マーケティングファネルとは?基礎〜応用方法を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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昭和から平成、令和へと時代が移り変わり、消費者行動や購買心理にも大きな変化が現れつつあります。個々の消費者像がますます多様化するなか、企業としては時代変化のうねりを的確に捉え、常に最適なマーケティング戦略を講じなければなりません。

マーケティングファネルとは?基礎から活用方法まで徹底解説

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そのためには、今回ご紹介するマーケティングファネルの理解が必須です。マーケティングにおけるファネルとは、消費者の行動段階を表します。価値観が変化する消費者の各行動段階を理解することで、各ファネルに応じた適切なマーケティングを実施できます

今回は、マーケティングファネルの基本的な知識を徹底的に解説します。ファネルの活用方法や成功事例もあり、本記事を読んだ後すぐに実践できる内容です。

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マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルとは?

ファネルには「漏斗(ろうと・じょうご)」という意味があり、その形状を消費者の購買プロセスに当てはめたものをマーケティングファネルと呼びます。漏斗の形状が消費者の購買プロセスを表す形とよく似ていることから、この名称が付けられました。

マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルは上図のように、課題やニーズの気付きから始まり、コンバージョン(購入)を経てアドボカシー(支持)へと達します。つまりマーケティングファネルとは、見込み顧客を引きつけ、自社の顧客(ファン)へと変えるように設計されたモデルです。

漏斗の形状が指し示す通り、マーケティングファネルは下部に向かって先細りしている点が特徴です。先端に行くに従って形が細くなっているのは、ファネルの各段階を経過するたびに見込み顧客が減っていくことを表しています。
 

マーケティングファネルが必要な理由

ビジネスにおいてマーケティングファネルが必要な理由は、消費者の購買プロセスごとにアプローチ方法を変化させなければならないからです。購買プロセスの各段階にはそれぞれ異なったニーズが存在するため、常に一定のアプローチでは消費者を引きつけることはできません。

たとえば消費者が自社製品の存在を知ったばかりの段階にあるとしましょう。その段階にある消費者に対し、自社製品のメリットや魅力ばかりを全面的に押し付けるような広告を発信したとしても、期待した成果にはつながりません。消費者はまだ自社製品を知ったばかりで、購入決定の前に情報検索や比較検討などを行いたいと考えるからです。

上記のように、ファネルの各段階における消費者のニーズと自社のアプローチにミスマッチがあると、商品やサービスの魅力が伝わらないだけではなく、むしろ相手に嫌悪感を与えてしまう結果になりかねません。

そのため、マーケティングファネルの各段階にいる消費者ニーズを理解することが重要となります。
 

マーケティングファネルにおける5つのステージ

マーケティングファネルにおける5つのステージ

マーケティングファネルの各段階は、消費者へのアプローチ手段を講じるうえでいずれも重要な役割を果たします。まずはマーケティングファネルを構成する5つのステージを理解していきましょう。
 

1.気づき(課題の発見)

気づき(課題の発見)

消費者は、何らかの課題を解決したいからこそ商品やサービスの購入へといたります。第1段階の「気づき」とは、その課題を消費者自身が認識することを表しています

ただし、必ずしも消費者の課題が明確とは限りません。たとえば冷蔵庫が故障して買い替えるといった緊急の購買ニーズが発生した場合、消費者は必要な代替品を購入するだけで済むので課題は明確です。しかし「何となく新しい冷蔵庫が欲しい」となると、「何のために新商品を欲するのか」という点が曖昧なままです。

そこで後者の場合には、商品を提供する企業側から情報を発信して消費者に気づきを与える必要があるでしょう。消費者が自分の課題を発見して初めて、次の段階である「情報検索/比較検討」へと移行します。
 

2.情報検索/比較検討

情報検索/比較検討

IT技術が進展した現在では、スマホを活用して情報検索を行うユーザーも珍しくありません。よって「情報検索/比較検討」は、人づてによる口コミやWebサイト、SNSなどあらゆるツールを組み合わせた情報収集と言えます。

この段階で消費者は、自社製品も含めたさまざまな選択肢の検討を行います。たとえばオンラインモールの人気ランキングやレビューを参考にしたり、比較一覧表を掲載しているWeb記事を読んだり、また、実物を確認するために実店舗を訪れたりします。

「情報検索/比較検討」の段階にいる消費者は、あくまで「自分に最適な商品を探している」のであり、「自社が提供する商品を探している」わけではありません。そのため、競合他社と自社の商品を客観的に比較したうえで、真摯な情報提供を心がける必要があります。
 

3.コンバージョン(購入)

コンバージョン(購入)

第1・第2段階における消費者のニーズと自社商品の特徴がうまく合致して初めて、消費者は購入へといたります。

しかし、購入の意思決定は容易に判断できるものではありません。たとえ購入にいたる前の段階で購買意欲が高まっていたとしても、コンバージョンの段階で心変わりする可能性もあるでしょう。

たとえば購入に際して以下のような課題がある場合、消費者の購入の意思を弱めてしまう恐れがあります。

  • 商品の金額に対して送料が高い
  • 購入ボタンがどこにあるのか分かりにくい
  • 商品を購入するために遠方まで出向く必要がある

そのため、コンバージョンの段階にある消費者がスムーズに購買を行えるよう、ユーザビリティを意識した商品の提供を心がける必要があるでしょう。
 

4.ロイヤリティ

ロイヤリティ

ロイヤリティとは、企業や商品、サービスなどに対して抱く消費者の愛着や忠誠心を表す言葉です。

消費者の購買行動は、何も商品を購入してそこでプロセスが完了するものではありません。仮に購入した商品やサービスが、消費者が本来期待したものよりも劣る場合、購入者に失望感を与えてしまうことになります。一度でも失望感を受けた消費者は、二度とその商品を購入しようとは思わないでしょう。

反対に、提供した商品が消費者の希望に適っている場合や、充実したアフターサービスで満足度を高められている場合には、顧客ロイヤリティの向上が図れます。マーケティングというとどうしても購入までのプロセスが重要視されがちですが、商品やサービスの内容に満足した顧客はリピーターに昇華する可能性が高く、ロイヤリティの段階の施策はとても重要です。
 

5.アドボカシー

アドボカシー

アドボカシーとは「支持」を表す言葉で、商品やサービスの内容に満足した顧客が企業に支持を表明する行為です。言葉の意味としてロイヤリティとよく似ていますが、アドボカシーの場合は具体的な行動につながる点に特徴があります。

たとえば特定の企業やブランド、製品などに支持を表明する顧客は、リピーターとして長期的な関係を結べるだけではなく、口コミや商品レビュー、SNSなどによって自分の体験を他者と共有しようとします。単なるリピーターにとどまらず、「自社のファンになった」と言い換えてもよいでしょう。

上記のような口コミや評判による情報拡散は「バイラルマーケティング」と呼ばれ、顧客との関係性を構築する最上の手段とされています。
 

各ステージに応えるために必要なコンテンツ

マーケティングファネルにおける5つのステージを理解できた後は、実際に必要なコンテンツを用意していきましょう。ここでは、マーケティングファネルがより理解できるよう、具体的な事例を用いて解説します。
 

1.気づき(課題の発見)

先述した通り、消費者は必ずしも自分の課題を明確化できているわけではありません。マーケティングファネルでは、まず「なぜその商品やサービスが必要なのか」という点を、具体的なコンテンツを用いて明らかにしていきます。

たとえば、新しい引っ越し先に移住するため冷蔵庫を買い替えたい人がいたとしましょう。しかし、あくまで新しい冷蔵庫を欲しいと感じているだけで、必ずしも買い替えの必要があるかはわかっていません。また買い替える場合も、中古や新品、形状、サイズなどの要素も明確になっていません。

そこでまずは、「冷蔵庫の必要性」を訴求します。

その消費者がスマホのWebブラウザを使って情報収集すると仮定した場合、「生活タイプごとの最適な冷蔵庫のサイズ」や「引っ越しで冷蔵庫を買い替えるタイミング」といったコンテンツを用意できるでしょう。ファネルの第1段階では「冷蔵庫 サイズ 目安」や「冷蔵庫 買い替え 引っ越し」などのキーワードで情報を検索する可能性が高いからです。

これらの情報をもとに、まずは本当に買い替えが必要そうかを判断します。
 

2.情報検索/比較検討

「気づき」の段階はあくまで消費者に必要な知識を与えるのみで、過剰な売り込みは行いません。第1段階で「冷蔵庫の必要性」を理解した消費者は、次に具体的な商品の比較検討を行おうとします

たとえば「冷蔵庫 おすすめ」や「冷蔵庫 選び方」のキーワードで情報を検索したり、あるいは冷蔵庫の商品ランキングを参照したりするケースもあります。そのため、第2段階のニーズに応えるためには、以下のようなコンテンツが必要です。

  • 競合他社と自社商品の比較検討記事
  • 独自のランキング付けをした商品紹介記事
     

3.コンバージョン(購入)

第2段階で目的に適った商品があれば、消費者は購入の意思決定へと移行します。

ただし、コンバージョンの段階にいたったからと言って必ずしも購入を決断するわけではありません。その前に商品レビューやSNSの口コミを確認し、商品の信頼性を確認することもあるでしょう。

商品の詳細を確認するために公式サイトや商品ページを訪問することもあるため、第2段階で用意したコンテンツからスムーズに商品ページなどに遷移できる仕組みが必要です。オウンドメディアやブログで情報発信を行っている場合は、商品ページへのリンクを必ず掲載しましょう。

<補足>
ネットから購入可能な商品で、サイト内にカートを設置している場合は、手続きがスムーズに行えるかも重要です。カートに入れた後に購入を止めてしまう「カート落ち」を防ぐためにも、ユーザビリティを意識した購入ページを用意しましょう。
 

4.ロイヤリティ

冷蔵庫などの商品を提供する場合には、ロイヤリティの段階でアフターサービスを提供するのが有効です。

たとえば万が一の故障時に24時間365日の電話対応が可能なだけでも、ユーザーは安心して商品を使用できます。ほかにも定期的なアフターメンテナンスの実施や全国対応の修理サービスなど、顧客満足度が高まる施策はさまざまあります。
 

5.アドボカシー

使用した商品やサービスに満足すると、顧客はその情報を他者と共有したくなります。よってアドボカシーの段階では、ユーザーがさまざまな人と情報共有できるような環境作りが重要です。

たとえば冷蔵庫の商品ページにレビューを記載できるコメント欄を掲載したり、商品購入後の顧客へアンケート調査用のメールを送信するなど、気軽に口コミを投稿できる仕組みを用意しておくと良いでしょう。

ほかにも企業やブランドの公式SNSアカウントを取得し、ユーザーが「いいね」やコメントを投稿できる環境作りも有効です。
 

ファネルの種類

ファネルの種類

ここまでファネルの各段階について紹介してきました。大きなプロセスに違いはありませんが、消費者の行動心理は日々変わっており、それに合わせてマーケティングの考え方も細かなアップデートが繰り返されています。

今回は、よく使われているファネルを3種類紹介します。

  • パーチェスファネル
  • インフルエンスファネル
  • ダブルファネル
     

パーチェスファネル

パーチェスファネル

パーチェスファネルとは、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4階層で構成されたファネルです。「AIDMA(アイドマ)」の法則をもとにした、もっとも基本的なマーケティングファネルです。

AIDMAは1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱され、いまではユーザーの購買プロセスを表すフレームワークとして広く活用されています。AIDMAが表す購買プロセスは「Attention(注意)・Interest(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)」の5つで構成されます。

冒頭で解説したマーケティングファネルの購買プロセスとよく似ていることが分かるでしょう。消費者は商品への注意や興味のプロセスを経て、最終的な行動(購買)へと達します。
 

インフルエンスファネル

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは、「継続」「紹介」「発信(拡散)」の3階層で構成されます。AIDMAよりもさらに進化した、「AISAS」をもとにしたマーケティングファネルです。

現在の消費者は、WebやSNSを活用して購買後の情報共有を行うようになりました。そのため、購買活動でプロセスを閉じるAIDMAよりも、さらに情報共有プロセスを加えたAISASのほうが時代に適っていると言えます。事実、AISASは「Attention(注意)・Interest(興味)・Search(検索)・Action(行動)・Share(共有)」と、Web検索と口コミ発信を意識したプロセスとなっています。

冒頭で紹介したマーケティングファネルは、顧客の情報共有を意識したロイヤリティやアドボカシーの要素を含んでいるため、よりインフルエンスファネルに近い形状と言えるでしょう。
 

ダブルファネル

ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。商品の認知から購入にかけて先細りしたファネルの形状が、情報の共有や新商品の紹介などによって三角形の形状へと変化していく点に特徴があります。

ダブルファネル

商品を購入した顧客がファンとなり、顧客自身が情報共有や情報発信を行うことで、さらに新しい顧客を作り出していくことを表しています。
 

マーケティングファネルの活用方法

次に、マーケティングファネルの活用方法について詳しく解説します。
 

ペルソナの設計

マーケティングファネルを構築するうえで欠かせないのが、ペルソナの設計です。

ペルソナとは、商品やサービスを提供するうえで設定する、ターゲットをより絞り込んだものです。年齢や性別といった属性に加え、居住地や職業、年収、家族構成、趣味などの具体的要素を設定することで、より具体的な顧客像を想定することができます

マーケティングファネルでは、各段階によって消費者のニーズが異なります。よってあらかじめペルソナを構築し、ファネルの各段階におけるニーズを可視化することが重要です。

→ダウンロード: バイヤーペルソナの作成方法と無料テンプレート
 

顧客心理を考える

設計したペルソナがどのような心理で購買にいたるのか、具体的な購入の動機を検討していきます。

たとえば競合製品と自社製品を比較した場合、消費者は何らかの優位性を感じて一方の製品を選択するはずです。そのため、見込み顧客へのアプローチには、消費者の視点に立った自社製品に関するメリットや強みの打ち出しが必要となります。
 

リードジェネレーション(見込み顧客の創出)

リードジェネレーションとは、見込み顧客を創出するために集客を行う段階です。ただし、一概に集客と言っても消費者によって商品に対する認知度合いは異なります。

仮に商品に対する知識がまったくない消費者に対しては、潜在ニーズを喚起できるディスプレイ広告が最適と言えるでしょう。一方で能動的に情報収集をしようとする検索ユーザーには、リスティング広告やWeb記事の発信といった方法が有効です。

→ダウンロード: リードジェネレーション基礎無料ガイド

リードナーチャリング(見込み顧客の醸成)

リードジェネレーションによって見込み顧客のアクセスを創出した後は、購入につながるように見込み顧客の醸成を図ります。この見込み顧客の醸成をリードナーチャリングと呼びます。

仮にWeb広告を駆使してリードジェネレーションを行った場合、リードナーチャリングにはLP(ランディングページ)を活用するのが一般的です。広告リンクからアクセスした見込み顧客に対し、LPで商品のメリットや魅力を訴求し、そのまま購入ボタンへと導いていきます。
 

改善

マーケティングファネルは、リードナーチャリングを経て購入にいたって終了ではありません。施策を実施した後は、効果の検証と改善を行ってこそ意義があります

効果の検証と改善には、PDCAサイクルの考え方が有効です。あらかじめPV(ページビュー数)やCTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)などの目標数値を決めておき、その目標に対して効果を検証、問題点があれば広告やLPの内容を改善していきます。
 

マーケティングファネルを活用した事例

マーケティングファネルを活用して成功した事例はいくつもあります。今回はその中から、ある海外企業の事例を紹介します。

英国を拠点とするメンズファッションブランド「Charles Tyrwhitt」は、マーケティングファネルを活用した複数の動画を制作し、最終的にROAS(広告費用対効果)を5倍に、CVRを2.2倍にまで向上させました。

Charles Tyrwhittの動画広告は、以下のようにファネルごとに打ち出し方が異なる点が特徴です。

  • トップファネル(気づき):イメージを訴求するブランディング動画で認知度拡大
  • ミドルファネル(情報検索):ブランドの利点を徹底的に解説した商品紹介動画
  • ロワーファネル(購入):価格訴求や無料配送など購入の意思決定にかかわる訴求動画

動画広告と言えば、商品のメリットや特徴を紹介するものが珍しくありません。しかし、いくら商品の魅力を訴求したところで、マーケティングファネルの各段階における消費者のニーズに適っていなければ高い効果は期待できないでしょう。

その点、Charles Tyrwhittの動画広告はファネルごとに最適な商品訴求が行われています。これからマーケティングファネルを活用する企業にとっては、大いに参考になる事例と言えます。
 

マーケティングファネルの考え方が古いと言われる理由

マーケティングファネルの考え方が古いと言われる理由

マーケティングファネルは、購買にいたる消費者の行動や心理を理解するために重要視されてきました。しかし現在では、マーケティングファネルの考え方が時代遅れだとする意見も聞こえてきます。

ここでは、マーケティングファネルの考え方が古いと言われる理由について2つの要因を探っていきましょう。
 

購買行動の多様化

マーケティングファネルの形状を見ても分かる通り、従来のマーケティングファネルの考え方は非常に直線型になっています。つまり、「単一の商品に興味を持った消費者は、その商品を情報を調べ、その商品の購入へといたる」という安直な経路です。

しかし、消費者の行動、特に現代の消費者の行動は上記のような直線的なものではありません

たとえば「新車を購入したい」という消費者がいた場合、この消費者はまず新車の比較検討や情報収集をするためにWebで検索しようとするでしょう。ただ、検索中に「新車でドライブしたいおすすめの観光地」などの情報が出てきたとすると、消費者の興味は横道に逸れ、新車よりも旅行に対する関心が高まってしまうかもしれません。

上記のように情報収集の行動様式が変わり、購買行動が多様化するなか、マーケティングファネルという画一的なモデルが通用しづらくなってきている事実があります。
 

顧客の持つ価値観の多様化

マーケティングファネルでは、特定のペルソナを設定してニーズを想定し、その要望に添った商品価値の訴求を行います。ここで想定したペルソナは1つのグループのような存在で、従来のマーケティングファネルではそのグループが求める情報や価値などを対象としてきました。

しかし、消費者の価値観が多様化した現代では、大きなグループに分類する上記の方法は通用しづらくなってきています

たとえば同じ購入層のなかでも、一方は価格の安さを重視し、他方は商品の性能や機能性を第一に考えているケースも珍しくありません。その結果、ターゲットを画一的に捉えるマーケティングファネルでは各要望に対応しづらく、対象ユーザーをより細かく分類する必要性が生まれています。
 

ファネルに代わる新たなフレームワーク「フライホイール」

マーケティングファネルが時代遅れになろうとも、消費者の行動や心理を理解するために重要なモデルであるということには変わりありません。では、多様化する消費者の購買行動や価値観の変化にはどう対応すればよいのでしょうか。

そこでHubSpotでは、フライホイールというマーケティングファネルに代わる新しいモデルを提唱しています。

フライホイールとは、購買をゴールとする漏斗型の形状ではなく、顧客を中心として円形にカスタマーサービスやマーケティングを展開しようとする考え方のことです。

ファネルに代わる新たなフレームワーク「フライホイール」

上図のように、顧客を取り囲むのはマーケティングやカスタマーサービス、営業といった社内の各部門です。つまりフライホイールとは、顧客へ価値を提供する各部門が手を取り合い、興味・関心の提供から信頼関係の構築、顧客のファン化までの施策を一丸となって行うモデルと言えます。

マーケティングファネルのように購買活動を主眼に置く方法とは異なり、顧客を中心としてサイクルを回転させることでLTV(顧客生涯価値)が高まり、その結果自社にとっても持続的な成長につながる状態を目指します。
 

顧客の変化に合わせ、自社の戦略も進化させよう

マーケティングファネルを活用すると、1人の消費者の認知から購入、さらに購入後の情報共有までの流れを可視化できます。そして、各段階に合わせて最適なコンテンツを用意することが重要です。

消費者の価値観が多様化するなか、マーケティングファネルの思想を時代遅れとする捉え方も出始めました。一方で、時代に合わせてファネルの考え方も変化しているのは事実です。

今回ご紹介したファネルの概要はあくまで基本となる考え方でしかありません。時代とともに変わる顧客に合わせ、自社の戦略も柔軟に進化させていきましょう。

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インバウンド手法で実現する顧客志向のビジネス成長

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