Webサイトを作成すると決めたあと、デザインはどうすればいいのか、何から始めればいいのか、どんなことに注意して作成をすすめるべきなのか、作成後はどう運用するのかなど、検討すべきことが多々あります。
これらを疎かにしてしまうと、「ただ作っただけ」になってしまい、当初のWebサイト制作の目的を達成できないばかりか、気がつけば放置されたままになってマイナスブランディングになってしまった、なんてことにもなりかねません。
そこで今回は、Webサイトにおけるデザインの決め方や作成時の注意点、アクセスを増やすために必要なことや作成後の運用などについてまとめました。
作成したWebサイトにきちんと意味のあるものとして働いてもらうためにも、今回ご紹介する内容をしっかりと念頭においておきましょう。
5ステップでパフォーマンスの高いウェブサイトを作成、管理する方法
HubSpotとCanvaは共同で、パフォーマンスが高く見栄えの良いウェブサイトを作成、管理する手順を詳しく説明する無料のガイドを作成しました。
- オーディエンスとそのニーズについて理解する
- オーディエンスに合ったコンテンツを作成する
- ウェブサイトを最適化し最大限の成果を上げる
- パフォーマンスレポートの作成、分析、継続的な改善
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
Webサイト作成ではどのようにデザインを決める?
Webサイトを作成していると、まず迷うのはデザイン面ではないでしょうか。重要なのは、ターゲットユーザーに沿ったデザインを構築することです。誰向けに、どのような目的で作るのかを念頭においた上でデザインを決めていきましょう。
とはいえ、デザイナーでもない限りWebサイトの色味やフォント、バナーやボタンの装飾などをそう簡単に構築できないですよね。
フォントやアイコンに迷われている場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
また、ギャラリーサイトを活用するのも良いでしょう。多様なウェブサイトデザインから自社のイメージに合うものを複数ピックアップし、イメージを固めていきます。
WordPressをはじめ、多くのCMSではデザインテンプレートが多数リリースされているので、そちらを参考にしてみるのも1つの手です。
実際にどのようなデザインが好まれるのか、自社ユーザーにヒアリングしてみるのも有効です。
Webサイト作成のポイント1:スマホ対応は必ず行う
現在、Webサイトのスマートフォン対応は必須事項となります。対応方法については、後にご紹介します。
情報通信白書(総務省作成)の令和3年版にある2019年と2020年のインターネット利用端末別の利用率を見ると、パソコンよりスマートフォンの利用が多いことが分かります。総務省|令和3年版 情報通信白書|インターネットの利用状況
これからのWebサイト作成において、画面の小さなスマートフォンでもストレスなく閲覧できるレイアウト設計は必須です。
なお、最近のCMSのテンプレートでは、パソコン、スマホ、タブレットなど、の各デバイスに合わせて表示形式が自動的に変更される「レスポンシブデザイン」を採用するものが多くなっています。
以下より、スマートフォン対応を行うための方法についてご紹介します。
自動変換サービスを使用する
すでにパソコン向けにWebサイトを作成しており、スマートフォン用のページを作るリソースがない場合は、自動変換サービスを利用しましょう。
自動変換サービスは特別な作業が必要なく、パソコン向けのページをスマートフォン用に最適化できるサービスです。無料で利用できる簡易的なものから、細かいカスタマイズや大規模サイトに対応できるものまであります。
CMSのプラグインを使用する
すでにパソコン向けにWebサイトを作成しており、WordPressなどのCMSを利用している場合、プラグインを使用することでスマートフォン用のページを作成できます。
自動で最適化される他、管理画面にてある程度のカスタマイズができるプラグインもあります。
レスポンジシブデザインで制作する
現在、Webサイト制作のスタンダードとなっているのがレスポンシブデザインです。
レスポンシブデザインではパソコン用とスマートフォン用で別々にデザインを作成するのではなく、1種類のデザインを複数のデバイスで表示できるようにします。
最初からレスポンシブデザインでWebサイトを作っておけば、後からスマートフォン対応に変更する必要がなくなります。加えて、スマートフォンでの見え方を考慮した上でデザインを作れば、ユーザーの利便性が向上し、より良い印象を与えられるでしょう。
モバイルフレンドリーとは
今あるWebサイトをスマートフォン対応にする、あるいはこれからWebサイトを作成する際に重要となるのが「モバイルフレンドリー」という考え方です。
モバイルフレンドリーとは、Webサイトがスマートフォンに対応しており、スマホユーザーにとって見やすいページになっていることを指します。
Google は2015年にモバイルフレンドリーアップデートを行いました。それ以降、スマホでの閲覧に適していないWebサイトの検索順位が引き下げられるようになりました。
SEO対策という意味でも、ユーザーに見やすいページを提供するという意味でも、モバイルフレンドリーは非常に重要な考え方です。
Webサイト作成のポイント2:AMP対応するか検討する
Webサイトのモバイルフレンドリーを高める手法として Google が推奨しているのが、 Google やTwitterなどが開発を進めている「AMP(Accelerated Mobile Pages)」です。
AMPは、スマホなどのモバイル端末における表示速度を上げるための仕組みです。AMP対応が可能な仕様に変更することで、ページ全体の容量が減り、ページの表示速度が上がるとされています。
ページがAMP対応していると、Google の検索結果画面には以下のように雷のマークがつきます。また、AMP対応したWebサイトにスマホスマートフォンからアクセスすると、URLの頭に「google/amp/」がつくようになります。
AMP対応を行うメリット
AMP対応を行う最大のメリットは、Webサイトのページが高速表示されるようになる点にあります。
表示速度が速ければユーザーから離脱されにくく、アクセス数アップにつながる可能性があります。
また、 Google は検索順位への影響はないとしていますが、高速表示されてユーザーからの評価が上がれば、結果的にSEO対策につながる可能性があります。
AMP対応を行うデメリット
メリットがある一方で、AMP対応には「管理しなければならないページ数が増え、運用の手間が増す」というデメリットもあります。
また、Webサイトの仕様と合わず、検索結果画面に表示されていたリンクが表示されなくなる可能性があります。
Webサイトの構築状況によっては、そもそもAMP対応が難しい場合もあります。
モバイルフレンドリーとの違い
AMPはWebサイトのモバイルページを高速表示させるための仕組みであり、Webサイトをモバイルフレンドリー化させるための一部だと言えます。
一方で、モバイルフレンドリーにAMPが必須というわけではなく、自社サイトの状態や運用体制も考えながら導入を検討することが大切です。
AMP対応は必須ではないものの、Webサイトがモバイル対応できていなければ検索順位に影響します。モバイルフレンドリーなWebサイトを作るのであればAMP対応は実施ておきたいところですが、メリットデメリットを確認し、自社の状況を踏まえたうえで判断しましょう。
Webサイト作成後のアクセスを増やす3つの方法
Webサイトの制作が完了したら、多くの人に閲覧してもらえるようにWebサイトの集客・運営を行いましょう。
1.SEO対策
Google 検索やYahoo!検索などの検索エンジンを用いて知りたいことを検索します。検索時のキーワードに近いビジネスを行っている場合、出来るだけ最初のページに表示されるような施策を行うことが大切です。
SEO対策には大きく分けると3つの対策があります。
- コンテンツSEO
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツSEO
SEO向けのコンテンツを作成する上で重要なのは、検索ユーザーの意図に沿った高品質なコンテンツに仕上げること。
Google では、コンテンツの品質を評価する基準としてEAT(Expertise:専門性、Authoritativeness :権威性、TrustWorthiness:信頼性)を重視する傾向にあります。
EATを担保しつつ、検索ユーザーにとって理解しやすい内容を意識して取り組みましょう。
- 内部対策
Webサイトの構造を、訪問ユーザーや検索エンジンにとってわかりやすく整理することを内部対策と呼びます。
見出しタグ、キーワード、画像タグ、内部リンク構造など様々な要素があり、SEO対策を行うのであれば必ず理解しておきたい部分です。
- 外部対策
信頼できる他のサイトからリンク(被リンク)を貼られたWebサイトは、閲覧者にとって良質なコンテンツと判断され、て検索エンジンで上位に表示されやすくなります。
被リンクを増やすためには、コンテンツを充実させることが大切です。
他ユーザーから「自分のサイト内で紹介したい」と思ってもらえるような有益なコンテンツを作成しましょう。
SEO対策の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
2.SNSの活用
Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSプラットフォームも、ユーザーと接点を持つチャネルとしては無視できません。
一口にSNSといっても、それぞれ独自の発展を遂げており、ユーザー層や求められるコンテンツは大きく異なります。各SNSの特性を理解した上で、自社のターゲットユーザーと親和性の高いSNSを選定し、それぞれに合った運用を行いましょう。
3.Web広告
リスティング広告、SNS広告、アドネットワークなど、Web広告を利用して集客するのも有効な手段です。
高いターゲティング精度を強みとする媒体が多く、うまく活用すれば高い費用対効果を生み出します。ウェブ広告も媒体によって特性が異なるため、しっかり理解しておきましょう。
Webサイトの集客方法について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
作成したWebサイトの分析・改善
Webサイトを作成して集客の施策を行ったら、Webサイトのアクセス状況、さらにはWebサイトの作成目的が達成されているかどうかを把握する必要があります。
達成、未達成のどちらの場合でも理由を分析することがWebサイトの改善に大切です。Webサイトの分析を行うには、専用の解析ツールを利用します。数多くの解析ツールがありますが、まずは下記のツールを使ってみましょう。
- Google Search Console
- Google Marketing Platform
Web解析を行ってくれる業者もありますが、依頼するにしても基本的な知識は理解しておくことをおすすめします。
Google Search Console
Google 検索画面からWebサイトへの流入状況を分析するツールです。
自社のWebサイトに関して「どのようなキーワードで検索・流入されたのか」「どのWebページが閲覧されたのか」を分析できます。Webサイトの閲覧者が関心のあるキーワードを把握できるため、アクセスの集めやすいキーワードを知り、施策に生かすことができます。
また秋から冬にかけて「スノーボード」のキーワードが増えるように、季節によるキーワードの変動も把握することができます。そのため、アクセスを集めるコンテンツの作成時期の調査に利用できます。
Google Marketing Platform
広告と分析ができる統合型のプラットフォームであり、マーケティング効果を高めるための様々なツールを使用できます。
例えばユーザー分析に役立つ「Google Analytics」や、収集したデータをレポートにまとめる「Google Data Studio」などがあります。分析やレポート作業にかかる時間を削減できるため、コア業務に注力しながらWebサイト運用・管理を行えます。
大幅な変更が必要になったらWebサイトのリニューアルを
Webサイトを運用し続けていると、目的やターゲットユーザーが変わったり、デザインが時代に合わなくなってきたりします。その際は、Webサイト全体のリニューアルを検討しましょう。
リニューアルする際は、どのような改善が見込めるのかをしっかり検証した上で実施するのがベターです。Webサイトの規模によりますが、リニューアル時はそれなりの時間と費用を費やさなければいけません。
チャットボットやポップアップなどの新機能を追加してみたい、デザインを今風に変えたいなどの漠然とした理由ではなく、アクセス解析データの分析や競合調査、ユーザーヒアリングを実施して自社の課題を明確にし、その解決策としてリニューアルが妥当なのかしっかり確認しましょう。
HubSpotでも、事前の検証を徹底したうえでWebサイトリニューアルに臨み、結果的に大きな成果を上げました。当社のリニューアル事例を知りたい方は下記記事をご確認下さい。
Webサイトは常に未完成と捉え、改善前提での運用を
ここまでご覧いただければすでに理解されていると思いますが、Webサイトは作ること自体をゴールにしてはいけません。制作後は、分析、改善、必要があればリニューアルと運用しながら改善していくものです。
ターゲットユーザーにとって完璧に使いやすく、これ以上改善の余地がないWebサイトというのは存在しないと言っていいでしょう。どうすればより快適に利用してもらえるのか、どうすればより成果に繋がるのか、改善することを常に念頭におきましょう。
逆に言えば、制作時には完璧を目指す必要もないということです。必要最低限の機能を実装した状態でリリースし、後から追加していってもいいでしょう。リソースとスケジュールを鑑みて判断しましょう。
また、Webサイトの運営のすべてを自社で行う必要はありません。一部を外部に委託するのも1つの手です。目的とターゲットユーザーという軸はブレないようにしながら、それ以外の部分は最適化を目指して柔軟に改善していきましょう。