チャットボットの導入を検討しているものの、具体的な費用感がわからないという方は多いのではないでしょうか。導入時の初期費用はもちろんのこと、導入後のランニングコストも含めて把握しておきたいという事業者様も少なくないはずです。
【無料】チャットボットの導入手順ガイド
チャットボットの仕組みや特徴、導入手順をわかりやすく解説!選定ポイントや導入事例なども紹介していますので、自社に適したチャットボット選びで迷っている方も、ぜひ参考にしてください。
本記事では、チャットボットの導入費用の内訳と相場、価格帯による機能の違いについてわかりやすく解説します。チャットボットの費用相場を把握し、おおよその見積もりを立てたい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
チャットボット活用の基礎ガイド
チャットボットの選び方から導入手順までわかりやすく解説!
- チャットボットの基本概要
- チャットボットの導入メリットと導入事例
- チャットボットの導入手順
- チャットボットの選び方
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チャットボット導入費用の内訳
まずは、チャットボットの利用に必要な費用を確認しましょう。
1. 導入費用
チャットボットのシステムはAI搭載型と非搭載型に分かれており、価格はAI搭載型の方が高額になります。AI搭載型とは、あらかじめ学習させたデータを基に、AIが統計的に正しいと判断した回答を導き出すシステムです。使用を重ねるごとにAIの学習が進み、回答の精度が向上していきます。AIが高精度であるほど、導入費用も高額になる傾向があります。
一方で、AIが搭載されていないタイプのチャットボットは「シナリオ型」と呼ばれます。「Aと聞かれたらBと答える」のように、あらかじめ作成したQ&Aやシナリオのデータを基に回答をするシンプルなシステムです。AI搭載型のように、データから最適な回答を導き出す機能はありません。一般的に、シナリオ型は、Q&Aやシナリオの数が多いほど費用も上がっていきます。
2. 月額費用(ランニングコスト)
チャットボットには買い切り型のものもありますが、クラウドサービスで提供されることが多いため、月額費用が発生します。
シナリオ型や簡易的なAI搭載型であれば月額費用はそれほど高額になりませんが、高精度でカスタマイズ性の高いAI搭載型の場合は注意しましょう。
3. その他の費用
その他の費用には、コンサルティング費用、カスタマイズ・オプション費用、有人チャットとの併用費用などがあります。詳しく見ていきましょう。
コンサルティング費用
コンサルティング費用とは、チャットボットの運用をベンダー側にサポートしてもらう際にかかる費用です。チャットボットは、「導入すれば成果が出る」というものではありません。利用履歴にもとづいてFAQ(よくある質問)の追加・修正などを行っていき、はじめて高い成果を出せます。
これらの工程を行うリソースが足りない場合は、ベンダーが用意しているコンサルティングサービスを利用する方法があります。ベンダーや相談内容によっては無料の場合もありますが、サポートが充実するほどコンサルティングの費用は高くなるでしょう。
カスタマイズ・オプション費用
カスタマイズ・オプション費用とは、チャットボットに必要な機能を追加していくための費用です。
カスタマイズ・オプションの機能の一例は次の通りです。
- CRM(顧客関係管理ツール)との連携機能
- SNSとの連携機能 ・分析のためのレポート機能
- AI自動応答から有人チャットへの切替機能
- 会話画面などデザインのカスタマイズ
カスタマイズやオプションの内容は、ベンダーによって異なります。契約の際に、今後必要になってくるカスタマイズ機能やオプションが搭載されているかどうかと、それらの費用はどれくらいかかるのかを確認しておきましょう。
有人チャットとの併用費用
用意しておいたシナリオやAIでは対応できない問い合わせが発生した際、有人チャットに切り替えられるタイプのチャットボットがあります。自社にカスタマーサポートの機能がない場合は新たにオペレーターを設置する必要があり、人件費がかかります。
有人に切り替えられるチャットボットでは、よりきめ細やかな対応が可能となり、顧客満足度を高められます。
チャットボットの導入費用の相場
ここでは、チャットボットの導入費用や月額費用、その他の費用の相場を解説します。 無料で使えるチャットボットを知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
1. 導入費用
簡易的なシステムのチャットボットであれば、無料~数万円程度で構築可能です。しかし、複雑なAIシステムなどを導入するとなると35万円~100万円以上と高額になります。
注意すべき点は、システム構築の代行費用が含まれている場合と含まれていない場合があることです。導入費用が無料もしくは安価なチャットボットは、シナリオ作成などを自社で行わなければならない可能性があることを覚えておきましょう。
導入費用の相場は次の通りです。
<導入費用の相場>
- AI搭載型:5万円~300万円
- Q&A・シナリオ型:0円~5万円
2. 月額費用(ランニングコスト)
チャットボットの月額費用は、シナリオ型であるか、AIが搭載されているか、カスタマイズ性が高いかなどによって変わります。簡易的なシステムであれば月々数千円~数万円におさまりますが、複雑なAI搭載型であれば月額100万円以上の費用が発生する場合もあるでしょう。
月額費用の相場は次の通りです。
<月額費用の相場>
- AI搭載型:月額5万円~200万円
- シナリオ型:月額1,900円~3万9,800円
3. その他の費用
チャットボットは、シナリオやQ&Aの作成の代行の有無、有人チャットや外部システムとの連携といったカスタマイズ、オプション機能などによって費用が変わってきます。
<オプション費用の相場>
- 初期100シナリオ作成+初期設定:20万円
- 50シナリオ追加作成:10万円
- シナリオメンテナンス:月額3万5,000円
- 外部連携:月額1万円~1万5,000円
- 有人チャット:月額2万円
- サイトの追加:月額3,500円
必要なオプションも踏まえた上で予算を検討しましょう。
チャットボットを自社で開発する場合にかかる費用
チャットボットは自社開発することもできます。ゼロから自社仕様のチャットボットを開発するとなると膨大な工数がかかるため、費用も数千万円規模にのぼることになりかねません。一方、チャットボット開発ツールを活用することにより、比較的低コスト・短期間での開発も可能です。
近年では、LINEのチャットボットを開発・導入する企業が増加傾向にあります。チャットボットの作り方やLINEのチャットボットについて知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
チャットボットの価格帯を左右する3つの要素
チャットボットには幅広い価格帯のツールが存在しますが、なぜ価格帯に幅があるのか疑問に感じていた方もいるでしょう。チャットボットの価格帯を左右するのは、主に下記の3要素です。
AI搭載か非搭載か
AI型とシナリオ型のチャットボットでは、AI型の方が費用が高くなりやすい傾向があります。チャットボットの提供元がAIを独自開発している場合には、開発にかかった費用を回収する必要があり、他社のAIを活用している場合にはライセンス料を支払う必要があるからです。しかし高額である分、AI型チャットボットは言葉のゆれに対応できる幅が広いことに加え、機械学習の機能を備えていれば質問のパターンを学習して回答の精度を向上させられます。こうしたAI型のメリット面を踏まえて、費用対効果を検討する必要があるでしょう。
設置可能なページ数・ドメイン数
多くのチャットボットは、設置可能なページ数やドメイン数に制限を設けています。チャットボットによって利用できるページ数・ドメイン数や費用体系は異なることから、自社が想定している質問の内容やカテゴリを明確にしておくことが重要です。一見リーズナブルなチャットボットの中には、設置するページ数・ドメイン数が増えるにつれて月額費用が高くなるものもあります。自社が想定している用途と費用のバランスに注意してください。
登録可能なQ&A数・シナリオノード数
チャットボットの中には、登録可能なQ&A数や接続先の回答の件数を表すシナリオノード数に上限が設定されているものもあります。Webサイトなどに示されている価格は、最小限のQ&A数・シナリオノード数というケースも多い点に注意してください。
Q&A数やシナリオノード数の上限によっては、登録できる回答のパターンが限られてしまい、運用の自由度が下がる可能性があります。想定されるQ&A数・シナリオノード数を把握した上で、必要に応じて見積もりを依頼するなど、具体的な費用を問い合わせておくことが大切です。
価格帯によるチャットボットの機能の違い
価格帯によって、チャットボットの機能にはどのような違いが生じるのでしょうか。価格帯ごとのチャットボットの傾向について解説します。
おすすめのチャットボットや費用の比較をしたい方は、次の記事を参考にしてください。
低価格帯|月額利用料 数千円~5万円
主な特徴
月額数千円〜5千円程度の価格帯は、AIが搭載されていないタイプや、カスタマイズ性が低いチャットボットが中心です。
機能の例
- 訪問者閲覧
- レポート機能
- 履歴
- 離脱分析
- Google Analytics連携
- LINE連携
- チャットのデザイン制作
適している企業
基本的な内容の問い合わせが中心の場合や、商品の種類が限られているECサイトなどであれば、低価格帯のチャットボットでも十分に対応できるケースが少なくありません。チャットボットの基本的な機能が備わっていればよい場合には、この価格帯のツールを選ぶとよいでしょう。
中価格帯|月額利用料 10万円~30万円
主な特徴
月額10万円〜30万円程度の価格帯のチャットボットは、機能は充実しているものの、個別カスタマイズには対応していないケースが多く見られます。一方で、本格的なAIが搭載されているツールも含まれている価格帯のため、活用方法によっては高い費用対効果を得ることも可能です。
機能の例
- 自然言語認識機能
- 曖昧な言い回しを読み取る機能
- 文章から意味を読み取る機能
適している企業
顧客とのやや複雑なやり取りが想定される場合には、この価格帯のチャットボットが適しています。まずは低価格帯のチャットボットを検討した上で、機能に不足を感じるようなら中価格帯のツールにも選択肢を広げていくとよいでしょう。
高価格帯|月額利用料 30万円以上
主な特徴
月額30万円以上の価格帯のチャットボットは、大規模なプロジェクトによって開発されたものが多く、高精度のAIを搭載したツールや、柔軟なカスタマイズに対応可能なツールが見られるのが特徴です。
機能の例
- 多様なアバター:自社のイメージにあったキャラクターを作成できる
- 対話・機械学習ハイブリッドAI:対話を重ねるごとに自ら学習して回答精度を高める
- 聞き返し機能:問い合わせが曖昧だった場合に追加情報の記載を促す
- テキスト入力支援機能:入力した文字に部分一致する質問を自動提案してくれる
適している企業
複雑な質問や言葉のゆれを想定した回答に対応する必要がある場合には、この価格帯のチャットボットを検討する必要があるでしょう。また、オリジナリティの高いチャットボットを導入したい場合にも、高価格帯のチャットボットが選択肢に入るはずです。
自社の目的に合ったチャットボットを選ぶことが費用対効果を高めるポイント
チャットボットの導入費用は、活用できる機能やAI搭載の有無など複数の要素によって差が生じます。単に費用が高い・安いという観点で選ぶのではなく、自社の目的に合った価格帯のチャットボットかどうかを見極めることが大切です。今回紹介した費用の相場や、価格帯ごとの機能の違いなどを参考に、ぜひ自社に最適なチャットボットを見つけてください。