Facebook広告は目的に合わせてさまざまなメニューが用意されており、表示形式も多様です。どの広告メニューを使うにしろ、スマートフォンからの閲覧を前提にした見やすさ、分かりやすさに考慮する必要があります。
見やすさ、分かりやすさを担保するために、クリエイティブの適切な画像サイズは確実に押さえておきましょう。適切なフォーマットで広告を出稿することで、ユーザーの視認性が高まり、広告効果が向上する可能性があります。
今回は、Facebook広告における推奨画像サイズや推奨アスペクト比について詳しく解説します。Facebook広告の効果を最大限に活かせるよう、事前にしっかりと把握しておきましょう。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド 2021年度版
このガイドではFacebook広告の目的やメリットだけではなく、広告の構造や料金体系、関連ツールなどについて詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
- Facebook広告の目的とメリット
- 広告の種類や料金体系
- わかりやすい出稿方法
- Facebook広告の活用事例
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Facebook広告の配置について
今回の記事では画像サイズやアスペクト比について解説していきますが、それぞれの広告がFacebookのどこに表示されるのかという「配置」について知ることが重要です。まずはFacebook広告には主にどのような配置があるのかについて見ていきましょう。
- Facebookフィード
- Facebook右側広告枠
- Facebookインストリーム動画
- Facebook Marketplace
- Facebook上の検索結果
Facebookフィード
Facebookの中央に表示されるフィードは、登録している友達・グループ・ページ・広告主の最新の投稿が表示される場所です。
広告はその他の投稿の間に似たような形で表示されるため、自然と目につきやすく、ブランドの認知度アップに適しています。
Facebook右側広告枠
「右側広告枠」は、デスクトップ表示において右側の枠に表示される配置です。画面をスクロールしても追従されるため、視覚に入りやすと言えます。
キャンペーンやお得情報などを配信したいときにおすすめです。
Facebookインストリーム動画
インストリーム動画とは、ユーザーが再生している動画の途中や始まる前に配信される動画広告で、YouTubeでも採用されている配置です。Facebookのインストリーム動画では、5秒∼10分の動画を使用できます。
動画で訴求できるため、商品のPRやアプリの広告などに適しています。
Facebook Marketplace
「Facebook Marketplace」はFacebookのストア機能で、ショッピングに積極的なユーザーにリーチできます。
Facebook上の検索結果
ユーザーがFacebook上で検索をした際に、検索結果一覧の上部や目立つ位置に表示される広告の配置です。特定の商品やサービスの販売を促進したい場合に役立ちます。
広告の配置やフォーマットについてさらに知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。
【フォーマット別】Facebook広告が推奨する画像・動画サイズ
Facebook広告では、広告メニューごとに推奨サイズと推奨アスペクト比が決まっています。アスペクト比とは画像や動画の縦横比のことで、Facebook広告は「1.91:1」「16:9」「1:1」「4:5」「9:16」の5種類のアスペクト比を推奨しています。
アスペクト比のベストプラクティス|Meta for Business
例えば推奨アスペクト比が「1:1」の場合、推奨サイズは「1080×1080」の正方形となります。推奨アスペクト比が「1.91:1」の場合は、推奨サイズが「1200×628」の横長です。画像と動画が両方とも使える広告メニューに関しては、サイズとアスペクト比の要件は変わりません。
こうした点を踏まえたうえで、それぞれの広告メニューにおける推奨サイズと推奨アスペクト比を解説します。
広告のクリエイティブ作成について
Facebookで実際に広告クリエイティブを作成する際には、新しく広告を作成するか、既存の投稿を使うかを選べます。新しく作成する場合、「シングル画像または動画」「カルーセル」「コレクション」の3つからフォーマットを選択します。
「シングル画像または動画」では、事前に選択しておいた配置(Facebookフィード、インストリーム広告、リールなど)上にどの画像や動画を使用するのかを設定します。画像と動画で完全にメニューが分かれているのではなく、このフォーマット上で細かく設定していきます。1つの画像または動画を複数の配置でそのまま使用することも、個別に設定していくことも可能です。
「カルーセル」では、2つ以上のカード(画像または動画)を登録し、カルーセル広告を作成していきます。
「コレクション」では、カバー画像やテキスト、ボタン、カルーセルなどを組み合わせた「インスタントエクスペリエンス」をテンプレートに沿って作成し、モバイル画面全体で表示させる広告を作成します。
画像(バナー)広告
「シングル画像または動画」のうち、画像を配置する部分の推奨アスペクト比・サイズは以上のとおりです。同じ画像を複数の配置で使い回すこともできますし、それぞれで細かく別画像を指定することもできます。広告マネージャ上でトリミングなどの編集をすることもできます。インストリーム動画やストーリーズも含まれていますが、画像をそのまま使ったりその画像を広告マネージャ上で動画化したりすることもできます。
動画広告
「シングル画像または動画」のうち、動画を配置する部分の推奨アスペクト比・サイズは以上のとおりです。
動画広告はユーザーが見ている画面内に動画が表示され、自動的に映像が再生されます。フィードに表示できる動画の長さは1秒∼241分となっており、画像広告よりも情報量が圧倒的に多い点がメリットです。
Facebook動画広告については、以下の記事で詳しく解説しています。「伝えたいことが多すぎて1枚の画像では表しきれない」「動画に向いているBtoBやエンターテインメントなどの商材を扱っている」という場合には、画像広告よりも動画広告がおすすめです。
カルーセル広告
カルーセル広告にはテキストと共に2~10枚のカードを挿入でき、各カードに画像や動画を表示できるのが特徴です。1つのブランドの複数商品をカタログのように見せたり、1つの商品の豊富な機能をアピールしたりと幅広く活用できます。
Facebookカルーセル広告については、以下の記事で詳しく解説しています。複数のブランドを展開するアパレルメーカーや化粧品メーカーに向くほか、具体的な使い方を紹介する必要があるIT系サービスにも最適です。
コレクション広告
コレクション広告は、メイン画像・動画の下に3∼4点の商品画像を掲載できる広告メニューです。
ユーザーが商品画像をクリックすると、Facebook上にランディングページのような画面が表示され、そのなかで商品の詳細やベネフィットを伝えられます。複数の商品イメージを一度に表示できるだけではなく、より詳しく商品の魅力をアピールできるのがメリットです。
Facebook広告の画像サイズやテキスト作成のポイント
ここではFacebook広告の画像クリエイティブを作成する際のポイントについて解説します。クリエイティブが画像の場合はテキストも重要な要素になるため、画像サイズとテキストに分けて解説します。
画像サイズのポイント
クリエイティブを作成する際の画像サイズのポイントは以下の通りです。
- できる限り解像度の高い画像を使用する
- 入稿規定を守る
- プレビュー機能で確認する
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
できる限り解像度の高い画像を使用する
クリエイティブはできる限り高解像度の画像を作成しましょう。画像がぼやけたり不鮮明だったりすると、ブランドイメージの低下や広告効果の減少につながるからです。
Facebook広告では推奨サイズ以下の画像でも入稿できますが、ユーザーの視認性の低下を防ぐため、「なるべく解像度の高い画像」を推奨しています。推奨サイズが「1080×1080」の場合は「1920×1920」の画像を使うなど、画質の高いクリエイティブを使うほど広告効果が高まります。
コミュニティ規定を重視する
Facebook広告では、コミュニティ規定が公開されており、これに違反する広告は掲載することができません。コミュニティ規定を遵守した画像、動画、テキストを使用した上で広告を作成する必要があります。
コミュニティ規定では、「許容されないコンテンツ」「偽装コンテンツ」「危険なコンテンツ」などのカテゴリ別に許可されないコンテンツを解説しています。例えば、以下のような内容があります。
- 個人の身体的特徴について触れる内容にしない
個人の人種や民族、宗教、思想、年齢、性的指向、ジェンダーアイデンティティなどについて断定するコンテンツを含めてはならず、暗示するコンテンツも禁止されています。 - 賛否両論が分かれる内容を記載しない
賛否の分かれる話題は禁止されています。例えば災害や政治的問題、社会的問題をコンテンツ内で取り上げてはいけません。 - 成人向けの商品やサービスを宣伝してはいけない
成人向けの商品やサービスの販売や利用を宣伝してはならず、性およびリプロダクティブ・ヘルス関連の商品やサービスを宣伝する場合は18歳以上を対象にすることが義務付けられています。露出の多い成人向けコンテンツを含めることも禁止です。 - 偽情報を配信してはいけない
虚偽の情報を発信してはいけません。Facebook広告では、広告内の主張や情報が虚偽かどうかをサードパーティファクトチェッカーや専門性のある組織が判断します。 - タバコや関連商品の内容を含めてはいけない
電子タバコや喫煙を模したものを含め、タバコや関連商品の販売や利用を促すような内容は禁止されています。
参考:規定の紹介|透明性センター
入稿審査に引っかからないよう、Facebook広告のレギュレーションをよく確認しておきましょう。
プレビュー機能で確認する
Facebook広告では、クリエイティブやテキストを入力することで選択したすべての配置のプレビューを確認できます。
ストーリー広告であれば動きなども確認できるため、各配置で違和感はないかなどを配信前に確認しましょう。
広告内テキスト作成のポイント
広告内に含めるテキストを作成する際のポイントは、以下の通りです。
- 説明文は端的に表現する
- 最も伝えたいキーワードは左側に記載する
- テキストと画像のバランスをテストする
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
テキストオーバーレイについて
画像や動画の中に直接表示するテキストであるテキストオーバーレイは、広告のメッセージを伝えるための有効な手段だとしています。
Facebookでは、テキストオーバーレイを入れる際には「色は画像・動画の対照色を使用し、すっきりとした大きめのフォントを使用する」「伝えるメッセージは多すぎず簡潔に」「ビジュアルの邪魔にならない程度に」を意識するとよいとしています。
ストーリーズやリール広告のセーフゾーン
ストーリーズやリールでは、広告を表示する際に前面にアイコンやテキスト、CTAが被さるため、そういった位置に重要なビジュアルやテキストを被せないようにする「セーフゾーン」を意識したクリエイティブを作るようにしましょう。
広告マネージャで設定する際には、セーフゾーンを確認できるツールを使用して位置を調整することが可能です。
参考:テキストオーバーレイとセーフゾーンについて | Meta for Business
説明文は端的に表現する
画像と共に表示する説明文(メインテキスト)は、Facebook画像広告のフィード枠の場合、半角125文字まで入力できますが、できるだけシンプルな表現を心がけましょう。長すぎる文章は部分的に省略されてしまう可能性がある他、広告を目にするユーザーに読んでもらえず離脱につながる恐れがあるためです。
Facebook広告はモバイルユーザーの増加により、2019年8月にモバイルニュースフィードにおけるアスペクト比と文字数がスマートフォン向けに最適化されました。
アスペクト比は2:3から4:5へ、モバイルのFacebookニュースフィードに表示されるテキストは7行から3行に変更しています。3行以上ある場合は折りたたまれ、ユーザーがクリックすると全文表示される仕組みです。
そのため広告の説明文は、3行以内で端的にメッセージを伝えられるよう設計する必要があります。
最も伝えたいキーワードは左側に記載する
画像内のテキストや広告内の説明文を作成する場合、最も伝えたいキーワードはできるだけ左側に配置しましょう。
人の目線は左上から右下へ移動していくため、最も伝えたいワードを左側に置くことによって多くの人に印象付けられる可能性があります。また、テキストにおいては文字数が多いと省略されることがあるため、やはり左側に集めるのが重要です。
テキストと画像のバランスをテストする
広告運用中にクリエイティブのテストを実施することも忘れないようにしましょう。
Facebook広告では、1つの「キャンペーン」内に複数の「広告セット」を、1つの「広告セット」内に複数の「広告」を設定できます。広告セットでは予算や配信ターゲットなどを設定するため、その下に複数の広告を作成すれば、同じ予算・ターゲットで複数のパターンの広告を配信可能です。
この特徴を利用して複数のクリエイティブを広告セット内に設定し、どの広告が最も高い効果を出したかテストしてみましょう。広告セットに設定できるクリエイティブの数は、最大6つまでです。
また、「キャンペーン」部分の設定においてA/Bテストの設定をONにすることもできます。キャンペーンの公開後にテストの設定を行うことができ、画像・テキスト・オーディエンス・配置において適したパターンを試すことができます。
Facebook広告の画像サイズを把握して適切な広告配信をしよう
Facebook広告では、広告に適したサイズのクリエイティブを用意することが大切です。Facebook広告の推奨サイズや推奨アスペクト比をチェックしたうえで、適切な画像を作りましょう。ユーザーの視認性も考え、解像度はなるべく高く設定することをおすすめします。
Facebook広告は、当社HubSpotが提供するツールと連携するとさらに効率良く効果の高い運用ができるようになります。
Facebook広告をHubSpotと連携すると、広告パフォーマンスデータやリード、既存のすべてのキャンペーンがHubSpotに表示されます。これにより、HubSpot独自の効果測定やキャンペーンのレポートなどが閲覧できるようになります。またFacebook広告だけでなく、Instagram広告やGoogle広告なども合わせた一元管理が可能です。
Facebook広告とHubSpotの連携方法や連携後の機能については、以下のページからご覧ください。
なおFacebook広告は広告マネージャ上でInstagram広告と同時に運用することが可能であり、同じクリエイティブを使って両方のプラットフォームへ配信できます。
写真投稿型SNSのInstagramは世界中のユーザーに利用されており、月間利用者数(MAU)は10億人を超えるといわれています。Instagramは購買行動が起きやすいSNSだと言われており、ユーザーの多くがInstagramで商品やサービスを見つけ、後日ブランドサイトやECサイトで商品を確認し、購入をしていると言われています。
Facebook広告を運用する際は、Facebookだけに限定せず、Instagramへの出稿も同時に行うのがおすすめです。
Instagram広告についてさらに知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。