kintone(キントーン)は、複数のアプリを組み合わせることで独自の業務プラットフォームを構築できるクラウドサービスです。ノーコードで業務アプリの作成が可能で、業務システムの開発工数を最小限に抑えられます。
【無料】kintoneの活用ガイド
アプリの作成方法やスペース、ポータル、拡張機能についてもわかりやすく説明しています。導入を検討している方、導入事例を知りたい方は、ぜひ本ガイドをご覧ください。
kintoneの活用方法は多岐にわたるため、まずは基本的な機能を覚えておきましょう。
本記事では、kintoneの機能や料金プラン、導入メリット、活用方法を詳しく紹介します。
kintone基本 & 活用ガイド
kintoneの主なメリットや導入事例をわかりやすく解説
- kintoneの概要
- アプリの機能を紹介
- スペースと拡張機能の解説
- kintoneの主な用途と導入事例
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kintone(キントーン)とは
kintoneとは、3万社以上の導入実績があるサイボウズ株式会社のクラウドサービスです。100種類以上の業務アプリを自由に組み合わせて、独自の業務プラットフォームを構築できます。業務アプリには案件管理や問い合わせ管理、日報、勤怠管理などの種類があります。
それぞれの業務アプリでできることは、次の通りです。
- データベース化(顧客管理アプリへの顧客情報の登録など)
- 蓄積したデータの一覧表示や検索
- メンバー間でメッセージを送り合えるコミュニケーション
kintoneでは、ノーコードかつドラッグ&ドロップで業務アプリを作成できるため、開発工数の削減につながります。社内にシステムエンジニアがいない場合でも、安心して利用できるでしょう。
kintoneに搭載されている主な機能
kintoneには、次のような機能が搭載されています。
- 業務アプリ作成
- 社内コミュニケーション
- 機能拡張
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 業務アプリ作成
kintoneでは、部署・業務別の100種類以上のサンプルアプリから目的のものを選択し、簡単な設定のみで業務システムを構築できます。
必要な項目はドラッグ&ドロップで設置します。
例えば、案件管理の業務アプリを作成する場合、顧客情報や案件情報、活動履歴といった項目を追加するイメージです。添付ファイルやリンクなどの項目も追加できるため、案件管理用のプラットフォームを自由に構築できます。
サンプルアプリをインストールすれば、最初から雛形となる項目が用意されているため、迷わずにレイアウトを決定できるでしょう。サンプルアプリは、kintoneのアプリストアから部署や業種ごとに検索できます。
そのほか、いちからアプリを作る、Excel・CSVファイルを読み込むといった形で業務アプリを作成できるのも特徴です。業務アプリの作成方法については、こちらの記事をご覧ください。
2. 社内コミュニケーション
スムーズな社内コミュニケーションに役立つ機能が豊富に備わっているのも、kintoneの特徴です。
業務アプリごとにコメント欄が用意されており、業務に関する指示やアドバイスをメッセージでやり取りできるため、メーラーやチャットツールを開く必要がなく、ワンストップでコミュニケーションが完結します。「いいね」によるリアクションや、ファイルの添付にも対応しています。
部署やプロジェクトごとに必要な情報を集約できる「スペース」と呼ばれるコミュニケーション機能も特徴的です。スペースを作成すると、ダッシュボード上にお知らせや業務アプリ一覧、メンバー一覧などの情報が表示されます。
スペースのなかには、「スレッド」と呼ばれる議題ごとにコミュニケーションを取り合える機能が用意されています。また、お知らせの部分に営業成績などのグラフを表示することも可能です。
3. 機能拡張
機能拡張は、APIを活用して外部システムと連携するための機能です。
連携可能な外部システムには、Amazon Web Services(AWS)、Adobe Marketo Engage、Zendeskなどがあります。なお、 HubSpotもkintoneと連携が可能で、リアルタイムにデータが同期されます。
「キントーン専用拡張機能サービス」では、200種類以上の選択肢から、必要に応じてプラグインを導入できます。機能やこだわり条件から目的のプラグインを探せるのが特徴です。
帳票出力や見積作成、名刺管理といった幅広い種類のプラグインが用意されており、インストールするだけで機能が拡張できます。
プラグインを利用するには、スタンダードコースの契約が必要です。
kintoneを導入するメリット
kintoneを導入すると、属人化の解消や社内コミュニケーションの強化など、さまざまな効果が期待できます。ここでは、kintoneを導入するメリットを紹介します。
1. 柔軟性が高く幅広い業務に対応できる
kintoneの大きな特徴は、部門や部署、業種を問わず、必要な数だけ業務アプリを作成できることです。
例えば、営業やマーケティング、カスタマーサポート、情報システム、総務など、特定領域の業務に応じた、さまざまなサンプルアプリが用意されています。運用中に実装したい機能が増えた場合でも、追加費用なしで柔軟に対応できるのがメリットです。
kintoneは多くの企業に導入されており、情報量が豊富な点も強みだといえるでしょう。kintoneの関連書籍やWebの情報、公式サイトの導入事例、「キントーン公式ユーザーズイベント」などで具体的な活用方法が紹介されています。
そのため、アプリ同士の組み合わせ方に関するアイデアを収集しやすくなっています。さらに、ツールの導入・運用時に不明点があっても、このような情報を活用すればスムーズな問題解決が可能です。
2. 紙ベースの業務から脱却できる
紙の書類に記載されている情報をExcelやCSVファイルに落とし込み、kintoneのシステム内にアップロードするだけで、容易にデータベースを構築できるのも特徴です。
紙ベースの業務は、手書きや回覧などによって業務工数が増える要因になり、書類の紛失やデータの重複が問題になることも珍しくありません。
kintoneの場合は、一度でもシステム内にデータをアップロードすれば、データベースから短時間で情報を参照できます。クラウド型のデータベースなので検索しやすく、権限さえあれば誰でも必要な情報にアクセスできるのもポイントです。紙代やインク代の削減にもつながるでしょう。
3. 属人化の解消につながる
Excelを使ってデータベースを構築している企業もありますが、データ量が増えてくると管理が煩雑になります。また、各担当者の端末にそれぞれファイルが保存された状態になり、どれが最新版なのかわからなくなるなどの問題も生じるでしょう。
このような「属人化」の問題は、kintoneで解消可能です。
kintoneでは、業務アプリ上にあらゆるデータを保存できます。システムにアクセスすれば必要な情報を参照できるため、情報がブラックボックスに陥るリスクが減ります。担当者が不在でも、業務アプリ内の情報を参考にスムーズな対応が可能です。
4. 社内のチームワークが強化される
コミュニケーション機能が豊富なkintoneを活用することで、社内のチームワークが強化されます。業務アプリ内のコメントや、スペースのなかにあるスレッドなどを利用すれば、社内ポータルとしてkintoneを活用できるため、部門や部署にかかわらず効率的な意思疎通が可能です。
特に、業務アプリ内に用意されているコメント機能は、システム内に蓄積された各種データを参照しつつ、コミュニケーションを図れるのがメリットです。それぞれの従業員のタスクや、業務の進捗を常に把握できるため、マネジメントの効率化や従業員同士の情報共有に役立ちます。
また、常にオープンな環境でコミュニケーションが行われることから、従業員の意見が組織全体へと伝わりやすくなります。意思決定に必要な情報をボトムアップで汲み取りたい場合は、kintoneが大きな効果を発揮するでしょう。
5. ノーコードなのでIT部門でなくても扱いやすい
kintoneは、ドラッグ&ドロップの操作で独自の業務アプリを構築できます。プログラミングの知識や技術が不要なので、部門や部署を問わずにツールを使えます。
kintoneの調査によると、同ツールの導入担当者の93%が非IT部門です。高度専門人材の採用コストや教育コストを抑えられるのは、kintoneの大きなメリットだといえるでしょう。
さらに、技術者向けのSDK(ソフトウェア開発キット)が用意されているのもポイントです。APIを用いたkintoneの機能拡張や独自プログラムの構築など、高度なカスタマイズにも対応できます。
kintoneの料金プラン
kintoneには、「ライトコース」と「スタンダードコース」の2種類のプランがあります。それぞれの料金や機能は次の通りです。
いずれのプランも最低5ユーザーから契約可能で、以降は1ユーザー単位でアカウントを増やせます。契約期間は1か月単位です。
スタンダードコースは30日間の無料トライアルに対応しています。無料トライアルを活用すれば、kintoneのすべての機能が利用できるため、この期間に操作性や機能性を検証するのがおすすめです。期間経過後、自動的に課金されることもありません。
公式サイトにROIシミュレーターが用意されているため、あらかじめkintoneの費用対効果を検証すると良いでしょう。
kintoneの使い方
kintoneの基本的な活用方法は、次の3つです。
- 自社独自の業務アプリを作成する
- 部署やプロジェクトごとにスペースを立ち上げる
- 必要に応じて機能を拡張する
特に、業務アプリとスペースは使用機会が多いので、使い方を覚えておくと良いでしょう。こちらの記事で画像を用いて具体的な使い方を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
kintoneの導入事例
ここでは、情報通信・環境・医療といった幅広い事業を展開する、京セラ株式会社の事例を紹介します。
同社はkintoneの導入以前、承認フローに課題を抱えていました。営業担当者や上司、取りまとめ部門、物流部門と、複数の承認者が存在し、承認履歴を確認するのに手間がかかっていました。また、Excelやメールで承認のやり取りをしていたため、データの二重入力や確認漏れなどもあったといいます。
kintoneの導入後は、システム内で承認作業と移動伝票データの作成が可能になり、一元管理を実現しています。承認履歴も、検索機能によって短時間で参照可能です。その後は600以上の業務アプリを作成し、kintoneをサブ基幹システムとして使用することになりました。DX推進プロジェクトの重要なツールの一つとして活用が進められています。
その他の事例は、こちらの記事で紹介しています。
kintoneを活用してDXを推進しよう
自社で独自に業務システムを開発するのは、大幅なコストや手間がかかりますが、kintoneならドラッグ&ドロップで必要な項目を設定するだけで、自社独自の業務システムを構築できます。データベースやコミュニケーションスペースなど、用途に合わせて柔軟にシステムを設計できるのが特徴です。
kintoneを活用すると、紙やExcel業務から脱却できるだけでなく、DX推進のきっかけが生まれるでしょう。無料トライアルが用意されているため、まずは30日間の期間中に操作性や機能性を確かめてみてください。