CMSにおけるサーバーには、Webサイトの情報を保存する役割があり、さまざまな種類があります。サーバーの選定には専門知識が求められるため、CMSの導入を検討中でお悩みの方も多いでしょう。


CMSを活用したWEBサイト作成ガイド & CMS選定シート
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そこで本記事では、CMSとサーバーの関係や仕組みについてわかりやすく解説し、サーバーの種類やWebサイトの規模や費用に合わせた選び方を紹介します。CMSを導入する際に、最適なサーバーを選ぶためのガイドラインとしてご活用ください。
CMSにおけるサーバーの役割
サーバーとは、Webサイトに必要な画像データやテキストを保存する保管庫のことです。
Webサイトを家に例えると、サーバーは土地のようなもので、サーバーがなければWebサイトは構築できません。「サーバー」は「提供する側」という意味で、リクエストに応じて必要な情報を提供する役割を担っています。
Webサイトの閲覧時には、ブラウザとサーバー間で次のようなやりとりが行われます。
- ブラウザがサーバーに保存されているデータをリクエストする
- サーバーから返ってきたデータをブラウザが読み込んで変換する
- ブラウザにコンテンツが表示される
つまり、CMSでWebサイトを立ち上げる際は、Webサイトに関する情報を保存するためのサーバーも一緒に構築する必要があるということです。
CMSのコンテンツをサーバーに保管する仕組み
CMSツールとサーバーの関係は、CMSをインストールする場所やコンテンツの表示方法の違いによって次の3つに分類できます。
- Webアプリケーションタイプ
- CMSサーバータイプ
- PCアプリケーションタイプ
それぞれ仕組みを詳しく見ていきましょう。
Webアプリケーションタイプ
Webアプリケーションタイプは、CMSをサーバーにインストールする方式で、現在主流となっているタイプです。管理者はWebブラウザを通じてCMSを操作します。
CMSがサーバー上にあるため、同時アクセスや「動的生成」に対応しているのがWebアプリケーションタイプの特徴です。
動的生成とは、ユーザーごとに表示するコンテンツを変更することです。「コンテンツのパーソナライズ」と言い換えることができ、ユーザーのニーズやサイト上での行動に合わせたコンテンツの表示が可能です。
サーバー上に保存されたデータが、ユーザーに配信される仕組みになっています。
CMSサーバータイプ
CMSサーバータイプは、Webアプリケーションタイプと同様にサーバー上にCMSをインストールするタイプのCMSです。
Webブラウザを通じてCMSを操作する点や、データがサーバー上に保存されている点もWebアプリケーションタイプと同様ですが、コンテンツの生成方法が異なります。
Webアプリケーションタイプは、ユーザーのアクセス時にHTMLを生成する「動的生成」なのに対して、CMSサーバータイプは「静的生成」であり、あらかじめ生成したページを配信し、更新を行います。Webアプリケーションタイプを「動的CMS」、CMSサーバータイプを「静的CMS」と呼ぶこともあります。
静的生成の場合は、完成されたページの表示しかできませんが、表示速度やセキュリティ性に優れています。アクセスしてきたユーザーに対して共通の情報を提供する場合は、表示スピードも速い静的CMSがおすすめです。
ページ数が多く、コンテンツのパーソナライズが必要な場合は、動的CMSが向いています。動的生成にも対応可能ですが、静的なWebサイトのみにしか対応していない製品もあります。
PCアプリケーションタイプ
PCアプリケーションタイプは、CMSをPCにインストールして使用します。管理者はPCで更新したコンテンツの情報をサーバーにアップロードし、サーバーがユーザーに静的ページを配信する仕組みです。
CMSに保存されたコンテンツのデータはPC上に存在するため、サーバーにトラブルがあった場合も復旧が容易です。しかし一方で、複数人の同時編集には向いていないというデメリットがあります。
2025年現在では、複数のメンバーがコンテンツ制作に関わる運営スタイルが主流です。そのため、共同編集ができないPCアプリケーションタイプは製品数が少なく、選択肢が限られています。
CMS導入時のサーバーの種類
CMSを導入する際に必要なサーバーには、大きく分けて「レンタルサーバー」と「自社サーバー」の2種類があります。CMSの契約にサーバーが含まれている製品もあり、その場合はサーバーを準備する必要はありません。本章では、それぞれのサーバーの特徴を見ていきましょう。
レンタルサーバー
レンタルサーバーとは、ベンダーが構築した外部サーバーをレンタルする方法です。導入費用を抑えられるだけでなく、CMSのインストール設定を容易に行えるレンタルサーバーもあり、専門知識がなくても手軽に始められる点がメリットです。
レンタルサーバーは、さらに次の4種類に分けることができます。
共用サーバー
共用サーバーは、1つのサーバーを複数のユーザーや企業が利用するタイプのサーバーです。一般的に、導入および運用コストが最も抑えられる方法です。
サーバーの構築や運用はレンタルサーバー業者が担当します。すでにサーバーが構築されているため、すぐに利用を開始できます。ただし、自由なカスタマイズが難しいため、大規模なサイトには向きません。主に閲覧専用の小規模なサイトに適しています。
専用サーバー
専用サーバーは、1台のサーバーを特定のユーザーが専有できるタイプのサーバーです。1台の物理サーバーのリソースを独占利用します。
インストールから設定、管理まで自社で行う必要がありますが、自由なカスタマイズができるため、大規模なサイトに最適です。ただし、ほかのタイプのレンタルサーバーと比べて、利用料金が高額になります。
VPS
VPSは共用と専用のサーバーの特徴を併せ持ったタイプのサーバーです。共用サーバーと同じく、1つのサーバーを複数人で共有しますが、契約者ごとに独立した領域が設定される点が異なります。
仮想サーバーとして運用され、リソースを独占して利用できるため、専用サーバーのように自由な運用を実現しつつ、コストを抑えることが可能です。一方で、利用者は自分でサーバーの設定や運用を行う必要があり、契約時に決定したリソースは変更が難しい点などがデメリットとなるため、注意が必要です。
クラウドサーバー
クラウドサーバーは、サーバーがクラウド上に構築されており、仮想サーバーとして運用される最新型のレンタルサーバーです。
スペックの増減が柔軟に行える点が大きなメリットで、利用料金は従量課金制になっていることが多いため、運用コストを抑えられます。
このように、レンタルサーバーのなかにも、さまざまな種類があるため、予算や目的に合ったタイプのサーバーを選ぶことが大切です。
おすすめのレンタルサーバーについては、次の記事で解説していますので参考にしてください。
自社サーバー
自社サーバーとは、自社内に物理サーバーを準備し、CMSをインストールする手法のことです。自社で全ての運用や管理が完結するため、自由にカスタマイズできます。また、自社内ネットワークを使うため、セキュリティレベルが高い点もメリットです。
ただし、導入・運用コストはレンタルサーバーと比べて高額で、設定や運用保守も自社で行う必要があります。ITの専門知識がある担当者がいないと、自社サーバーの構築・運用は難しいでしょう。
CMSの契約に含まれるサーバー
ここでは、CMS契約にサーバーが包括されている「クラウド型CMS」について解説します。
クラウド型CMSとは、ベンダーのサーバーでコンテンツを管理し、インターネット経由で利用するタイプのCMSのことです。利用者側でサーバーを準備する必要がないため、導入期間が短く、低コストで始められます。
HubSpotのContent Hubは、サーバー契約が不要のクラウド型CMSです。無料プランに登録するだけですぐにご利用いただけますので、ぜひお試しください。
CMSのサーバーを選ぶ際のポイント
自社サーバーやレンタルサーバーを選ぶ際は、次の3点を基準にしましょう。
- サイトの規模
- セキュリティ対策
- 費用
サーバーの契約が含まれているCMSであれば、別途サーバーを選ぶ必要はありません。選び方や導入後の運用に不安がある場合は、サーバーが含まれているCMSを選択するのもひとつの方法です。
サイトの規模
サーバーに必要なデータ容量は、サイトの規模によって大きく異なります。適切なサーバーを利用することがWebサイトのパフォーマンスにつながるため、慎重に選びましょう。
小規模サイトや閲覧がメインのサイト、アクセスの変動が少ないサイトの運用は、必要最低限のスペックを持つ共用サーバーで十分に対応可能です。
一方で、大規模なサイトには大容量のサーバーが必要になるため、Webサイトの規模に合わせたサーバーの構築が可能な自社サーバーが候補にあがるでしょう。レンタルサーバーを利用する場合は、規模に合ったプランを選ぶことが大切です。
セキュリティ対策
自社サーバーは、自社でサーバーを構築・管理するため、独自のセキュリティ対策がしやすいのがメリットです。レンタルサーバーの場合は、種類によってセキュリティレベルや対策のしやすさが異なります。
共有サーバーは、リソースをほかの利用者と共有するため、社内に構築するサーバーに比べてセキュリティリスクが高まる点に注意が必要です。
専用サーバーは、物理サーバーを独占的に利用することになり、自社で保守管理を行うため、セキュリティ対策がしやすくなります。
VPSは、物理サーバーを仮想サーバーに分割し、専用リソースを確保することによって一定のセキュリティレベルを維持できます。
クラウドサーバーの場合は、セキュリティ対策をベンダーが行うことになるため、ツールの選定時に、どのようなセキュリティ対策が行われているかを確認しておくと良いでしょう。
費用
自社サーバーは、開発が必要になるため初期費用が高くなりますが、設計の自由度とセキュリティ対策のしやすさが魅力です。
レンタルサーバーの場合は、種類によって費用が大きく異なります。専用サーバーは、1台のサーバーを特定のユーザーが専有することになるため、ほかの種類のレンタルサーバーに比べてコストが高くなります。コストを優先して選ぶなら、共有サーバーやVPS、クラウドサーバーがおすすめです。
また、サーバーの導入や保守管理にかかる人件費も考慮しましょう。自社サーバーとレンタルの専用サーバーは、自社で導入や保守管理を行う必要があるため、その分の人件費が必要です。共有サーバー・VPS・クラウドサーバーは、ベンダーが保守管理を行うため、人件費を抑えることが可能です。
自社に合ったCMSとサーバーを選んで構築をスムーズに進めよう
CMSのサーバーを構築する方法は、CMSとは別にサーバーを構築する方法と、サーバーが含まれているCMSを契約する方法に大きく分かれます。自社のリソースや予算、要件に合った方法を選びましょう。
サーバーが含まれているCMSは、契約するだけですぐに利用を開始できます。また、保守管理もベンダーが行うため、メンテナンスの手間やコストの削減にもつながります。
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