Instagramを運用しビジネスに活かすためには、投稿を通じてユーザーへ向けて有益な情報を伝え、自社への共感や興味を喚起することが大切です。ですが、闇雲に投稿を続けても、その投稿自体がユーザーに届かなければ意味がありません。
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そこで取り入れたいのがユーザーの行動データの分析です。とくに、インサイトから読み取れる「インプレッション」「フォロワー」「インタラクション」「リーチ」の項目を分析することで、ユーザーの動きを把握でき、運用改善のための対策を講じられるようになります。
これらの数値の中でも、積極的に意識したいのが、どのくらいの人が投稿や広告を目にしているかを判断できる「リーチ」です。
この記事では、Instagramにおけるリーチとは何か、リーチの確認と分析、リーチを伸ばすための5つの方法について説明します。
Instagram(インスタ)のリーチとは?
リーチとは、Instagramの投稿や広告を目にした実人数(ユニークユーザー数)を指します。
Instagramでは、「リーチしたアカウント数」という名称で確認できるようになっています。リーチ数という指標はInstagram上にはないので、「リーチしたアカウント数」のことを便宜的にリーチ数と呼びます。
リーチ数は、アカウント運用の数値データが分かる「インサイト」から確認可能です。確認方法については次の章で説明します。
インサイトからは、リーチ数だけでなくインプレッション数やプロフィールのアクティビティなどアカウントの運用に関する様々なデータが参照できます。
これらの中で、リーチと混同しやすいのが「インプレッション」です。Instagramの運用において重要な指標なので、必ずそれぞれの違いをおさえておきましょう。
リーチとインプレッションとの違い
上述したように、リーチとは投稿や広告を目にした実人数を意味します。一方でインプレッションとは、投稿や広告が表示された延べ回数を指します。
例えば、同じユーザーに広告や投稿が2回表示された場合、リーチは1、インプレッションは2とカウントされます。
同じ投稿が同じユーザーに何度も見られることはあまりないため、各投稿のインサイトを見ると、リーチよりインプレッションのほうが少しだけ多い結果になっていることがほとんどでしょう。一方、アカウント全体のインサイトを見たとき、フォロワーはたくさんの投稿を見てくれるので、リーチとインプレッションの差は大きく開きます。
ちなみに、1人のユーザーに同一内容が何回表示されているのかを示す指標を「フリークエンシー」といいます。
1人のユーザーに対し、何度も同じ広告が配信されると、ユーザーは不快な印象を持ってしまうかもしれませんし、そのユーザーが自社に興味を持っていない場合は広告の無駄な配信となってしまいます。
そこで、Instagram広告ではフリークエンシーキャップ(一定時間あたりの広告配信量)を設定し、3時間に1回の表示制限が設けられ配信の最適化が進められています。
PVとの違いは?
リーチはインプレッションのほかにも、ブログやLP(ランディングページ)の閲覧総回数を意味するPV(ページビュー)という指標とも混同されがちです。
例えば、広告配信におけるPVとは広告が掲載されているページが表示された回数を指します。1人のユーザーが2回同じ広告をタップし、LP(ランディングページ)を2回表示させた場合には、リーチ数は1、PV数は2としてカウントされます。
リーチはあくまでユニークユーザー数であることを覚えておいてください。
リーチの確認方法
Instagramのリーチを調べるには、アカウント種別をプロアカウント(ビジネスアカウントやクリエイターアカウント)に切り替え、「インサイト」を確認します。初期設定の個人アカウントではインサイトを確認できないため、ご注意ください。
まだプロアカウントに切り替えていない場合は、以下コラムにて手順を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
インサイトへアクセス
Instagramインサイトへのアクセス方法はいくつかあります。ここでは、プロフィール画面から、[プロフェッショナルダッシュボード]をタップします。
プロフェッショナルダッシュボードのうち、上の部分がインサイトです。
「リーチしたアカウント」を確認する
プロフィールにある「インサイト」へアクセスした場合は、そのアカウントのインサイト概要が表示され、「リーチしたアカウント」の数と推移が表示されます。
「リーチしたアカウント数」をタップすると、一定期間内で投稿やストーリーズからリーチしたアカウントについての情報が表示されます。
例えば、フォロワーとフォロワー以外ではどれくらいの割合なのかを数字と円グラフで、コンテンツタイプは投稿なのか、ストーリーズ、リールなのかを数字と横棒グラフで確認することができます。また、リーチ数の多い順に投稿やストーリーズが項目分けされています。
これらの項目分けによって、コンテンツごとのリーチ数の違いが把握できるため、人気のある投稿やより多くの人に届いている投稿が分析できます。
また、「プロフィールのアクティビティ」では、リーチしたアカウントがプロフィール画面からどのような行動をとったのかも確認できます。
インサイトの一番上の[リーチしたアカウント]をタップすると、アカウント全体のリーチ数を確認できます。
デフォルトでは過去30日間の数が表示されていますが、左上から期間を変更することも可能です。
この画面では指定した期間のアカウント全体のリーチ数の他、フォロワー・フォロワー以外の割合や、インプレッション数、コンテンツタイプごとの内訳を確認できます。トップコンテンツからは、指定した期間内でとくに反応のよかったコンテンツの個別のインサイトを確認できます。
「あなたがシェアしたコンテンツ」を確認する
プロフェッショナルダッシュボードのインサイトのうち、一番下の[あなたがシェアしたコンテンツ]をタップすると、投稿したコンテンツの一覧が表示されます。
この画面ではコンテンツのタイプで絞ったり、期間を変更したりできます。
任意のコンテンツをタップすると、個別のインサイトを確認できます。
コンテンツごとのリーチ数だけでなく、「いいね!」などのエンゲージメント数なども確認できます。
Meta Business Suiteで確認する
ここまでご紹介してきたInstagramインサイトは、スマートフォンアプリで利用できるアナリティクスです。インサイトでもビジネスに役立つデータを取得できますが、本格的に運用するなら、PCから利用できるMeta Business Suiteもおすすめです。
Meta Business SuiteはFacebookアカウントでログインできます。Instagramの運用をする場合は、InstagramのプロアカウントをFacebookにリンクしておく必要があります。
Meta Business Suiteの「コンテンツ」画面では、投稿したコンテンツの一覧とその測定データなどが表示されます。もちろん、リーチ数も確認できます。
Meta Business Suiteを導入すると、PCからもInstagramへの投稿が行えるようになり、チームでの運用もしやすくなります。
企業がリーチ数を増やすべき理由
リーチとは、どのぐらいの人数が投稿や広告などのコンテンツを見ているかが分かる指標です。そのため、リーチを分析すればユーザーの行動が把握でき、どのように運用を改善すればいいのか対策が立てやすくなります。
とくに、広告運用をしている場合は、費用対効果を見極めるためにも必ず押さえてください。
また、フォロワー数をKPI(重要業績評価指標)として運用している場合には、リーチの増加はフォロワーの創出にもつながります。
なぜなら、リーチの増加は、より多くのユーザーの目に触れる機会の創出に寄与し、その中から自社に興味を持ったり共感してフォローしてくれる可能性が増えるからです。
つまり、リーチ数が増えるとは、ブランド認識やサービス・商品認識、さらには企業の売上増加に繋がります。
Instagramの投稿を頑張っているものの、満足にフォロワー創出が果たせていない場合には、ぜひリーチを分析して、自社がどのような情報を提供すればいいのか策を講じましょう。
Instagramのリーチ数を多く創出する5つの方法
ここからはInstagramのリーチを多く創出する方法について解説します。
- ハッシュタグをつける
- ストーリーズを活用する
- リールを活用する
- ユーザーとのコミュニケーションを増やす
- Instagram広告も活用する
ハッシュタグをつける
Instagramは他のSNSに比べて、ハッシュタグ検索機能が使われる傾向にあります。
ハッシュタグ検索とは「#」と単語を組み合わせて検索することで、そのハッシュタグを使っている人の投稿が閲覧できる検索システムです。
言い換えるなら、投稿やストーリーズにハッシュタグを付けていれば、誰かがそのタグを検索したときに、検索結果一覧に表示されるようになります。
ハッシュタグによって、投稿数や検索ニーズの母数は異なります。
自社コンテンツやユーザーとの相性がいいハッシュタグを選択すれば既存フォロワーだけでなく潜在的な顧客へもリーチできる可能性が高くなります。
Instagramにおけるハッシュタグ活用のコツについては、以下コラムをご覧ください。
ストーリーズを活用する
Instagramのメインコンテンツであるフィード投稿のリーチを伸ばすためには、ストーリーズを活用できます。
24時間限定でスライドショーのようなコンテンツをシェアできるストーリーズは、フォロワーへ向けたコンテンツであり、さまざまなコミュニケーションを実現できます。
例えば、多くの写真や動画が流れていくフィード投稿ではコンテンツが見落とされる可能性がありますが、ストーリーズで「投稿しました」とアナウンスすることで、興味を持ってくれたフォロワーがアクセスしてくれるかもしれません。
リールを活用する
短尺の縦動画を投稿できるリールも、リーチ数を増やすために活用したい機能です。
リールはユーザーが興味を示しそうな動画を連続で再生するコンテンツであることから、ユーザーは自身がフォローしていないアカウントの動画も閲覧します。
Instagramの中では拡散性が非常に高いため、リール動画を作成してシェアすることで、リールはもちろんアカウント全体のリーチ数を伸ばすことができます。
ユーザーとのコミュニケーションを増やす
Instagramのアルゴリズムでは、ユーザーとのいいねやコメントのやり取りの頻度が高いほど、相手のフィードに表示されやすくなり、エンゲージメント率が高まります。
もちろん、ユーザーとこまめにコミュニケーションをとっている様子は、別のユーザーから見ても親近感や信頼感を覚えるきっかけになるでしょう。
また、ストーリーズではアンケートなどを使ってユーザーにコミュニケーションへの参加を求めることもできます。こうしたコミュニケーションを積極的に取ることで、企業の堅いイメージが和らぎ、ファンになってくれる可能性が高まります。
ブランドイメージやリソース配分に注意しながら、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
Instagram広告も活用する
Instagramでリーチ数を伸ばすためには、広告の活用もおすすめです。
Instagram広告はInstagram上で配信できる広告で、フィード投稿・ストーリーズ・リールの各投稿の合間に表示されます。オーガニック投稿とほとんど同じフォーマットで配信されることから、Instagram広告は広告色が薄く、警戒心をあまり持たれずにまだリーチできていない層へアプローチすることが可能です。
Instagram広告のさらなるメリットや出稿手順について知りたい場合は、以下コラムをご覧ください。
まずはリーチを創出し、関係構築への第一歩を踏み出そう
Instagramは国内でのユーザー数も多く、うまく運用することで見込み客への価値提供が図れるだけでなく、興味を持ってもらうきっかけづくりに最適です。
より良い情報を受け取ってもらうためにも、まずは自社アカウントのフォロワーになってもらう必要がありますが、その前提として欠かせないのがリーチの創出と運用のための分析、そして改善です。
リーチを伸ばすためには、ハッシュタグの活用や投稿頻度、適切な投稿時間の見極め、フィード投稿に加えてのストーリーズやリールの併用、こまめなユーザーとのコミュニケーションを心がけてください。
Instagramの運用はコツコツと地道な作業ですが、コンテンツが集積すると強力なマーケティングツールとなります。ぜひ本記事を参考にリーチについての知識を身につけ、実際の運用に活かしてください。