考え方が重要です。

以下は、HubSpotにおいて、チャットやメールなどに段階的にAIを導入することで大きな改善効果を得られた事例です。ぜひ参考にしてください。

HubSpotカスタマーサポートAI活用の3つの鍵
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チャットサポートシステム導入時の注意点

チャットサポートシステムを導入する際は、以下に解説する点について十分注意することも重要です。
 

自社の顧客層やサポート体制に合っているか確認する

主な顧客が高齢者で、インターネットの利用率が低い場合、チャットサポートシステムへの投資は不向きかもしれません。企業リソースを電話対応など、ユーザーが利用する可能性の高いツールに集中させる方が良いでしょう。

また、先に説明したとおり、チャットサポートシステムには「メールより迅速な回答が求められる」「担当スタッフの育成が必要」などのデメリットがあります。チャット担当者の専任化、電話やメールのチャネルとの連携なども十分に検討しておきましょう。
 

AIチャットサポートには継続的な改善が必要

AI技術の進化に伴い、チャットボットの性能は年々向上しています。顧客の問い合わせ時に入力された文章を分析して回答するなど魅力的な機能が実現していますが、一般的に自動応答の精度を向上させるには時間と費用が必要です。チャットサポートシステム特有の作業やコストを把握しておくことも留意しておきましょう。

なお、AI技術を含むテクノロジーを現場へ導入する際の注意点として、そのテクノロジーが課題解決の手段として適切な段階を踏めているかを確認する必要があります。AI型チャットサポートを含むAI技術においては、人間とAIの役割分担を明確にし、小さい規模のチームから導入をスタートして徐々に拡大していく戦略が有効です。
 

AI活用ではチェンジマネジメントも重要

AI技術の導入については、「この段階まで導入が進んだらOK」というゴールを設定することは望ましくありません。AI技術の発達はまだ途中段階であり、今後AI関連ツールのできることは増えていき、さらに顧客の求めるサポート内容も変化していくためです。

AI技術をカスタマーサポートの現場に浸透させていくには、目的を持って体制やシステムの変更を行っていることを現場に伝え、変化は絶え間なく行っていくということも伝える「チェンジマネジメント」が有効となります。
 

【Q&A】チャットサポートについてよくある質問

チャットサポートについてよくある質問をまとめたので、ぜひ理解を深めるための参考にしてください。
 

Q1. チャットサポートとメール・電話対応の違いは?

チャットサポートは、電話よりも問い合わせしやすく、メールよりも迅速に回答しやすい点が特徴です。

電話は柔軟な対応が可能な一方で、「つながりにくい」「受付時間が限られる」といった課題があります。また、メールは24時間送信できますが、返信まで時間がかかるケースも少なくありません。

チャットサポートでは、Webサイト上からリアルタイムに問い合わせできるため、顧客の「すぐに解決したい」というニーズに対応しやすくなります。
 

Q2. ルールベース型チャットボットと生成AIチャットボットの違いは?

ルールベース型チャットボットは、あらかじめ設定したシナリオや選択肢に沿って回答する仕組みです。一方、生成AIチャットボットは、顧客が入力した自然な文章を理解し、柔軟に回答を生成できます。

ルールベース型はFAQや手続き案内など定型的な問い合わせに向いていますが、想定外の質問への対応は苦手です。

一方、生成AIチャットボットは自然な会話や複雑な質問への対応が可能ですが、誤回答(ハルシネーション)のリスクもあるため、有人確認やナレッジ整備が重要になります。
 

Q3. AIチャットサポートだけで顧客対応を完結できますか?

AIチャットサポートだけですべての問い合わせを解決することは難しいケースもあります。

よくある質問や簡単な手続きはAIで自動化できますが、クレーム対応や個別事情を含む相談、高度な判断が必要な問い合わせでは、人による対応が必要になる場合があります。

そのため近年では、AIによる一次対応と有人チャットを組み合わせた「ハイブリッド運用」が主流になりつつあります。
 

Q4. AIエージェントと生成AIチャットボットは何が違うのでしょうか?

生成AIチャットボットは「質問への回答」を中心とした仕組みですが、AIエージェントは「問題解決まで自動化できる」点が特徴です。

例えば、生成AIチャットボットでは「予約変更の方法」を案内するのに対し、AIエージェントでは実際に予約変更処理まで実行できる場合があります。

ただし、両者の境界は明確ではなく、製品やベンダーによって定義が異なるケースもあります。
 

Q5. チャットサポート導入を成功させるポイントは?

チャットサポートは、単にシステムを導入するだけでは十分な成果を得られません。

例えば、

  • FAQやマニュアルなどナレッジを整備する
  • AIとオペレーターの役割分担を明確にする
  • 解決率や離脱率などKPIを見直す
  • CRMと連携して顧客情報を活用する

といった取り組みが重要です。
 

チャットサポートの導入で業務効率化と顧客満足度向上を目指そう

チャットサポートは顧客の問い合わせに応える上で重要なチャネルであり、生成AIチャットボットの登場により、業務効率化・顧客満足度向上の両面において欠かせない手段となっていることをご紹介しました。

チャットサポートを導入するメリットは以下のとおりです。

  • 電話やメールよりも迅速に問い合わせ対応しやすい
  • 生成AIやAIエージェントにより問い合わせ解決率向上を目指せる
  • 問い合わせ履歴を蓄積・分析し、顧客体験の改善に活用できる
  • 定型業務を自動化し、サポート部門全体のコスト最適化につながる
  • オペレーターが高度な顧客対応へ集中しやすくなる

一方、デメリットとして以下も挙げられます。

  • 自動応答の精度によっては顧客離脱につながる可能性がある
  • 運用体制の構築やナレッジ整備にコストがかかる
  • AIだけでは解決できない問い合わせへのエスカレーション設計が必要となる
  • 生成AIではハルシネーションへの対策も求められる

チャットサポートのシステム導入時には、以下ポイントを確認しましょう。

  • 自社の顧客層や問い合わせ内容に合ったシステムを選定する
  • AIとオペレーターの役割分担を明確にする
  • FAQやマニュアルなどナレッジの品質を継続的に改善する
  • CRM連携やKPI見直しを通じて顧客体験向上を目指す

本記事で解説したことを参考に、ぜひチャットサポートの効果的な導入を目指してください。

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