部下のタイプ別の指導方法|タイプの分け方やポイントを解説

無料ダウンロード:営業部門における 部下育成・トレーニングの基本ガイド
水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

最終更新日:

公開日:

部下を指導する際は、1人の上司が複数の部下を受け持つケースも多いため、個別にチューニングした指導を実践するのが難しいこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、特性や傾向といったタイプごとに部下を複数のグループに分ける方法です。

部下のタイプ別の指導方法|タイプの分け方やポイントを解説

【無料】営業部門における部下育成・トレーニングの基本ガイド

成果を上げ続ける強い組織を構築するためのステップを解説

  • 営業担当者に必要なスキル
  • 部下育成の役割
  • スキル習熟と行動変容の5つの段階
  • トレーニングプログラムの活用

    今すぐダウンロードする

    全てのフィールドが必須です。

    ダウンロードの準備ができました

    下記のボタンよりダウンロードいただけます。

    グループ別に指導を行うことで、上司が時間を効率良く使えるようになります。部下も自分に合った指導を受けられるため、習熟度の向上や効率的なスキルアップが可能です。

    本記事では、部下のタイプを4つに分けて、それぞれの具体的な指導方法を解説します。

    部下をタイプ別に分けて指導した方が良い理由

    組織内の人材は、それぞれ異なる価値観やスキルを持っています。そのため、部下の個性に合わせて個別に指導を行うのが理想的です。

    しかし、一人ひとりの部下に対して個別最適化した指導を行うと時間がかかるため、現実的ではない場合も多いでしょう。そこで重要になるのが、特性や傾向などのタイプ別に部下をグルーピングし、それぞれの特性に合った指導を行うことです。

    部下をタイプ別に分けることで、それぞれの特性に合った指導が可能です。指導を行う側も人材育成を効率良く行えるため、コア業務に割ける時間が増えるでしょう。
     

    【タイプ別】部下の指導方法

    【タイプ別】部下の指導方法

    部下をタイプ別に分ける際に有効なフレームワークが、「Will-Skillマトリクス」です。仕事に対する意欲(Will)と業務遂行能力(Skill)をもとに、次の4タイプに分けて指導方針を検討します。

    1. 意欲・能力ともに高い人
    2. 意欲が高く能力が低い人
    3. 意欲が低く能力が高い人
    4. 意欲・能力ともに低い人

    それぞれのタイプの特徴を、具体的な指導方法とあわせて解説します。
     

    1. 意欲・能力ともに高い人

    組織や顧客への貢献度が高い、理想的な状態です。このタイプは自ら課題を見つけて解決に取り組んだり、新たな挑戦をしたりすることにやりがいを感じる傾向があります。

    上司は基本的に細かな指示を出すことはせず、本人の自主性を尊重しましょう。多くの場合、現場のリーダーを任せるなど、裁量と責任を持たせることでポテンシャルを発揮します。

    定期的にヒアリングとフィードバックの機会を設けることも重要です。躓いていることがあればフォローし、安定しているようであればより高い要望を伝えるなど、一歩引いたサポートをしながらモチベーションを維持する働きかけをしましょう。

    【指導のポイントまとめ】

    • 細かく指示を出しすぎない
    • 一歩引きつつ、定期的なフィードバックを行う
    • 状況に応じて高い要望を伝える
       

    2. 意欲が高く能力が低い人

    高い意欲はあるものの、まだトレーニングが必要な新入社員に多いタイプです。技術やノウハウが身につくよう、積極的に指導をしていくことで成長が見込めます

    トレーニングの際は部下が取り組みやすいよう、実際に見本を示す、業務の範囲を具体的に伝える、質問の機会を設けるなどの工夫が必要です。スキルアップには時間がかかるため、じっくりと地道に取り組みましょう。

    高いモチベーションが維持できるよう、定期的に進捗を確認し、成長を褒めることも大切です。

    【指導のポイントまとめ】

    • 積極的に技術指導を行う
    • 自身で見本を示しながら伝える
    • 定期的に進捗を確認し、成長が見られた際は褒める
       

    3. 意欲が低く能力が高い人

    仕事の遂行には問題がないものの、受動的で意欲に欠けるタイプです。単純な指導では解決できないためマネジメントの難易度は高いものの、動機づけさえできれば大きく成長する可能性があります。

    まずは面談などでヒアリングを行い、なぜモチベーションが下がっているのか、部下の考えや価値観を理解することに努めましょう。プロジェクトの目的を共有する、業務上の不満を整理する、実績を評価して褒めるなど、一人ひとりにあわせた関わり方が求められます。

    【指導のポイントまとめ】

    • 原因ごと異なるため、まずは面談でヒアリングを行い、モチベーション低下の原因を探る
       

    4. 意欲・能力ともに低い人

    パフォーマンスが活かされていない、本人にとっても会社にとっても望ましくない状態です。

    スキル不足は自信を失わせ、より意欲が下がる要因になります。単純作業を割り当てたり、細かく作業指示を出したりして、まずは簡単な業務を問題なくこなせるまでサポートしましょう

    経験豊富なメンターを配置して、日常的に相談しやすい環境をつくるのも効果的です。

    【指導のポイントまとめ】

    • 簡単な仕事から渡し、まずは業務をこなせるようにサポート
    • 場合によってはメンターを配置
       

    タイプ別で部下を指導する際のポイントや注意点

    部下の指導でより成果を高めるには、次のようなポイントを意識することが大切です。
     

    部下の観察や意見聴取を徹底する

    どのようなタイプの部下を指導するにしろ、相手のことをよく理解することは欠かせません。部下の行動をよく観察したり、意見や提案にしっかりと耳を傾けたりすることを意識しましょう。

    この方法は、部下と相性が悪いと感じる場合にも有効です。自分の気持ちをいったん横に置き、相手を客観的に観察したり意見を聞いたりすることで、それまで気付けなかった要素が見えてきます

    部下のことをよく理解することで、考え方や価値観に合った適切な指導方法を導き出せるでしょう。
     

    明確な目標を設定する

    部下を指導するにあたって明確な目標があれば、モチベーションアップが期待できます。また、繰り返し目標を達成することで、その成功体験が大きな自信となります。

    目標を定める際は、数値や期限などを設けて具体性を持たせることが大切です。例えば、「2週間以内に作業スピードを20%向上させる」など、具体的な指標があれば目標と実績を比較しやすくなります。

    また、上司が一方的に目標を決めることは避けましょう。目標を立てる過程で部下とよく話し合い、目標を「自分ごと」として捉えてもらうことが重要です。

     

    成果に対してフィードバックを与える

    目標を設定したら、必ずフィードバックを行いましょう。目標を立てたままで終わりにしてしまうと、相手の中で目標設定の意義が薄れてしまいます。

    フィードバックは、改善すべき点を伝える「ネガティブフィードバック」と、良かったポイントをまとめた「ポジティブフィードバック」の2種類に分かれます。ネガティブな要素だけでは部下のモチベーションが低下し、反対にポジティブな要素のみでは改善点がわからないため、両者をバランス良く組み合わせて伝えることが重要です。
     

    部下のタイプ別に適切な指導を実践しよう

    部下をタイプ分けすると、それぞれの特性や傾向に合った指導とマネジメントの効率化が同時に実現可能です。部下も自分の課題に合った指導を受けることができ、モチベーションが高まるでしょう

    部下の育成を成功させるためには、何よりも信頼関係が重要です。そのうえで、今回紹介したタイプ別の分類などのテクニックを活用しましょう。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

    【無料】営業部門における部下育成・トレーニングの基本ガイド

    関連記事

    成果を上げ続ける強い組織を構築するためのステップを解説