コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?混同するリスクも解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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コンテンツマーケティングとSEOは、いずれも潜在顧客との関係構築を目的とする手法ですが、同列に語るものではありません。

コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?混同するリスクも解説

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SEOは検索エンジンのユーザーを対象にした施策であり、コンテンツマーケティングは、検索エンジンだけでなく、コンテンツを発信できるあらゆるチャネルが対象となります。

本記事では、コンテンツマーケティングとSEOの違い、意味を混同するリスクを解説します。それぞれの施策を実施するうえでのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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コンテンツマーケティングとSEOの違い

コンテンツマーケティングとSEOの違い

コンテンツマーケティングは、幅広いチャネルで情報発信を行う施策全般を指します。SEOは、そのなかでも検索エンジンでの施策に特化したものです。

コンテンツマーケティングとSEOを比較すると、目的・対象チャネル・対象ユーザーに次のような違いがあります。

コンテンツマーケティングとSEOを比較

3つの違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
 

1. 目的の違い

<コンテンツマーケティング>

自社の潜在顧客が求めているコンテンツを提供し、関係性を構築して成約につなげる

<SEO>

検索エンジンで自社サイトの検索順位を上げ、流入ユーザーを増やす

コンテンツマーケティングとSEOは、いずれも潜在顧客をメインターゲットとしている点は同じです。違いとしては、一般的にSEOは検索エンジン経由での流入を増やすことが主な目的となるのに対し、コンテンツマーケティングは接点を持ったユーザーとの良好な関係構築から、最終的には成約につなげていくことを重視します。

しかし、SEOを実施する場合でも、もちろん流入を増やすだけで良いわけではありません。SEOもコンテンツマーケティングの一環と捉え、流入を増やした先にあるゴールを意識しましょう。
 

2. 対象チャネルの違い

<コンテンツマーケティング>

検索エンジン/SNS/動画メディア/メールマガジン/プレスリリース/広告/イベント/セミナーなど

<SEO>

検索エンジン

コンテンツマーケティングには、コンテンツに関するあらゆるマーケティング手法が含まれます。そのため、対象となるチャネルはオンライン・オフライン問わず多岐にわたります。さまざまな接点で潜在顧客とのコミュニケーションをはかり、認知を拡大できるのがコンテンツマーケティングのメリットです。

一方SEOは、検索エンジンのみを対象としています。検索エンジンで検索しているユーザーは、何かしらの課題を抱え、解決策を探している可能性が高く、もしその課題に対して適切な回答を提供できれば高い確率で接点を持てます。 自社製品の認知度が低くても、潜在顧客と接点を持てるチャンスが多いため、企業でコンテンツマーケティングをスタートさせる場合はSEOを優先するケースが多い傾向にあります。

 

3. 対象ユーザーの違い

<コンテンツマーケティング>

さまざまなチャネルで接する潜在顧客が中心

<SEO>

検索エンジンを利用する潜在顧客が中心

コンテンツマーケティングとSEOは、まだ製品購入の検討に至っていない潜在顧客がメインターゲットです。ただし、施策の内容によっては見込み客や顧客がターゲットになる場合もあります。

コンテンツマーケティングでは、後述するカスタマージャーニーを活用し、各チャネルにおける潜在顧客のイメージを明確にしておきましょう。
 

コンテンツマーケティングとSEOを混同するリスク

コンテンツマーケティングとSEOを混同して施策を行うと、集客手段が限定されたり、想定していた成果が出なかったりと、事業運営のリスクが増える可能性があります。次でご紹介するリスクを踏まえ、それぞれの違いが明確になることで、目的に合わせて適切な施策を実行できるでしょう。
 

検索エンジンからの集客に限定される

本来、コンテンツマーケティングは幅広いチャネルを活用し、多様な接点のなかで潜在顧客との関係構築を目指す手法です。「コンテンツマーケティング=SEO」と捉えてしまうと、集客手段が検索エンジンのみに限定され、コンテンツマーケティングのメリットを活かしにくくなります。

両者を混同するリスクを避けるには、コンテンツマーケティングとSEOで大きな違いが表れやすい、対象チャネルの違いを理解することが大切です。
 

正確なKPIが設定できず成果が出ない

コンテンツマーケティングとSEOは、いずれも最終的な成約につなげるのが目的ではあるものの、設定すべきKPIが異なります。そのため、両者の役割や意義を混同すると正確なKPIが設定できず、成果に結び付かない可能性も考えられるでしょう。

コンテンツマーケティングの場合は、チャネル別にKPIを設定するのが適切です。複数のチャネルから成約につながる可能性があります。多岐にわたる施策を実施するため、KPIはサイトの流入数に限らず、SNSでのシェア率やフォロワー数、ウェビナーの参加数などを設定しましょう。

SEOの場合は、検索ユーザーが対象となるため、主に検索エンジンにおける上位表示率やセッション数などがKPIに該当します。SEOで成約につなげるには、目標キーワードで流入したユーザーに対するコンテンツの見せ方や適切なCTAの配置など、ページ内でのCV改善の施策が必要です。
 

コンテンツマーケティングとSEOの施策を実施する際のポイント

コンテンツマーケティングとSEOの施策を実施する際のポイント

コンテンツマーケティングとSEOを混同せず、それぞれの役割を明確にするには、目的やチャネルの違いを理解するだけではなく、各施策を実施する際のポイントを把握すると良いでしょう。その結果、マーケティングの目的に合わせて必要な施策を選別することが可能になり、それぞれの成果向上が期待できます。
 

コンテンツマーケティングのポイント

コンテンツマーケティングでは、性質の異なる幅広いチャネルで施策を実施するため、認知から成約に至るまでのカスタマージャーニーを俯瞰的に考えることが大切です。そのうえで意識すべきポイントは次の通りです。

  1. カスタマージャーニーでユーザーニーズを見極める
  2. ユーザーニーズに合わせたチャネルの種類を検討する
  3. ユーザーの導線に沿ってKPIを設定する

 

1. カスタマージャーニーでユーザーニーズを見極める

さまざまなチャネルを駆使するコンテンツマーケティングでは、ターゲットの購買プロセスをカスタマージャーニーで可視化し、各フェーズに即したコンテンツ設計が重要です。

カスタマージャーニーとは、特定ユーザー(ペルソナ)の認知・比較検討・購入といった購買プロセスを可視化した図を指します。

カスタマージャーニーを設計する際は、フェーズごとにペルソナの行動や感情、タッチポイントなどを設定します。結果として、各フェーズにおけるユーザーの課題やニーズを把握しやすくなるため、ユーザーの置かれている現状に合ったアクションプランの策定につながります
 

2. ユーザーニーズに合わせたチャネルの種類を検討する

コンテンツマーケティングでは、対象となるチャネルが増えるほど、やみくもにコンテンツを作成してしまうケースも珍しくありません。その結果、管理工数が増え、費用対効果が低下する可能性も考えられます。

そのような失敗を防ぐには、カスタマージャーニーで明らかになったユーザーニーズを根拠に、適切なチャネルの種類を検討することが重要です。

コンテンツマーケティングで活用されるチャネルには、次のような種類があります。

【SNS】
TwitterやInstagram、Facebookなどで有益なコンテンツを提供すれば、情報の拡散による認知拡大が見込める。いいねやコメントによってユーザーと直接コミュニケーションをとれるため、エンゲージメントの強化にもつながる。

あわせて読みたい

Facebookマーケティング

【動画メディア】
YouTubeやTikTokなどで映像コンテンツを配信。テキストコンテンツよりも短時間で情報を取得しやすいメリットがある。ライブ配信であれば、配信中のコメント欄でユーザーとコミュニケーションをはかれる。

【メールマガジン】
定期的にお得な情報や新着コンテンツをメールで配信。ユーザーの属性や行動傾向に合わせてターゲティングできるのが特徴。集客やリピーター創出、ファンの醸成といった幅広い活用が可能。

【セミナー】
自社商品・サービスに興味があるユーザーに向けて、その領域における事例やノウハウなどを提供することで、購買意欲の醸成につながる。;

 

3. ユーザーの導線に沿ってKPIを設定する

カスタマージャーニーをもとにユーザーの導線を設計すると、フェーズごとに必要なチャネルが整理され、それぞれ適切なKPIを設定できます。そして、最終目標となるKGIに到達するために、それぞれのKPIを結び付けます。

ユーザーの導線に沿ってKPIを設定する

KPIを設定するポイントは、KGIから逆算して各フェーズのKPIを設定することです。

例えば、成約によって1,000万円の売上高を達成したい場合、どの程度の問い合わせ件数や商談化率が必要なのかを算出します。さらに、問い合わせ件数や商談化率などのKPIをもとに、潜在顧客が見込み客へと転換する際の指標(ホワイトペーパーダウンロード率など)を考えると良いでしょう。
 

SEOのポイント

SEOを実施する際は、検索エンジンからの集客効率や、流入から成約に至るまでのページ構成などに注力することが大切です。そのうえで意識すべきポイントは次の通りです。

  1. テーマに合わせて最適な検索キーワードを選ぶ
  2. 検索ニーズをもとにユーザーファーストを意識したコンテンツを作成する
  3. コンテンツページ内の導線にも気を配る
  4. アクセス解析ツールを活用する

 

1. テーマに合わせて最適な検索キーワードを選ぶ

リソースの観点から、すべての検索キーワードを対象にSEOを実施するのは現実的とはいえません。そのため、まずは自社に合ったテーマを決め、ユーザーニーズや自社要件に則った検索キーワードを絞り込むと良いでしょう。

例えば、「地方移住」をテーマにしたサイトを立ち上げる場合、「北海道 移住」「沖縄 移住」といった地域別の情報が対象となる検索キーワードを想定できます。一方で、地方移住を検討するユーザーは、「北海道 観光」のような検索キーワードは利用しない可能性が高いといえます。

Google キーワードプランナーを活用すれば、自社のテーマに合う関連キーワードを調べられますが、なかには自社サイトのテーマに合わないものも含まれているため注意が必要です。コンテンツを作成する前に必要な検索キーワードのみを取捨選択しましょう。

検索キーワードの調査・選定方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

2. 検索ニーズをもとにユーザーファーストを意識したコンテンツを作成する

SEOを実施する際は、検索エンジンファーストではなく、ユーザーファーストを意識してコンテンツを作成しましょう。なぜなら、検索エンジンはユーザーファーストを意識したコンテンツを提供することを重視しているからです。

Google をはじめとする検索エンジンは、ユーザーが最も必要とするであろう情報を検索結果の上位に表示させます。ユーザーのことを考慮せず、検索順位を上昇させるために作られたコンテンツは検索からの評価が上がらず、上位表示されないでしょう。

ユーザーファーストにもとづいたコンテンツを作成するには、検索キーワードごとのニーズを的確に読み取る必要があります。上位表示の競合コンテンツを参考にするだけではなく、同様の悩みを抱えていそうな人にヒアリングを行ったり、検索ニーズを調査できるツールを活用したりと、ユーザーの疑問を明確にし、適切な回答となるコンテンツを用意しましょう。
 

3. コンテンツページ内の導線にも気を配る

SEOを実施する際に集客が目的化してしまうケースも珍しくありません。しかし、SEOの本来の目的は、サイト流入後の成約につなげることなので、問い合わせ獲得や資料請求といったコンバージョンを意識することが大切です。

そのためには、コンテンツページ内の導線に配慮すると良いでしょう。

例えば、ユーザーが流入したページ内に内部リンクを設置し、サイト内の回遊によって顕在層向けのページへのアクセスを促す方法が考えられます。また、コンテンツの内容に合わせてCTA(行動喚起)セクションを配置し、資料のダウンロードを促進するのも方法のひとつです。
 

4. アクセス解析ツールを活用する

SEO施策の成果を検証するためには、アクセス解析ツールの導入が有効です。

アクセス解析ツールを活用すれば、各キーワードにおける検索順位の推移や特定ページへのアクセス数、コンバージョン率、サイト内回遊率などの指標を確認できます。定期的に各指標の推移を確認し、課題の特定や改善につながるPDCAを実践することが大切です。

アクセス解析ツールは、無料で使えるGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleをおすすめします。

アクセス解析のポイントや注意点を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

目的に合わせてコンテンツマーケティングとSEOを使い分けよう

「コンテンツマーケティング = SEO」という認識のもとにマーケティング施策を進めると、対象範囲が検索エンジンを使用するユーザーのみになってしまいます。

今回ご紹介した内容を参考に、それぞれの目的やチャネルの違い、各施策を実施する際のポイントを把握しましょう。コンテンツマーケティングとSEOの違いを理解すれば役割が明確になり、マーケティングの目的に合わせて適切な施策を行えるようになります。

結果として、ユーザーに対して適切なチャネルで最適化されたコンテンツを提供できるため、流入増やリード創出、認知拡大といった自社が求める成果につながるでしょう。

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