カスタマーサポートでは、対応のばらつきや情報共有の不足などが、課題としてあげられることが多くあります。従来のカスタマーサポートは、顧客からの問い合わせに対応する部門でしたが、求められる役割も変わってきています。
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顧客体験(CX)の向上が注目されるようになり、顧客と直接的な接点を持つカスタマーサポートは、営業やマーケティングの役割も一部で担うようになりました。業務量が増加したことで、効率化が急務と感じている方もいるでしょう。
本記事では、カスタマーサポートが直面している課題や効率化の必要性から、具体的な効率化の方法までをわかりやすく解説します。業務効率化を実現するツールもご紹介しますので、カスタマーサポートを最適化して顧客満足度の向上を目指したい企業はぜひ参考にしてください。
カスタマーサポートを効率化すべき理由
カスタマーサポートを効率化するべき理由として、まずあげられるのは生産性の向上です。そのほかの理由もご紹介します。
- 生産性向上
- 労働環境の改善
- 顧客満足度向上
生産性向上
カスタマーサポートの効率化によって、生産性の向上が可能です。人手不足が深刻化する現代では、生産性の向上は多くの企業にとっての課題となっています。効率化をすることで業務時間を削減できるため、生産性が向上します。
また、無駄な仕事が減ることで、社員のモチベーションも上がるでしょう。結果としてパフォーマンスが高まり、さらなる生産性の向上が期待できます。
労働環境の改善
顧客と直接的な接点を持つカスタマーサポートは、社員がストレスを抱えやすい部門といえます。顧客からの幅広い内容の問い合わせに、迅速かつ的確な対応が求められるため、常に最新の情報をキャッチアップする時間も必要です。
効率化できる部分は積極的に効率化し、社員の負担を減らすことで、カスタマーサポートの質を高めるための時間を確保できるようになります。労働環境の改善は、顧客に価値を提供し続けるうえで重要な意味を持ちます。
顧客満足度向上
カスタマーサポートの効率化は、顧客満足度の向上にもつながります。業務の効率化により迅速かつ適切な対応が行えるようになるからです。
サポートが効率的に提供されれば顧客の待ち時間は減り、疑問や問題を迅速に解決できるため、不満も解消されます。満足度の高い顧客は良いSNSなどで商品・サービスの良い口コミを拡散してくれるので、結果として収益の増加も期待できるでしょう。カスタマーサポートの効率化により、質の高いサービスを提供できれば、満足度に加えて企業への信頼を高めることも可能です。
カスタマーサポートの効率化を妨げる主な課題
カスタマーサポートにはさまざまな課題が存在します。主な課題は次の3つです。
- 業務が属人化しやすい
- よくある質問(FAQ)が最適化されていない
- 情報共有が足りていない
業務が属人化しやすい
カスタマーサポートの主な課題の一つは、特定の人に業務が依存する属人化が起こりやすいことです。よくある例に、スキルが高い社員に難しい案件が集中するケースがあげられます。
この状態が続くと、他の社員では対応できない問題が増え、サービスの質も仕事の効率も低下します。特定の社員が休む事態が生じれば、業務効率が低下し、退職するとノウハウが失われることも起こりかねません。属人化が進むことは、企業にとって大きなリスクになりえます。後述するように、マニュアルの整備や顧客データの一元管理により、担当者にかかわらず対応できる体制を構築することで、属人化を防げます。
FAQ(よくある質問)が最適化されていない
FAQ(よくある質問)が整理されていないことも、カスタマーサポートの効率化を妨げます。代表的なのが、「情報不足」「FAQがどこにあるのかわからない」「検索のしにくさ」といった課題です。
Webサイト上にFAQページが設置されていると、顧客は課題解決に役立つ情報を自分で探すことができます。しかし、FAQページが探しにくかったり情報が充実していないと自己解決できず、問い合わせ件数が増えるため、カスタマーサポートの負担が増加してしまいます。 FAQページや質問・回答の内容を見直し、使いやすさを改善しましょう。
情報共有が足りていない
情報共有をできる環境が整っていないことも、カスタマーサポートの代表的な課題です。なぜなら、別の担当者が二重に対応したり、同じ質問を繰り返し聞いたりと、非効率的なカスタマーサポートを続けることになりかねないからです。
情報共有を円滑に行うには、リアルタイムで情報共有できるツールを導入したり、チーム内で情報共有の機会を定期的に設けたりするなどの仕組みやルールを整備すると良いでしょう。
カスタマーサポートの業務を効率化する方法
カスタマーサポートの業務を効率化するには、仕組みから改善する必要があります。ここでは代表的な4つの方法をご紹介します。
- ナレッジベースの構築
- マニュアルの改善
- 顧客データの一元管理
- ツールの活用
ナレッジベースの構築
カスタマーサポートを効率化する方法の一つは、ナレッジベースの構築です。ナレッジベースとは、業務で得た知識やノウハウを蓄積・共有するためのデータベースのことです。ナレッジベースの構築は情報の共有と検索を促進し、業務の効率化と顧客対応の品質向上に効果的です。情報共有の仕組みから変えることで効率化を実現できます。
なお、ナレッジベースはFAQページにも活用可能で、顧客の自己解決を促進できます。FAQページは、情報を充実させるとともに、わかりやすい場所に設置しましょう。継続的にデータを蓄積すれば企業の大きな資産にもなります。ナレッジベースの構築について詳しく知りたい方は、次のページを参考にしてください。
マニュアルの改善
マニュアルの改善は、業務の標準化・均一化につながり、結果として効率化に貢献します。担当者が変わっても同じ品質のサポートを提供できるようになり、ミスも減らせます。
また、社員はマニュアルを通じて業務内容を理解できるので、教育時間の短縮にもつながるでしょう。そのほか、経験の浅い社員のスキルアップや配置転換があった場合の引継ぎにも役立ちます。イレギュラー対応も記載しておけば、通常と異なる問い合わせがあった際も適切に対応できるでしょう。
マニュアルはわかりやすい言葉で書き、誰でも理解できるように整備するのがポイントです。情報の正確さと鮮度を保つため、定期的な更新も行いましょう。
顧客データの一元管理
顧客データの一元管理もカスタマーサポートの効率化に役立ちます。必要な情報を迅速に取得でき、業務を円滑に行えるようになるからです。また、常に最新の顧客情報を共有できるので、顧客対応の最適化が可能です。
顧客データが一元管理されていれば、複数の部門がかかわるプロジェクトでも迅速に情報を共有できます。詳細な顧客情報の蓄積は企業の資産となり、経営資源として活用可能です。誰でも顧客情報を管理・確認できる体制の構築は、属人化を防ぐことにもつながります。
ツールの活用
ツールの活用により、カスタマーサポートの業務効率化を強力に推進でき、大幅な作業時間の削減に貢献します。カスタマーサポートツールは、複数チャネル管理対応型・単一チャネル特化型・BtoB特化型の3つに分類できます。
- 複数チャネル管理対応型:自社サイト・SNS・電話・メルマガなど、複数のチャネルに対応可能なツール。担当者間での共有や問い合わせ内容の一元管理などの機能を搭載
- 単一チャネル特化型:電話、SNSなど、それぞれのチャネルに特化したツール。多くは他のチャネルとの連携も可能
- BtoB特化型:メール対応が主体のツール。社内ヘルプデスクやBtoCにも利用可能
カスタマーサポートの業務効率化を実現するツール
ここでは、カスタマーサポートの業務効率化を実現する3つのツールをご紹介します。
Service Hub
出典: Service Hub|ビジネスの規模を選ばないカスタマー サービス ソフトウェア|HubSpot(ハブスポット)
HubSpotが提供するService Hub(サービスハブ)は、カスタマーサポートとカスタマーサクセスの両方の領域をカバーできるのが特徴です。あらゆるカスタマーサポートの情報を、統合型のCRMプラットフォーム上にて一元管理できます。ナレッジベース、デジタル化されたヘルプデスク、AI搭載のチャットなどの機能があり、カスタマーサポートを効率化します。
顧客フィードバックの管理、AI分析によるコーチング、カスタマーポータルなどの機能もあり、カスタマーサクセスにも効果的です。無料で使用できるプランもあるので、ぜひお試しください。
yaritori
出典: yaritori
Onebox株式会社が提供するyaritori(ヤリトリ)は、顧客対応を最適化・効率化するためのプラットフォームです。問い合わせごとのステータスやメールごとの担当者設定を容易に行え、対応状況の可視化が可能です。
最新AIによる文章の自動生成や翻訳など業務を効率化できる機能も搭載されています。1ユーザーあたり月額1,980円から利用可能で、7日間の無料トライアルもあるので、問い合わせ対応の効率化に特化したツールをお探しの企業は、試してみてはいかがでしょうか。
Zendesk
出典: Zendesk
株式会社Zendeskが提供するZendesk(ゼンデスク)は、顧客対応の効率化と高品質化を実現できるツールです。多様なチャネルからの問い合わせの一元管理やヘルプセンター、チャットボットなどの機能があり、パーソナライズされたサポートによって顧客ロイヤルティを高められます。
また、AIエージェント機能による、メールやWebフォームからの問い合わせへの自動返信、会話ボットの作成も可能です。4つの有料プランがあり、月額19ドルから利用できます。14日間の無料トライアルもあるので、使用感を試してから導入を検討したい企業におすすめです。
効率化には仕組みづくりによる業務改善が重要
カスタマーサポートの効率化を進めるには、ナレッジベースの構築による情報共有の仕組みづくりやマニュアルの改善による業務の標準化が効果的です。また、ツールを活用して顧客データを一元管理すれば顧客対応を最適化でき、作業時間の削減を図れます。
HubSpotが提供するService Hubには、カスタマーサポートとカスタマーサクセスの両軸で業務を効率化できる機能が搭載されています。まずは無料プランでお試しください。カスタマーサポートの効率化によってサポートの質を高め、顧客満足度の向上を目指しましょう。