EFOとは、ユーザーがスムーズに申し込みや問い合わせができるようフォームを最適化する施策です。フォームを通じてリード(見込み客)を創出しているB2B企業にとって、EFOは欠かすことができません。

仮に100人のユーザーがフォームを利用し、離脱率が75%の場合、コンバージョン数は25となります。もし、EFOによって離脱率を50%にまで改善できれば、ユーザー数に変化がなくてもコンバージョン数は50。改善前の2倍のコンバージョンを獲得することが可能です。
本記事では、「EFO」の実例やポイントを解説します。EFOを実施してユーザビリティの高いフォームへと改善をはかり、コンバージョン率を向上させましょう。
EFO(入力フォーム最適化)とは?

EFO(Entry Form Optimisation)とは、入力フォームをユーザーにとって使いやすく、入力しやすい形に最適化する施策です。日本語では「入力フォーム最適化」と呼ばれます。
Webサイトの入力フォームは会員登録や問い合わせ、資料請求、購買など幅広い目的で設置されています。設置する目的によってフォームのレイアウトは異なりますが、基本的な構成要素は以下の通りです。

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①タイトル
入力フォームの目的を知らせます。
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②ラベル
入力フィールドに何を記入すれば良いのかをユーザーに知らせます。
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③入力フィールド
ユーザーが情報を記載する項目です。項目が1行のみの場合は「入力フィールド」と呼び、お問い合わせフォームなどの複数行を入力する場合は「入力エリア」と呼びます。
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④アクションボタン
ボタンを押すことで回答内容の送信や別のリンクへの遷移に至ります。入力フォームによっては、すべての項目への入力が完了するとボタンの色が変わるフィードバック機能付きのものもあります。
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⑤パーミッションの同意
「アカウントを作成したことにより、ユーザーに対して今後マーケティング行動を取る許可を得た」という確認です。
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⑥プライバシーポリシーの明示
「ユーザーの個人情報をどのように尊重し保護するか」という企業の姿勢を明らかにしたものです。長文で記載されることが多いため、別ページへのリンクを掲載するケースもあります。
EFOには、具体的に次のようなものがあります。
- タイトルにふさわしい適切な質問がなされているか
- ラベルが見やすく、わかりやすく指示されているか
- 入力フィールドが入力しやすいか
- アクションボタンとフィードバックが一目で分かるか
- パーミッションの同意が確認しやすいか
- プライバシーポリシーが明示され、ユーザーが安心して情報を預けられるか
上記6つのEFO対策は、それぞれ先に挙げた6つの構成要素に対応しています。このように、まずはフォームの構成要素を明らかにしたうえで、各要素の使い勝手や視認性、安全性を改善していくことが大切です。
なぜ最適化が必要?EFOの重要性
入力フォームはユーザーと企業の対話の場であり、信頼関係を築く場です。そのため、対話をよりスムーズに行えるようフォームを改善することがEFOの本質だと言えます。ユーザーがフォームを利用する目的と、企業がフォームを活用する目的を整理しながら、EFOの重要性を明らかにしていきましょう。
ユーザー側から見たEFOの重要性
EFOが重要な理由は、ユーザーが問い合わせや資料請求といったアクションをスムーズに完了できるようにするためです。
ユーザーは情報の取得や商品の購入など、何かしらの目的を持ってWebサイトを訪れ、企業を信頼して入力フォームに個人情報を入力します。しかし、フォームの使い勝手が悪いと、入力の最中にストレスを感じ、ページを離脱してしまいます。それだけではなく、ユーザーはWebサイトを訪れた目的が達成できなかったことになります。
たとえば、「間違って戻るボタンを押した結果、また一から同じ情報を入力しなければならなくなった」「エラー内容が分かりづらく、入力内容を何度変更しても次のページに移動できない」など、入力中は些細なことで不満を感じやすいものです。
ユーザーがストレスや不満を感じないようEFOでフォームを最適化し、アクションを完了できるサポートを行いましょう。
企業側から見たEFOの重要性
EFOは「ユーザーのために実施されるもの」と思われがちですが、実は、企業にとっても重要な施策です。
ユーザビリティの高いフォームを設置すればユーザーの離脱を防止でき、企業は結果的にコンバージョンの改善という大きなメリットを得ることができます。さらに、使いやすいフォームはユーザーに良い印象を与え、企業への信頼感が高まります。
B2B企業にとってのEFOの重要性
ECサイトでは入力フォームが売上に直結するため、Webサイトで販売を行うB2C企業においてEFOは必須の施策だと言えます。また、B2B企業はフォームを通じてリード創出を行うため、EFOが欠かせません。
HubSpotが2019年に行った調査によると、Webサイトの入力フォームを通じてリード創出を行う企業は、全体の74%に上ることが明らかになりました。

上記のグラフは、「あなたの会社ではどのようなリード生成ツールを使っていますか?」という質問に対する回答を表したものです。
縦軸は回答を寄せた企業数を表します。横軸は左からWebフォーム、チャットボット、ライブチャット、アンケート、特にツールを使用していない、その他、と続きます。有効回答数173のうち、130の企業がWebフォームを利用していると回答しました。
さらに、リード生成に最も効果を上げているツールについても質問を行っています。

上記のグラフは、「ツールの中で、最も高いコンバージョン率を挙げているものは何ですか?」という質問に対する回答を表したものです。
全回答の内、Webフォームと答えた割合は49.7%。新しいマーケティングツールが登場しても、入力フォームは最大のリード創出ツールであることが分かります。
B2B企業のWebサイトでは、魅力的なコンテンツを用意するだけではなく、ニュースレターやホワイトペーパー、eBookなどを提供することも珍しくありません。こうした特典は、入力フォームに記入することで得られるユーザーのベネフィットです。ユーザーがフォームを使ってスムーズにベネフィットを獲得できるよう、B2B企業でもEFOを意識する必要があります。
入力フォームからユーザーが離脱する理由とは?

EFOによって入力フォームを最適化するには、まずユーザーが離脱する理由を知り、そこから解決策につながる仮説を検証する必要があります。では、ユーザーはどのような理由でフォームを離脱するのでしょうか。
Webフォームから途中離脱する理由

引用元:6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment | The Manifest(英語)
「6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment」の記事によると、ユーザーがWebフォームを離脱する理由は、以下4つの項目が全体の77%を占めています。
- セキュリティに不安がある:29%
- フォームが長すぎる:27%
- 広告やアップセルの不安がある:11%
- 不要な質問項目がある:10%
また、フォームで入力を完了せずに途中で離脱してしまうユーザーの割合は81%。入力フォームの途中離脱の数値はWebサイトによってばらつきがありますが、平均的に見ると70~80%のユーザーが離脱しているようです。
EFOを実施することによってフォーム離脱率を改善できれば、コンバージョン数だけではなくCPAの削減にもつながります。CPAとは、1人の顧客を獲得するための単価です。
たとえば、以下の場合はCPA5万円です。
- 100万円の広告予算で1万人のアクセスを獲得(サイトへの集客にかかった費用は1人当たり100円)
- サイトへアクセスした1万人の内100人が申込フォームへ遷移(申込フォーム遷移の費用は1人当たり1万円)
- 申込完了した人が20人(フォーム離脱率80%)→CPA5万円(100万円÷20人)
仮に上記のフォーム離脱率を60%まで改善できれば、申し込みを完了した人は40人となり、CPAを2万5,000円へと改善できます。

入力項目数はコンバージョン率にどこまで関係するか
先述の通り、ユーザーがWebフォームを離脱する理由として、「フォームが長すぎる(=入力項目が多い)」という回答が全体の27%を占めていました。入力項目数の多さはコンバージョン率にどこまで影響するのでしょうか。
HubSpotでは、自社の顧客40,000社を超えるランディングページを分析し、入力フォームの項目数とコンバージョン率の関係を調べました。

上記のグラフは、縦軸がコンバージョン率、横軸が項目数で形成されています。
フォームの項目数が3つの場合、もっともコンバージョン率が高くなります。項目数が5つになるとコンバージョン率が低下するものの、8~10個の項目数ではコンバージョン率の数値にほとんど変化はありません。そのため、一概に「項目数が多いほどコンバージョン率が下がる」とは言えないようです。
さらに、ユーザーが1行のみ入力する欄である入力フィールドの数とコンバージョン率の関係を調べてみました。

入力フィールドの数が14個までの場合、コンバージョン率は15~20%で推移しており、入力フィールドの数が変わろうともコンバージョン率の数値に大きな変化はありません。そのため、項目数のグラフと同様、「入力フィールドの数が多いほどコンバージョン率が下がる」とは断言できないでしょう。
一方、複数行の入力が必要な入力エリアの項目数については、コンバージョン率と明確に負の相関が現れました。

上記のグラフの通り、入力エリアの数が3~4個になると大幅にコンバージョン率が低下しています。複数行を記載しなければならない入力エリアはユーザーにとって負担がかかるため、「入力エリアの数が多いほどコンバージョン率が低下する」という結果が現れたと考えられます。
ただし、入力エリアが3~4つ存在する場合でも、約10%のユーザーは「回答する価値がある」と考えている点を忘れてはいけません。
ここまでの結果から、ユーザーが「入力項目が多い」と感じるのは、単純な数によるものではないということが分かります。ユーザーが個人情報を渡すことで得られるベネフィットと比較して、ベネフィットが上回れば「入力項目は妥当」と判断し、逆にベネフィットが個人情報に対して少ないと感じられれば「入力項目が多い」と感じるのです。
さらに、「こんな情報を何に使うのだろう?」と疑いを生じさせるような質問があるときには、たとえ入力項目が少なくてもユーザーはセキュリティに不安を感じ、入力を止めることが推測されます。
プライバシーポリシーをどれだけ明示したとしても、ユーザーにとって必要性が理解できない入力項目があれば意味がありません。また、何かを売りつけられるのではという警戒心も生まれます。
そのために、ユーザーが求めているベネフィットを正確に把握した上で、必要なことを、必要性がはっきり理解できるような順番で聞くことが大切です。
離脱率を無駄に上げないために気をつけたい7つのポイント
ここからは、離脱率を無駄に上げないためのポイントを7つご紹介します。
- 必須項目と任意項目の差を明確にする
- 入力ミスに対してエラーメッセージを表示する
- 入力例を表示する
- 他ページへのリンクはできるだけ控える
- ボタンの設置場所を意識する
- コンバージョンボタンは目立つようにする
- ボタンの文言はシンプルに分かりやすく表現
ほんの少しの工夫だけで離脱率が改善されることもあるので、ぜひ参考にしてください。

必須項目と任意項目が分かりづらいと、ユーザーが必須項目を入力せずに完了ボタンを押す可能性があります。その結果、最終画面で「必須項目が入力されていません」というエラーを見たユーザーがやる気を失くし、フォームを離脱する可能性が高まります。
必須項目がより分かりやすくなるよう、太文字やカラー表記で目立たせるようにしましょう。また、必須項目の入力ボックスに色を付け、入力後にボックスの色が消えるアシスト機能も効果的です。
2.入力ミスに対してエラーメッセージを表示する

入力ミスがあった場合、すぐ近くにエラーメッセージを表示させるようにしましょう。最終画面でエラーメッセージが現れると、ミスをした箇所が分かりづらく、ユーザーのモチベーションを低下させてしまう可能性があるためです。
そもそもユーザーが入力ミスをしないよう、半角や全角の指定を分かりやすく表記することも大切です。
3.入力例を表示する

入力ボックスに半透明の入力例を表示させる方法は、入力内容が分かりづらい項目に有効です。たとえば、「氏名の間の半角スペースの要・不要」や「電話番号のハイフンの要・不要」など、入力例を表示させておくと記載すべき情報を瞬時に判断できます。入力エラーの削減に加え、ユーザーの負担軽減につながります。
4.他ページへのリンクはできるだけ控える
入力フォームから他ページへとつながるリンクは、極力設置しないようにしましょう。リンクがあると入力完了前にページを移動してしまい、フォームの離脱率が高まってしまうからです。特に最終画面では、入力完了ボタン以外のリンクを全て外しても構いません。
5.ボタンの設置場所を意識する
ボタンの設置場所は「視線移動」を意識して決めましょう。優先度の高いボタンは上に、次のステップへ進むボタンは右側に設置するだけでも、完了までの流れをユーザーが自然に把握できます。
6.コンバージョンボタンは目立つようにする

コンバージョンボタンは、文字サイズやボタンサイズを大きめに設定し、目立つように配置させましょう。前の画面に戻るボタンと色のメリハリを付けて表示させるのも効果的です。
7.ボタンの文言はシンプルに分かりやすく表現

ボタンに表示する文言は、シンプルで分かりやすい表現を心がけましょう。「利用規約に同意してすべての責任を負う」など、クリックを躊躇させるような文言は控えるのが賢明です。利用規約に同意する必要がある場合は、ボタンとは別にチェックボックスを設置し、ボタンの文言は「次のページへ」や「登録する」などシンプルに表現します。
EFO対策の基本的な施策3選

実際にEFO対策を実施する際は、以下のように順を追って施策を進めていきます。
- ユーザーのライフサイクルステージに合わせて入力フォーム項目を出し分ける
- 入力項目をパーソナライズする
- 入力フォームにアシスト機能を付ける
以下で解説する3つの施策を参考にEFO対策の基本を掴みましょう。
基本対策1:ライフサイクルステージに合わせて項目を出し分ける
EFO対策は、ユーザーのライフサイクルステージに合わせて実施する必要があります。各ステージによってユーザーの要望やフォームの適切な質問項目が異なるためです。
ユーザーのライフサイクルステージは、「認識・検討・決定」の3つの段階に分かれます。

1.「認識ステージ」
ユーザーが自分の抱える課題に気付いていない、あるいはその課題が明確化されていない段階です。認識ステージにあるユーザーに対しては、Webサイトのコンテンツやメルマガによって課題を認識してもらい、解決策が存在することを提示します。
たとえば、コンテンツによって「株式投資の仕組みや性質」を理解したユーザーは、資産運用の知識をさらに得ようと、「7日間で分かる株の実践講座」というメルマガを申込フォームから購読する可能性があります。そのため申込フォームには、メルマガを配信するための入力項目が必要です。
HubSpotでは、メルマガの申込フォームの質問項目はメールアドレスのみと最低限に留めています。
2.「検討ステージ」
ユーザーが自分の抱える課題を特定し、解決に向かって進もうとしている段階です。検討ステージでは、ホワイトペーパーやeBookをダウンロードしてもらい、自社が提供しているソリューションを知らせます。
HubSpotの場合、このステージのユーザーにはホワイトペーパーのダウンロードを提案しています。氏名や電話番号、会社名など8つの項目をフォームに設定。認識ステージよりも豊富な情報を取得できるのがメリットです。

3.「決定ステージ」
自社の製品やサービスが、ユーザーにとって解決手段の一つであることを強く意識する段階です。決定ステージにあるユーザーに対しては、マーケティング担当者が接触を試みて、有望な見込み客への醸成をはかります。
HubSpotの場合、このステージのユーザーにはデモ体験を提案しています。デモ体験を通じて自社製品を実際に使ってもらうだけではなく、マーケティング担当者が直接対話を行うきっかけにもなります。

入力フォームでは、常に最小限の質問のみに留めることがポイントです。質問を最小限に絞ることにより、ユーザーにストレスを与えないだけでなく、こちらの質問意図をはっきりさせることができます。
基本対策2:入力フォームをパーソナライズする
次に、個々のユーザーに合わせた入力フォームへとカスタマイズを行います。
Webサイトには多数のユーザーが訪れますが、CRMを使うことでパーソナライズ化された入力フォームを提案できます。CRMに蓄積されたユーザーの訪問回数や閲覧履歴、クリック回数などのデータは、すべて入力フォームと連動可能です。
CRMと連動することによってユーザーをパーソナライズし、ユーザーのステージに見合った入力フォームを提案することができます。スマートフォンやPCでの質問項目の出し分け、流入元による出し分けなどが可能です。
基本対策3:入力フォームにアシスト機能を付ける
入力フォームにアシスト機能を付けることで、入力の負担を取り除くことができます。
アシスト機能には、入力エラーがあれば即座に知らせてくれるリアルタイム・アラートや、残り項目数を自動でカウントしてくれるガイドナビゲーション機能などがあります。ほかにも、スマート入力フォームを利用すれば、過去に入力した情報を自動的に表示させることが可能です。
EFO実施後の事例と効果
ここでは実際にEFOを実施し、コンバージョン率がアップした事例を見ていきましょう。
入力フォームをスクロールしなくても見える位置に設置する
スクロールしなくても見える位置にフォームを設置することで、ユーザーはすぐに行動に移すことができます。

引用元:18 Stunning Examples of Above the Fold Content to Hook Your Visitors(英語)
SnackNationは、オフィス向けのスナック販売会社です。入力フォームに企業のメールアドレスを入力し、「TRY IT FREE(無料でお試し)」のボタンを押すだけで、画像に表示されている15個のスナックが入ったサンプルボックスを届けてくれます。
EFOの実施により、SnackNationは毎週1,200社の新規リードを創出できました。
では、入力フォームが縦に長くなる場合にはどうしたら良いのでしょうか。

入力フィールドが縦1列に並んでいる場合、ユーザーの視線は下へ下へと向かうので大きな負担にはなりません。その点、フィールドが2列になると視線をZ方向に動かさなければならないため、目に負担がかかります。そのため、フォームは縦1列のレイアウトが適切だと言われています。
ただし、上記はあくまで一般論なので、列を増やしたからと言って必ずしもコンバージョン率が低下するとは限りません。事実、HubSpotでは、マーケティングソフトウェアの無料デモの入力フォームを2カラムにしたところ、コンバージョン率が57%も向上しました。

2カラムに変更した際にデザインとコピーも変更していたため、改めてカラム以外の条件を揃えて1カラムと2カラムのA/Bテストを行いました。上図は左が1カラムの入力フォーム、右が2カラムの入力フォームです。その結果、デザインやコピーが同一のフォーマットにおいて、2カラムが1カラムより22%高いコンバージョン率を記録するという結果になりました。
2カラムの場合は視線をZ方向に動かす必要がありますが、代わりにファーストビューでフォーム全体を見渡せるというメリットが生まれます。そのため、入力フォームが縦に長いからと言って、無理に縦1列に配置する必要はないと言えるでしょう。
CTAボタンにマイクロコピーを入れる
日本のCTAボタンは、未だに「送信」「送信する」がほとんどですが、海外のCTAボタンは「送信」に相当する「submit」と書いてあるだけのボタンは今日ではほとんど目にすることがありません。
というのも「送信」だけでは、このボタンを押すと次にどうなるかが明確に分からないからです。
その代わりにマイクロコピーをCTAボタンに含めましょう。マイクロコピーとは、ラベルボタンや通知メッセージなどに記載する行動喚起のための文言です。フォームのCTAボタンであれば、「情報を送信するとどうなるか」を具体的な言葉で表したものがマイクロコピーに当たります。
フォームのCTAボタンにマイクロコピーを採用し、大幅にコンバージョン率が改善した例があります。

引用元:Takeaways & Examples from Real Button Tests - Bruno Riggs(英語)
デンマークのフィットネス・ジムであるFitness Worldのランディングページでは、CTAボタンを「Get your membership(会員になる)」から「Find your gym & get membership(ジムを探し、会員になる)」に変更しただけで支払ページへのクリックが213.16%も上昇しました。
フィットネス・ジムが通いやすい場所にあるかどうかは、ユーザーにとって非常に重要な情報です。それをマイクロコピーとして表現することでコンバージョン率の拡大につながりました。
また、ボタンは視覚的な要素が強く、その色や形が重要な要素となります。ハンドメイドの磁器を扱うヨーロッパの著名なECサイトでは、CTAボタンを暗い青から明るい緑に変えただけでコンバージョン率が35.81%も上昇しました。

引用元:How to Design Call to Action Buttons that Convert(英語)
ただし、上記の例と同じようにEFOを実施したからと言って、必ずしも同様の成果が得られるとは限りません。実際にコンバージョンにつながるかどうかはCTAボタンの色や形、大きさといったさまざまな要素に影響されるため、A/Bテストを繰り返したうえで最適な形を見つけることが大切です。
スマホユーザー向けのレイアウトに合わせる
スマートフォンでブラウジングするユーザーが増えた昨今、パソコンより小さい画面でも適切にフォームが表示されるような工夫が必須です。パソコンとスマートフォンでは入力方法が異なるため、単なるレスポンシブデザインの採用に留まらず、フォームの入力システムそのものを見直す必要があります。
東急カード株式会社は、クレジットカードのパソコン用の申込フォームを、そのままスマートフォンのフォームに流用していました。しかし、スマートフォンでフォームを見たときのレイアウトは入力しやすいものとは言えず、課題意識を抱えていました。また、フォーム入力の最中に離脱するユーザーも多かったようです。
そこで、EFOツールのUI改善ツールを導入。タグを1つ埋め込むだけで、見違えるほど綺麗なフォームへと生まれ変わったのです。

引用元:スマホのフォームを改善したら、申し込み率が6.9pt改善しました - SHOWCASE
このEFOでは単なるデザインの一新に留まらず、システム面も大幅に変更しています。それぞれの入力ブロックには入力例を表示するアシスト機能を加え、カメラで運転免許証を読み取るだけで入力項目に反映させるシステムなどが組み込まれています。その結果、スマホユーザーからの入会率は、前年同期比6.9%の改善を見せました。
不要な手続きを簡略化する
ユーザーにとって不要な手続きをフォームから削除することも、EFO対策の一つです。
ローソン銀行では、クレジットカードの申込フォームにおいて離脱率の高さに悩まされていました。当時の申込方法は、フォームにメールアドレスを入力した後にメールでコードが届き、再びフォームに戻ってコードを入力するという面倒な手続きが必要でした。

引用元:【ほぼオーダーメイド!】CVR40%の目標に伴走!Web解析士が操るEFOツール「フォームアシスト」の本当の使い方! - SHOWCASE
2019年1月にクレジットカード事業を開始した当初、担当者はあまりのフォーム離脱率に驚いたと言います。そこでEFOツールを導入し、Webサイトを分析したうえでフロー全体の見直しを行いました。
入力フォームの抜本的な改革の結果、約10%のコンバージョン率改善を果たすことに成功しています。
EFOツールのおすすめ6選

EFOには、無料で利用できるツールやリーズナブルな料金で幅広く活用できるツールが数多くあります。ここでは、EFO対策に役立つおすすめツールを6種類ご紹介します。

「HubSpot Marketing Hub」は、マーケティングに必要な情報やデータを1か所に集約できるマーケティングソフトウェアです。
Eメールマーケティングやコンタクト管理、トラフィックとコンバージョンの分析など、マーケティング業務に必要な機能が揃っています。また、オリジナルの入力フォームを作成できるほか、スマート入力機能やプログレッシブプロファイリングといったEFO対策に役立つ機能も活用できます。
料金プラン(税抜) |
無料版:無料
Starter:月額5,400円
Professional:月額96,000円
Entaerprise:月額384,000円
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主な機能 |
フォーム作成
Eメールマーケティング
コンタクト管理
ランディングページ作成
SEOツール(有料版のみ)
マーケティングオートメーション(有料版のみ)
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「formrun(フォームラン)」は、オリジナルのフォームを簡単に作成できるEFOツールです。
デザイン性の高いテンプレートが揃っているため、プログラミング知識がなくとも30秒程度でフォームを作成できます。フォームを作成するだけではなく、問い合わせ対応や顧客管理までワンストップサービスを提供している点が特徴です。
料金プラン(税抜) |
FREE:無料
BEGINEER:月額3,880円
STARTER:月額12,980円
PROFESSIONAL:月額25,800円
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主な機能 |
フォーム作成
フォーム用テンプレート
リアルタイムバリデーション
住所補完機能
reCAPTCHA
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「EFO CUBE」は、入力フォームのサポート機能が充実したEFOツールです。
サポート機能は26種類あり、業界でも最高水準を誇ります。会社名を入力するだけで自動的に住所を反映できる「会社情報自動入力」や、メールアドレスのドメインの存在有無を確認できる「ドメイン存在チェック」など独自の機能が整っています。
料金プラン(税抜) |
初期費用:無料
月額利用料:50,000円(契約期間6ヶ月)
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主な機能 |
入力補助(ふりがな自動入力・入力エラー背景色・ドメイン存在チェック・外部ID連携 など)
データ分析(月別/統計分析・項目別分析・ページ別分析・自動レポート作成 など)
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「ゴリラEFO」は、低コストでオリジナルのフォーム作成やA/Bテストを行いたい人におすすめのEFOツールです。
1つのアカウントで5種類のフォームを作成できるプランが月額9,800円で提供されており、業界でも最安値クラスとなっています。入力サポート機能は20種類と豊富で、費用対効果に優れたEFOツールだと言えるでしょう。公式サイトでは、フォーム入力完了率を1.2倍にまで引き上げることが可能と謳われています。
料金プラン(税抜) |
初期費用:30,000円
月額利用料:9,800円(契約期間6ヶ月)
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主な機能 |
入力フォーム作成
ガイドナビゲーション
自動フリガナ入力機能
住所自動入力
入力成功サイン
メールアドレスサジェスト
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「Gyro-n EFO」は、入力フォームの分析機能に優れたEFOツールです。
エラーの発生数や離脱データだけではなく、エラー発生の条件やタイミングまで分析できます。サポートスタッフによる設定や、改善フローによるコンバージョンの最大化といったサポートも充実しており、初めてEFOツールを利用する人でも安心して使える点が魅力です。
料金プラン(税抜) |
初期費用:無料
月額利用料:15,000円(契約期間6ヶ月)
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主な機能 |
入力フォーム作成
ログ解析
リアルタイムエラーチェック
フリガナ自動入力
残数ナビゲーション
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「EFOcats」は、独自の「1画面1質問」の入力フォームを作成できるEFOツールです。
管理画面から取得できるタグをWebサイトに設置するだけで、「1画面1質問」のレイアウトを構築できます。レイアウトが縦に長くなりやすいスマートフォン向けのフォームにおすすめです。ほかにも入力ミスを防ぐ11個の機能や分析レポートなど、EFOに役立つ機能も搭載しています。
料金プラン(税抜) |
初期費用:300,000円
月額利用料(スマホのみ):30,000円
月額利用料(スマホ+PC):50,000円
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主な機能 |
入力フォーム作成
フォーム分析ツール
リアルタイムアラート
プログレスバー表示
住所自動入力
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EFOでユーザーが使いやすいフォームに改善しよう
広告出稿やSEOと比べて、EFOは結果が見えやすく費用対効果が高い施策だと言えます。
EFOを実施する場合は、ライフサイクルステージごとのユーザーに合わせて最適化することが重要です。ユーザーの視点から使い勝手の良いフォームへと改善していきましょう。

