CMSを利用してWebサイトを構築・運用する場合、データ保存をするためのサーバーも必要になります。しかし、「CMSを導入したいけど、どんなサーバーを選べば良いのだろう」「CMSとサーバーの関係がわからない」など疑問をもつ方もいるのではないでしょうか。
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本記事では、CMSとサーバーの関係や仕組みを解説しつつ、サーバーの種類や選び方について解説しています。Webサイトの運用にあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
CMSとサーバーの関係
この章では、CMSとサーバーの関係やサーバーの役割を解説します。
現行CMSの主流であるサーバーインストール型CMSを導入する手順もあわせてご紹介します。
WebサイトにおけるCMSの役割
そもそもCMSとは、Webサイトを制作・更新する際に使用するシステムのことです。特に更新の部分で重要な役割を果たし、ブログサービスで記事を更新するような手軽さでコンテンツを追加することができます。
詳しくは次の項目で解説しますが、サーバーにはテキストや画像データなどの各データが保存されています。そのままでは表示できないため、その間にCMSが入り、ユーザーのブラウザに表示されるというイメージです。
CMSの概要について知りたい方は、以下コラムをご覧ください。
CMSにおけるサーバーの役割
サーバーとは、Webサイトに必要なテキストや画像データを保存する保管庫のことです。Webサイトを家に例えるとサーバーは土地のようなもので、サーバーがなければWebサイトは構築できません。
「サーバー」は「提供する側」という意味で、リクエストに応じて必要な情報を提供します。Webサイトの閲覧時には、ブラウザがサーバーに保存されているデータを呼び出します。返ってきたデータをブラウザが読み込んで変換を行い、コンテンツが表示される仕組みになっています。
つまり、CMSでWebサイトを作成する際は、Webサイトに関する情報を保存するサーバーもセットで構築する必要があります。
CMSはサーバーにインストールするタイプが主流
現在のCMSの主流はサーバーインストール型で、「自社でサーバーを用意してインストールするもの」「サービス提供元のサーバーにアクセスして利用するもの」の2種類に大別されます。
代表的なサーバーインストール型のCMSである「WordPress」は全世界で圧倒的なシェアを誇っています。2022年9月時点で全世界のWebサイトの43%がWordPressで構築されており、CMS全体から見たシェア率は64.2%、日本国内では84.3%を占めています。
参考:W3Techs
WordPressをサーバーへインストールする手順は次の通りです。
- データを格納するデータベースを作成する
手順4.で入力するので、データベース名・ユーザー名・パスワードを控えておく - WordPress公式サイトからプログラムをダウンロードFTPソフトを利用してプログラムをサーバーにアップロード
- 画面の指示に従い必要情報(データベース名など)を入力
- WordPressのサイト名、ログインユーザーなどを設定してインストール
インストールの手順は他のCMSもほぼ同様です。追加でセキュリティ対策用プラグインやデザインテーマをインストールする場合もあります。
なお、主要なレンタルサーバーではインストールのためのアシスト機能を利用できる場合があります。また、WordPressを選択する場合は案内に従うだけでインストール可能です。
CMSに必要なサーバーの種類
CMSを導入する際に必要なサーバーには、大きく分けて「レンタルサーバー」「自社サーバー」の2種類があります。ただし、CMS契約にサーバーも含まれる場合は、自社でサーバーを準備する必要はありません。
本章では、それぞれのサーバーの特徴を見ていきましょう。
レンタルサーバー
レンタルサーバー会社から、すでに構築されている外部サーバーをレンタルする方法です。導入費用を抑えられるだけでなく、一部のサーバー提供会社ではCMSのインストール設定を容易に行えます。専門知識がなくても手軽に始められる点がメリットです。
レンタルサーバーを利用料金で区分けすると有料と無料とに分けられます。1台のサーバーの利用形態で区分けすると、契約者が複数で共有して利用する「共有サーバー」や、契約者だけがサーバーを利用する「専用サーバー」に分かれます。
さらに、1台の物理的なサーバー上に複数の独立した仮想サーバーを設定して利用する「VPS」や、クラウド事業者が提供する仮想サーバーを利用する「クラウドサーバー」などの種類があります。
自社サーバー
自社内に物理サーバーを準備し、CMSをインストールする方法です。
自社で全ての運用や管理が完結し、自由にカスタマイズできます。自社内ネットワークを使うため、セキュリティレベルが高い点もメリットです。
ただし、導入・運用コストはレンタルサーバーと比べて高額で、設定や運用・保守も自社で行う必要があります。専門知識を持つ担当者がいないと難しいでしょう。
それぞれの特徴やメリット・デメリットについては、こちらの記事をご覧ください。
CMSの契約に含まれるサーバー
CMS契約にサーバーが包括されているものもあります。「クラウド型CMS」と呼ばれ、CMS提供ベンダーのサーバーでコンテンツを管理し、インターネット経由でCMSを利用します。
このタイプのCMSは、自社でサーバーを構築したりレンタルしたりする必要がありません。そのため、専門的な知識やスキルがなくても導入できる点がメリットです。
短期間で導入でき、低コストで始められるものも多いため、初めてCMSを使ってみたい方にはおすすめです。
サーバー選びはWebサイトの企画にあわせる
Webサイトを構築する際にはサーバーが必要だとご紹介しましたが、CMSを使用する場合はサーバーそれ自体を単体で選ぶということは少なく、Webサイト構築・運用の企画にあわせて選ぶことになります。
具体的には、以下の基準を参考にしてください。
制作会社に依頼し、WordPressを使って制作・運用する
本格的な自社サイトを制作したい場合、多くは制作会社に構築までを依頼し、CMSはWordPressを選択することになります。
この場合、サーバーは自社で契約するか、制作会社に契約まで委託するかのどちらかになります。自社で契約する場合は、レンタルサーバー会社から自社に合うプランを選ぶことになるでしょう。通信量にあわせてサーバーの大きさを選択できる他、ドメインもレンタルサーバー会社経由で購入できます。
制作会社に委託する場合は、制作会社が普段から利用しているレンタルサーバーが使用されることになるでしょう。運用まで委託する場合は、サーバーのレンタルも委託することになります。
WordPressを使って自社制作・運用する
WordPressを使い、Webサイトの構築から自社で行うケースもあります。本格的なサイトを構築するというよりは、ブログをメインで更新できればいい場合は完全に内製化する手もあります。
この場合は上記と同じように、レンタルサーバー会社から適したプランを探すことになります。
なお、主要なレンタルサーバーではWordPressのインストールをサポートする機能があるため、バックエンドエンジニアが担当するスキルも必要ありません。
クラウド型CMSを利用する
CMSの種類は大きく分けて「オープンソース型」と「独自開発型」があり、独自開発型はさらにクラウド経由で使用するクラウド型CMSが主流です。
独自開発型は、開発ベンダーが独自に開発しているCMSのことで、クラウド型であればSaaSとしてサービスを利用できます。そのため、クラウド型CMSを利用する場合はサーバーもベンダー任せにすることができます。
例えば、当社HubSpotではCMSを含むマーケティングソフトウェアとして「Content Hub」を提供しています。Content HubではAIによるコンテンツ作成機能が利用でき、例えばAIにアウトラインを作成させた上でブログ記事を仕上げ、CMSにて簡単に公開できます。
CMSは柔軟性の高いカスタマイズを直感的な操作で行うことができ、ビジネスの成長を見越した魅力的なWebサイトを作成できます。
このようなCMSおよびContent Hubのコンテンツ作成機能は、サーバーの用意などの事前準備は必要なく、サービスに登録いただくことですぐにご利用いただけます。
Content Hubは無料プランから基本的な機能を使えるため、お試しで使っていただくことも可能です。
その他のオープンソース型CMSを利用する
WordPressもオープンソース型CMSの1つですが、オープンソース型のCMSは他にもいろいろなものがあります。一方で、WordPressであればレンタルサーバーにインストールのサポートがありますが、その他のオープンソース型CMSではそうはいきません。
そのため、WordPress以外のオープンソース型CMSを選択する場合はインストールも行う手間を考慮し、サーバーを選択する必要があります。インストールは通常、バックエンドエンジニアが担当するため、内製化する場合はそのスキルを持つ社員が必要となります。
なお、本格的なWebサイトを構築するために制作会社へ依頼する場合は、サーバー選定も制作会社へ任せられます。
自社に合ったサーバーを選び、CMS構築をスムーズに進めよう
CMSで自社サイトを立ち上げる際に、サーバーは必須です。自社のリソースで導入が難しそうだと感じたら、外部委託やサーバーの準備が不要なクラウド型CMSの利用も検討してみてください。
また、サーバーを選ぶ際は、CMSの動作条件を満たしているか、自社でCMSをインストールできるのか、社内の運用体制は整っているかを基準に選ぶと良いでしょう。
導入前には社内でWebサイト運用の体制を整備して、スムーズに導入できるようにしましょう。