2024年、多くのマーケティング担当者は、これまでにはなかったテクノロジーの変革と、経済環境、そして消費者行動の変化に直面しています。それは私にとっても同じことで、思わず胃薬会社の株を買ってしまいました。
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そんな中、先日Google のプロダクトマネジメント担当ディレクターを務めるChristophe Combette氏とお話しする機会があったので、マーケティング関連の明るいニュースがないかを訊いてみました。
皆さん、どんな答えが返ってきたと思いますか?なんと、データプライバシーとファーストパーティーデータのお話しだったのです。
お察しの通り、マーケティング担当者にとっては非常にデリケートな話題ですよね。Google のコアアップデートにiOSの仕様変更、GDPR(EU一般データ保護規則)にCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)、先の見えないサードパーティーCookieの未来。ビリー・ジョエルの名曲を地で行く殺伐とした状況が、マーケティング業界を取り巻いています。
しかしCombette氏は、消費者とマーケティング担当者の両方にとってこうした変化はチャンスだと言います。ただし、それは今すぐに行動を起こし、慎重に舵を取ることができればの話です。
今回ありがたいことに、この難局を乗り切るためのデータ活用方法についてアドバイスをもらうことができました。
ここからは、マーケティング目標の達成にはファーストパーティーデータがいかに有用であるか、そしてプライバシー保護が顧客から信頼を得る上でどれほど重要かについて、Combette氏の見解をご紹介します。その前にまず、ファーストパーティーデータとはそもそも何なのかを整理していきましょう。
ファーストパーティーデータとは?
ファーストパーティーデータとは、顧客、ウェブサイト訪問者、チャネル登録者、フォロワーなどのオーディエンスから提供された情報や、オーディエンス本人の同意の下で集められた情報を指します。例えば、ポイント会員への申し込み時、ニュースレターの配信登録時、フォーム送信時の情報などがそれに該当します。
「ファーストパーティーデータは、顧客が自発的に企業と共有したデータ」だとCombette氏は言います。
ファーストパーティーデータを運用していないマーケティング担当者に、なぜ運用していないのか尋ねたところ、多くの場合、それが何を意味するかが不明瞭であることが理由となっていることが分かりました。そのような担当者は、ファーストパーティーデータを従来の戦略に活用することが不可能だと考えているようです。
目をつぶって想像してみてください。顧客の同意とプライバシーに配慮しながら、以下の情報を使用して効果的なキャンペーンを実施することはできるでしょうか?
- デモグラフィック(人口統計)情報
- 企業情報
- ウェブサイト上での行動
- アプリ上での行動
- ソーシャルメディアでのエンゲージメント
- 購入履歴
- フィードバックとアンケート調査の結果
- カスタマーサービスとのやりとり
- ロイヤルティー/報酬プログラムのデータ
- Eメールでのエンゲージメント
- その他
きっと皆さんにはすでに良いアイデアがあり、すぐにでもキャンペーンを始められるでしょう。
このようなデータがあれば、類似オーディエンスを構築したり、再エンゲージメントのEメールキャンペーンを実行したり、適切なセグメンテーションやパーソナライズを行うことが可能になります。なぜなら、これらのデータは同意に基づいて提供されたものであり、オーディエンスのプライバシーが尊重されているからです。また、オーディエンスから直接集めた情報なので、正確性も保証されています。
そして、上記のリストはほんの一部にすぎません。
(補足:組織が収集したデータを「ファーストパーティーデータ」、顧客から提供されたデータを「ゼロパーティーデータ」と区別する場合があります。いずれにせよ両データを組み合わせて使用することになるため、個人的にはこの2つを区別することにあまり意味はないと思います。)
「顧客データから得られる豊富な洞察を、実際のビジネス目標につなげることができます。この組み合わせほど強力なタッグは多くはありません」とCombette氏は言います。
どれほど強力であるか、具体的に見ていきましょう。
ファーストパーティーデータをマーケティングに役立てる4つの方法
私が「ファーストパーティーデータへの切り替えは大きな挑戦だと思う」と言うと、Combette氏は少し考えた後、私の考えをやや訂正しました。
「挑戦と言えなくもないですが、むしろ業界にとっての大きな変化でしょうね」。そしてにっこりと笑いながら、こう付け加えました。「うまくやれば大きなチャンスであり、競合の中で抜きん出ることが可能でしょう」
実際のところ、アプローチの変化というよりも、重点の遷移と言えるでしょう。ファーストパーティーデータは、多くのマーケティングチームによって、かなり前から成長の促進に利用されてきたものです。
最近変わったのは、より多くの企業がファーストパーティーデータの利用を活発化し始めるようになった点です。
「マーケティング担当者の中には、これまでサードパーティーデータに基づく優れたマーケティング戦略の構築を行ってきた人がいます。そうした人たちにとって、ファーストパーティーデータの利用は確かに変化だと言えます」。Combette氏は続けます。「しかし、ファーストパーティーデータが重要な理由は、サードパーティーデータよりもはるかに多くの知見を引き出せるからです」
皆さんは、そうした知見を得るための材料をすでにお持ちだと思います。その材料を活用するために必要なのは、適切なツールと計画だけです。
「ビジネス成果を生み出すためには、すでに手元にあるデータを活かすことが欠かせません」
以下はファーストパーティーデータ戦略のメリットをデータで示したものです。既存の戦略を転換しようと思っている方にも、これから初めて戦略に取り組もうと思っている方にもご確認いただけます。
1. ファーストパーティーデータはより正確で、ビジネス成果の創出につなげられる
HubSpotの調査によると、ファーストパーティーデータを使用しているマーケティング担当者の93%が、使用していない担当者と比べて、2024年の目標達成に向けたチームの実績が高くなっていると答えました。
また、ファーストパーティーデータを使用しているマーケティング担当者の77%が、外部データを使用するよりもコンテンツをパーソナライズしやすく、結果も良好であると答えています。
Combette氏は、ファーストパーティーデータの具体的な価値を次のように示しています。
「新規顧客数を増やすために必要となる情報は、ファーストパーティーデータからしか得られません。顧客の生涯価値を最適化したいなら、ファーストパーティーデータを詳細に分析する必要があります。サードパーティーデータからでは、こういった分析情報を十分に得ることはできません」
2. ファーストパーティーデータによって、多くの担当者の課題である情報の不足を解消できる
調査によると、ほとんどのマーケティング担当者にはオーディエンスに関する重要な情報が欠けています。基本的なデモグラフィック情報でさえ、知っていると答えた回答者は42%にすぎず、買い物の傾向、購入履歴、閲覧するコンテンツや視聴するメディアを知っている割合はさらに下回ります。
前述のようなファーストパーティーデータがあれば、質の高い分析情報を入手し、顧客体験のパーソナライズを大幅に向上できます。
また、ファーストパーティーデータは顧客から直接収集されるため、非常に正確で、かつ各企業に特化したものであり、プライバシーも尊重されます。
ただし、顧客から個人情報を提供してもらうには、まずは相手の信頼を得なければなりません。
3. ファーストパーティーデータを活用して、消費者との信頼構築を促進できる
軽い気持ちで調べた製品やサービスの広告が、さまざまなプラットフォームを訪れるたびに表示されることにうんざりしている人は多いはずです。
当社の消費者動向調査によると、消費者の約半数(45%)が、ウェブサイトでの自分の行動履歴やCookieデータを使用している企業を信用しないと回答しています。
ファーストパーティーデータを使用すれば、消費者は自分の個人情報を共有することに安心感を抱きやすくなります。それらの情報は本人の認識と同意のもとで提供されたものであり、共有した相手のみによって使用されるからです。
ファーストパーティーデータを活用すれば、マーケティング担当者は消費者のプライバシーを尊重しながら、より質の高いデータを取得できるため、企業と消費者の双方にとってメリットがあります。
4. 変わりゆくデータプライバシーへの対処に割り当てられるマーケティング予算の増加
法規制と消費者の双方からデータプライバシーに関する変化が求められる今、マーケティング担当者たちは対応に苦慮しています。
幸いなことに、企業の経営陣はすでにこの点に注目しており、成果の測定や宣伝の代替案を模索するための予算をマーケティング担当者に提供しているようです。
データプライバシーへの対応のために今年の予算が変更されたと回答したマーケティング担当者はほぼ半数(48%)にのぼり、71%はマーケティング予算が増加したと答えました。
ただし、映画『スパイダーマン』のベンおじさんが言うように、「大いなる力(予算)には大いなる責任が伴います」。さらには、次のような課題も生まれます。
ファーストパーティーデータ使用時の課題
「複数の環境に蓄積されたデータの運用プロセスの構築と整備は、必ずしも簡単ではありません」とCombette氏は認めます。
一連のツールでデータを収集し、それを別のツールで分析し、その結果をさらに別のツールで実用することを強いられているマーケティング担当者は少なくありません。
そのため、HubSpotの調査における以下の結果は十分にうなずけるものでしょう。
- マーケティング担当者の60%が、訪問者データの収集と追跡が困難になっていると回答
- マーケティング担当者のほぼ半数(48%)は、オーディエンスを理解する上での最大の課題として、データプライバシーに関する変更点や規制の増加を挙げている
- 一方で、所有するオーディエンス関連のデータの質が高いと答えたマーケティング担当者はわずか半数(56%)
- オーディエンスにリーチするために必要なデータが全てあると答えた回答者はわずか16%
- 一方、47%の消費者が、自分の個人データの取り扱いについてあまり信頼していないと回答
つまり、マーケティング担当者は高品質なデータを収集したいと考えているものの、それに応じるオーディエンスは多くないと言えます。また、たとえマーケティング担当者が必要なデータを見つけたとしても、データがあらゆる場所に分散していてはどうしようもありません。
しかし、ご安心ください。ファーストパーティーデータの収集と活用を素早く簡単に行っていただけるようにするために、Christophe Combette氏のアドバイスのもと、HubSpotの独自のデータに基づいてロードマップを作成しました(簡単なので、ぜひやってみてください)。
プライバシー重視のファーストパーティーデータ戦略策定のための7つのステップ
1. まず、本当に必要なデータを見極める
ここで紹介するステップは重要ですので、読み飛ばさずにご覧ください。
サードパーティーデータでのマーケティング活動に慣れている方ならお分かりの通り、とりあえずデータを集めておいて、後から使い道を考えようというようなことはしません。データの収集は、常にユースケースを念頭に置いてから始めます。
ソーシャルメディアでのターゲット広告かもしれませんし、複数のプラットフォームにわたるトラッキングかもしれませんが、いずれにせよ、目標に沿ってデータが収集されます。
これと同じことが、無料で取得されるファーストパーティーデータにも当てはまります。
実際、用途を考えずにファーストパーティーデータをむやみに収集すれば、プライバシーの問題に踏み込む可能性が高くなります。そして最終的に、誰の役にも立たない無駄なデータがたまってしまいます。
そのような状態を避けるには、まずはビジネス目標を念頭に置き、本当に必要となるデータをそこから逆算して割り出すことが大切です。
2. データソースの棚卸しを行う
必要なデータを見極めたら、次はどこから入手するのかを検討します。
Combette氏は言います。「私たちは消費者でもあります。アプリを使用したり、ウェブを閲覧したり、電話をかけたり、メッセージを送ったりします。オンラインでチャットすることもあるでしょう。私たちには数多くのタッチポイント(接点)があります」
タッチポイントのそれぞれが、プロスペクトや顧客固有の何らかの情報を表しています。
「つまり重要なのは、顧客情報を包括的に見渡せるテクノロジーをそろえておくことです」
すなわち、質の高い複数のソースからデータを集められるようにすることが重要となります。以下は、今回の調査でマーケティング担当者が挙げた、特に質の高いファーストパーティーデータが得られるタッチポイントです。
- 顧客による企業アカウントの登録や作成(コンテンツの閲覧、割引クーポンの取得、ニュースレターの配信など)(36%)
- 購入プロセス中に収集された情報(28%)
- 各カスタマー サポート チャネルでの顧客とのやりとり(20%)
- ソーシャルメディアでのやりとり(いいね、シェアなど)(16%)
ここで分かるのは、質の高いソースには顧客からの自発的な意志が伴う傾向があること。つまり、情報を提供することに納得できる何らかの理由があるわけです。このことから、次のステップが導き出されます。
3. データと引き換えに提供する価値を考える
「誰にとっても極めて貴重なものの1つに、時間があります。私たちは常に何かを達成しようとしており、その過程で多くのタッチポイントに遭遇します」とCombette氏は言います。
マーケティング担当者のほとんどは「タッチポイント」を起点に物事をとらえ、そこからどのような価値が引き出せるかを考え始めます。しかし、価値のやりとりは一方通行ではありません。オーディエンスの貴重な時間に見合う価値を提供できるコンテンツでなければ、データを提供する価値はないと判断され、そのタッチポイントはすぐに干上がることになるでしょう。
HubSpotの場合、データの見返りとして人気が高かったものとして、無料のテンプレートや計算ツールなどがあります。ホワイトペーパーやウェビナーを提供する企業もあります。BtoCビジネスであれば、クーポンや景品なども好ましいでしょう。
実際にどのようなオファーを提供するかは、具体的なオーディエンスの価値観に基づいて考慮すべきであり、価値を感じてもらえるものでなければなりません。
当社の調査によると、マーケティング担当者は顧客にデータ共有を促すに当たり特に効果のあった方法として、次のような施策を挙げています。
- 割引/プロモーション/ロイヤルティープログラムの提供(40%)
- ソーシャルメディア用コンテンツの作成(投稿、動画、景品など)(28%)
- ウェブサイト用コンテンツの作成(ブログ記事など)(18%)
- メールマガジンの作成(12%)
4. データの保管場所を考える
必要なデータを把握し、質の高い情報ソースを見極め、顧客にデータ共有を約束してもらえたら、次に考えるのはデータをどこに保管するかです。
CRMか、CDPか、GGTか、あるいはWQEか?この中で分からない略語がある場合は、データ プラットフォーム ソフトウェアの種類(英語)について復習することをおすすめします(ちなみに、今挙げたいくつかの略語はデタラメです)。
必要なソフトウェアの種類はビジネスモデルによって大きく異なりますが、情報の一元管理が必要な点はどのビジネスにも共通しています。
当社の調べでは、情報を一元管理しているマーケティング担当者の94%は、チームの実績が目標を上回っていると答えました。
ただし、全てのマーケティングデータを一元管理しているマーケティング担当者は、全体の60%にすぎません。
5. カスタマー ジャーニー マップを作成する
データ収集をA地点、ビジネス目標をB地点とした場合、問題は顧客をどうすればA地点からB地点へ導けるかです。
広告を打てば、すぐさま購入してもらえるのでしょうか?サイトを作れば、顧客が集まるのでしょうか?残念ながら、そんなにシンプルではありません。
Combette氏はこう言います。「カスタマージャーニーは複雑化し、分岐していく一方です。企業側も同様で、購入チャネルは1つではありません。消費者は購入に至る前に、検索、動画、Google マップなどを含む、5つ以上ものオンラインソースを利用しています」
それら1つひとつのステップが、顧客が自社を選んでくれるか否かの分かれ道となります。
カスタマージャーニーを完全に把握しているマーケティング担当者はわずか16%ですが、自身のチームの実績が目標を上回っていると答えた割合は200%高くなりました。
Combette氏の言う競争優位性は、まさにそこにあるのです。ぜひ、カスタマージャーニーの分析について学ぶ時間を取っていただくことをおすすめします。
6. カスタマージャーニーにデータを直接つなげる
ファーストパーティーデータに関する特に大きな課題の1つは、そのデータを使用して、Combette氏の話にあった5つ以上のタッチポイントを慎重に測定することです。
例えば、CRM内で管理するオーディエンスをGoogle 広告内で手動で再構築する場合、単純作業に多くの時間がかかります(そして、その時間を有効活用できた可能性があります)。また、この作業はオーディエンスが更新されるたびに必要になります。
しかも、チャネルが増えれば作業もその分増えます。
そのような手間を省くために、お使いのマーケティングツールを自動的に連携できるソフトウェアを探しましょう。
参考:Marketing Hubをご利用のお客さまは、HubSpot Smart CRM™のデータをGoogle Ads Data Managerに自動的に取り込むことができます(英語)。
つまり、検索、ショッピング、YouTube、ディスプレイなどの広告で、ターゲットオーディエンスを素早く見つけることが可能です。また、逆方向にも機能し、新しいリードをCRMへと即座に同期できます。
この同期を実施すれば、ユーザーの個人設定が尊重され、プライバシーに配慮したユーザーの同意に基づく広告が自動的に表示されます。
Google の幹部とじっくり話せる機会などそうそうないため、私はデータ連携についてさらに突っ込んでCombette氏に伺ってみました。
するとこのような答えが返ってきました。「そうした連携を容易にすることが私たちの目的です。ファーストパーティーデータをHubSpot内で簡単に管理し、Google 広告内で使用できれば、広告主はデータの移動について心配する必要がなく、ビジネスの成果と実施する戦略のみに集中できるわけです」
少し宣伝させていただくと、HubSpotとGoogle 広告を併用しているマーケティング担当者は、収集できるリード数が平均で31%多いことが分かっています。
「リードの創出単価も下がります。この2つの製品を連携してから、最初の90日間でリード1件当たりの獲得コストが12%減少しました」
7. 同じデータを繰り返し利用する
保有するデータの価値を活かすには、そのデータをできるだけ多くのマーケティング活動に利用することが重要です。
ただ、データを利用しようとすればするほど、大量の繰り返し作業が必要になっていました(Facebook、LinkedIn、ディスプレイなどに同じオーディエンスを構築するためです)。
データの収集や保存にどのようなツールを使用するかに関係なく、新しいGoogle Ads Data Managerではあらゆるツールのデータを利用できます。
「一度データを取り込むだけで、さまざまな用途に活用できるようにしたいと考えています」とCombette氏は話します。
Google Ads Data Managerではポイントアンドクリック型の単一のインターフェイスを通じて、拡張コンバージョンやカスタマー マッチといったGoogle 広告のさまざまなツールと機能を活用でき、サポート範囲は今後さらに拡大される予定です。
これらのツールを使い慣れていない場合は、一連の設定作業をData Managerの説明に従って完了することもできます。
Combette氏は言います。「ガイドに従って5~6回クリックするだけで、データを取り込んで目的の用途に利用することができます。Data Managerは、データの扱いに詳しいわけではない忙しいマーケティング担当者にもファーストパーティーデータを運用してもらえるよう開発されました。従って、カスタムコードを記述する開発者がいなくても利用できます」
Combette氏はさらに笑みを浮かべながら、Google からまもなくリリース予定の新機能について少しだけ教えてくれました。マーケティングプロセスの中核にプライバシーを据えた、まったく新しい機能です。
「開発中のコンフィデンシャルマッチング(機密情報の照合)では、コンフィデンシャルコンピューティング(英語)と呼ばれる特別なソフトウェアとハードウェアを使用して、広告主が送信するデータをGoogle 環境に到達する前から制御できます。これは、当社の広告製品でコンフィデンシャルコンピューティングを活用する初めてのケースであり、今後はこのプライバシー強化テクノロジーをより多くの製品に導入していきたいと考えています」
今後はプライバシーの領域に踏み込むことなく、より多くのデータをより幅広い用途に利用できるようになりそうです。
ファーストパーティーデータ活用の第一歩
データプライバシーに関する規制や世論は絶え間なく変化しているため、ファーストパーティーデータへの適応は簡単には行かないかもしれません。
しかし、ここで示した手順に従えば、ファーストパーティーデータ戦略をいち早く確立してビジネス目標を達成し、顧客を満足させることができるでしょう。
マーケティング担当者の皆さんには、ぜひ今すぐファーストパーティーデータの運用を始めることをおすすめします。新しいマーケティングソフトウェアを検討し、必要なタイミングですぐにデータ戦略を適応させられるようにしておくことが重要です。