ウェブサイトにこれまでにはなかった新しいトピックを追加したい場合、「サブドメインを追加する」「サブディレクトリを追加する」の2つの選択肢があります。
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この2つにはどのような違いがあり、SEOの観点ではどう使い分けるとよいでしょうか。
本記事では、サブドメインとサブディレクトリの違いや、SEOへの影響について紹介します。
加えて、日本国内でSEOコンサルティング事業を運営し、様々な業界で実績を残してきた株式会社ウェブライダー代表・松尾茂起氏にもインタビューを実施。実際どのように使い分けるべきかを解説していただきました。
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サブドメインとサブディレクトリ
サブドメインとは、1つのドメインを区分けしたもので、メインのドメインとは異なるカテゴリのコンテンツを更新する際に利用されます。
一方、サブディレクトリは、1つのドメイン内での階層構造を形成するものです。
サブドメインは、URLの中でドメイン名の直前の部分を指します。たとえば「blog.hubspot.com」というURLの場合、「blog」がサブドメインにあたります。
- メインサイト:hubspot.com
- サブドメイン:blog.hubspot.com
サブドメインはあくまで1つのドメインとして機能し、「hubspot.com」と「blog.hubspot.com」はそれぞれ独立したウェブサイトとなります。
一方サブディレクトリはドメインの後ろに紐づきます。例えば「hubspot.com」にブログカテゴリがあり、そのカテゴリページのURLが「hubspot.com/blog」の場合、「blog」の部分がサブディレクトリとなります。
- メインサイト:hubspot.com
- サブドメイン:blog.hubspot.com
- サブディレクトリ:hubspot.com/blog
サブディレクトリは、「hubspot.com/blog」「 hubspot.com/about」のように、1つのウェブサイト内に階層を作っていくためのもので、ほとんどのウェブサイトで見受けられます。
サブディレクトリは比較的イメージしやすいかもしれませんが、サブドメインがどのように利用されているかはイメージしにくいかもしれません。以下に一般的な利用例をご紹介します。
1. サポート
ときには、メインのサイトとカスタマーサポートを切り離したほうがよい場合もあります。
たとえばGoogle は、google.com/supportではなくsupport.google.comを使用しています。これはおそらくサイトの構造上の理由でしょう。
Google.comはそもそも検索エンジンです。Google のサポート部門は検索ビジネス部門の中にあるわけではありません。ユーザーと適切につながり、サポートを提供するには、専用のサブドメインを用意する必要があります。
2. 地域別
国内外を問わず複数の地域にサービスを提供する場合、サブドメインかサブディレクトリかどちらで運営するか迷うポイントです。
Google はいずれの方法でもよいが、それぞれの方法でメリットとデメリットが異なると解説しています。以下のGoogle のページを参考に、自社に合った方法を選びましょう。
ただし、このページの最初に記載があるように、多言語でサイトを運営する場合、hreflangアノテーションなどを利用して、Google にサイト(Webページ)の言語を伝えることも重要なポイントです。
3. ブログ
多くの企業がブログをサブドメインで運用しています。HubSpotもその例に漏れません。
今ご覧になっているページの元になった英語版ブログのURLはblog.hubspot.comです。厳密に言えば、この記事の英語版はblog.hubspot.comサブドメインのMarketingサブディレクトリ(https://blog.hubspot.com/marketing/)にあります。
コンテンツ量が多い場合は、ブログをサブドメインで運用するとよいでしょう。また、ニッチな分野での専門性を確立したい場合も、ブログをサブドメインにすることをお勧めします。
4. Eコマースストア
通常の製品やサービス以外に販売したいものがある場合、Eコマースストアをサブドメインに配置すると効果的です。
HubSpotのEコマースストアでもこの方法を採っており、メインのソフトウェアとは別に、アパレル商品やマグカップ、ボールペン、リュックなどのオリジナル製品を購入できるshop.hubspot.comを展開しています。
5. イベント
自社が定期的または不定期で繰り返しイベントを開催しており、コンテンツにイベント専用のカテゴリがある場合は、サブドメインに分けることをお勧めします。
繰り返しになりますが、サブドメインは、サイトの一部のセクションを通常の製品やサービスのセクションと区別したい場合に便利です。
たとえばMicrosoftは、events.microsoft.comというサブドメインを作成して、イベント関連のコンテンツを切り離しています。
サブドメインとサブディレクトリに、SEO的な優劣はなし
ではここから、サブドメインとサブディレクトリがSEOにどのような影響を及ぼすかを詳しく見ていきましょう。
以下の動画(英語)では、Google ウェブマスター トレンド アナリストのJohn Mueller氏が「Google 検索エンジンでは、サブドメインとサブディレクトリで優劣はない。SEO的にはどちらが有利ということはないので、目的によって使い分ければ良い」と解説しています。
サブドメインの場合、メインのドメインとは別ものと見なされるため、コアとなるウェブサイトコンテンツで既にオーソリティーが確立されていても、サブドメインには継承できません。
一方、サブドメインは独立したビジネスとして分野別に運用できるので、大手企業のサイトでもよく使用されます。たとえばDisneyはshop.disney.com、movies.disney.comのようにサブドメインを使い分けています。
サブドメインにはニッチな分野での権威性構築に役立つという利点があります。たとえば、ブログを製品やサービスとは別のカテゴリとして認識させたい場合もあるでしょう。
逆に、コンテンツのカテゴリがひとつの場合は、必ずしもサブドメインを使用する必要はありません。基本的には、1つのウェブサイトに集約した方がバックリンクが集まりやすいからです。どうしてもサブドメインを使う理由がなければサブディレクトリを使いましょう。
一方で、ウェブライダー代表松尾氏は、SEO目的でサブドメインまたはサブディレクトリを使い分けても、その効果はなくなりつつある、という見解を示しました。
【松尾茂起プロフィール】
関西学院大学 経済学部を卒業後、音楽系の制作会社に勤務し、舞台音楽などの制作に携わる。その後、2005年にフリーランスとして独立し、2010年に京都にて株式会社ウェブライダーを設立。検索集客を軸としたWebマーケティングのコンサルティングやコンテンツ制作を手がける。
これまでにプロデュースした主なコンテンツは『沈黙のWebマーケティング』『沈黙のWebライティング』、メディアには「美味しいワイン」「美味い居酒屋」「Betters」「CHECK-LIST」などがある。沈黙シリーズは書籍化され、10万部を超えるベストセラーに。2017年秋には、文章作成アドバイスツール「文賢(ブンケン)」をプロデュース。
ピアノ弾き・作曲家としての顔ももち「国民文化祭 京都」などのイベントや京都の貴船神社などに楽曲を提供。
「以前は、あるキーワードで検索した際に、メインドメインとサブドメインのページが、両方表示されることもありました。これにより、自社サイトへの流入数をより増加させることができたのも事実です。しかし、検索エンジンのアルゴリズムがアップデートされるにつれ、このようなことはほぼ発生しなくなりました」(松尾氏)
このような状況を踏まえ、松尾氏はサブドメインやサブディレクトリの使い分けを、SEO目的で実施することに慎重な見方をしています。
「前述のとおり、検索結果からの入り口を増やそうとして、サブドメインを多用するのは得策ではない時代になりました。下手にサブドメインを増やしてしまうと、自社のサイトやページ同士で競合してしまうリスクすらあります。
ただし、サブドメインはサブディレクトリと比べ、サイト内で扱うテーマを分けたいときにURLの見栄えが良くなります。そういう意図でサブドメインを用いるのは全く問題ありませんし、むしろ理想的なUXともいえます。
また、あるドメインの中でコンテンツをつくる際、サブドメインよりサブディレクトリのほうが、ルートドメインの評価を引き継ぎやすいという考え方もあります。これはサブディレクトリが明確にドメインの子要素であることが関係しています。ただ、個人的にはサブドメインとサブディレクトリとの評価の違いというのは徐々に小さくなってくるのではないかと思っています」(松尾氏)
ややこしいトピックではありますが、最終的にどちらを選べばよいのかはウェブサイト運営者のニーズ次第です。
サブドメインを使用すれば、階層構造が複雑になってしまったサイトをきれいに整理できます。特にその必要がなければ、バックリンクによるメリットをメインドメインが最大限に享受できるよう、サブディレクトリを使用するとよいでしょう。