ユーザーインターフェースの良し悪しがビジネスの成否を大きく左右するネットビジネスにおいて、支払いの手間を簡素化する決済システムの導入は今や欠かせないものとなっています。とりわけスマホの普及によって、決済プロセスにおける離脱率をいかに低下させる事ができるかという点は、企業にとって大きな課題のひとつとなっています。

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SBペイメントサービスによる調査結果では「よく利用する支払手段がない場合、60%以上が離脱し、他のサイトで同じ商品を購入する」というデータも出ているようです。

本稿では、2016年10月より日本でのサービス提供が開始された決済サービス「Stripe(ストライプ)」について、その使い方や導入手順について解説を進めてまいります。

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Stripeとは?

「Stripe」はカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くStripe社が提供するオンライン決済サービスです。Stripe社は兄弟であるパトリック・コリソンとジョン・コリソンが共同設立し、PayPal共同設立者のピーター・ティールや、テスラCEOのイーロン・マスクからの出資を得ていることでも有名です。

120カ国以上、数百万社におよぶ企業がStripeを導入してビジネスを成長させています。導入の手軽さと手数料の低さから、とりわけスタートアップ企業や中小ECサイト運営企業からの人気を得ています。

日本国内では2016年10月にサービスがリリースされたばかりですが、SmartHR社やMEDLEY社、SPACEMARKET社など、急成長中の企業でも多数導入されています。

Stripeの使い方

導入の手軽さがひとつの売りとなっているStripeですが、その使い方や導入手順はどうなっているのでしょうか。

まずは導入までの手順を大きく5つのステップに分けてご紹介いたします。

  1. アカウントを登録
  2. APIキーを取得
  3. プラグインを導入
  4. 「一般設定」「メール設定」「詳細設定」を行う
  5. 商品情報を登録

導入のプロセスは至ってシンプルです。加えて利用前の審査もスピーディで、固定の利用料も発生しないところはStripeの大きな魅力であり、その点がスタートアップや中小ECサイトに選ばれる理由となっているのでしょう。
 

StripeとPayPalはどこが違う?

続いてオンライン決済サービスのグローバル最大手である「PayPal」との違いを見ていきましょう。なおPayPalは月額費用が有料のプランも存在しますが、本稿ではPayPalの月額無料プランを比較対象とさせていただきます。

  Stripe PayPal(月額無料プラン)
手数料 3.6% 40円の固定費と2.9%〜の変動費
月額利用料 全て無料 無料・有料の両プランがある
振込手数料 無料 5万円未満は250円
提携カード VISA、Master、JCB、AMEX、Diners、Apple Pay、Alipay VISA、Master、JCB、AMEX

 

PayPalの手数料を「2.9%〜」と表記していますが詳細な料金設定を記載いたします。

【PayPalの手数料率】
30万円まで・・・3.6% + 40円
100万円まで・・・3.4% + 40円
1,000万円まで・・・3.2% + 40円
1,000万円より多い・・・2.9% + 40円

現在アメリカでは「PayPal」「Stripe」ともに主要なオンライン決済サービスとなっているだけあって、どちらも優れたプランを用意しています。

ここまで見ると取引額の大きさによって「Stripe」「PayPal」のどちらを選ぶべきか判断すべきように感じます。
 

コンバージョン率の側面から見たStripeの強み

しかし実はこれまでに挙げた項目以外で、Stripeにはコンバージョン率の側面から見た大きな強みがあるのです。

それはStripeの決済サービスは「決済画面への遷移がない」という点です。次世代通信システムの5Gが登場すれば状況が変わるかもしれませんが、4Gである現時点において画面遷移は少なからずユーザーにストレスを与えます。

消費者がスマホを利用するシーンを思い浮かべていただければわかりますが、移動中の電車の中やちょっとした休憩時間など、短く限られた時間のなかでスマホを利用するケースが多いのです。

そのような状況で画面遷移をできる限り少なくすることは、Webサイトのユーザーインターフェースを高めるためのひとつの重要ポイントなっています。

この点をクリアしたStripeのプロダクトデザインは非常に秀逸であると筆者は感じています。

実際に「Stripeには画面遷移がない」ということが、Stripeを導入した企業のWebマーケティング担当者にとって「導入の決め手」となったケースが多々あるようです。

加えてStripeは決済画面そのものもシンプルに洗練されています。ECサイトにおけるカート破棄率が平均69.57%にものぼると言われているなかで、Stripeの決済サービスは決済フォームにおける離脱を最低限に留められる可能性を感じます。

実際のStripeにおける決済フォームは以下のようになっています。

非常にシンプルですね。

なおPayPalにも、サイトを遷移せず、自社サイト内で決済を完結できるプランもありますが、そちらは月額3,000円(税抜)のウェブペイメントプラスへの申込みが必要となります。

通常の固定費が発生しないプランで画面遷移のない決済システムを導入できる点は、Stripeの大きな強みと言えるでしょう。
 

Stripeの導入メリット

あらためてStripeの導入メリットを整理してみましょう。

  1. 初期費用がかからず事前審査もないために手軽に導入可能
  2. 特に取引額が少額の場合には他の決済サービスよりも料率・振込手数料が安価
  3. 決済画面への遷移がなくて決済フォームもシンプルに洗練されている

上記3点が利用企業数数百万社を超えたStripeの3大メリットと言えるでしょう。

また開発側の目線で見た場合には、開発コストが非常に低く抑えられるという点もStripeの大きなメリットとなっています。開発ドキュメントや拡張性が充実している、と評価する開発者が非常に多く、マーケターとしても自信を持って社内プレゼンできるでしょう。

開発の容易性を表すStripe導入者のブログ記事なども多数存在するので、社内の開発担当者に説明する際にはStripe導入に関するメリットの補足材料として引用すると面白いのではないでしょうか。
 

Stripeが持つもう1つの強み

もうひとつ押さえておきたいStripeの持つ強みがあります。

それは「毎月のように新たな機能追加や改善が行われている」ということです。

例えばイベントの主催者向けに1つのイベントに複数の価格設定をできるようにした「チケット機能」や代表者名義で一度に5名分のチケット購入が可能となる「お連れ様機能」など、大規模な新機能の追加も次々に実現されています。

これは決済システムに限らない話ですが、StripeのようなSaaSサービスを導入する際には「機能追加がどれだけスピーディに進められているか」という点はベンダー選定を行う上で非常に重要になります。

SaaSサービスはその収益モデルからすばやく開発し、最小限の機能を持ってサービスをスタートする形が主流となっています。

つまりSaaSサービスは、ローンチ後の柔軟なブラッシュアップ無しにユーザーの期待する使い勝手を満たすことは難しいビジネスモデルなのです。

そのなかでStripeの機能追加は非常に好評で、今後ますますの進化が期待できることでしょう。
 

Stripe導入のデメリット

ここまでそのサービスの魅力ばかりに焦点を当ててきましたが、反対にStripeを導入することによって生じるデメリットはどのようなところにあるでしょうか。

デメリットは大きく分けて以下の2点があります。

①APIドキュメントが全て英語
②顧客へ返金時に返金手数料はかからないものの、元の決済手数料は一切返金なし

「APIドキュメントが全て英語である」という点は、英語になれていない開発者にとっては抵抗感が生まれてしまうというのが事実でしょう。

ただ「サポートは日本語でしっかりと受けられるので問題ない」という声も多く、必ずしも英語に堪能な開発担当者が必要という訳ではないでしょう。

「顧客へ返金時に返金手数料はかからないものの、元の決済手数料は一切返金なし」という点は、返金が多いネットビジネスを展開している場合には注意が必要ですね。
 

まとめ

とりわけ月間の取引額が未だ小さいネットビジネスを展開するスタートアップ企業や中小ECサイトにとって、オンライン決済システムの選定はビジネスの成否を左右しかねないほど重要な論点となります。

そのような観点からStripeが非常に強力なサポートとなるであろうことが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

テスト利用についてもネット上からの申込みで簡単にスタートできるので、まずは自社のビジネスにStripeがマッチするかどうかを気軽にトライアルしてみてもよいのではないでしょうか。

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ネット通販を成功に導くECサイト構築チェックシート

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元記事発行日: 2020年2月18日、最終更新日: 2021年9月27日

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