与えられた目標を達成するために、自ら判断し行動できるAIエージェントの登場により、従来のAIでは対応が難しかった複雑なタスクが自動化できるようになりました。


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AIエージェントには、さまざまなタイプや用途に応じたソリューションがあります。本記事では、課題に合ったAIエージェントを選ぶためのポイントや、おすすめの製品をピックアップしてご紹介します。一連の業務をAIでまとめて自動化することを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
AIエージェントの比較ポイント
AIエージェントを選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。
- 種類
- 機能性
- 外部システムとの連携範囲
- セキュリティ
- サポート体制
それぞれの比較ポイントを詳しく解説します。
種類
AIエージェントは、主に次の4種類に分けられます。
- 汎用型:
チャットボットやデータ収集、分析など、さまざまな用途に利用できるタイプ - 特化型:
特定の業務や作業に特化しているタイプ - システム搭載型:
特定のシステムにAIエージェント機能が付随しているタイプ - ローコード・ノーコード開発型:
最低限のプログラミングの知識や技術で独自のAIエージェントを開発できるタイプ
種類ごとの特徴を押さえたうえで、目的に応じた製品を選ぶことが重要です。
例えば、汎用型はできることが多いため、複数の部門やプロジェクトで活用するのに向いています。その反面、費用が高額になる可能性もあるため、活用範囲が限定的な場合は特化型やシステム搭載型を検討するのがおすすめです。
機能性
同じ種類のAIエージェントでも、搭載されている機能は製品ごとに差があります。機能が不足すると当初の課題を解決できないリスクが高まるため、事前に必要な機能を備えているか検証することが大切です。一方、使わない機能が多い製品は、費用対効果が悪化する可能性があります。
AIエージェントを比較する前に、現状の課題を明らかにしたうえで必要な機能や条件を整理しましょう。課題が明らかになることで、問題解決のために必要な機能やシステムの仕様を割り出せます。
外部システムとの連携範囲
AIエージェントは、学習時にさまざまなデータソースからデータを収集します。例えば、CRM(顧客情報管理)ツールやSFA(営業支援システム)とAIエージェントを連携すると、案件情報や売上データの抽出が可能です。それにより、AIエージェントの活用範囲が広がるだけでなく、分析や予測の精度も向上します。
どの外部システムと連携できるかは、製品によって異なります。幅広い種類のデータを学習させたい場合や、既存システムを活用したい場合には、外部システムとの連携範囲を確認しておきましょう。
セキュリティ
AIエージェントに機密情報を学習させる場合は、セキュリティ面に注意が必要です。万が一データが流出すると、企業イメージの低下や損害賠償といった大きな問題に発展する恐れもあります。
AIエージェントを選ぶときは、信頼のおけるベンダーを見極めることが大切です。AIエージェントにどのようなセキュリティ機能が搭載されているかどうか、提供するデータの扱い方、プライバシーポリシーをチェックしましょう。
サポート体制
AIエージェントをスムーズに導入するためには、ベンダーのサポートが重要です。運用中は、使い方の不明点やエラーが発生することも考えられます。こうしたトラブルに備えて、サポート体制が充実しているベンダーを選ぶことで、迅速に疑問点を解消できます。
電話やメールといった対応方法、窓口の対応時間、日本語サポートの有無などをチェックしましょう。なかには、単なる問い合わせ対応だけでなく、ロードマップの策定やコンサルティングなど、運用が軌道に乗るまでの手厚いサポートを受けられるケースもあります。
おすすめのAIエージェント9選
AIエージェントは、まずAIエージェントの種類を決めてから、種類ごとに各製品の機能やサポート体制などを比較することで自社に合ったものを選びやすくなります。ここでは汎用型、特化型、システム搭載型、ローコード・ノーコード開発型に分けておすすめのAIエージェントを紹介します。
汎用型
複数の部門や業務でAIエージェントの導入を考えている場合は、幅広い用途に利用できる汎用型がおすすめです。代表的な製品を2つ紹介します。
- クウゼンAIエージェント
- JAPAN AI AGENT
クウゼンAIエージェント
出典:クウゼンAIエージェント
クウゼンAIエージェントは、マーケティング・営業・人事・法務などあらゆる業務の自動化を実現できる、対話型のAIエージェントです。SaaSプラットフォーム「クウゼン」のプロダクトの1つで、AIチャットボットの構築やワークフロービルダーなど、プラットフォームのさまざまな機能を組み合わせて多様な課題に対応できます。
また、ノーコードで構築・運用ができるため、スピーディに導入を進められるのも利点です。さらに、生成AIの専門家を含む専任チームによる伴走型の支援も受けられます。
- 料金プラン:要問い合わせ
- 対応可能な業務例
- マーケティング資料の作成
- ホワイトペーパー作成
- パーソナライズ化された営業資料の作成
- KPI追跡用のレポートツール構築
- 公式サイト:https://kuzen.io/generative-ai
JAPAN AI AGENT
JAPAN AI AGENTは、日本の企業向けに最適化されたAIエージェントです。返信文の作成や領収書のCSV変換、提案資料の作成など、よくある業務を自動化するAIエージェントを標準で搭載しています。
JAPAN AI AGENTでは、特定の業務に強みを持った「AI社員」を量産できるのが特徴です。例えば、社内ルールやコンプライアンス関連文書、業務マニュアルなどを集約したAI社員を作ると、そのAI社員にチャット形式で質問をするだけですぐに正確な回答が得られます。JAPAN AIのサポート担当者と相談しながら、独自のAI社員を作成することも可能です。
- 料金プラン:要問い合わせ
- 対応可能な業務例
- 情報収集・リサーチ
- ロゴやイラストなどのコンテンツ制作
- メールの返信文の作成・提案
- 領収書のCSV変換
- 公式サイト:https://japan-ai.co.jp/agent/?cats_not_organic=true
特化型
特定の業務に特化したAIエージェントは、AIを活用したい範囲が明確な場合や専門的な領域の業務効率化に役立ちます。ここではカスタマーサポート、採用、営業・マーケティングそれぞれに特化したAIエージェントを紹介します。
- VOC.AI
- リクルタAI
- Persana AI
VOC.AI
出典:VOC.AI
VOC.AIは、カスタマーサポートに特化したAIエージェントです。
VOC.AIには、複数のAIエージェントが協力しながら特定のタスクを実行する、マルチエージェント機能が搭載されています。これにより、配送状況の確認や会員情報の変更、交換・返金といった複雑な処理も対応が可能です。
さらに、自社サイトや過去の顧客対応履歴などを参照して、正確な回答を提供できる点も強みです。人間が回答するべき内容は、事前に設定しておくことで即座にオペレーターへと転送されます。
- 料金プラン
- ビジネス:月額50,000円(1メインアカウント+5サブアカウント)
- エンタープライズ:月額100,000円~(アカウント制限なし)
- 対応可能な業務例
- チャットボットを用いた問い合わせ対応
- メール文の作成
- クーポン発行
- 配送手配
- 公式サイト:https://www.voc.ai/jp
リクルタAI
出典:リクルタAI
リクルタAIは、採用業務に特化したAIエージェントです。2025年5月現在、スカウト業務に特化した「リクルタAI ダイレクト採用」と、書類選考を支援する「リクルタAI 書類選考」、初回面談業務を担当する「リクルタAI プレ面談」がリリースされています。
求人の募集から応募者のスクリーニング、面接支援に至るまで、採用業務全体の効率化が可能です。AIが事前の準備全般を支援することで、採用担当者が面談やマッチングの判断に集中できます。
- 料金プラン:要問い合わせ
- 対応可能な業務例
- 採用候補者の発掘・選定
- 履歴書にもとづいたスクリーニング
- スカウトメールの送信
- 公式サイト:https://ai-recruiter.jp/
Persana AI
出典:Persana AI
Persana AIは、営業・マーケティング業務の自動化に特化したAIエージェントです。統計情報などから理想的なペルソナを生成してパーソナライズされたメッセージを作成し、最適なタイミングとプラットフォームでアプローチを行うまでを自動で遂行できます。
75以上のデータプロバイダーと連携できる点も特徴です。例えば、顧客情報を一元管理できるHubSpotと連携することで、より関心の高い見込み客の特定や、マーケティング予算の最適化に役立ちます。
- 料金プラン
- Free:無料
- Starter:月額68ドル(年間プラン)
- Growth:月額151ドル(年間プラン)
- Pro:月額400ドル(年間プラン)
- Unlimited:月額600ドル(年間プラン)
- Enterprise:要問い合わせ
- 対応可能な業務例
- ペルソナ作成
- ミーティングの予約
- パーソナライズ化されたメッセージ配信
- 公式サイト:https://persana.ai/
システム搭載型
AIエージェントを搭載したCRMやSFAなどは、既存のシステムを活用しながら業務プロセスを効率化したい企業に向いています。代表的な製品を2つ紹介します。
- Agentforce
- Zendesk AI
Agentforce
出典:Agentforce
Agentforceは、CRM・マーケティング・カスタマーサポートなどの機能を統合したSaaSプラットフォーム「Salesforce」に搭載されているAIエージェントです。Salesforceの既存ユーザーは、Agentforceを無料で利用できます。
Agentforceは、得意分野によってモデルが分かれています。CRMのデータをもとにセールストークの練習ができる「Sales Coach」や、事前のシナリオ設計を必要とせず、カスタマーサポートの幅広い課題に柔軟に対応可能な「Service Agent」などが代表的です。それぞれのモデルを組み合わせることで、組織内の多様な業務に対応できます。
- 料金プラン
- Salesforce Foundation:無料(Enterprise Edition以上)
- Agentforce Service Agent:240円/プロンプト
- 対応可能な業務例
- 見込み客とのチャットコミュニケーション
- 商談予約
- 営業ロールプレイ
- マルチチャネルでの問い合わせ対応
- 公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/agentforce/
Zendesk AIエージェント
出典:Zendesk
Zendeskは、顧客満足度の向上を支援するためのカスタマーサービスソリューションです。AIエージェントを搭載しており、顧客からの問い合わせに24時間自動で対応できます。すべてのプランでAIエージェントを利用できますが、より高度な機能を備えたAIエージェントを利用するには、アドオンまたはSuiteプランの契約が必要です。
ZendeskのAIエージェントを導入すると、ナレッジベースをもとに数分でチャットボットを構築し、よくある質問への対応を自動化できます。さらに会話のパーソナライズやバックエンドシステムとの統合機能を活用することで、より複雑な問い合わせにも対応が可能です。
- 料金プラン
- Basicプラン
- Support Team:月額19ドル/ユーザー
- Support Professional:月額55ドル/ユーザー
- Support Enterprise:月額115ドル/ユーザー
- カスタマーサービスSuiteプラン
- Suite Team:月額55ドル/ユーザー
- Suite Growth:月額89ドル/ユーザー
- Suite Professional:月額115ドル/ユーザー
- Suite Enterprise:要問い合わせ
- Basicプラン
- 対応可能な業務例
- オペレーターに対する返信内容の提案
- 顧客に対する返信文の作成
- FAQ作成
- 公式サイト:https://www.zendesk.co.jp/service/ai/
ローコード・ノーコード開発型
ローコード・ノーコード開発型は、プログラミングの専門知識をほとんど必要とせずにAIエージェントが開発できるのが利点です。技術リソースが限られている場合や、迅速に開発を進めたい場合に選択肢となるでしょう。
- AutoGen
- Microsoft Copilot Studio
AutoGen
出典:AutoGen
Microsoftが提供するAutoGenは、AIアプリケーションを開発するためのフレームワークです。複数のAIエージェントが連携しながら課題の解決やタスクの遂行を支援する、マルチエージェントを構築できます。オープンソースプロジェクトとして公開されており、無料で利用が可能です。
また、AutoGenはPythonベースのフレームワークですが、ローコードインターフェースのAutoGen Studioが提供されています。OpenAI社のGPT-4oをはじめとするLLM(大規模言語モデル)を利用した対話やコード生成、自然言語での指示が可能です。
- 料金プラン:無料(オープンソース)
- 対応可能な業務例:記載なし
- 公式サイト:https://microsoft.github.io/autogen/stable//index.html
Microsoft Copilot Studio
Microsoft Copilot Studioは、独自のAIエージェントをローコードで作成できるプラットフォームです。Microsoftアプリ上で動作するAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」と連携できるため、WordやExcel、PowerPoint、Microsoft Teamsなどのアプリケーション内でAIエージェントを使用できます。
自社が所有するデータベースや人事・経理システムなど、Microsoft以外のデータソースとの連携にも対応しています。例えば、経理システムと連携して予算の残高をリアルタイムで確認したり、過去の支出データを分析して将来の予算計画に対するアドバイスを得たりといった活用が可能です。ほかにも、顧客対応用のチャットボットや従業員用の書類提出リマインダーなど、多様な業務に対応するAIエージェントを作成できます。
- 料金プラン
- Microsoft Copilot Studio:従量課金制
- Microsoft Copilot Studio:月額29,985円/25,000プロンプト
- Microsoft 365 Copilot:月額4,497円/ユーザー
- 対応可能な業務例
- パーソナライズ化された営業メールの作成
- 見込み客のスコアリング
- 配送確認
- 総勘定元帳の照合
- 公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot/microsoft-copilot-studio
自社に合ったAIエージェントを導入して業務効率を高めよう
AIエージェントにはさまざまな製品があり、それぞれ特徴や機能性が異なります。まずはどんな業務にAIエージェントを活用したいのかを明確にしたうえで、最適な製品を選びましょう。
ただし、自律的にタスクを遂行するAIエージェントは、想定外の行動をとる恐れがあることからセキュリティ上のリスクも指摘されています。適切な運用には高度なノウハウが必要です。「いきなりAIエージェントを導入するのはハードルが高い」という場合、まずは生成AIを試してみてはいかがでしょうか。生成AIは、人間の指示に応じてさまざまな業務を自動化・効率化できます。