Wi-Fiや5Gの普及により大規模通信が身近になり、動画マーケティングの重要性がますます高くなっています。Facebookも動画媒体に力を入れているメディアの1つであり、広告でも動画を活用してさまざまなアプローチが可能です。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド 2021年度版
このガイドではFacebook広告の目的やメリットだけではなく、広告の構造や料金体系、関連ツールなどについて詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
- Facebook広告の目的とメリット
- 広告の種類や料金体系
- わかりやすい出稿方法
- Facebook広告の活用事例
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全てのフィールドが必須です。
このように重要な動画広告ですが、何から手を付ければいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、未経験者でもFacebookの動画広告を出稿できるよう、Facebook広告の仕組みから動画広告の立ち位置、設定方法、動画制作のコツまでわかりやすく解説します。
Facebook動画広告とは?
Facebookならではの特徴として、実名登録されたユーザーに対して精度の高いターゲティングができる点が挙げられます。動画広告の配信では年齢や性別、地域などでオーディエンスの設定が可能で、自社のターゲット層に絞った配信が可能です。
Facebookの動画広告はターゲティングしたユーザーと共通点を持つ層にもアプローチができ、アンテナを張るユーザーへの認知度向上を目的とした出稿が可能です。また、すでに自社を知っているユーザーのニュースフィード内にユーザーの注意を引きやすい動画広告を配信でき、静止画広告よりもコンバージョン率の増加を狙えます。
雑貨の企画・販売をおこなう株式会社ワンダーマークでは、写真広告から動画広告に切り替えたところ、コンテンツへのクリック単価が58%、ランディングページへのクリック単価が36%減少しています。クリック数や視聴数が多くなるほど広告単価は下がるため、費用対効果の向上につながっています。
Facebook広告における動画広告の立ち位置
Facebook広告における動画広告は、複数あるフォーマットの1つとして捉えられます。まずは、Facebook広告の構造がどうなっているかを押さえましょう。
Facebook広告は、1つのアカウントの中に「キャンペーン」、「広告セット」、「広告」を作成する3層構造となっています。
キャンペーンとは、広告の目的ごとに設定できるFacebook広告の最も大きい単位です。ブランドの認知度を上げたい、Webサイトへのトラフィックを増やしたい、販促につなげたいといった目的ごとにキャンペーンを作成します。
広告セットでは、目的の詳細・ターゲティング・予算・配置などを設定します。1つのキャンペーンの中に、別々のターゲットへ向けた2つ以上の広告セットを設定する、といった活用が可能です。
広告は、広告セットの設定内容で配信する実際の広告を設定する箇所で、画像やテキストなどユーザーの目に映る内容を作成します。このフォーマットの1つとして、動画を選択できます。
Facebook広告における「フォーマット」
フォーマットとは、クリエイティブの形式を指します。Facebook広告では、画像、動画の他、複数の画像・動画を組み合わせられるカルーセル、商品をカタログのように見せられるコレクションの4つが選択できます。
1つの広告セットの中に、バナーを活用した画像広告、インパクト重視の動画広告、ストーリーを感じさせるカルーセル広告をそれぞれ設定するといった活用が可能です。
Facebook広告における「配置」
配置とは、広告をどこに表示するかを示すものです。ユーザーが最も目にする可能性が高いのは、オーガニック投稿が流れる「フィード」です。他にもリールやストーリーズ、マーケットプレイスなどに広告を表示させることができ、これら1つひとつをFacebook広告では配置と呼びます。
配置は「広告セット」で設定し、それぞれの配置に広告を配信することになります。通常、配置を1つだけ選択することはなく、複数の配置に広告を配信します。動画フォーマットを選んだ場合は、フィードやリール、ストーリーズなどに動画広告を配信することになります。
どの配置に配信するかによって、動画の推奨アスペクト比(縦横比)や長さは変わります。配置ごとの詳細については、「Facebook広告ガイド」を見て確認するか、実際に広告を設定しながらガイドに従って確認できます。
Facebook動画広告の設定の流れ
Facebook広告にて動画フォーマットを設定する流れについて、簡潔にご紹介します。
Facebook広告設定の詳しい流れを知りたい場合は、以下コラムをご覧ください。
「広告マネージャ」にアクセスしたら、キャンペーンの[+作成]ボタンをクリックします。
すぐにモーダルが出てきて目的の選択画面に入るため、任意の目的を選択して次に進みます。
以下のような画面が出てきたら、おすすめ設定でもよいですが、そんなに難しくないのでぜひ手動作成にチャレンジしてみてください。
本当は「キャンペーン」と「広告セット」の設定から行いますが、ここでは一気に「広告」までスキップします。
「広告設定」の項目にて、フォーマットを選択できます。カルーセルやコレクションでも動画を使用できますが、今回は「シングル画像または動画」を選択します。
その下へスクロールするとクリエイティブの登録セクションがあるので、[メディアを追加]から[動画を追加]をクリックします。
選択画面に移るので、アカウントに保存されている動画を選択するか、アップロードするか、Facebookページにある動画を選択します。
動画を選択したら、画面右側で全配置のプレビューを確認できるようになります。「広告セット」にて複数の配置を選択すると、推奨される縦横比がバラバラになる場合がありますが、配置ごとに細かく編集することも可能です。
Facebook動画広告に最適な秒数は?
視聴者に動画を最後まで見てもらうためには短く編集する必要があります。Facebookでは15秒以内に収めることを推奨しています。
Facebook動画広告は最長240分までの投稿が可能ですが、これほどの長さの動画を配信することはありません。長すぎる動画を配信してもユーザーが途中で離脱してしまい、伝えたいメッセージを最後まで届けることができません。
Facebook動画広告の費用
Facebook広告では「1日の予算設定」と「通算予算の設定」の2種類の方法で予算を設定します。
ざっくりとした予算を把握するためには、Facebook動画広告の料金体系への理解が必要です。ここでは、課金方式と費用の目安を解説します。
Facebook広告の課金方式
Facebook動画広告では大きく分けて次の3つの課金方式が採用されています。
- CPC(クリック課金)
- CPM(インプレッション課金)
- ThruPlayによる課金
それぞれ解説します。
CPC(クリック課金)
CPC(クリック課金)はCost Per Clickの略で、動画がクリックされるごとに費用が発生する課金方式です
CPCの計算方法は以下の通りです。
CPC=消化金額÷クリック回数
Facebook動画広告ではCPCが選択できるキャンペーンは多くありません。配信した広告がユーザーからどれだけ反応があったか知りたい場合や、アプリのインストールや商品ページへのクリックといったエンゲージメントにつなげたい場合に有効です。
CPM(インプレッション課金)
CPM(インプレッション課金)はCost Per Milleの略で、ユーザーに1000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。CPMの計算方法は以下の通りです。
CPM=消化金額÷インプレッション(表示回数)
ユーザーに表示される回数が多いほどCPMは下がり、費用対効果が良くなります。Facebook動画広告のキャンペーンの多くはCPM課金を採用しています。
ThruPlay
ThruPlayは動画の再生数の増加を目的とした場合に利用できる支払いのオプションです。ユーザーの視聴時間に応じて課金され、動画広告が最後まで再生されるか、あるいは15秒以上再生されると費用が発生する仕組みです。ThruPlayは、以下のように単価を計算をします。
ThruPlayの単価=消化金額÷ThruPlayの回数
広告配信でThruPlayを設定すると15秒以上視聴する可能性が高いユーザーに自動的にリーチするようFacebook側で最適化してくれます。
ユーザーに動画をできるだけ長く視聴してもらいたい場合はThruPlayの設定をするとよいでしょう。
動画広告の費用の目安
それぞれの課金方式における費用の目安は以下の通りです。
Facebook広告動画の制作のコツ
Facebook動画広告で成果を出すには、Facebook広告ならではの特徴を押さえた動画作りが求められます。ここではFacebook動画広告の制作のコツを解説します。
縦型や正方形に編集する
なるべく画面の占有面積が大きくなるように、動画コンテンツは縦型または正方形にしましょう。
当社HubSpotでは「22 Handy Slack Hacks Everyone Should Know」という記事のプロモーション用に、正方形と横長の2つの動画を作成しました。掲載結果は以下の通りです。
- 横長に比べて正方形の動画はフィードで占める面積が78%大きい
- 正方形はCPCが50%低くなった
- 正方形はエンゲージメントが45%上昇した
占有面積が大きいほど、良好な結果が得られる傾向があります。推奨されるアスペクト比の中から、もっとも画面を占める割合が多いものを選びましょう。
テキストでも内容が伝わるようにする
Facebookによると、ユーザーは公共の場など多くの場合で、動画広告を音声なしで再生しているといいます。また、動画広告の初期設定では、自動再生時の音声がオフになっています。
動画に字幕がないと、音声無しで視聴しているユーザーに広告の内容が伝わりません。そのため、視覚情報だけでも内容が伝わるように字幕をつけましょう。
ただし、字幕を詰め込みすぎるとユーザーが動画の内容についていけず、置いてけぼりになってしまいます。ユーザーが理解しやすいよう、短く読みやすい文章を心がけましょう。
動画のはじめでユーザーの興味を惹く
動画がユーザーの目に入ってすぐに興味を持ってもらわないと、スクロールやスキップをされてしまい、広告の内容を最後まで届けられません。そのため、動画開始から3秒以内に最も伝えたいメッセージを見せましょう。
また、商品やブランドの特徴を最初に示してユーザーに覚えてもらうことも重要です。動画開始から15秒以内に商品やサービス、ブランドが表示されるように動画を編集しましょう。
ユーザーの興味を引きつけるためには目立ちやすい動画が有効です。明るくはっきりとした動画にする、アニメーションを入れる、キャッチコピーで心をつかむなどの方法がおすすめです。
ターゲットユーザーを明確に設定する
「動画広告をどんなユーザーに見てもらいたいか」というターゲットを明確にすると、広告配信の効果を高めることができます。動画広告は、ストーリーとともに、商品やサービスの情報を届けられるため、印象に残りやすく、ブランドの認知度や購買意欲の向上に適しています。
商品やサービスを最も届けたいユーザーを意識して動画制作することで、ターゲットとする層への訴求力が高まります。性別や年齢、使用デバイスなどを具体的に検討し、ターゲットを詳細に設定しましょう。
特徴を理解して最適なFacebook動画広告の配信を
Facebook動画広告はターゲットの精度が高く、商品やブランドのアピールが効果的に行えます。しかし、大きな成果を上げるには、広告の種類や規格の種類といった特徴を理解したうえでクリエイティブを制作し、広告を運用する必要があります。
まずは、配信の目的や広告を届けたいターゲットを明確にしましょう。そして、今回ご紹介したようなクリエイティブ制作のポイントを押さえ、自社のユーザーにとって魅力的な動画広告を模索していくとよいでしょう。