相乗効果大のマーケティングと営業の連携「スマーケティング」を構築する6つのステップ

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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スマーケティングという言葉を聞くのが初めての方のために簡単にご説明しますと、スマーケティング(Smarketing)とはセールス(Sales)とマーケティング(Marketing)の連携を意味しています。

相乗効果大のマーケティングと営業の連携「スマーケティング」を構築する6つのステップ

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過去にマーケティングとセールスが仲良くやってこなかったことは周知の事実です。しかし考えてみてください、マーケティングとセールスが協力している姿を。息もぴったりと密に連携している様子を。この2つのチームが同じゴールに向かって共闘したらどれほどの力を発揮できることでしょう。

そこで、今回の記事では、マーケティングとセールスの壁を取り払い、強力な「スマーケティング」関係を築くための6つのステップをご紹介します。

マーケティングからセールス活動の管理運用を一貫化するポイント

お互いのことを知る

セールスチームに会う意味とは:セールスチームは他社との競争がどのようなものかを熟知しており、見込み客への提案を好きな歌詞のように頭にインプットしています。さらに、その提案をどうすれば明確で説得力のあるメッセージを伝えられるかも知っています。

マーケティングチームに会う意味とは:マーケティングチームはコンテンツのエキスパートとして、理想の顧客像であるバイヤーペルソナを全て知っている「親友」のような存在です。そして自社のゴールに関係する締め切りを必ず守り、それ以上の期待に応えています。

多くの場合、この2つのチームの会話は以下のようなものだと予想されます。

マーケティングチーム:「セールスチームはうちが獲得したリードに十分に働きかけていない!」

セールスチーム:「マーケティングチームは質の高いリードを獲得してこない!」

解決策はシンプルです。お互いに文句を言い、口論し、非難し合うかわりに、両チーム間の壁が取り払われたら、会社全体として何を成し遂げ、達成することができるかを考えてみるのです。見込み客や顧客に対するカスタマーサービス全体が向上するのはもちろんのこと、非常に素晴らしいビジネスの成果を生み出すことができるはずです。

セールスとマーケティングが強力なパートナーシップを築くには、それなりの時間がかかりますし、様々なテクニックも必要です。しかし、時間と労力をかける価値のある成果が出ることは間違いありません。

1)コミュニケーションを大切にする

どのような場合であれ、協力的な関係を築くのに欠かせない最初のステップはコミュニケーションです。私たちはコミュニケーションを通じて信頼を構築し、関係を維持し、互いに向上しています。これは、有効なスマーケティング関係において何にもまして重要な要素ですが、ビジネスのあらゆる面に当てはまる黄金律でもあります。

会社としてのミッション、ビジョン、ゴール、目標、価値は、両チームで整合されていなければなりません。それにより、終始一貫したメッセージを発することができ、顧客や見込み客を安心させることができます。また自社のビジネスや提供しているソリューションについても理解を深めてもらえるでしょう。

以下は、当社New Breedで行っている手段で、効果的なコミュニケーションフローを維持するのに役立っています。

  • 両チームが顔を合わせて戦略について話し合うミーティングを毎月で設定し*、うまくいっていることといっていないことを共有します。両方のチームが意見を言える場を作ることで、お互いに自分たちの声が相手チームに届いていることを実感でき、個々のチームとして、また大きな1つのチームとして、どうすれば向上し、効果的に目標を達成することができるのかが理解しやすくなります。

  • チーム混合の座席配置にします。マーケティングチームとセールスチームがまだ一緒に座っていないのであれば、是非試してみてください。オフィスでスマーケティングを促進する最善の方法は、座席のバリアを取り払うことです。お互いにコミュニケーションする機会が増えれば増えるほど、関係は強固になります。

*New Breedでは常に最新状況を把握できるよう各チームのミーティングは毎週で行うことを推奨しています。

2)協力してバイヤーペルソナを作成する

うまくいくスマーケティングチームというのは、自社のバイヤーペルソナを理解しているだけでなく、その作成も協力して行っています。成功しているインバウンドマーケティング会社はどこも、自社のオーディエンスと、誰をターゲットにしているのかをしっかりと把握しています。そしてセールスとマーケティングの両方がそれぞれにしか出せない知恵を出し合っています。

このことを念頭において、マーケティングとセールスが協力してペルソナの作成を行えば、ターゲットオーディエンスのペインポイントや希望を、さらにオーディエンスを自社のビジネスに惹きつける説得力のあるメッセージに関して、より広範な視点で取り組むことができます。

ペルソナの作成方法については、こちらのバイヤーペルソナの作り方と無料テンプレートをダウンロードして参考にしてください。

3)リードと顧客を獲得しているキャンペーンを特定する

インバウンドマーケターは、バイヤーペルソナに合わせてコンテンツを作成し、新規訪問者を獲得できるよう検索に対して最適化して、訪問者をリードにコンバートできるようにすることに膨大な時間を費やしています。これには相当の労力がかかりますが、こうして作成されたコンテンツは最も強力なアセットの1つとなります。

しかし、すべてのトピックがターゲットに響くわけでもありませんし、質の高いリードが期待どおりに獲得できない場合もあります。そうした場合この取り組みはやめるべきなのでしょうか? いいえ、そうではありません。何が「響く」のかを見極めて、必要に応じて方向性を変えることが大切なのです。

この見極めにあたり、マーケティングプラットフォームから得られるデータを活用することはもちろんですが、現場、つまりセールスチームから得られる直接のフィードバックに勝るものはありません。セールスチームは、そのリードがどのマーケティングオファーでコンバートしたのかは把握していても、そのコンテンツを中心にしてリードへの営業を展開しているわけではありません。

リードのビジネスの課題や目標について尋ねて、その上で自社が最適なソリューションを提供できるかを判断しているのです。

これはどういうことかと言うと、マーケティングがリードをセールスに引き渡した時点で、セールスはそのリードがナーチャリングプロセスを経たSQL(Sales Qualified Lead:営業案件リード)だとみなして営業をかけているわけです。しかしそのリードが実は営業するに値しなかった場合、そのことをマーケティングにフィードバックすることが極めて重要になります。

そうすることでマーケティングチームはプロセスやコンテンツなどを調整することができるからです。双方向のコミュニケーションを行わない限り、マーケティングは数字だけに基づいた意思決定を行うことになってしまいます。もちろん数字も良い指標ではあるのですが、それだけに頼ることはできません。

4)ソフトウェアを統合する

数字だけに頼ることはできないとは言いつつも、数字が取り組みを定量化して示してくれることは確かです。結局のところ、数字は嘘をつきません。ですから、他の事がうまくいっていない場合でも、数字はセールスとマーケティングをつなぐ接着剤の役目を果たしてくれます。

マーケティングおよびセールスのデータを生成・分析するベストな方法は、両チームが使っているソフトウェアを統合して、シームレスにリードを引き渡し、データを共有できるようにすることです。お互いのチームの活動が可視化されればされるほど、スマーケティング関係は強まりますし、全体的な取り組みの整合を維持することができます。

New Breedでは、精度の高いクローズドループ分析を実現するためにHubSpotとSalesforceを統合して活用しています。マーケティングの立場から見た場合、この統合は、マーケティングの成果を計測し、購入プロセス全体を通してリードを管理するのに役立ちます。そしてそれは最終的に非常に質の高いリードをセールスチームに引き渡せるということにつながります。

セールスの立場から見た場合、この統合により、どのようにリードが獲得されているか、またどのチャネルが最も効果的かを、より深く把握することができ、購入準備のできているリードに働きかけることができるようになるため、顧客へのコンバージョン率の増加につながります。

5)SMARTゴールを設定する

SMARTゴールは、具体的で(specific)、測定可能で(measurable)、達成可能で(attainable)、現実的で(realistic)、時間の制約がある(time-boundまたはtimely)ゴールのことです(参照記事はこちら:How to Set SMART Goals for Your Marketing + Sales Teams)。

→ダウンロード: マーケティングのSMARTゴール設定に役立つ無料テンプレート

このようにゴール設定することで、チームが進捗を保ち、期限が近づいたら成果を計測することができます。SMARTゴールの例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 訪問者からリードへのコンバージョン率を毎月5%上げる
  • 第2四半期末までに新規リードを合計1,000件獲得する
  • 2014年6月30日までに、月次経常収益5万ドルを達成する

期間を定めて、明確に定義された現実的で達成可能なゴールを使用すれば、どちらのチームにも曖昧さや誤解は生まれません。全員がゴールを理解し、そこに到達するためにベストな道を協力して決定することができます。

またSMARTゴールを設定することで、事後分析もしやすくなります。ゴールを達成できなかった場合でも、ゴール自体が最初からはっきりとしているため、いろいろと推測する代わりに、データを掘り下げて何がいけなかったのかを理解することができます。さらに、(良い成果であれ不満足な成果であれ)より正確にレポートできるようになるため、マーケティングとセールスの整合を保ちやすくなります。

6)サービスレベルアグリーメント(SLA)を作成する

サービスレベルアグリーメント(SLA)とは、マーケティングチームとセールスチームの契約書で、各チームの責務と、全体のゴールを達成するために各チームが到達する必要のある数字を定めたものです。

→ダウンロード: マーケターと営業担当者が連携をとるためのSLA無料テンプレート

両チームがそれぞれの目標に貢献するとともに、スマーケティングチームとしてのパフォーマンスもトラッキングすることができます。これにより、チーム間の緊張が緩和され、バリアが崩れ、スマーケティングが調和的に機能するために必要なコラボレーションが促進されます。

各チームに設定する目標としては以下のようなものが考えられます。

マーケティングチーム

  • 収益ノルマとしての合計売上目標
  • マーケティング獲得リード vs セールス獲得リードからの収益割合
  • 平均成約規模
  • リードからカスタマーへの平均コンバージョン率

セールスチーム

  • マーケティング獲得リードへのフォローアップのスピード
  • マーケティング獲得リードへのフォローアップの深度

ただしSLAは設定したらそれで終わりではありません。継続的にモニタリングし、調整して、レポートする必要があります。New Breedではダッシュボードを設定して、毎日、毎月、四半期ごとの数字をモニタリングすることをお勧めしています。

毎日モニタリングするのはやりすぎのように思えるかもしれませんが、最新状況と各チームのパフォーマンスを常に把握しておくことで、必要に応じて迅速に方向転換できるので、New Breedでは非常に役立っています。おかげでマーケティングとセールスの両方においてよりアジャイルに動くことができています。

日々のモニタリングを行っていない場合、何かがうまくいかなくなりはじめたとき、すぐに気付くことができません。目標を達成するために十分なリードを獲得できておらず、マーケティングチームがより一層頑張らないといけない場合もあるでしょうし、成約数が上がっていないため、セールスチームがもう一踏ん張りしないとならないこともあるでしょう。日々のモニタリングによりそういった兆候を見逃さずにすみます。

SLAを設定することで、マーケティングチームとセールスチームを真に整合することができ、それぞれのチームがもたらしている価値を互いに認識し合うことが可能になります。どちらのチームも貢献していることがお互いに分かることで、共通のゴールを達成するために進んで協力しようという気持ちが生まれてきます。

以上、6つのステップを念頭に、マーケティングチームとセールスチームの取り組みを一本化し整合することで、ビジネスを大幅に強化することが可能です。

成功する企業というのは、協働し1つの大きなチームとして動いています。もちろんそれぞれの役割や部門はありますが、究極的には「素晴らしいビジネスの成果を出す」という1つの同じゴールを共有しています。2つのチームの専門知識が組み合わされば、可能性は無限大です!

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

マーケティングからセールス活動の管理運用を一貫化するポイント

編集メモ:この記事は、 2014年5月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。 Sierra Calabresiによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

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