もう10年以上前のことになりますが、HubSpotがまったく新しいマーケティングの考え方を発表し、それを「インバウンドマーケティング」という名前で呼び始めたころ、マーケティング担当者たちは、「コンテンツをやみくもに作っても意味がなく、それよりも、質の高いコンテンツを作成し、検索エンジンで見つけてもらいやすいよう最適化する必要がある」ことを理解し始めていました。

当時はコンテンツのほとんどをテキストで作成していましたが、現在は違います。

今日の総合的なコンテンツ戦略では、ブログやeBookなどのテキストベースのコンテンツの他に、ポッドキャスト、ビジュアルコンテンツ、動画など、さまざまな種類のコンテンツが作成されています。

中でも著しく伸びているのが動画です。2018年の「State of Inbound」では、マーケティング担当者の45%は、1年間でYouTubeの予算を増やし、他のチャネルよりも多くの金額をつぎ込んでいます。Download a Free 30-Day Planner for Your Business YouTube Channel.

また、テキスト以外のフォーマットが急速に普及したため、その新しいコンテンツを検索に最適化する必要が生じています。動画の検索に使用されるプラットフォームと言えばYouTubeです。YouTubeは動画配信ウェブサイトとして、非常に多くの人に利用されており、HubSpotでも利用しています。

では、YouTubeでの検索に動画を最適化するにはどうすればよいでしょうか。自社のYouTubeチャンネルを検索結果の上位に表示させるには、どのような手順で最適化を行えばよいのでしょうか。この記事ではその重要なテクニックや役立つツールについてご紹介します。

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1. ファイル名にターゲットキーワードを含める

テキストコンテンツの最適化と同じ手順で、まずSEOツールを使用してターゲットを絞り込むキーワードを特定します(8つのテクニックを説明した後に、人気の高いYouTube SEOツールについて紹介しています。文中のリンクをクリックすると、該当セクションに移動します)。

キーワードを特定したら、動画ファイルの名前にそのキーワードを含めるようにします。これはYouTubeに動画をアップロードする前に行ってください。なぜかというと、YouTubeが実際に動画を「視聴」して、ターゲットキーワードとの関連性を確認することはできないからです。さらに、この後のテクニックを読んでいただければわかりますが、動画の公開後に視聴ページに無理なくキーワードを追加できる場所は限られています。ただし、動画のファイル名やそれに伴うすべてのコードをYouTubeがアップロード時に読み取ることは可能です。

それを踏まえて、"business_ad_003FINAL.mov"のようなファイル名(撮影後は大体このような名前になっています)を、目的のキーワードを含む名前に変更してください。「house painting tips」(家の塗装のヒント)がキーワードなら、「house-painting-tips」の後に好みの動画ファイル形式(YouTubeでサポートされているMOV、MP4、WMVなどの一般的な形式)を付けたファイル名にするとよいでしょう。

2. タイトルにさりげなくキーワードを取り入れる

動画を検索し、その結果ページで私たちが最初に目にするのが動画のタイトルです。その動画をクリックして視聴するかどうかを、タイトルを見て判断することも多いと思います。興味を惹くだけでなく、わかりやすくて簡潔なタイトルにすることが重要です。

キーワードはもちろん大切ですが、それに加えてユーザーが探している内容にタイトルが非常に近ければ、クリックされる可能性は高くなります。Backlinkoが行った調査によると、タイトルに完全一致のキーワードが含まれる動画は、そうでない動画よりも、検索の順位がやや高くなるそうです。下の折れ線グラフをご覧ください。

exact-match-title.png
出典:Backlinko

このレポートを作成したBrian Dean氏は、ターゲットキーワードをタイトルに使用すると、そのキーワードでの順位の向上につながるかもしれないが、その影響は大きくはない、と説明しています。とは言え、タイトルにさりげなくキーワードを含めることで動画の内容が視聴者に正確に伝わるのであれば、最適化を行う価値は十分にあります。

なお、タイトルはできるだけ短くしてください。HubSpotのキャンペーンマネージャーであるAlicia Collinsは、検索結果のページにタイトル全体が表示されるよう、全角30文字以内に収めることを推奨しています。

3. 説明を最適化する

まず、Googleによれば、YouTube動画の説明で入力可能な文字数は最大で全角500文字です。この制限いっぱいまで説明を書いてもかまいませんが、視聴者は動画を見たくて検索をしたのであり、長々とした説明を読むためではないことを忘れないようにしましょう。

長文で説明を作成した場合、YouTubeの検索結果ページに表示されるのは最初の2、3行目まで(全角で50文字程度)であり、それ以降は[もっと見る]をクリックしなければ表示されません。CTAやクリックしてもらいたいリンク、重要な情報などは、できるだけ最初の方に入力しましょう。

動画を最適化することにおいて、動画に文字起こしを追加することは、(特に音声をオフにして動画を見る人に対しては)何らマイナスにはなりません。とはいえ、Backlinkoの調査では、動画の説明をキーワードで最適化しても、そのキーワードで順位が上がることはないと結論づけています。

keyword-in-description.png
出典:Backlinko

ただし、Dean氏はその意見には否定的で、「動画の説明をキーワードで最適化すると、サイドバーにおすすめの動画として表示されるため、ほとんどのチャンネルで視聴回数が大幅に増加する要因になり得る」と述べています。

4. トピックと関連する人気のキーワードをタグとして使用する

公式ヘルプであるクリエイターアカデミーでは、タグを使用して動画の内容を視聴者に伝えることが望ましいと説明しています。しかし、実際には視聴者だけでなく、YouTubeにもそれを伝えることが可能です。Dean氏は、「動画の内容やコンテキストを、YouTubeはタグを使用して理解している」と説明しています。

タグを使ってYouTubeに動画の内容を示せば、類似した動画どうしの関連付けが行われ、より多くの人にアクセスしてもらえるようになります。ただし、使用するタグは慎重に検討する必要があります。視聴回数を増やそうと関連のないタグを数多く使用すると、Googleによってペナルティーが課せられる場合があるので避けましょう。また、説明のテキストと同様、タグにも重要なキーワードを含めるとよいでしょう。検索されやすいキーワードや、「~する方法」などのロングテールキーワードを織り交ぜると効果的です。

5. カテゴリーに分類する

動画をアップロードした後、「Advanced settings(詳細設定)」で動画をカテゴリーに分類することができます。カテゴリーを選択すると、タグと同様に、YouTubeで類似した動画を関連付け、同じグループに入れることができます。これにより、さまざまな再生リストに追加され、その動画の視聴者と同じような関心を持つユーザーの目に触れる機会が多くなります。

ただし、カテゴリーの活用には意外に複雑な要素が絡むので注意が必要です。YouTubeのクリエイターアカデミーでは、カテゴリーを効果的に活用するためには、動画をどのカテゴリーに分類するかをさまざまな側面から考えることを推奨しています。どの動画がどのカテゴリーに適しているかを考えるには、以下の点について考慮してみるとよいでしょう。

  • そのカテゴリーで特に有名なトップクリエイターはだれか。また、その人たちはどのような知識を持ち、どのようなことをして効果を上げているのか
  • カテゴリー内の類似チャンネルの視聴者層に、何か共通点はあるか
  • そのカテゴリーに、同じような価値を持つ作品はあるか。また、同じような長さや形式の作品はあるか

6. サムネイル画像をカスタマイズしてアップロードする

サムネイルとは、動画の検索結果ページに表示される画像のことです。タイトルと同様、サムネイル画像もユーザーがその動画を視聴するかどうかの判断基準になるため、サムネイルの質が動画のクリック回数や視聴回数に大きく影響するとが考えられます。

YouTubeが自動で作成するサムネイルの中から適当なものを選んで表示することもできますが、自分で作成してアップロードすることを強くお勧めします。クリエイターアカデミーによると、「YouTubeでパフォーマンスの高い動画の90%は、自作のサムネイルを使用している」ようです。また、サムネイル画像には1280×720ピクセル、縦横比16:9、サイズ2MB以下の.jpg、.gif、.bmp、あるいは.png形式のファイルを使用するのが望ましいとされています。この条件を守れば、どの種類のプラットフォームで表示させた場合でも、安定して綺麗にサムネイルを表示させることができます。

ただし、サムネイル画像を自作してアップロードするには、確認済みのYouTubeアカウントを使用する必要があります。アカウントの確認をリクエストするには、youtube.com/verifyにアクセスし、画面の指示に従って操作してください。

7. SRTファイルを使った字幕や文字起こしを追加する

ここまで解説してきた他のテキスト要素と同じように、字幕や文字起こしにも重要なキーワードを含めることで、動画をYouTube検索に最適化することができます。

動画に字幕または文字起こしを追加するには、対応する文字起こしファイル、またはタイムコード情報の入った字幕ファイルをアップロードする必要があります。文字起こしを使用する場合は、動画にテキストが自動で同期されるよう、文字起こしを直接入力することができます。

字幕の場合は文字起こしよりも画面に表示するテキストが短くなる場合があります。どちらの場合も手順は同じで、まず[動画の管理]にある[動画]をクリックします。字幕または文字起こしを追加する動画を探し、編集ボタンの隣にあるドロップダウンの矢印をクリックしてから[Subtitles/CC(字幕/文字起こし)]を選択してください。その後、字幕または文字起こしをどの方法で追加するかを選択できます。

YouTube動画に文字起こしを追加する方法については、以下の動画をご覧ください。

8. カードや終了画面を追加してチャンネルの視聴意欲を高める

カード

動画を見ていて、真ん中に「i」と書かれた白くて小さな丸いアイコンが、画面の隅に表示されていたり、登録を促すテキストが書かれた半透明のバーが表示されていたりするのを見たことはありませんか。これらはカードと呼ばれるものです。クリエイターアカデミーでは、「あらかじめフォーマットが決められた通知のことで、パソコンとモバイルの両方に表示され、設定するとブランドやチャンネルの他の動画を宣伝することができる」と説明されています。

"i" icon to create End Cards in YouTube video
出典:Google

動画にはそれぞれ5つまでカードを追加できます。カードには以下の6種類があります。

  1. チャンネルカード:視聴者に視聴を呼びかけたいチャンネルにリンクできます。
  2. 寄付カード:米国の非営利団体への寄付を募りたいクリエイターが、動画で寄付を集めることができます。
  3. 視聴者ファンディング:視聴者に動画コンテンツ作成のための寄付を依頼することができます。
  4. リンクカード:動画を外部のウェブサイトや、承認済みのクラウドファンディングプラットフォーム、承認済みの商品販売プラットフォームと直接リンクさせることができます。
  5. アンケートカード:アンケートを表示して、視聴者にさまざまな選択肢に投票してもらうことができます。
  6. 動画カードまたは再生リストカード:視聴者が関心を持ちそうな別のYouTube動画にリンクさせることができます。

動画にカードを追加する方法について詳しくは、Googleの公式ヘルプまたは以下の動画を参照してください。

終了画面

終了画面に表示される情報はカードとよく似ていますが、名前からわかるとおり、動画が終了するまでは表示されません。また、情報がより視覚的に伝えられます。下の終了画面の例では、スープの画像と、他の動画の視聴を促すリンク画像が、ベースの画像に重ねて表示されています。

End screens displayed on a YouTube video
出典:Jamie Oliver on YouTube

終了画面については、視聴者の再生環境や使用可能なコンテンツの種類などについて細かい制約があります。こうした条件を考慮のうえ最適化を行うには、Googleのこちらのページをご覧ください。

YouTubeは視聴者が快適に視聴できるよう常に終了画面の検証を行っており、「自分が指定した終了画面が表示されない」ことがあるため注意が必要です。これらの点を考慮のうえ、カードを使うか終了画面を使うかを判断するとよいでしょう。

この記事で紹介した方法は、少し複雑で時間がかかるように思えるかもしれません。しかし、テレビでYouTubeの動画が再生される時間は年々倍増しています。それだけの人がYouTubeを見ているのであれば、自分の動画に興味を持ってくれる人もいるはずです。動画をYouTube検索に最適化し、適切なユーザーに見つけてもらえる可能性を高めておくことは非常に重要です。

さて、ここまで説明してきたSEOのテクニックのほとんどは、キーワードの特定と動画の宣伝が適切に行えていることを前提としています。また、すべてをYouTubeだけで実施できるわけでもありません。ここからは、動画撮影の費用に見合う効果を得られるよう、動画の検索順位を上げるうえで役立つツールをご紹介します。

1. Ahrefsのキーワードエクスプローラー

ahrefs-keyword-explorer-youtube

総合SEOプラットフォームであるAhrefsを使用すると、ウェブサイトの検索ランキングをモニタリングし、キーワードごとに期待できるオーガニックトラフィックを推定し、どんなキーワードに関するコンテンツを新規作成すればよいかを調査することができます。

キーワードエクスプローラーはAhrefsで人気の機能で、気になるキーワードについて、さまざまな情報を詳しく調べることができます。また、スクリーンショットのように、YouTubeなどの検索エンジン別にキーワードの検索結果を確認できます。

Ahrefsのキーワードエクスプローラーでは、キーワードの月間検索ボリュームや、そのキーワードの検索結果で上位に表示された動画のクリック数、関連するキーワードなどを調べることができます。

2. Canva

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Canvaはさまざまなカード、写真、ロゴなどを作成するデザインテンプレートとして知られています。便利なことに、この人気ツールには、YouTube動画のサムネイルを作成する機能もあります。

前述したとおり、動画をYouTubeの検索結果で上位に表示し、ユーザーが思わずクリックしてしまうほどの魅力を持たせるには、サムネイル画像が非常に重要です。Canvaのサムネイル作成機能を使用して、YouTubeが推奨する1280×720ピクセルの完成度の高いプレビュー画像を作成することができます。

3. HubSpotのコンテンツ戦略ツール

Screenshot_HubSpot-Content-StrategyHubSpotが開発したコンテンツ戦略ツールを使用すると、人気のキーワードを探し出し、それに関するコンテンツを作成して、キーワードごとに「トピッククラスター」と呼ばれる、いくつかのグループにまとめることができます。コンテンツをトピッククラスターに整理すると、関連性のあるコンテンツ、計画しているコンテンツの種類、作成済みのコンテンツなどを管理できます。

HubSpotのツールで検出されるキーワードは、通常のGoogle検索での人気に基づいていますが、こうしたトピックの多くはGoogle検索結果のページに動画も表示されます。その場合は、ブログ記事とそれに関するYouTube動画の両方を含むトピッククラスターを作成すると効果的です。

コンテンツのクラスターを作成し、動画とブログ記事を双方向にリンクすることで、GoogleとYouTubeからの評価が高まり、そのトピックを検索する人のトラフィックを複数ルートから獲得することができます。

4. vidIQ Vision

vidiq-vision-for-youtubevidIQ Visionは、上記リンク先のChromeウェブストアで提供されているChrome拡張機能であり、YouTube動画がどれだけ効果を上げているのか、その要因は何かを解析することができます。最適化に使われているタグや、平均再生時間、トラフィックを獲得しているスピードまでわかります。

また、このツールではSEOの「スコア」が表示されるため、この結果を参考にYouTubeでこれまでと同等の(またはそれを上回る)成果を上げるコンテンツを作成できます。

5. TubeBuddy

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TubeBuddyは、YouTube動画の作成、最適化、宣伝などのあらゆるステップを管理できる、オールインワンの動画プラットフォームです。自動翻訳(英語以外のキーワードで検索順位を高める際に有用)、キーワードエクスプローラー、タグの提案、公開済み動画の順位の追跡などの機能を備えています。

6. Cyfe

cyfe-web-analytics-tool

Cyfeは、主にウェブ解析プラットフォームを提供する大規模ソフトウェアスイートです。このプラットフォームでは、YouTubeなどのコンテンツを配置しているすべてのウェブサイトプロパティーで、ページのパフォーマンスや各ページのトラフィックの発生元を追跡できます。

Cyfeはトラフィックの解析の他に、自分のコンテンツがどのようなキーワードで検索結果に表示されているか、さまざまな検索エンジンでどのキーワードが最も人気があるかを示してくれます。GoogleアナリティクスやMozの機能に似ていると思われたかもしれません。実はCyfeは、その2つを含めた複数のツールからデータを取り込んでいるのです。

今回ご紹介したSEOのテクニックやツールをどのように活用するにしても、YouTubeチャンネルで成果を上げるには、何よりも優れたコンテンツを作成することが欠かせません。動画を見つけてくれた視聴者に興味を持ってもらえるような、すばらしいコンテンツを作成しましょう。詳しい手順が知りたい場合は、以下からHubSpotの無料のビジネス向けYouTube活用ガイドをダウンロードしてください。

YouTube for Business

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元記事発行日: 2019年11月06日、最終更新日: 2019年11月06日