メルマガやステップメール、ターゲティングメールなど、複数の施策を目的に合わせてスケジューリングし、メールマーケティングを実施している企業は多いでしょう。

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しかし、「開封率やクリック率をチェックしただけで終わっている」という場合は、改善の余地があるかもしれません。

メールマーケティングには、開封率やクリック率以外にも重要な指標が存在します。また、見込み客や既存顧客へダイレクトにアプローチするメールマーケティングは、企業と顧客の信頼関係を築くためにも大事な施策の一つです。

効果測定を正しく行い、PDCAを回していくことで、顧客に対してより有益な情報を届けることができます。その結果、新規顧客の創出や既存顧客のロイヤリティ向上などの企業側のメリットにもつながります。

本記事では、メールマーケティングの効果測定の基本から、分析時に見ておくべき指標、各指標の改善方法などを具体的にお伝えします。メールマーケティング施策により顧客との友好な関係を築きたいと考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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メールマーケティングの効果測定の必要性

メールマーケティングには、販促やセミナー開催のお知らせなど、さまざまな目的があります。そのなかでも、メルマガの配信は、顧客に対して有益な情報を提供し、信頼関係を構築する重要な施策です。メールマーケティングは中長期的に取り組む施策であるため、継続的な配信と効果測定が必要です。

メルマガを配信しても目に見える成果が得られないという理由から、メルマガ配信を止めてしまう企業も少なくありません。

メールマーケティングを行えば売上や顧客が自動的に増えると考えがちですが、短期的な成果にばかり着目すると、メールマーケティングは費用対効果が悪い施策だと感じるでしょう。

そもそもメールマーケティングは、顧客に役立つ情報を発信し続けることで、顧客は自社との信頼関係を深めていく施策です。信頼関係ができていれば、ニーズが顕在化したときに問い合わせが入る可能性が高まり、その後の商談でも成約につながりやすくなります。

顧客との信頼関係を構築するには、顧客が有益だと感じる情報を発信し続ける必要があります。そこで重要になってくるのが効果測定です。配信したメールがどれくらいの人に開封されていて、本文内のURLを何人がクリックしたかといったデータを分析し、顧客の興味や関心に合ったメルマガが配信できたかどうかを判断します。

継続的に効果測定を行うことで、より顧客の興味関心を惹く配信ができるようになり、関係性構築へとつながっていきます。
 

効果測定で見ておくべき5つの指標

メールマーケティングの効果測定では、確認しておくべき5つの指標があります。開封率やクリック率以外にも重要な指標があるので、ぜひ参考にしてください。
 

開封率

開封率は、受信者に到達したメール件数に対して、メールを実際に開封した人の割合を示した指標です。

開封率を確認することで、メルマガのタイトルがどの程度、顧客の関心を引くことができたかが分かります。

開封率は以下の計算式で算出します。

  • 開封率=メールが開封された数÷到達したメールの数×100

開封率を高めるためには、メール配信後に開封率を毎回記録し、開封率が高いメールと低いメールの比較検証をすると良いでしょう。特に、タイトルは購読者が最初に目に触れるため、いかに興味・関心を高めるかが重要です。

開封率を上げるための施策は以下の記事を参照してください。

 

到達率

到達率は、メール配信先にメールが届いた割合のことです。メール配信ツールなどを活用すれば、登録アドレス宛てに一斉配信が可能ですが、そもそもメールが届いていない可能性もあります。

到達率を測定すれば、正しく配信が行われているかを把握できます。到達率は次の計算式で算出します。

  • 到達率=メールが到達した数÷総配信数×100

メールが到達しない原因はいくつか考えられますが、メールアドレスが間違っているといった初歩的なミスもあれば、受信側のサーバーでスパム扱いされている可能性もあります。

メール配信ツールによっては、スパム扱いされないように、高度な配信機能が備わっているものもあるため、到達率が低い状態から改善されない場合はツールの見直しも検討すると良いでしょう。
 

クリック率(CTR)

クリック率とは、メールを受信した購読者のうち、メール内のURLをクリックしたユーザーの人数のことです。

本文内にURLを挿入することで、購読者の興味関心度合いを図ることが可能です。メールマーケティングのクリック率は次の計算式で算出します。

  • クリック率=URLがクリックされた数÷到達したメールの数×100

クリック率を高めるためには、「詳しくはこちら」のようなテキストリンクや、HTMLメールであれば色付きのバナーで目立たせるなどの対策が有効です。
 

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率とは、セミナーの申し込みや商品の購入など、自社が設定した目標を達成した割合のことです。

コンバージョン率は次のいずれかの計算式で算出します。

  • コンバージョン率=目標達成数÷到達したメールの数×100
  • コンバージョン率=目標達成数÷URLがクリックされた数×100

前者の計算式は、メールマーケティング内での効果検証を実施する際に活用でき、後者の計算式は他の施策と併用する中で施策効果の比較をする場合に活用できます。
 

反応率

反応率とは、メールを開封した購読者のうち、メール内のURLへアクセスした人数の割合を示したものです。

反応率の計算は次の計算式で算出します。

  • 反応率=URLがクリックされた数÷開封されたメールの数×100

クリック率との違いは、メールが開封された数が分母である点です。メール本文が購読者にとって興味関心を惹くものであったかどうかを評価する際に使用します。
 

その他に分析しておきたい指標

主要な5つの指標以外にも、メールマーケティング改善に役立つ指標があります。

定期的な効果測定を繰り返すことで、課題の特定や具体的な改善策の検討につながります。
 

配信停止率(解約率)

配信停止率(解約率)とは、購読者からメルマガ登録を解除された割合のことです。メルマガ配信では、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、本文内に配信停止方法の掲示が定められています。

参考:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 改正法の概要(総務省)

配信停止率(解約率)は以下の計算式で算出します。

  • 配信停止率=配信停止数÷メール到達数×100

解約率を計測することで、適切な配信頻度・タイミングの検証や、コンテンツ内容の検討に役立ちます。また、解約理由などのアンケートフォームも入れておくことで、購読者からの意見・感想を改善に活かすことが可能です。
 

エラーメール率(バウンス率)

エラーメール率とは、配信したメルマガが購読者に届かず、差し戻されたメールの割合のことで、バウンス率ともいいます。

エラーメール率(バウンス率)の計算は次の計算式で算出します。

  • エラーメール率=エラーメール(バウンスメール)数÷配信数

エラーメールが発生する要因は、宛先のアドレスが無効になっている、相手側のサーバーが受信拒否しているなど、さまざまな理由があります。

エラーメールの発生を抑えるためには、メールのサイズを見直す、該当のアドレスを削除するなどの対策が必要です。受信者側でスパム扱いされている場合は、メール配信ツールを見直すことも有効です。
 

リンク先の直帰率

直帰率とは、本文内のURLをクリックした購読者が、リンク先のページ以外に遷移せずに離脱(直帰)した割合を示した指標です。

直帰が起きる要因としては、メール本文内での誘導と、リンク先コンテンツ内容の矛盾が挙げられます。いくらメールで興味関心を高めても、実際に遷移したページコンテンツの質が低かったり、売り込みと捉えられるような内容であったりすると、購読者の興味は一気に下がってしまいます。

直帰率は以下の計算式で算出されます。

  • 直帰率=直帰数÷URLがクリックされた数×100

また、遷移したページで申し込みフォームが見つけにくい場合も直帰率が高くなるため、サイト設計全体を見直すと良いでしょう。
 

メールマーケティングの効果測定のやり方

メールマーケティングの効果測定に役立つ指標を解説しましたが、実際に効果測定をどのように進めたら良いかわからない方も多いでしょう。

ここでは、メールマーケティングの効果測定方法を2つ解説します。
 

Google Analytics を使う

Google Analytics (アナリティクス)とは、Google が提供するアクセス解析ツールです。無料で使えるツールでありながら、Webサイトのあらゆる指標を解析できるため、多くの企業で導入されています。

Google Analytics を活用すれば、メールマーケティングの効果測定も可能です。Google Analytics によるメルマガ効果測定では、主に2つの指標を解析できます。

  • メルマガの開封率
  • URLのクリック数

メルマガの開封率を測定する際は、HTMLメール内の画像タグに、Measurement ProtocolのURLを設置することで計測が可能になります。

URLのクリック数を測定するためには、Google のURL生成ツールを用います。

URL生成ツール

UR生成ツールを使い、ダミーパラメーターのついたURLを作成し、メルマガに貼り付けることで流入を計測できるようになります。

注意点としては、Google Analytics による効果測定は、HTMLメールに限られているため、テキスト形式で作成されたメルマガでは効果測定を行えません。
 

メール配信ツールを使う

もう一つは、メール配信ツールを活用する方法です。メール配信ツールとは、メルマガ配信などのメールマーケティングに特化したツールのことです。

メール作成から配信リストの管理、効果測定まで一貫して行うことが可能です。メールマーケティングの経験が浅い方でも、簡単な操作で効果測定を行える点が大きなメリットです。

たとえば、HubSpotのEメールマーケティング機能では、送信したメールごとの開封率やクリック率がひとめでわかります。A/Bテストも容易に行えるため、開封率が高い件名やクリック率の高いコンテンツの判定にも役立ちます。

メール配信と効果測定を併せて行うことで、どういった配信方法やコンテンツが顧客に喜ばれるかを実感値として把握できるようになります。

メール配信ツールを活用し、メールマーケティングのPDCAサイクルを回すことで、読者に喜ばれるメルマガ配信が実現できます。
 

必ず効果測定を行い、継続的に改善しよう

メールマーケティングのなかでもメルマガ配信は、企業と顧客の関係性を構築する役割を持つ重要な施策です。

メルマガ配信後は、クリック率や開封率など各指標に基づいて効果測定を行うことで、数字の裏に潜む課題に気づくことができるでしょう。

思うようにメール配信の成果が出ないと感じたときこそ、まずは実態をきちんと確認し、検証・改善のサイクルを継続的に回し続けることで、徐々に成果につながっていきます。

HubSpotのEメール作成・配信機能では、配信したメールの開封率・クリック率などの詳細を確認できる効果測定機能が備わっています。

ABテストの実施や、開封率が高いタイトルの確認などもできるため、どのようなタイトルがユーザーの興味関心を引きやすいかなども実感値としてわかるようになります。

月間2,000件まで無料でメールを送信できるので、ぜひお試しください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

メルマガ配信ガイド&事例集(2021年最新版)

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元記事発行日: 2022年3月22日、最終更新日: 2024年1月16日

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