ビジネスにおいて、チャットボットは問い合わせ対応の自動化や業務改善などに活用できます。大きくは「AI型」「シナリオ型」に分類され、種類によって特徴も導入費用も異なります。チャットボットの導入を検討している方は、まず無料で作成できるチャットボットで使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。
本記事では、無料で使えるおすすめのチャットボット作成ツールを機能別に紹介し、導入時の注意点を解説します。完全無料で使用できるツールのほかに、無料版で使用感を試せる有料ツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
※今回は、ユーザーからの問い合わせ対応を効率化することを想定したチャットボットの紹介を主軸としており、ChatGPTなどのコンテンツ生成型のAIは対象外としています。
チャットボット活用の基礎ガイド
チャットボットの選び方から導入手順までわかりやすく解説!
- チャットボットの基本概要
- チャットボットの導入メリットと導入事例
- チャットボットの導入手順
- チャットボットの選び方
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完全無料で利用可能なチャットボットツール3選
ここでは、完全無料で利用できるチャットボットツールを3つご紹介します。
1. HubSpot
【料金(月額)】
- 無料版
- Starter:5,400円
- Professional:54,000円
- Enterprise:144,000円
【主な機能】
- 顧客からの問い合わせ対応
- ミーティングの予約
- HubSpot CRMとの統合
【公式HP】
www.hubspot.jp/products/crm/chatbot-builder
【特徴】
当社が提供するHubSpot(ハブスポット)は、世界90カ国で使用されているCRMツールで、その機能の一部にチャットボットがあります。
135,000社以上に導入されているチャットボットであり、完全無料で利用可能です。テンプレートが用意されているため、コーディングなどの専門知識がなくても導入できます。質問に答えていくだけで簡単にチャットボットを作成できるため、はじめての方でも迷わず導入が可能です。
HubSpotのメリットは、チャットボット以外にも営業支援やマーケティング支援など、多くの機能を無料で利用できる点にあります。CRMとも統合されており、蓄積されたデータをもとに自然なコミュニケーションを実現できます。チャットボットから収集した情報は自動的に保存されるため、チームでの運用にも便利です。
2. IZANAI
【料金(月額)】
- 無料版
- トライアル:12,000円
- スイート:36,000円
- プレミアム:60,000円
【主な機能】
- ステップ構造で作成する会話フロー
- 分析データをレポート出力可能
- シンプルな操作性
【公式HP】
【特徴】
IZANAI(イザナイ)は、簡単な操作ですぐに導入できるチャットボットツールです。会話フローは複雑なツリー構造ではなく、質問を順次設定するステップ構造なので、チャットボットの作成がはじめての方にもおすすめです。
無料で使えるチャットボットには珍しく、離脱率や回答時間を詳細なレポートで確認できます。自動的にグラフ化されるため、データを直感的に把握可能です。
シンプルな操作で扱いやすく、テンプレートも用意されており、公開までの手順も簡単です。
3. Chai
【料金(月額)】
- フリープラン:無料
- ライトプラン:4,980円
- ベーシックプラン:9,800円
- アドバンスプラン:個別見積もり
【主な機能】
- AI自己学習機能
- 外部APIとの連携
- 類似文の作成やシナリオ応答パターンの自動作成
【公式HP】
【特徴】
Chai(チャイ)は、ディープラーニングとロジックベースによる自然対話を構築できるAIチャットボットツールです。ユーザーの意図を理解し、会話をゴールまで導いてくれます。
外部APIとの連携が可能で、自社ECサイトの商品の検索結果を表示するなど、情報提供を通じて顧客満足度の向上につなげることができます。
意図解釈を使った類似文の作成やシナリオ応答パターンの自動作成、オンライン上のFAQを自動で取り込むなど、AIチャットボットならではの高機能が特徴のツールです。
無料トライアルありのチャットボットツール12選
次に紹介するチャットボットツールには、無料トライアルが用意されています。有料版を契約する前に、トライアルで操作感を試してみてください。
社内・社外の問い合わせ対応におすすめのチャットボット
社外の問い合わせ対応やカスタマーサポートに活用できるチャットボットをご紹介します。テンプレートの有無や有人チャットへの切り替え、自然言語への対応などに着目してご覧ください。
1. さっとFAQ
出典:さっとFAQ
【料金(月額)】
- エントリー:10,000円
- ベーシック:30,000円
- アドバンス:50,000円
【主な機能】
- 会話データの作成がExcelでできる
- 辞書データが標準装備されている
- 優れたコストパフォーマンス
【無料トライアル期間】
30日間
【公式HP】
【特徴】
さっとFAQは、よくある質問の対応に特化したチャットボットツールです。会話データはExcelで作成でき、用意されたテンプレートに質問と回答を貼り付けて登録するだけで、精度の高いチャットボットを作れます。
表記揺れに対応した辞書データが標準装備されており、「問い合わせ」「問合せ」などの違いを認識します。膨大な作業量を必要とする事前学習が不要なため、最短3日での公開も可能です。
2. ChatPlus
出典:チャットプラス
【料金(月額払いの場合)】
- ミニマム:1,980円
- ビジネスライト:10,800円
- プレミアム:30,000円
- AIライト:54,000円
- オートAI:78,000円~
- AIチャットボット:170,000円
【主な機能】
- AIによる自動応答と有人対応の切り替えができる
- 同じIDで同時ログインできる
- すべてのプランにサポートがついている
【無料トライアル期間】
10日間
【公式HP】
【特徴】
ChatPlus(チャットプラス)は、10,000社以上の導入実績があるAIチャットボットツールです。
AIによる自動応答だけでなく、必要に応じて有人チャットに切り替えられます。簡単な問い合わせ対応からコンバージョン数の向上などきめ細かい対応が求められる場面まで、幅広い用途で活用できます。
月額2,000円を切るプランでもひとつのIDを共有できるため、費用を抑えて運用可能です。また、すべてのプランにサポートがついているため、安心して利用できます。
3. FirstContact
出典:FirstContact
【料金(月額)】
- スタンダード:2,980円
- プレミアム:15,000円
- プロ:29,000円
【主な機能】
- 自然言語に対応した精度の高い回答
- 画像や選択式の対話機能
- LINEやFacebookと連携可能
【無料トライアル期間】
20日間
【公式HP】
【特徴】
FirstContact(ファーストコンタクト)は、自然言語理解技術を活用したチャットボットツールです。意図や背景を組み合わせた会話が得意なAIシステムである「IBM Watson」を搭載しており、自然なコミュニケーションをとることができます。
画像や選択式の対話機能にも対応しており、自由入力の文章だけで伝えきれないニュアンスを伝えられます。そのため、AIチャットボットでも満足度の高いやりとりが可能です。
Webサイトだけでなく、LINEやFacebookなどの利用率の高いコミュニケーションアプリとも連携できます。
4. RICOH Chatbot Service
出典:RICOH Chatbot Service(AI活用型チャットボットサービス) | リコー
【料金(月額)】
- STARTER:18,000円
- STANDARD:50,000円~
- ENTERPRISE:要問い合わせ
【主な機能】
- 辞書型とシナリオ型のハイブリッド型チャットボット
- Excelですぐに利用開始できる
- 業種別テンプレート
【無料トライアル期間】
30日間
【公式HP】
www.ricoh.co.jp/service/chatbot
【特徴】
RICOH Chatbot Service(リコーチャットボットサービス)は、AI活用型のチャットボットツールです。Excelで作ったFAQデータを読み込むだけで、すぐに利用開始できます。
よくある質問をまとめたテンプレートが業種別に用意されているため、原稿作成に悩むことがありません。テンプレートを修正するだけで、初期設定が完了します。
確実にゴールまで導けるシナリオ型と、自由回答で人間に近いチャットができる辞書型の両方を利用できます。トラブル対応にはシナリオ型、顧客からの質問には辞書型のように、ふたつのチャットボットを組み合わせた対応も可能です。
5. Neurox
出典:Neurox(ニューロックス)無料おためしキャンペーン
【料金(月額払いの場合)】
- スタートプラン:10,800円
- スタンダードプラン:60,000円
- 高精度AIプラン:170,000円
【主な機能】
- 正答率97.3%の高精度チャットボット
- 高速レスポンス
- ログの自動分析で運用の手間が省ける
【無料トライアル期間】
30日間
【公式HP】
spjai.com/html/chatbot-lp/m-a/
【特徴】
Neurox(ニューロックス)は、正答率97.3%の高精度なチャットボットツールです。回答まで1秒未満の高速レスポンスで、ストレスのないコミュニケーションが可能です。
一般的なチャットボットでは、定期的にログを確認してコンテンツの追加や編集を行う必要がありますが、Neuroxではそれらの作業が自動で行われます。ユーザーからの問い合わせを自動で分析し、不足しているコンテンツを自動抽出できるため、管理の負担を軽減できます。
6. AI-FAQボット
出典:AI-FAQボット
【料金(月額)】
- 1~100問まで:30,000円
- 101~200問まで:40,000円
- 201~300問まで:50,000円
- 301~400問まで:60,000円
- 401~500問まで:70,000円
- 501~600問まで:80,000円
- 601~700問まで:90,000円
- 701~800問まで:100,000円
- 801~900問まで:110,000円
- 901~1,000問まで:120,000円
- 1,001問以上:要問い合わせ
【主な機能】
- 事前学習やシナリオ作成が不要
- 言葉の揺らぎや未登録の単語を自動学習
- オンプレミス版も導入可能
【無料トライアル期間】
30日間
【公式HP】
【特徴】
AI-FAQボットは、自然文を理解するオリジナルAIを搭載したAIチャットボットツールです。
事前学習やシナリオ作成が不要で、Excelに質問と回答を入力してアップロードするだけでFAQデータが作成できます。FAQデータからカテゴリーボタンの自動生成も可能で、ユーザーの質問方法に左右されずに適切な回答を提示できます。
言葉の揺らぎや未登録の単語をAIが自動学習し、使い込むほどに精度の高いチャットボットツールに成長します。
社内でシステムを構築できるオンプレミス版が用意されているため、セキュリティの問題でクラウド版が利用できない企業でも導入可能です。
7. hitobo
出典:hitobo
【料金(月額)】
- 要問い合わせ
【主な機能】
- 表記揺れに対応
- 有人チャットに切り替え可能
- FAQページを生成機能
【無料トライアル期間】
30日間
【公式HP】
【特徴】
hitobo(ヒトボ)は、社内問い合わせに自動で対応するAIチャットボットツールです。
同義語などの表記揺れに対応しており、自然な会話で目的の情報にたどり着きたいユーザーに適しています。辞書機能も搭載されており、社内用語にも対応しています。
チャットボットと有人対応の切り替えができ、有人で対応すべき課題に注力できます。
また、チャットボットのQ&Aとは別に、FAQページの生成も可能です。チャットボットとFAQページは連動できます。
社内ヘルプデスク専用チャットボット
社内ヘルプデスク専用のチャットボットツールをご紹介します。同じような質問に自動対応できれば、業務の効率化につながります。
8. OfficeBot
出典:OfficeBot
【料金(月額)】
- 150,000円
【主な機能】
- 登録した質問からAIが大量のシナリオを作成
- ドキュメントから回答を作成可能
- 高い拡張性
【無料トライアル期間】
要問い合わせ
【公式HP】
【特徴】
OfficeBot(オフィスボット)は、バックオフィスに特化したチャットボットツールです。
登録したFAQからAIが自動で大量のシナリオを作成するため、質問を用意する必要がありません。また、PDFなどのドキュメントも登録でき、FAQを別途用意しなくてもユーザーは知りたい情報が入ったドキュメントにすぐアクセスできます。
SlackやLINE、Microsoft Teamsなど、普段使っているさまざまなサービスやシステムとの連携が可能です。
9. チャットディーラーAI
出典:チャットディーラー
【料金(月額)】
- 要問い合わせ
【主な機能】
- 400種類以上の質問テンプレート
- AI搭載なのに短期間で導入可能
- 専属担当によるサポート
【無料トライアル期間】
要問い合わせ
【公式HP】
【特徴】
チャットディーラーAIは、社内問い合わせ対応やナレッジ共有に特化したチャットボットツールです。
よくある質問をまとめたテンプレートが400種類以上あり、AIによる学習を終えた状態で提供されるため、AIチャットボットであっても導入期間を短くできるのが特徴です。
また、初期の導入サポートだけでなく、専属のサポート担当が効果的な設定方法や運用改善のポイントを無料でサポートしてくれます。
LINEやECサイトへの導入に強いチャットボット
使い慣れたコミュニケーションツールやWebサイトにチャットボットを導入すれば、満足度の高いコミュニケーションを実現できます。ここでは、LINEやECサイトへの導入に強いチャットボットをご紹介します。
10. sinclo
出典:sinclo
【料金(月額)】
- コスト重視プラン:9,440円~
- 成果重視プラン:29,440円~
【主な機能】
- ノーコードでマニュアル不要の操作しやすいUI
- サイト訪問者にあった情報を提供
- ブラウザ同期や資料共有などチャットの枠を超えた店舗のような接客が可能
【無料トライアル期間】
14日間
【公式HP】
【特徴】
sinclo(シンクロ)は、ノーコードで利用できるチャットボットツールです。マニュアル不要で操作できるようにUIが設計されており、直感的にチャットボットの作成が可能です。
トリガーも設定でき、滞在時間や訪問回数、営業時間などの条件から選択できます。Webサイトの訪問者の状況に合わせたメッセージを提供し、購買意欲の向上や精度の高い問い合わせ対応を実現します。
チャットの枠を超えた機能が搭載されており、実店舗のようなWeb接客が可能なのがsincloの強みです。ユーザーが閲覧中のWebページや資料を共有し、一緒に操作できます。
11. CLOVA Chatbot
出典:CLOVA Chatbot | LINE CLOVA公式サイト
【料金(月額)】
- Trial:無料
- Commercial:55,000円
- Enterprise:要問い合わせ
【主な機能】
- LINEサービスとの連携がしやすい
- 多言語に対応
- 直感的なシナリオ設計が可能
【無料トライアル期間】
3か月
【公式HP】
【特徴】
CLOVA Chatbot(クローバチャットボット)は、自然言語処理(NLP)や機械学習、テキストマイニングなどの技術を活用した高機能なAIチャットボットツールです。ユーザーの質問意図を理解して、学習しながら適切な回答を提供します。
株式会社LINEのチャットボットツールであるため、LINE公式アカウントやLINE WORKSなどのLINEサービスとの連携が簡単に行えます。LINE以外に、Facebookや社内チャットツールとの連携も可能です。
高い正答率を誇るAIエンジンは英語や中国語など多数の言語に対応しているため、海外ユーザーにも利用してもらえます。
シナリオは直感的に設計可能で、サービス改善につなげるための会話分析も簡単に行えます。
12. GoQSmile
出典:GoQSmile
【料金(月額)】
- スタンダードプラン:10,000円
- 外部連携プラン:15,000円
- 有人チャットプラン:20,000円
【主な機能】
- ひとつのロボットで複数のWebサイトやECサイトに設置できる
- スマートフォンで管理可能
- ポップアップや埋め込みなど利用目的に応じてさまざまな対応を選べる
【無料トライアル期間】
20日間
【公式HP】
【特徴】
GoQsmile(ごくースマイル)は、カスタマーサポートやECモールで活用できる、シナリオ型のAIチャットボットツールです。
ひとつのツールを複数のWebサイトやECサイトに設置できます。Yahoo!ショッピングやauPayマーケットにも設置可能で、幅広いユーザーにチャットボットを利用してもらえます。
スマートフォンのアプリをインストールすると、外出先でも問い合わせの対応が可能です。
ポップアップやページ埋め込み、自由入力タイプなど、ニーズに応じてさまざまな入力タイプを選べます。
ここまで無料で使えるチャットボットツールをご紹介してきました。無料以外のツールも幅広く比較した記事は、こちらで詳しく解説しています。
チャットボットの無料での作り方
チャットボットを無料で作る方法をご紹介します。ここでは、HubSpotを例に見ていきます。
- まず、チャットボットを設置する場所を決めます。HubSpotでは、WebサイトとFacebookの2つに設置可能です。
- 次に、ユーザーがはじめに見る画面を設定します。チャットの対応をする人やファーストメッセージを決定します。
- 終わりに、チャットボットの対応可能時間を設定します。有人での対応が必要な場面では、スタッフの対応時間を設定しておくと良いでしょう。
チャットボットの作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
無料チャットボットツールを導入する際の注意点
無料チャットボットツールを導入する際の注意点は、次の2つです。
1. ツールによっては機能が限定されている
完全無料のチャットボットは、複数のチャットボットを作成できない、サポートを利用できないなど、機能が制限されている場合があります。自社のニーズを満たすツールかどうか、実際に操作して見極めましょう。チャットボットを使用する目的によっては、有料ツールの方が適していると感じることもあるでしょう。
2. 有料版に自動移行する場合がある
無料トライアルが用意されているツールは、無料で利用できる期間が決まっています。トライアルは、あくまで有料プランの機能を試してみて、導入すべきかを見極める期間に過ぎないからです。
無料期間終了後は有料プランへ自動的に移行することも多くあるため、無料トライアルを利用する際は、有料プランへ自動移行するかどうかを先に確認することをおすすめします。
想定外の課金を防ぐため、あらかじめ無料期間がどれくらいあるかもあわせて確認しましょう。
無料でチャットボットを使ってみよう
チャットボットは自社にとって業務効率化やコスト削減などのメリットがありますが、ユーザーにとってもいつでも気軽に質問ができる、素早く回答が得られるなどのメリットがあります。
企業とユーザーの双方にメリットのあるチャットボットですが、どれくらいの効果を得られるかは実際に使ってみるまでわかりません。完全無料のチャットボットツールには高性能で自社の課題を解決できる十分な機能が備わっているものもあります。プログラミング不要で簡単に導入できるツールも多いので、まずは完全無料のチャットボットツールからはじめてみてはいかがでしょうか。