Backlinko社はグーグルホームの音声検索結果を10,000件分析し、結果を公表しました。その内容に、ハブスポットは大いに注目しました。

音声検索については、ハブスポットでも以前から検討し、議論を重ねてきており、関連するブログ記事も掲載されています。3機種のスマートスピーカーを設置して、各社の音声認識の性能を調べたりしたこともあります。

また将来のSEOを考えてみると、音声検索はこれからも情報を検索し活用するために欠かせない役割を果たすだけでなく、間違いなく今後のグーグル検索ランキングを左右する存在になるでしょう。

そこで、1つの課題が浮かび上がります。音声検索というトレンドが発展し広がりつつある中で、どのようにしてウェブサイトを音声検索向けに最適化するのかという課題です。

それこそが、今回の調査を実施したBacklinko社が解決しようとした課題でした。調査チームは、ランキングに影響すると予想される因子として、ウェブサイトのページ表示速度、Schemaマークアップ、SSLへの対応など11種類をピックアップしました。同社の創設者であるブライアン・ディーン氏が、音声検索SEOで最も大きな効果が見られた因子を発表しました。

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以降では、この画期的な調査結果について、ハブスポットの担当者がさまざまな解説を行います。

担当者による解説:音声検索ランキングを調査した結果、明らかになった重要な事実

1. ウェブサイトのページ表示速度

「ウェブサイトのページ表示速度は、音声検索SEOにおいて
大きな役割を果たすと思われる。音声検索で返されたページの
平均読み込み時間は4.6秒で、
一般的なページよりも52%速い。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当によるコメント:
SEO部門長 ヴィクター・パン

ハブスポットのSEO専門家であるヴィクター・パンは、ページ表示速度は音声検索SEOにおいてそれほど大きな役割を果たさないと考えています。「おそらく、ページ表示速度は音声検索ランキングに直接関係する因子ではないでしょう。その一方で、ユーザーエクスペリエンスが高度に最適化されているサイトはランキングが高くなる傾向があります。そして、音声検索ではランキングの高いサイトが回答される傾向があります。」

さらに調査を実施して、読み込み速度が速い同様のサイト(音声検索でランキングが高くなるサイト)は検索エンジン結果ページ(SERP)のランキングも高いのかどうかを調べると、面白い結果が得られるかもしれません。

「この業界では、適切な調査計画を立てずに調査を実施して、結論を引き出してしまいがちです」とパンは認めています。「ただし一般論として、サイトの読み込みは速い方がよいと思います。」

2. HTTPSとSSL

「グーグルの音声検索で返された結果の大部分が、HTTPSウェブサイトで占められていた。グーグルホームで音声検索を行うと、
回答されたウェブサイトの70.4%がHTTPSで保護されていた。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

Moz社は、最も影響の大きいSERP機能とランキング要因を毎晩追跡し、MozCast Feature Graphとして公開しています。そして、この記事の執筆時点では、HTTPSウェブサイト(ウェブサイトの接続を暗号化することでデータの傍受を防止するSSO(Secure Sockets Layer)テクノロジーに対応しているサイト)が79.8%を占めています。

出典:Moz

ヴィクター・パンの説明によれば、Moz社は10,000個のキーワードのSERPと、その10,000個のキーワードにおける全サイトランキングを毎晩追跡しており、その上位10サイトの79.8%がHTTPSウェブサイトでした。

「Mozcastのキーワードサンプリング手法を信頼するなら、グーグルホームの音声検索の結果ページの70.4%がHTTPSであるというBacklinko社の調査結果は、実際には控えめな数字だったと言えます。特に、Moz社のテスト内容は必ずしも音声検索と関連していないことを考えると、Backlinko社が報告した数字は小さすぎます。」

「ですから、Backlinko社が調査した音声検索の結果に含まれるHTTPSサイトの割合(70.4%)をMoz社の調査内容(79.8%)と比較すると、HTTPSは音声検索のランキングを決定する要因ではないことがわかります」

「もしもHTTPSが音声検索の結果ランキングに影響するのであれば、Backlinko社の調査結果の数字はMoz社の調査の平均値よりも大きくなるはずです。」

3. 回答の長さ

「グーグルの音声検索では、短く簡潔な回答が好まれる。
音声検索で返される結果の長さは平均でわずか29単語である。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当によるコメント:
新規ウェブトラフィック獲得部門長 マシュー・ホロウィッツ・バービー

「この結果から、さまざまなことがわかります。グーグルは、強調スニペットと非常によく似た手法を音声検索の回答にも使っていると考えられます」とバービーは語ります。

グーグルは最近、複雑な質問に対しては複数の強調スニペットがSERPに表示されるようになると発表しました(英語の参考情報はこちら)。そのため、私たちもバービーと同じ結論に至りました。

SERPに強調スニペットが複数表示されると、収益につながるクリックが大幅に阻害される可能性があります。特に、強調スニペットによって十分役立つ情報を得ることができれば、それ以上クリックして情報を探す必要がなくなるため、クリック数はさらに減ります。

マーケターの側からすると、その状況に備えておくことでメリットが得られます。「コンテンツ作成者は、音声検索に加えて強調スニペットにも対応したスニペットをコンテンツに追加しておくべきです。そうすることで、グーグルが必要な回答をできるだけ簡単に表示できるようにするのです」とバービーは説明します。

4. Schemaマークアップ

「Schemaマークアップへの準拠は、音声検索のランキングに
それほど影響を与えないと思われる。音声検索で返された結果のうち、
Schemaマークアップを使用しているページは36.4%に過ぎない
(全世界平均の31.3%をわずかに超える程度)」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

この発見も、バービーにとってはさほど驚きではありませんでした。

バービーは次のように語っています。「音声検索の回答に使われる検索結果の長さの件と同じく、Schemaマークアップが考慮されないことも意外ではありませんでした。」

バービーは、ハブスポットの最近の研究で強調スニペットにも同じ傾向が見られたことを指摘しています(英語の参考情報はこちら)。

「グーグルは、コンテンツ作成者が提供する情報を当てにせず、AIを利用して適切な検索結果を選ぶという方針のようです。」

5. 信頼性の高いドメイン

「信頼性の高いドメインは、そうでないドメインよりも
音声検索の結果ランキングが大幅に高くなる傾向が見られる。実際、
グーグルホームでの検索結果のAhrefsドメインレーティングは平均値は76.8となった。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

参考までに、Ahrefsドメインレーティングとは、「対象ウェブサイト全体のバックリンク状況(バックリンクの量と質)」を0~100の尺度で表した指標です(英語の参考情報はこちら)。

Ahrefsによれば、この指標は「対数的な尺度」であり、たとえばドメインレーティングを77から78に高めるには、27から28に高めるよりもはるかに大きな成長が必要になります。そのため、ドメインレーティングが高まれば高まるほど、1~2ポイントを増やすことが困難になります。

グーグルホームの検索結果ページのドメインレーティングが高くなる理由は、このようなスマートスピーカーでは質問に対して1つの回答しか返さないことにあります。一方、SERPでは複数の検索結果が表示されます。

Backlinko社はレポートの中で次のように説明しています。「そのため、グーグルは正確な情報を提供しているという絶対的な確証が必要になる。正確性を確保するために、音声検索アルゴリズムではページの信頼性よりもドメインの信頼性が重視されている可能性がある。」

しかし、バックリンクの獲得や信頼性の向上に取り組んでいる段階の中小企業も、音声検索への最適化を諦めるべきではないと、パンは語ります。

「Fortune 500に入るような企業のSEOを担当した方ならわかると思いますが、そうした大企業はコンテンツ制作に数百万ドルを投資できる潤沢な予算と人材を抱えています。ユーザーの信頼を得ている有名ブランドは、ユーザーにとって有益なコンテンツが大量にあるという事実だけでバックリンクを獲得しているわけではないと、私は思います。」

このような有名ブランドはドメイン自体によって信頼性を得ているとは言えないと、パンは説明します。ブランドが広く認知されていれば、「音声検索のランキングを上げるために有利になる」可能性があるとパンは語っています。「それが、音声検索でヒットしたウェブページの平均Ahrefsドメインレーティングが高かった理由です。」

6. ソーシャルシェアリング

「ソーシャルエンゲージメント性に優れたコンテンツは、
音声検索にヒットする可能性が高くなる傾向が見られる。
事実、平均的な音声検索の検索結果には1,199件のフェイスブック共有と
44件のツイートが含まれていた。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

バービーは次のように説明します。「これは、古典的な単純相関の一例だと思います。SNSでシェアされたという事実のみが、グーグルのランキングでプラスに評価されることはありません。SNSでのシェアはクロールに利用されますが、信頼性を判断する際には考慮されません。ツイッターで共有されたリンクは検索結果を表示するためだけに使われます。」

「真相は、大量のバックリンクを受けているコンテンツの多くはSNSでシェアされる頻度も高くなる傾向がある、ということです。検索ランキングを左右するのはSNSシェアではなく、バックリンクの数なのです。」

7. シンプルな文章

「簡潔で読みやすいコンテンツが音声検索のSEOには効果的だと思われる。
グーグルの音声検索で返される結果ページの多くには、
中学3年生でも理解できるレベルの文章が掲載されている。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス:
パドレイグ・オーコナー(アソシエイトSEOマーケティングマネージャー)

私たちが音声アシスタント機器に質問するとき、アシスタントが小説のような長文で回答するとは思いませんし、そのようなことを期待することもありません。そのため、たとえばグーグルホームでは多くの場合、回答内容を適切にまとめた抜粋(スニペット)を読み上げたうえで、詳細な情報が掲載されているウェブページのリンクが対応アプリに表示されるようになっています。

ですから、グーグルホームが読み上げやすく聞き取りやすい簡潔な回答を選ぶのは、ユーザーにとっても聞き取りやすく理解しやすいからという合理的な理由があるのです。「音声検索との相性が最も優れているのは、シンプルで読みやすいコンテンツです」とオーコナーは言います。

これは、自然な言葉を使ってユーザーと対話することを重視する「カンバセーションマーケティング」でも主流となりつつある考え方です。ただし、対話の相手が生身の人間ではないという点が異なります。

オーコナーは次のように続けます。「普通の人は、わかりやすい言葉遣いで相手と対話しようとするものです。グーグルは、グーグルホームの向こう側にいる利用者に対して、同じことをしようとしているのです。」

オーコナーは、マーケターがこの問題に対処するには話し言葉を意識したコピーを作成するべきだと語っています。「一般の人が会話したり、検索したりするときに使う言葉と同じ言葉でコンテンツを作成する必要があります。」

8. タイトルの最適化

「音声検索で返されたウェブページのうち、質問に厳密に一致するキーワードが
titleタグに含まれていたページはほとんど見られなかった。
そのため、音声検索の質問内容に合わせて別々のページを作ることは、
音声検索のSEO戦略としては効果的でないと考えられる。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

「ハブスポットとしては、まったく新しいコンテンツを作成するよりも、グーグルの新しいSERP機能向けに既存コンテンツを最適化した方がはるかに効果的だと判断しています」と オーコナーは説明します。「音声検索だけに特化した記事を新しく制作するのではなく、既存のコンテンツを音声検索に対応させることをお勧めします。」

過去のコンテンツを最適化するハブスポットのプロジェクト(英語の参考情報はこちら)をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。このプロジェクトでは、オーコナーが説明したような作業をハブスポット社内で実施しました。一方でオーコナーは、1つの検索方法だけに合わせて最適化することのリスクを警告しています。音声検索は今後普及し、多くの人が利用すると予想されますが、それ以外の方法で情報を探す人もまだまだ多いと考えられます。

「理想は、あらゆる種類の検索に対応することです。デスクトップPCでの検索、モバイル機器での検索、音声検索などありますが、特定の検索方法に絞り込まないようにすることです」とオーコナーは言います。

9. デスクトップPCでの検索と音声検索の結果の類似性

「デスクトップPCでの検索結果で上位にランキングされるコンテンツは、
音声検索でもヒットする可能性が非常に高い。
事実、音声検索で返される結果の約75%が、
デスクトップPCの検索結果でトップ3以内にランキングされている。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当者による見解とアドバイス

そう、オーコナーの考えは正しかったのです。音声検索が今後一般化することが予想されるとしても、デスクトップPCでの検索の重要性は今までと変わりません。

先に説明したように、質問への回答は抜粋(スニペット)というシンプルな形で返されますが、これはそのことと関連しています。グーグルが検索結果のランキングを決定する際に考慮する要素の1つ、それがコンテンツの品質と関連度の高さの組み合わせです。その結果、SERPに複数の強調スニペットが表示されることもあります(英語の参考情報はこちら)。

バービーにとっては、この調査結果は意外なものではありませんでした。

「結局のところ、グーグルは音声検索で返す関連性の高い結果を決定する際にも、依然としてグーグルの主要なランキング要因に頼ることになるでしょう。音声検索が通常の検索と大きく異なる点は、『グーグル検索の1ページ目』という概念がないことです。音声検索で返されるたった1つの結果に選ばれるか否か、それが問題になります。」

10. 結局は、強調スニペット

「強調スニペットとして表示されることは、
音声検索でのランキングにもプラスに作用する。
音声検索で返された全結果の40.7%が強調スニペットだった。」
(Backlinkoの調査より)

ハブスポットの部門担当によるコメント:
グロースマーケティング部門 ブリタニー・チン

Backlinko社が発見した強調スニペットと音声検索の関連性は、簡潔さと聞き取りやすさが良い結果をもたらすという同社の発見と共通するものがあります。先に紹介したように、たとえばグーグルホームでは多くの場合、回答内容を適切にまとめた抜粋(スニペット)が読み上げられた後、詳細な情報が掲載されているウェブページのリンクが対応アプリに表示されます。

チンが実施した調査でも、同じことが裏付けられました。「ほとんどのケースで、質問形式の検索のSERPでは回答として強調スニペットが表示されました。グーグルは、質問に最も直接的に関連する最適な回答を結果ページ内に表示しようとします。質問形式の音声検索でも、グーグルは同じように対処しようとするのです。ただし、選ばれる検索結果は一度に1つのみとなります。」

またチンは、強調スニペットと音声検索の目的は基本的に同じで、「質問に答える」ことにあると説明しています。

チンは次のように続けます。「マーケターやSMBにとっては、強調スニペットと音声検索の戦略は非常に似通ったものになります。それは、オーディエンスの疑問点を解消する、簡潔でわかりやすい情報を提供する有用なコンテンツを作り続けることです。」

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元記事発行日: 2018/11/20 19:30:00, 最終更新日: