ブランドイメージ向上や集客、ビジネスチャンス拡大などを行うためには、今や自社Webサイトの活用がほぼ不可欠となりました。これまで特に必要と思っていなかったものの、いよいよ自社Webサイトを立ち上げようと考えている担当者の方は少なくないでしょう。
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とはいえ、思い立ってすぐに作成できるものでもありません。まずは、そもそもWebサイトとはなにか、ホームページとの違いは何か、作成するにはどのような方法があるのかを事前に理解しておきましょう。
まずは、Webサイトの定義を確認しましょう。
皆さんもよく目にする、企業が運営している「コーポレートサイト」(企業の紹介を目的としたWebサイト)の場合、トップページ、事業内容、商品・サービスの説明、IR情報、問い合わせ、プライバシーポリシーなどのページで構成されています。
それぞれのページを「Webページ」と呼び、Webページの集合体をWebサイトと呼びます。
Webサイトの各ページのうち、トップページのことをホームページと呼びます。その他のページにつながるためのホームの役割を果たすため、こう呼ばれます。
一方で、Webサイトのことをホームページと呼ぶこともあります。元は誤用ですが、現在は浸透しており、ホームページといったほうが一般には伝わりやすいケースもあります。こういった背景もあり、本来のホームページのことはトップページと呼称することが多いようです。
また、ホームページには「ブラウザを起動したときに最初に表示されるよう設定したWebページ」という意味もあります。ただ、こちらの意味で使われるケースは少なくなっており、かつて各ブラウザに表示されていた「ホーム」ボタンも今はなくなっています。
総じて、国内では一般的に「Webサイト」と「ホームページ」は同じ意味で捉えられていると考えていいでしょう。
Webサイト制作を本格的に始動する前に、「なぜWebサイトがほしいのか」という理由を明確にしましょう。
次でご紹介しますが、Webサイトと一口に言っても種類は様々です。それぞれに特徴があるため、「Webサイト制作によって何を叶えたいのか、どんな課題を解決したいのか」という点を明確にし、それに適した種類のサイトを制作する必要があります。
また、Webサイト制作はサイトの種類によって予算や工数も変わってきます。プロジェクトが進んだあとに「しまった!」とならないためにも、制作目的を明らかにし、チームで共通認識を持って取り組むことが大切です。
さらに、制作目的を明確にすれば「どういう人に見てほしいのか」「彼らはどんなデザインを好むのか」「どんなことを主張すればいいのか」など、ターゲットを意識した要素をWebサイトに組み込みやすくなります。
このようなビジネス上のゴールを「KGI(Key Goal Indicator)」といいます。KGIには「営業利益120%成長」のような具体的な数値を設定し、それに向かってチーム・全社で達成できるようにします。
また、KGIを達成するためのマイルストーンを測るために、複数のKPI(Key Performance Indicator)」を設定します。KPIにも具体的な数値を設定し、KGIを達成するまでの道筋をチーム・全社で共有できるようにします。
Webサイトは、勢いで作り始めると後々軌道修正しても思うような方向に進みづらくなります。まずは、なぜ作ろうとしているのかをしっかりと考えましょう。
なお、KGIとKPIについては以下コラムにて詳しく解説しています。
Webサイトには様々な種類があります。
まずは目的を明確にした上で、どの種類のWebサイトを作成するか決定しましょう。
ここでは、企業向けのWebサイトでよく利用される種類をご紹介します。
会社情報、事業活動、商品情報、IR情報、採用情報など企業に関する情報を網羅的に掲載するWebサイトです。
企業理念や環境への取り組みなどの紹介もよく見られます。顧客と企業との大きな接点となるため、問い合わせ増加やブランディング、採用など様々な目的を内包するケースが多いでしょう。
様々な情報を整理し、訪問したユーザーが知りたい情報にすぐアクセスできるような導線設計が重要です。
特定の商品やサービスに関する情報を切り出したWebサイトをサービスサイトと呼びます。
商品やサービスについて知りたい方にとっては、様々な情報が掲載されているコーポレートサイトよりもサービスサイトの方が利便性が高いでしょう。
商品やサービスに興味があるユーザーに対し必要な情報だけを提供するため、問い合わせや資料請求などのコンバージョンにつながりやすくなります。
検索エンジンやWeb広告などで気になった記事から、ユーザーが最初にアクセスしたページを指します。
一般的にはリスティング広告など、Web広告の受け皿として用意されているページを指すことが多いでしょう。
広告経由で流入したユーザーに対し購入や問い合わせなど何かしらのアクションを促すため、興味喚起、商品やサービスの説明から購入や問い合わせなどのコンバージョンまで、一連の流れを1枚のWebページに記載して、コンバージョンへスムーズに導くことができます。
ECとは「Electronic Commerce」の略で、日本語では「電子商取引」となります。
Webサイト上で商品の販売を行うもので、カート機能や決済機能が実装されています。
「オンラインショップ」と呼ぶほうが馴染みがあるかもしれません。
商品の販売がメインの目的ですが、後述するオウンドメディア的な機能を持ち、潜在顧客へのアプローチから商品購入までを一気通貫で行うケースも増えています。
オウンドメディアとは一般的なニュースメディアとは異なり、企業自らが自社に関連する情報を発信するWebサイトを指します。
潜在顧客に興味を持ってもらえそうなコンテンツを発信し、メディアを通じて自社への理解を促し、資料請求や購入などにつなげていくことを目的に運営されます。
今見ていただいているWebサイトも、HubSpot Japanが潜在顧客に向けて有益なコンテンツを発信するためのオウンドメディアです。
ブランドサイトとは、商品・サービスの魅力を伝えブランド価値を高めるために作成するWebサイトです。
サービスサイトと役割が似ていますが、ブランドサイトでは見込み客向けに価値を高めることを目的に商品・サービスの紹介は前面には出さないこともあります。
また、ブランドサイトにはサービスサイトやECサイトへ誘導する役割もあります。魅力を伝えた上で「もっと知りたい」「利用してみたい」と感じてくれたユーザーに導線を用意し、コンバージョンにつなげていきます。
ユーザーがなんらかの操作を行って結果を得られるWebサイトのことをWebアプリケーションと呼び、そのサービス内容はWebサービスと呼ばれます。インターネット検索が行えるGoogle のサイトや、レンタカーを手配できる予約サイトなどが該当します。
なお近年はスマホアプリ化することも増えており、Webアプリケーションとスマホアプリをどちらも運用するケース、スマホアプリのみでサービスを提供するケースがあります。
新入社員の採用を目的としたWebサイトをリクルートサイトと呼びます。
どのような仕事をしているのか、どのような人材を求めているのかを説明するためのサイトですが、就活のサイクルにあわせて毎年作り変えるという特徴があります。
Webサイトの作成方法は、現在大きく分けると以下の3つです。
それでは、それぞれの作成方法を詳しく見ていきましょう。
HTML、CSS、JavaScript、PHPなどを駆使してホームページを自分でゼロから作成します。何もない状態から作成することを「スクラッチ」と呼びます。
自分のイメージに合ったオリジナルのホームページを作成できますが、それなりのリソースを割く必要があり管理コストも大きくなりがちです。そのため、スクラッチでWebサイトを作るのは大規模サイトを構築したい・独自のシステムを組みたい大企業向けだといえます。
CMSとは「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略で、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、ホームページが作成できる仕組みです。
CMSでは「テーマ」と呼ばれるWebサイトの雛形があり、テーマの中にトップページ・ブログページ・固定ページなどのテンプレートが含まれています。最も簡単な構築方法としては、提供されているテーマをそのまま使用し、画像やテキストを当てはめていくだけで完成します。
最も利用されているCMSは「WordPress」で、オープンソース型であることから豊富な数のテーマと、Webサイトを拡張できる膨大なプラグインが利用できます。基本的には無料で利用できますが、次にご紹介するサーバーとドメインが必要となります。
WordPressの他には、ベンダーが独自に開発したCMSも多く提供されています。そういったCMSは基本的に有料となりますが、直感的な操作でWebサイトを構築できる・マーケティングに特化している・ECサイトを簡単に開設できるなど、それぞれに特徴があります。
現在、Webサイトを作成するためにはCMSを利用するのが一般的ですが、専門的な知識がなくても作成はできるものの、実際には制作会社へ依頼するケースがほとんどです。これは、社内でWebサイト作成のリソースを確保することが難しいこと、企業独自のWebサイトにするには制作会社の専門スキルが必要になることなどが理由に挙げられます。
一方、CMSはコンテンツを効率よく更新できる点にも特徴があり、一度完成したWebサイトでコンテンツを更新する作業は内製化することが可能です。
Webサイトの作り方の詳細については、以下コラムをご覧ください。
Webサイトを作成するには、まずサーバーとドメインを準備する必要があります。
Webサーバーとは、ブラウザに表示されるWebページのデータを保管し、Webサイトにアクセスしたユーザーに情報を提供するコンピュータのことです。
あるユーザーが自身のパソコンやスマートフォンからWebサイトにアクセスする際、サーバーにリクエストが送られます。そのリクエスト内容をサーバーが読み取り、該当のWebページを表示します。自社で物理サーバーを設置するケースと、業者が提供するレンタルサーバーを利用するケースがあります。
レンタルサーバーを利用する際は、下記項目を確認して総合的に判断しましょう。
レンタルサーバーにはいくつか種類があり、主に「共用サーバー」、「専用サーバー」、「VPS」、「クラウドサーバー」に分けられます。
<共用サーバー>
1台のサーバーを複数の利用者で利用するのが、共用サーバーです。
費用を抑えられるというメリットがある一方で、使用できる容量に制限がある、他の利用者からの影響を受ける可能性があるなどのデメリットがあります。
<専用サーバー>
1台のサーバーを1利用者のみで利用するのが、専用サーバーです。
費用は共用サーバーよりも必要となりますが、使用できる容量が多い、他の利用者からの影響を受けないというメリットがあります。
<VPS(仮想専用サーバー)>
VPSでは共用サーバーと同じく1台のサーバーを複数の利用者で利用しますが、サーバー内に仮想サーバーを作成するため、原則として他の利用者の影響を受けなくなります。
専用サーバーと同等の機能を利用でき、かつ費用を下げられる点がメリットです。
<クラウドサーバー>
複数のサーバーを複数の利用者で利用することにより、サーバーをネットワーク上に構築するような形で利用できるのがクラウドサーバーです。
メモリなどのサーバースペックを容易に変更できる点が大きなメリットであり、柔軟なサーバー運用が可能となります。
<レンタルサーバーのサービス>
レンタルサーバーには、主に以下のようなサービスがあります。
サーバーについては、以下コラムにてさらに詳しく解説しています。
ドメインとは、Webサイトのインターネット上の住所を表すものです。HubSpotの日本Webサイトの場合、URLは「https://hubspot.jp/」でドメインは「hubspot.jp」の部分です。
ドメインは、レンタルサーバー事業者やドメイン取得サービスを提供している会社から購入できます。
独自ドメインとは、希望する文字列を使用したオリジナルのドメインです。誰とも共有しない世界に1つだけのもので、法人・個人を問わず取得できます。
企業の場合、自社名や商品名、サービス名など自社固有の名称をドメイン名として使用するケースが多く見られます。
HubSpotの日本WebサイトのURL「https://hubspot.jp/」も、独自ドメインの1つです。
独自ドメインを取得しない場合は、Webサイト作成事業者などのドメインを間借りすることになるため、URLに事業者名などの名前が入り、自由に設定ができません。
完全オリジナルのWebサイトを制作したいなら、独自ドメインの取得は必須と言えます。
独自ドメインの取得で得られるメリットは、以下の3つです。
こうした魅力がある一方で、独自ドメインには以下のようなデメリットもあります。
ドメインは、すでに取得されているものでなければ自由に選択できます。一方で、一度決めたドメインは原則として変更ができないため、慎重に決める必要があります。
企業であれば、ドメイン名は企業名やブランド名からもじるのが一般的です。日本語の名称であれば、ローマ字表記にしたり、英訳したり、数字を混ぜて遊び心を入れたりといったドメインがあります。
ブランディングの視点では、できるだけ短くて親しみのあるドメインが望ましいといえます。
独自ドメインについての詳しい内容は、以下コラムをご覧ください。
ここからは、初心者でも使いやすく運用しやすいCMSについてご紹介します。
上記でもご紹介した、無料で商用利用ができるオープンソース型のCMSです。膨大な数のテーマとプラグインがあり、独自の機能を構築できます。
また、世界で最も利用されているCMSであることからインターネット上に情報が多く、専門知識のない担当者でも調べながら運用が可能です。
なおすでに述べたとおり、実際には制作会社に依頼するケースが多いといえます。
世界中で2億5,000万人以上の利用者がいます。
900以上のテンプレートからWebサイトのデザインを選択できるため、Webサイトの目的や役割にマッチしたデザインを選ぶことができます。
また、ビジネス向けWebサイトに必要な問い合わせ画面、写真ギャラリー機能、ネット予約機能、SNSボタンなども簡単に導入できます。
世界中で3,200万ものサイトに採用されているCMSです。
HTMLやCCSなどのコーディングが不要でホームページが作成できるだけでなく、コーディング技術があればデザインをカスタマイズできます。
レスポンシブ対応(スマホ画面への表示に対応)、SNSとの連携、アクセス解析などの機能も備えています。
スマートフォンサイトにも対応している無料のCMSです。デザインがシンプルなので、どのようなWebサイト構築にもマッチします。
アプリから更新ができる他、ブログ機能を有しているため自社のブランディングにも役立ちます。また、SNSとの連携が可能で、アップロードを行わなくてもInstagramなどに投稿した写真を利用できます。
当社HubSpotが提供している、無料CMSを含むマーケティングソフトウェアです。HubSpotのCMSではビジネス向けのテーマを多数用意しており、CRMとの連携によりマーケティング機能も充実しています。
Content Hubの最大の特徴は、AIによってコンテンツの作成が行える点です。コンテンツの下調べからアウトライン、草稿の作成までをAIが行ってくれるため、担当者は文章を調整するだけでコンテンツを公開できます。
ホームページ作成ツールについては以下の記事でもご紹介しています。
Webサイト制作に使用する「HTMLエディタ」と、HTMLの書き方については以下の記事をご参考ください。
Webサイト制作を思い立ったら、まずはWebサイトを作る目的を明確にしましょう。Webサイトには種類があり、それぞれに向き不向きがあるため、目的をはっきり定めることで自社に適したWebサイトの種類が自ずと絞られます。
また、Webサイトはゼロから作るパターンと、CMSを使うパターンがあり、何を選ぶかで制作にかかる時間や費用も変わってきます。自社のリソースや予算、スケジュールなどに合わせて最善策を選びましょう。