開封率は、メルマガの施策を考える上で欠かせない指標です。メルマガの開封率に着目し、継続的に検証・改善を繰り返すことで、相手の興味・関心を惹きつけるメルマガ配信が可能になります。
本記事では、メルマガ配信で重要な役割を持つ開封率について、開封率が上がらない理由や、開封率を高めるための6つのポイント、開封率測定に役立つツールを紹介します。Webマーケティングの担当者の方はぜひご覧ください。
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メルマガの開封率とは
メルマガの開封率とは、配信したメルマガがどれくらいの読者に開封されたかを示す指標のことです。開封率は、「メルマガ開封率=(開封数÷有効配信数)×100%」で求められます。
メルマガの有効配信数を増やしても、開封率が低ければ成果につながりにくくなります。開封率を意識的に高めることによって、より大勢の興味・関心を惹くメルマガ配信が可能になります。
メルマガの平均開封率は?
メール配信サービスを展開するBenchmark社がユーザーのデータを元にした調査結果レポートによると、日本のメルマガの平均開封率は35.59%と世界の中でも比較的高い数値となっています。
ただし業種によって開封率に差があります。たとえば、「不動産業界」の平均開封率は17.85%ですが、「フィットネス業界」は28.13%と10%以上の差が生じています。
このように、メルマガは業界によって開封率に差があるため、自社の業界の平均開封率がどれくらいか、あらかじめ把握しておくと良いでしょう。
メルマガが開封されない4つの理由
メルマガの開封率が上がらない場合、以下のいずれかに該当している可能性があるため、開封率の低さに課題を感じている方は参考にしてみてください。
メルマガの件名(タイトル)から読む価値を感じない
メルマガの件名(タイトル)に読者が価値を感じなければ、開封率は上がりません。また、タイトルを見て本文の内容がわからないのも開封率が低くなる原因の一つです。
読者がタイトルを見た瞬間に「これは自分のためのメルマガだ」と感じることが大切です。
読者が読むメリットや内容を簡潔に伝えるほか、「限定」「お得」などのプレミア感を持たせるなどの工夫をしましょう。
メルマガ配信頻度が不適切
メールのタイトルや本文の内容にかかわらず、メルマガ配信頻度が不適切な場合もメルマガの開封率に影響します。具体的には、「配信頻度が多い」「配信時間帯が深夜である」「相手が忙しい時間帯の配信」という理由が挙げられます。
特に、配信頻度が多すぎる場合は「しつこい」と感じられてしまい、ネガティブな印象を与える要因になります。メルマガは配信者側の都合で送るのではなく、相手が読んでくれそうなタイミングに届けるのがポイントです。
迷惑フォルダに入っている可能性もあり
メール配信ツールによって一度に大量に配信されたメールは、スパムメール扱いとなる場合があります。スパムメールとして扱われたメールは、受信者の迷惑メールフォルダに振り分けられたり、受信拒否される可能性があります。
一度迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうと、その後の配信も同様に自動的に迷惑メールとして扱われてしまうため、ほぼ開封される見込みがなくなってしまいます。いかにスパムメール扱いされないように配信するかが重要といえるでしょう。
メルマガの開封率を上げる6つのポイント
ここでは、メルマガ開封率向上のために押さえておきたい6つのポイントを解説します。メルマガ配信の際は、以下の項目を毎回チェックして配信することで、精度を高めることが可能です。
1.ターゲットの設定
当然ですが、メルマガの配信先には読者がいます。どこにいる、どのような人に読んでほしいのか。そしてその人はどんなことに悩んでいて、どのような情報を求めているかなど、ターゲットの明確化が大切です。
「ターゲットを絞り込み過ぎると対象が限定されてしまい、読まれなくなるのではないか」と考える方もいます。しかし、曖昧なターゲット設定は誰にも響かない内容になってしまうため、具体的に読者をイメージできるまで明確に絞り込む方が効果的です。
2.件名(タイトル)の改善
タイトルは、ユーザーが最初に見る部分です。わずか30文字程度のタイトルを見て、開封するかどうかを瞬時に判断するため、いかに魅力的なタイトルを付けるかによって、興味・関心度合いは大きく変わります。
タイトルを付ける際は以下の3つがポイントです。
- タイトルを見ただけでも内容がわかるタイトルにする
- 数字などを入れて具体的に訴求する
- 無料・限定など特別感を持たせる
例として、以下のようなタイトルが考えられます。
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- 【2022年最新版】初心者でもわかるマーケティング計画の立て方3つのポイント
メール配信ツールの活用によって、過去に配信したタイトルの開封率の確認や、A/Bテストもできるため、色々なパターンを試すと良いでしょう。
3.メール配信の曜日・時間を考慮
読者にメルマガを読んでもらえそうなタイミングを考慮することも、マーケティング能力が問われる部分です。
メルマガ配信対象によって、適した配信時刻も異なります。BtoBであればビジネスパーソンが読者となるため、出社したタイミングの8時台、お昼休憩明けの13時台、終業前の16時〜17時台に読むことが多いと考えられます。 BtoCのメルマガであれば消費者が読者になるため、朝の通勤時間帯や、就寝前の21〜22時台にメールをチェックする人が多いでしょう。
さらに、ターゲットのライフスタイルによっても時間の使い方が異なるため、いかに相手の立場でリアルに想像できるかがポイントです。もし具体的なイメージを持てない場合は、ターゲットイメージに近い人へのインタビューや行動観察が有効です。
複数の曜日・時間でメールを配信する際は、予約配信機能の活用がおすすめです。曜日・時間をあらかじめ設定できて便利です。
4.メーリングリストの精査
メルマガ配信対象となるメーリングリストは常に最新の状態を保つようにしましょう。たとえば、一度エラーメールになっているアドレスに毎回配信されていないか、相手の役職が変わったりしていないかなども定期的に確認します。
特に名前の漢字間違いや、代表アドレスに対して既に退職した担当者名で送っている場合などは、信頼低下につながります。メルマガは、配信者にとっては不特定多数に一斉送信するものですが、読者にとっては自分宛に届いたメールなので、不快にさせない配慮を心がけるようにしましょう。
5.Fromアドレスに送信者名を記入する
Fromアドレスとは、送信元のメールアドレスのことです。メールサービスでは、Fromアドレスに送信者名(社名・氏名・サービス名など)を設定できます。
しかし、Fromアドレスを設定していないと、送信者のメールアドレスがそのまま表示されるため、受信者はだれからのメールなのかすぐに判断できません。送信者名がわかれば、「◯◯社からメールが届いた」とすぐに判断できるため、開封されやすくなります。
Gmailでは送信者名以外に顔写真の設定も可能なので、より親近感・親しみを感じてもらうことができ、開封率の向上も期待できます。
6.KPIを設定する
メルマガ配信は継続的に取り組むことが大切です。計画・実行(配信)・検証・改善のPDCAサイクルを繰り返すことで、徐々に成果へとつなげていきます。
さらに、KPIを設定すればPDCAサイクルが回しやすくなります。KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」のことで、最終目標(KGI)を達成するために必要な中間目標です。
- KGI:最終的に達成すべき数値目標
- KPI:KGIの達成のために必要な中間目標
メルマガの主要KPIは以下が挙げられます。
- 配信数
- 到達率
- 開封率
- URLクリック率
KPIの数値を設定する際は、KGIから逆算して考えます。
たとえば、ある期間内に配信するメルマガのKGIを「成約数10件」と設定したとします。過去のメルマガ配信実績に基づき、KGIから逆算してKPIを割り出していきます。
KPI | 平均実績 | 目安件数 |
---|---|---|
成約率(CVR) |
5% |
10件 |
クリック率 |
10% |
200件 |
開封率 |
20% |
2,000件 |
到達率 |
90% |
10,000件 |
配信数 |
-
|
約11,111件 |
また、メルマガ開封率は配信ターゲットによっても異なります。KPIの目安は以下を参考にしてください。
- 一般的なセグメントのユーザー:15〜25%
- 優良(ロイヤル)ユーザー:20%〜30%
- 休眠ユーザー:5%〜10%
- 新規ユーザー:5%〜10%
メルマガ開封率を測定するツール
メルマガ開封率の上げ方を解説しましたが、実際に開封率を計測するためにはどのような手法を使えば良いかわからない方もいるでしょう。ここではメルマガ開封率測定に役立つツールを3つ紹介します。
それぞれ特徴や操作性が異なるため、自身のスキルやリソース状況に合わせて適したツールを選択してください。
アクセス解析ツール(Google Analyticsなど)
アクセス解析ツールは、メルマガの開封率・クリック率・コンバージョン率などを確認できる高機能なツールです。
代表的なものとして「Google Analytics(アナリティクス)」が挙げられます。Google Analyticsは、Googleが提供する無料で使えるアクセス解析ツールです。DataSignが調査した「上場企業が利用しているWebサービスランキング(2019.6)」によると、上場企業3,664社中3,191社(87%)がGoogle Analyticsを導入していることがわかりました。
Google AnalyticsのメリットはWebサイトのあらゆるデータ分析を無料で使えることです。ただし、Google Analyticsには、開封率の指標がありません。
開封率を確認するためには「イベント」機能を使用してメール開封数を確認する必要があります。確認できた開封数を、メールの送信成功数で割ることで開封率を算出します。HTMLメールの中に測定用のパラメータを記載した画像ソースを埋め込むことで測定が可能になります。
メルマガ配信ツール
メルマガ配信ツール(システム)は、メルマガ作成・配信・効果測定といったメルマガ施策を一元管理できるツールで、HTMLやデザイン知識がなくてもプロが作ったようなデザイン性の高いメールを作成できます。テンプレートが豊富に備わっているメルマガ配信ツールであれば、簡単な操作であらゆるメルマガフォーマットを作成できます。
メルマガ配信に特化したツールなので、開封率やクリック率などのメールマーケティングに必要な指標をかんたんに確認できることが大きな特徴です。メルマガ配信ツールに関してさらに詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティングプロセスを自動化するツールのことです。登録した顧客情報をもとにシナリオを組むことによって、メールの自動配信が可能になります。
Webサイトを訪問したユーザーのサイト内行動や、問い合わせ内容、ダウンロード資料などの情報をシステム内で一元管理できます。メルマガ配信機能と組み合わせることで、メルマガの読者を個人単位で特定出来るようになります。
MAを活用すれば見込み客のアクションを把握し、興味に応じたメルマガ配信を行えるため、開封率・クリック率の向上が期待できます。
メルマガ開封率を継続的に計測・測定することで効果改善を実現
本記事では、メルマガ開封率の基礎知識や開封率を高めるポイントの解説、さらに、メルマガ配信に役立つツールをご紹介しました。
メルマガは闇雲に大量に配信すればいいものではなく、メールを受け取った相手がどんな悩みを抱えていて、どのような情報を欲しているか想像していくことから始まります。
メルマガ配信の開封率は、読者の興味関心の度合いとなる重要な指標です。あなたが配信したメルマガが相手にとって魅力的であれば、開封をして中身を読んでくれるはずです。
ただし、開封率を高めることばかりを意識していると、肝心のコンテンツがともなわない可能性もあるため注意が必要です。
HubSpotのEメール作成・配信機能は、メルマガ配信に役立つテンプレートから、開封率・コンバージョン率を測定できる効果測定機能まで備わっています。月間2,000件まで無料でEメールを送付可能なので、メルマガの効果を上げてより大きな成果を出したい方は、ぜひご検討ください。