CMSとCRMを連携させるメリットは?自社のビジネスにどう活用するべき?

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Jamie Juviler
Jamie Juviler

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ビジネス向けのホームページを構築していると、単にきれいに作成するだけでは十分とは言えない、ということが次第に分かってくるのではないでしょうか。

CRMとCMS:2つのツールをオンラインビジネスに活用する方法

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ウェブページの掲載や編集、コンテンツのパフォーマンスの追跡、顧客基盤の把握を行うためには、フローを確立しなければなりません。このような全てのプロセスのフローが調和して機能すれば、業務がはるかに円滑になるはずです。

この課題を解決するために必要になるのが、CMSとCRMという2つのテクノロジーです。オンラインビジネスで成功を収めている多くの企業の基幹システムとなっているため、検討してみる価値があります。

CMSやCRMはいつ導入しても、早すぎることも遅すぎることもありません。この記事では、2つのツールの違いと、それらをさまざまなシステムとの間で連携させる方法を紹介します。

CMSを活用したWEBサイト作成ガイド & CMS選定シート

CMSはウェブサイトへの訪問者に提供する体験の構築に、CRMは訪問者の体験のトラッキングに役立つツールと捉えることもできます。2つのツールの連携について紹介する前に、それぞれの機能を説明します。

CRMの主な機能

CRMソフトウェアは、個々のリード(見込み客)と顧客が貴社のオンラインビジネス環境でどのような行動を取っているかを追跡するために使用します。大半のCRMには、以下の支援機能が搭載されています。

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コンタクト管理ツール

CRMには、コンタクトを「レコード」として保存し、各レコードには、氏名、会社名、連絡先などの関連する顧客情報を記録します。こうした情報の記録を通じて、営業チームはそれぞれのリードやカスタマージャーニーを素早く把握するとともに、全体的な顧客の傾向を確認できます。

顧客のレコードは、営業担当者と顧客との関係の記録でもあります。Eメール、電話、ミーティングなど、全てのコミュニケーションをCRMに集約することにより、1人ひとりの相手へのフォローアップに適したタイミングが分かるようになります。

CRMでは、地域、企業のタイプ、企業規模といった条件別に顧客を分類してリスト化することも可能です。これにより、顧客基盤の全体像が明確になるので、特定のセグメントに合わせた営業戦略の策定にも役立ちます。

データの自動収集

CRMソフトウェアの大きな利点として、コンタクトと営業担当者のコミュニケーションを自動的に記録できることが挙げられます。統合型のCRMなら、電話番号、会議時間、Eメール、フォーム回答などの情報をコピーして貼り付ける必要がなく、自動で収集されるため、チームにとっての大きな摩擦要因を取り除くことができます。

取引のトラッキング

CRMには通常、各コンタクトが営業プロセス上のどのような段階にあるかを追跡する機能があり、この情報はコンタクトレコードに保存されます。コンタクトのカスタマージャーニーの進行に伴って、担当者が取引ステージを更新したり、自動的に次のステージに移行させたりできます。

コンテンツリポジトリー

成約件数を向上できるように、見込み客とのコミュニケーションをテンプレート化したコンテンツリポジトリーを構築できます。担当者は、Eメールやフォームなどのテンプレートを作成し、営業プロセスを標準化して、文面の作成に費やす時間を節約できます。

レポート作成

高機能なCRMの場合は、営業データを分かりやすいレポートとして集約し、営業チームがビジネスの傾向と情報を導き出せるようになります。レポートは、売上目標に対する進捗管理として、または目標の達成を支援する上でも役立ちます。レポートでは一般的に、コンタクト、セグメント、特定期間における組織全体の業績を出力できます。

CMSの主な機能

CRMが顧客管理の基盤なら、CMSはウェブサイトの基盤です。自社のオンライン環境の継続的な構築と管理に、企業はCMSの以下の機能を活用しています。

コンテンツ マネジメント ツール

一般的なCMSには、コンテンツ管理のバックエンドと、コンテンツ公開のフロントエンドという2つのシステムが統合されています。

CMSのバックエンドシステムでは、デジタルアセット(コンテンツ)の保存と整理に関する処理が行われます。コンテンツを探してフロントエンドに配置する要素を選択するためのユーザーインターフェイスを備えています。ページに配置する前に、リッチエディターでコンテンツを直接編集できるシステムもあります。

公開機能

全てのCMSには、コンテンツをウェブサイト(場合によってはモバイルアプリなどの他のデジタルチャネル)に公開するためのインターフェイスがあります。フロントエンドツールを使うと、コンテンツをページ上に最適な形で配置できます。

CMSや拡張機能にもよりますが、公開機能はコードベースの必要最低限のツールから、表示される状態を確認しながら作業できるWYSIWYGエディターまで、さまざまです。WYSIWYGエディターでは、コーディング不要でページを編集でき、多くの場合、ドラッグ&ドロップでの操作が可能です。

一般的にCMSには、公開前のコンテンツのプレビューや、ページの公開スケジュールを設定する機能も用意されています。

テーマとテンプレート

テーマは、色、フォント、レイアウトなど、ウェブサイトの外観を設定するための機能です。ウェブサイトの機能性を高める特殊なウィジェットが含まれることもあります。テーマは通常、オンラインマーケットプレイスからダウンロード購入できますが、CMSに何点か付属している場合もあります。

テーマと混同される機能として「テンプレート」がありますが、テンプレートはページの種類ごとに用意しておくページレイアウトを指し、多くの場合、テーマ内に設定されます。ウェブページをゼロから作成しなくても、ホームページ、ランディングページ、製品ページ、ブログ記事などのテンプレートを活用できます。

なお、テーマ機能とテンプレート機能共に、デスクトップ、モバイル、タブレットなどのデバイスごとに異なる画面サイズに応じてレイアウトが変更されるレスポンシブデザインに対応している必要があります。

アナリティクス(分析)

多くのCMSには、コンテンツをオンラインで管理、公開できるだけでなく、トラフィック、ページ閲覧回数、直帰率、使用デバイス、地域などの主要な指標を追跡するための分析ツールが含まれています。このような指標はダッシュボードにまとめて表示されるので、ウェブサイト全体の状況を詳しく把握できます。CMSに分析機能が組み込まれていない場合は、Google アナリティクスのようなサードパーティー製ツールとの連携が必要になります。

SEO(検索エンジン最適化)ツール

優れたCMSを導入すると、単にウェブサイトを構築するだけでなく、多くの人に訪問してもらうことが可能になります。標準搭載のツールや拡張機能を駆使して、XMLサイトマップの作成、301リダイレクトの追加、ウェブサイトのパフォーマンス向上、ページのメタデータの最適化などを行うことができます。

ブログ作成ツール

ページテンプレートやコンテンツエディターなどの組み込みのブログ作成ツールを使用すると、オンラインビジネスで簡単にブログの公開を開始し、コンテンツマーケティング活動を後押しすることができます。実際、CMSとして最も普及しているWordPressは、ブロガー向けのCMSとして始まり、現在もブログ向けとして広く認知されています。

拡張機能

CMS単体ではウェブサイトに必要な多様なニーズを網羅できない場合もあるため、拡張機能が用意されています。eコマースや会員機能、SEO対策、ユーザーインターフェイスの強化など、CMSの標準機能では満たせないニーズには、追加のソフトウェア機能によって対応できます。

CMSとCRMはどう連携させる?

今回は「CRMとCMS」に関する記事ですが、2つのツールは競合関係にあるわけではなく、融合が可能です。ウェブサイト上で顧客による操作が行われることから、顧客に関するトラッキングシステムとウェブサイトの管理システムとの接続は不可欠と言えます。

CMSとCRMの連携により、ウェブサイト上の全ての行動がCRMに集約されることで、素早い分析やレポートの作成に加えて、有意義な洞察の獲得が可能になります。また、ウェブサイトの効果を他のオンラインチャネルと比較して確認できるので、マーケティングやコンテンツ戦略の強化にも活用できます。

CMSの導入を検討する場合は、そのCMSにどのようなCRM連携機能があるかを考慮しておいてください。主要なCMSでは基本的には各種CRMとの連携が可能ですが、連携のコスト、機能、オプションはさまざまです。総合的な観点から、自社にとって最適な組み合わせを検討してください。

また、導入済みのCMSがあっても、連携可能なCRMが限られている場合は、効果的なCRM連携を備えたCMSへの乗り換えも選択肢になります。CMSの乗り換えには労力がかかりますが、優れたCRMの活用によって顧客が増えれば、その労力を埋め合わせる以上の大きな効果が期待できます。

次のセクションでは、いくつかのCMSにCRMを追加する方法をご説明します。各ツールの詳細については、必要に応じてCRMCMSの解説記事をご覧ください。

CRM連携しやすいCMSツール6選

ここでは、定評のあるCMSと、効果的なCRMの組み合わせについて紹介します。

1. CMS Hub

CMS HubはHubSpot CRMを基盤として構築されているため、コンテンツ マネジメント システムと共通の環境でリードの創出、コンタクト管理、アナリティクスのツールを利用できます。CMS Hub上に構築されたウェブサイトで行われた全てのやり取りがCRMに保存され、簡単にレポートを作成できます。ウェブサイトから新たに創出されたリードも、コンタクトとしてCRMに自動的に保存されるので、リスト機能によって整理し、初回のやり取りから購入までを簡単に追跡できます。

CMS HubとHubSpot CRMの組み合わせはシンプルですが、機能も充実しています。一元的なプラットフォームとして完全に統合されているため、ツール間の同期に必要な時間を節約し、顧客体験の最適化やリードナーチャリング(見込み客の購買意欲醸成)、オンラインビジネスの拡大といった業務に注力できるようになります。

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CMS Hubのランディングページ

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2. WordPress

WordPressのウェブサイトにCRMを追加する作業は、CRMプラグインをインストールするだけで済みます。HubSpot提供のWordPressプラグインのような追加機能を使うと、コーディング不要でWordPressとCRMをシームレスに同期できます。

HubSpotのWordPressプラグインによって自社のウェブサイトにHubSpot CRMを接続することで、訪問者情報の取得、自動更新されるコンタクトリストでの整理、営業関連の測定指標の分析が可能になります。HubSpot CRMは、WooCommerce、Stripe、Gmailなどの他のアプリとの連携も簡単です。

WordPress用HubSpot CRMプラグインを使用したWordPressの管理ダッシュボード

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他のCRMについては、CRMプラグインの紹介記事(英語)をご覧ください。

3. Wix

CMSの分野で定評があるWixの使いやすさは、CRMにも当てはまります。WixのウェブサイトにCRM機能を追加するには、Wixのマーケティング&顧客管理ソリューション、Ascendを使用します。

Ascend CRMは、WixのCMSインターフェイスに統合されるので、使いやすいビジネスツールを自社の業務のフローに素早く追加できます。ツールの例としては、基本的なCRM機能、Google アナリティクスやFacebookピクセルなどのマーケティング連携機能、自動配信EメールやSNS投稿、動画のカスタムテンプレートなどがあります。

WixのCMSとCRMとの連携

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4. Shopify

あらゆるeコマースビジネスに不可欠なCRMは、Shopifyを利用している場合にも欠かせません。Shopifyは、マーケットプレイスから入手できるサードパーティーのCRMソフトウェアと簡単に連携できます。Shopify アプリストアでCRM連携を検索するか、以下のアプリの中から選んでみてください。

  • HubSpot CRM:Shopify対応のCRMの中でも定評があり、無料で利用を開始できるCRMです。CTAのパーソナライズやEメールによるナーチャリング、コンテンツエンゲージメントのトラッキング、主要なマーケティングツールや営業ツールとの豊富な連携など、リードや顧客との関係を構築できる機能を備えています。
  • AgileCRM(英語):eコマースビジネスを運営している小規模な企業が成長に向けて導入する場合に、最適な選択肢です。コンタクト管理、営業、マーケティング、カスタマーサポートの統合機能が業務に役立ち、他のCRMアプリに比べて低価格で利用できます。
  • Metrilo:MetriloのShopify向けCRMアプリは、高度な行動トラッキング、詳細な顧客プロファイル、カスタマイズ性の高いフィルタリングツールなど、詳細な顧客セグメンテーションの機能が強みです。ビジネスのニーズに合わせて選べる複数の料金プランが用意されています。

5. Joomla(英語)

市場シェア2位のオープンソースCMS「Joomla」は、評価の高いCRM連携など、拡張機能による幅広いカスタマイズが可能です。次のようなJoomla CRM拡張機能が好評です。

  • JoomCRM(英語):Joomlaの代表的なCRM拡張機能、JoomCRMには、コンタクトや取引の管理、チーム管理、リード獲得などのCRM機能があります。最初に導入する機能として最適です。
  • vBizz(英語):CRMが含まれる広範なビジネスソリューションについては、Joomla vBizz拡張機能を検討してみてください。プロジェクト計画、行動トラッキング、リードとのコミュニケーション、分析のためのCRMソリューションをはじめとする、強力で柔軟なビジネス管理機能を提供します。
  • CiviCRM(英語):非営利団体のウェブサイトに特化して開発されています。この拡張機能は、資金提供者や提携先との関係の強化を支援します。この特化型のツールを活用すれば、寄付の募集、イベントの管理、サイト会員の管理が容易に行えます。

6. Drupal(英語)

DrupalにCRMを追加する際には、評価の高いいくつかのCRMモジュールから選択できます。他のCMSと比較してDrupalの利用には作業が必要になります。ウェブサイトにCRMを接続する場合にも、多くの作業が発生することが想定されます。Drupalのお勧めのモジュールを以下に示します。

  • HubSpot(英語):Drupal用HubSpotモジュールでは、HubSpotのAPI経由でDrupalのウェブサイトとHubSpot CRMなどのHubSpotのツールが同期されます。Drupalのウェブサイトのフォームにユーザーによって入力された情報が、HubSpotのシステムに保存されます。
  • AgileCRM(英語):Agileの強力なCRMモジュールは、Drupalのウェブサイトと簡単に連携できます。ランディングページやフォームの迅速な追加、Eメールの自動送信、訪問者のエンゲージメント追跡が可能になります。
  • RedHen(英語):このオープンソースCRMは、コンタクト管理、エンゲージメントトラッキング、イベント登録、会員プロファイルなど、非営利団体の主なCRMニーズに対応しています。RedHenはDrupal向けに設計されています。軽量なカスタマイズとバックエンドへのアクセスが可能で、コーディングを行う場合に最適です。

CMSとCRM連携の最適解

オンラインビジネスの成長には、考慮しなければならないポイントが数多くあります。例えば、「必須」や「決定版」と書かれたソフトウェアだけでも相当な数が提供されているため、圧倒されてしまいます。

しかし、CMSとCRMの連携を事業戦略の中核的な要素として捉えることで、時間とコストを節約でき、機会の損失を防ぐことにもつながります。この連携を早期に実現できれば、オーディエンスに対する理解を深め、情報を駆使して信頼を獲得するための近道になります。

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