部下のタスク管理を漏れなく行うには、エクセルで管理表を作成する方法が効果的です。タスク管理表があることで、誰が・何を・いつまでに行うかを可視化でき、認識合わせにも役立ちます。

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この記事では、エクセルを使って部下のタスク管理を効率的に行うための方法と注意点を解説します。口頭のみでのやり取りに限界を感じている方や、タスク依頼・進捗確認のコミュニケーションコストが高いと感じている方は、エクセルで部下のタスク管理を始めてみてはいかがでしょうか。
部下のタスク管理をエクセルで行うメリット
部下のタスク管理は、エクセルならすぐに始めることができます。
部下のタスク管理は上司の重要な仕事のひとつですが、上司自身も自分の仕事を抱えているため、部下のタスクを効率的に管理する仕組み作りが欠かせません。
タスク管理表を使って、部下に割り振った仕事の進捗や指示内容を「見える化」することで、お互いに抜け漏れが防止でき、進捗状況の把握もしやすくなります。
また、特定の部下が仕事を抱え込み過ぎていたり、時間管理が苦手な部下の作業の進捗が遅れていたりといった課題も把握しやすくなり、適切なフォローができるようになります。
一人ひとりの作業を最適化することでチーム全体のパフォーマンスが向上し、最終的に顧客への高い価値提供にもつながります。
エクセルで部下のスケジュールを管理する方法
ここでは、チーム全体で運用することを前提としたタスク管理表を作成する流れを紹介します。
- タスクを漏れなく可視化する
- タスクのスケジュールを立てる
- 担当者を追加する
- 優先度やステータスを追加する
- 必要な情報を見つけやすいよう整える
- タスク管理表を更新・運用する
1. タスクを漏れなく可視化する
まずは、プロジェクトごとに必要なタスクを漏れなく可視化しましょう。
その際に重要なのが、小さなタスクも無視せずに拾い上げることです。小さなタスクは軽視されがちですが、1つひとつのタスクの遅れがプロジェクト全体の遅れの原因になります。無視したタスクがルーティンワークの場合は、特に注意が必要です。日々の積み重ねによって業務効率が悪くなるだけでなく、予定の見積もりも甘くなります。
また、大きなタスクは小さなタスクに分解しましょう。大きなタスクは、どこから始めれば良いか判断しづらく、部下の具体的なアクションにつながらないためです。タスクを細かくすることで、進捗の遅れなどの課題も把握しやすくなります。
タスクを漏れなく可視化するには、WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる作業分解構造図を作ると良いでしょう。WBSとは、大きなタスクと、それを分解したタスクを一覧にしたものです。
例えば、「見積書の作成」という大きなタスクは、「見積書に記載する項目の決定」「概算金額の算出」「原価との整合性の確認」など、複数の小さなタスクに分解できます。この「親タスク」と「子タスク」を一覧にしたものがWBSです。
WBSの段階では、あくまでもタスクを漏れなく可視化することが目的です。そのため、それぞれのタスクが時系列に整理されていなくても問題ありません。
2. タスクのスケジュールを立てる
2つ目のステップでは、タスクのスケジュールを立てていきます。1つ前のステップで洗い出したタスクに、それぞれ期日を設定します。
ガントチャートを用いて可視化すると進捗状況が一目でわかります。分解したタスクをエクセルの縦軸に入力し、横軸に日付を入れましょう。日付は、日、週、上旬・中旬・下旬など、部下のタスク管理がしやすいように分けます。日付が設定できたら、タスクごとに開始日と終了日を設定し、開始日から終了日にかけてセルを塗りつぶします。
エクセルの「条件付き書式」の機能を使って、ガントチャートのバーを開始日から終了日にかけて自動で塗りつぶすこともできます。タスクごとに進捗を管理できるように、着手前・対応中・完了などのステータスを入力できる項目を作成したら、ガントチャートの完成です。
テンプレートを活用すると、あらかじめ関数や書式が設定されているため、作成時間を短縮できます。HubSpotが提供する無料のガントチャートテンプレートは、タスクと日付を入力するとガントチャートが自動で作成できて便利です。ぜひお試しください。
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3. 担当者を追加する
管理表のタスクごとに担当者を明記し、誰がそのタスクを実施するのかを明確にしましょう。チーム全体のタスク管理表で管理することで、特定の担当者に負荷が集中していないかどうかをチェックできます。また、あるタスクに遅延が生じたときに、チーム全体でのフォローもしやすくなります。
4. 優先度やステータスを追加する
担当者が決まったら、タスクごとに優先度やステータスの項目を追加しましょう。タスクには、重要度や緊急度に応じて優先順位が出てくるものです。また、前工程のタスクが完了しないと、次のタスクに着手できないというケースもあります。
優先度は「高・中・低」、ステータスは「未着手・対応中・完了」のように分けるとわかりやすいでしょう。「データの入力規則」の機能を使ってドロップダウンリストを追加すると、入力の手間が省けるだけでなく、入力ミスも防止できます。
5. 必要な情報を見つけやすいよう整える
チーム全体のタスク管理表では、必要な情報を探すのに手間がかかることがあります。対応が必要な箇所が目立つようにしておくと、マネジメント効率が向上するでしょう。ここでは、情報検索に便利なエクセルの機能を2つ紹介します。
- フィルター・ソート機能
- 条件付き書式
フィルター・ソート機能
フィルター機能を使うと、特定の条件を満たすデータのみを表示できます。例えば、特定の担当者だけのタスクを一覧で表示させ、個人の負荷状況を確認することが可能です。
ソート機能は、データの並べ替えができる機能です。終了日でソートすると、期限が迫っているタスクを確認しやすくなり、チーム内で適切にフォローできます。
タスク管理表を作成した時点で、あらかじめフィルターを設定しておくと便利です。セルを結合しているとフィルターがかからないことがあるため、管理表の作成時にセルを結合しないようにすることも大切です。
条件付き書式
条件付き書式とは、特定の条件を満たしたセルの色やフォントを変更できる機能です。適切に活用するとタスクの状況が把握しやすくなります。
例えば、終了日が近づいているタスクの背景色を黄色にしたり、終了日が過ぎているタスクを赤色にしたりすることで、緊急で対応すべきタスクが一目でわかります。
ほかにも、完了したタスクを灰色に塗りつぶす、優先度によって色分けするなどの工夫によって、対応漏れを防ぐことが可能です。
6. タスク管理表を更新・運用する
タスク管理表の更新は、担当者欄に名前がある人に設定しましょう。「進捗状況の更新はタスクの担当者の業務」というルールを明確にすることで、部下が主体性を持って運用でき、管理表が常に最新の状態に保たれます。フォーマットの変更やバックアップなど、全体に影響する更新作業は管理者のみが行うと良いでしょう。
上司側も、ただ丸投げするのではなく、部下を信頼してサポートする姿勢を持つことが大切です。悩みを相談しやすい雰囲気を作り、タスクの期限が近づいてきたらリマインドをするなどのちょっとしたフォローを行うことも、信頼関係の構築につながります。
エクセルで部下のタスク管理を行う際のポイントや注意点
エクセルを使用して部下のタスク管理を行う際は、次のようなポイントや注意点があることを覚えておきましょう。
- データを同時編集しにくい
- 複数のプロジェクト管理には向かない
- 本格的なガントチャートが難しい
- タスク管理表の更新ルールを決める
- 管理者以外ファイルを複製しない
- 機能を盛り込み過ぎない
データを同時編集しにくい
エクセルは、単一ユーザーが使用することを前提に設計されています。そのため、複数人での同時編集には向いていない点に注意が必要です。「共同編集機能」を利用してファイルを共有すると、複数のユーザーが同時に編集可能になりますが、エクセルのバージョンによっては対応していません。
リアルタイムでの更新が難しいと、進捗の入力が後回しになってしまい、実際の進捗状況とタスク管理表の内容に乖離が生じる可能性もあります。
複数のプロジェクト管理には向かない
エクセルでは多くのプロジェクトを一括で管理するのが難しい場合があります。
無理に1つのシートにまとめようとすると、タスクが数百行、数十列に広がり、視認性が悪くなります。また、ファイルのサイズが大きくなることで、動作も遅くなってしまいます。プロジェクトごとにファイルを分ける方法もありますが、管理が煩雑になるため、専用のツールの導入を検討しましょう。
HubSpotは、無料で使用できるタスク管理ツールを提供しています。CRM(顧客関係管理)ツールに紐づいているため、顧客とのやり取りが多く発生する部門のタスク管理におすすめです。ぜひお試しください。
本格的なガントチャート作成が難しい
エクセルを使用したガントチャートは、あくまでもエクセルの機能を活用した簡易的なものになります。
プロジェクト単位でのタスク管理が多い営業部門の場合は、SFA(営業支援システム)を導入すると良いでしょう。より本格的なガントチャートが作成できるだけでなく、進捗管理に便利なアラート機能やチャット機能など、専用ツールならではの機能が充実しています。
管理者以外ファイルを複製しない
エクセルでタスク管理を行う際には、管理者以外がファイルを複製しないことも重要です。
複数のファイルが存在すると、最新版がどれなのかわからなくなってしまうことがあります。また、更新の度にファイルを複製・上書きする方法も避けたほうが良いでしょう。
ファイルのバックアップを取る場合も、管理者が行うことをおすすめします。
機能を盛り込み過ぎない
エクセルのタスク管理表は、関数やエクセルの機能を使ってアレンジが可能です。しかし、必要以上に機能を盛り込み過ぎないようにしましょう。複雑な構成の管理表は、動作が重くなったり更新が必要な箇所が増えたりして、かえって使いづらくなってしまいます。
また、複雑な関数式を設定することも、管理表のメンテナンスが属人化する原因になるため避けましょう。「エクセルでは対応が難しい」「より高度な機能が欲しい」と感じたら、専用ツールの導入を検討するタイミングといえます。
エクセルを活用して効率的に部下のタスクを管理しよう
部下のタスク管理は、上司の重要な仕事です。エクセルを活用すると、部下のタスク管理を効率的に行うことができます。
エクセルは操作方法に慣れている人も多いため、すぐに始めることができます。まずは部下のタスク管理をエクセルで行ってみましょう。ただし、エクセルにはデメリットもあるため、もっと効率的に業務管理をしたいと思ったら専用ツールの活用も検討してみてください。
HubSpotのCRM(顧客関係管理)ツールには、タスク管理機能があります。ToDoリストの優先度管理やタスクのチーム展開なども可能で、特に顧客情報と紐づけた営業やマーケティングなどのタスク管理におすすめです。
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