ホットリードとは、自社商品やサービスに強い興味を抱く見込み客を指します。現時点ではまだサービスの必要性が薄く、購入意欲の低い「コールドリード」に比べ、ホットリードは早急にサービスを必要とする、課題が顕在化した意欲の高いリードです。マーケティング活動においては、リードナーチャリングを通じて買い手の課題が顕在化するための支援を行いながら、課題が顕在化して本格的に検討を始めてもらえる状態に移行できるかが重要です。
ただ、ホットリードの解釈は曖昧になりがちで、社内での共通認識が取りづらいことも。「今抱えている見込み客がホットリードなのかわからない」「うまくリードを醸成できない」と悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。 今回は、ホットリードの基本的な定義を解説したうえで、コールドリードから醸成するためのポイントを解説していきます。
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ホットリードとは?
ホットリードとは、自社商品に強い関心を示し、マーケティング部門やインサイドセールス部門によって「営業部門へと引き継いでもよい」と判断された見込み客です。
ホットリードを創出するプロセスは、以下の3つの段階に分けられます。
- リードジェネレーション:SEO対策やWeb広告などで潜在顧客を集客したうえで、価値のあるコンテンツを提供してリードを創出する
- リードナーチャリング:創出したリードに対し、継続的なコミュニケーションをとって興味や関心を高め、購買意欲を醸成する
- リードクオリフィケーション:自社商品に対する購買意欲が醸成されたリードのうち、営業や商談へと発展しそうなリード(ホットリード)を絞り込み、営業部門へと引き継ぐ
リードジェネレーションによって創出されたリードは、メルマガやSNSなどでナーチャリング施策で自社商品への理解・興味の喚起を促します。そこから現在の課題解決に必要な商品だと判断されれば、購入意欲の高いホットリードへと抽出される仕組みです。ホットリードへと醸成されるまでの間、さまざまな視点から選別が行われるため、営業部門へ情報が渡った段階で商談化する可能性が高くなっています。
その結果、営業パーソンは見込みのあるホットリードのみに注力でき、営業効率化によって余力のできた時間を見込み客との関係強化に充てられます。
コールドリードとは
コールドリードとは、現段階で自社商品に対する検討度合いが低い見込み客です。
ホットリードとは対照的に、自社商品の必要性がまだ薄い段階のため、この段階での積極的なアプローチは不快感を与える可能性が高くなるでしょう。企業への心象が悪くなり、信頼を損なうる恐れもあるので、ホットリードとコールドリードの見極めは非常に重要です。
「ウォームリード」も理解しておこう
コールドリードとホットリードの中間に位置するのがウォームリードです。コールドリードよりも購入意欲が高く、リードナーチャリングによって継続的なコミュニケーションをとることでホットリードへと醸成できます。
コールドリードやウォームリードは、ホットリードに対して購入意欲が低いとはいえ、決して放置してもよいわけではありません。一度接点を持った相手に対しては、コミュニケーション頻度や提供するコンテンツを適宜調整しながら少しずつ関係構築していきましょう。相手が欲するコンテンツを提供し続けることで、将来的にホットリードに転換する可能性があります。
ホットリードを創出するメリット
ホットリードを創出することで、以下3つのメリットが生まれます。
- 収益を効率的に伸ばすことができる
- 課題が顕在化した顧客に適切にアプローチできるため、良好な関係構築につながる
- 営業・マーケティングコストの削減
ホットリードを創出して恩恵を受けるのは企業だけではありません。ホットリードを創出することによって営業活動の効率性が高まれば、見込み客側にもメリットが生まれます。
収益を効率的に伸ばすことができる
ホットリードを適切に創出できれば、自社商品を必要とするリードへ商品を届けられ、結果として効率的に収益を伸ばすことができます。
コールドリードに自社商品への高い関心を示してもらうためには、地道にコミュニケーションをとって商品に対する理解度を深めてもらわなければなりません。この段階で営業担当者に引き渡しても、両者の時間を無駄にしてしまいかねません。
一方ホットリードは、すでに購買意欲が高い状態です。営業担当者に引き渡せば商談に繋がる可能性が高く、見込み客の課題を解決するために自社製品がどう貢献できるかについて具体的な議論につながりやすいでしょう。
課題が顕在化した顧客に適切にアプローチできるため、良好な関係構築につながる
ここまでお伝えした通り、ホットリードは既に自社商品への高い関心を持っており、今すぐ商品を必要としているリードです。
ホットリードの創出がうまくできていないと、商品の必要性がまだ低い見込み客へも売り込みをしてしまう恐れがあります。たとえその過程を経て購入へ至ったとしても、お客様にとって満足できる結果は得られないでしょう。企業にとってのゴールは、見込み客へ商品を買わせることではありません。あくまでも、自社商品によって相手を課題解決へ導くことです。
自社商品を必要とするホットリードへ適切に商品を提供できれば、相手の課題解決のサポートができます。結果、信頼構築に繋がり、場合によってはファンとしてリピート顧客となってもらえる可能性もあるでしょう。
マーケティング・営業の連携を促進できる
ホットリードを創出できる状態になれば、マーケティング部門と営業部門で起こりがちな様々な摩擦を減らせるでしょう。 営業部門からは「マーケティング部門から渡されるリードの質が悪くて、商談につながらない」という声が、マーケティング部門からは「これだけリードを渡しているのに商談化しないのは営業側のスキルの問題だ」という声が上がり、部門間の溝が深まってしまう…このような状態に陥っている企業は少なくないのではないでしょうか。両部門がこのような認識では、建設的な話し合いが進まず、成果改善は難しいでしょう。
両部門でホットリードの定義を明確に設定し、その条件に沿ったホットリードを受け渡せるようになれば、上記のような摩擦は減らせるでしょう。仮に、それでもうまく商談化につながらない場合は、両部門でホットリードの定義を見直すことを検討しましょう。
ホットリードを創出するためのポイント
ホットリードの定義が企業ごとで異なることを先述しましたが、社内で定義を明確にすれば必ずしもホットリードが創出できるわけではありません。ほかにも、行動履歴のトラッキングやスコアリングによる購買意欲の可視化といった手順を踏む必要があります。それぞれのポイントを押さえていきましょう。
行動履歴をトラッキングする
ホットリードを的確に創出するためには、統一された定義に基づいて見込み客の行動履歴を集めることが重要です。このデータを収集する行為を「トラッキング」と言います。
見込み客の行動履歴は、PVやクリック数、問い合わせ数といった数値で取得できます。ホットリードを見極めるうえで最適な指標をトラッキングしておけば、後に行うスコアリングの質が高まり、営業部門が求めるリード情報のみを抽出できるでしょう。
データを収集する場合には、MA(マーケティングオートメーション)の機能である「見込み客の行動トラッキング」や「アクセス解析」、「メール効果測定」などが有効です。
スコアリング・購買意欲の可視化
次に、スコアリングを実施して適切なリードクオリフィケーションを行いましょう。
スコアリングとは、見込み客の行動に対して点数を付け、購買意欲を可視化する方法です。合計点数の高さは購買意欲の高さに直結するため、ホットリードを客観的に判断することができます。
スコアリングのポイントや設計手順については、以下の記事を参考にしてみてください。すぐに実践で使えるよう、MAにおける具体的な設定方法も解説しています。
コールドリードをホットリードに醸成するには?
コールドリードからホットリードへと醸成するには、何から実践すればいいのでしょうか。ここでは、ホットリード創出に活用される主要な4つの施策を紹介しましょう。
- メルマガ・ステップメール
- SNS
- オウンドメディア
- インサイドセールス
メルマガ・ステップメール
一つ目は、自社の情報を定期的に届けるメルマガと、資料請求や会員登録などのアクションをきっかけに商品購入までの導線を引くステップメールです。
メルマガは、自社の新サービスやキャンペーンなど最新情報を届ける際に役立ちます。ユーザーに寄り添った情報配信を行うことで、徐々に関心を高めてもらえます。潜在顧客に向けて、低コストで効果的にアプローチできるのが利点です。
ステップメールの利点は、見込み客の購買プロセスの段階に合わせて必要な情報を送信できることです。資料ダウンロードなどを行ったユーザーへ「資料請求ありがとうございました」といったメールを1通目に送り、そこから予めシナリオを立てて作成したメールを、段階的に配信します。
見込み客が何らかのアクションをしたとしても、自社商品への購入の関心が高いとは限りません。そこで、ステップメールにて自社のベネフィットなどを丁寧に伝えることで、必要性を感じてもらうことができます。
SNSの活用
ホットリードの醸成には、SNSも活用できます。メルマガやステップメールと同様、SNSも見込み客に役立つ情報を提供するには効果的だからです。
SNSでは、見込み客とコミュニケーションをとりながら購買意欲を向上させていくこともできます。公式アカウントの影響力が強ければ、口コミ効果によって情報が広範囲に拡散される点も見逃せません。
TwitterやFacebook、Instagramなど多様な種類が存在するため、各プラットフォームの性質(メインユーザーの属性や雰囲気など)を考慮することが大切です。
オウンドメディアでのコンテンツ配信
自社で運営するホームページやブログ、ECサイトを総じてオウンドメディアと呼びます。オウンドメディアはコンテンツの生成・配信に最適なプラットフォームであり、見込み客の購買プロセスの段階に応じて購買意欲を醸成していけます。
たとえば記事コンテンツでは、メールやSNS以上の情報量で自社商品の訴求が可能です。SEO対策を施せばリードジェネレーションにも効果を発揮するため、リードの創出からホットリードへの醸成まで幅広く活用できます。
インサイドセールス
インサイドセールスは、見込み客と直接コンタクトを取りながら、徐々に購買意欲を高めていく場合に効果を発揮します。
インサイドセールスとは、見込みの薄いリードに対し、購買意欲が醸成されるまで電話やメールを駆使してつなぎとめる取り組みです。見込み客の話しぶりや反応から、現状の購買意欲をリアルタイムで把握することができます。
ただし、自社商品の必要性がないと判断したにも関わずしつこくアプローチすると、かえって企業の信頼を損ねる可能性もあります。強制的な売り込みではなく、あくまでフォローアップの一環として行うことを理解しておきましょう。
自社商品を必要とする見込み客に対して的確にアプローチできる体制を
ホットリードの定義については、同じ組織でも営業部門とマーケティング部門で捉え方に違いがあるケースも少なくありません。
まずは、社内におけるホットリードの定義を明確にし、そのうえでコールドリードを醸成させていきましょう。ホットリードが創出できれば見込みの高いリードへのアプローチに注力でき、見込み客との良好な関係構築につながります。その結果、見込み客の満足度が高まり、企業にとっても信頼性向上というメリットがもたらされます。
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