ウェビナーの録画配信は、事前に収録・編集した動画を指定の時間に配信する方法です。リアルタイム配信よりも完成度の高いコンテンツを提供できるのが大きなメリットで、ウェビナー当日に撮影機材のセッティングを行う必要もないため、最小限のスタッフで開催できます。


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また、録画配信のために制作した動画は、コンテンツとして二次利用も可能です。
本記事では、録画配信の具体的なやり方や注意点、ほかの配信方法との違いなどをわかりやすく解説します。ウェビナーの配信を検討しているマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ウェビナーの録画配信とは
ウェビナーの録画配信は、事前に録画・編集されたウェビナーの動画を配信する形式です。リアルタイムで実施されるライブ配信とは異なり、準備した動画をスケジュールに合わせて配信します。
ウェビナーに関する基礎知識が知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
リアルタイム配信(ライブ配信)との違い
リアルタイム配信(ライブ配信)と録画配信の違いは、ウェビナーが生放送かどうかです。
リアルタイム配信は、決められた日時にウェビナーを開催し、その場で参加者に向けて生配信します。参加者と双方向のやり取りができるため、質問にリアルタイムで回答したり、参加者の反応に合わせて内容を調整したりすることが可能です。
ライブならではの臨場感があり、参加者の集中力を高めやすい方法ですが、撮影機材のセッティングや技術スタッフの配置といった手間がかかるのがデメリットです。
録画配信の場合は、配信する動画を事前に準備しておくことが可能で、開催当日は必要最小限のスタッフで配信が可能です。「ビデオカメラが起動しない」「講演者の音声が聞こえない」といった機材のトラブルも防げます。
また、テロップや図解の挿入、不要な部分のカットなどの編集が可能で、質の高いコンテンツを提供できます。
なお、リアルタイム配信したウェビナーを、後日視聴可能な形で提供する配信方法は「アーカイブ配信」と呼びます。アーカイブについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
オンデマンド配信との違い
オンデマンド配信とは、動画をプラットフォームにアップし、いつでも視聴可能な状態にしておくことです。視聴者は自分の都合の良い時間に、必要に応じて何度でもコンテンツを再生できるため、利便性が高いのが特徴です。
録画配信は、事前に録画した動画を特定の日時に配信するため、視聴する時間が決まっています。その点が、オンデマンド配信との違いです。オンデマンド配信の場合は、動画の視聴を忘れてしまう人もいますが、録画配信はあらかじめスケジュールを確保してもらえるというメリットがあります。
ウェビナーを録画配信するメリット
ウェビナーを録画配信するメリットには、主に次の3つがあります。
- クオリティの高い動画を制作できる
- 配信トラブルが起きにくい
- コストを抑えられる
クオリティの高い動画を制作できる
リアルタイム配信では、ライブ中のミスがそのまま参加者に届いてしまいます。その点、録画配信では、事前に収録した動画を編集するため、ミスがあっても修正することが可能です。
また、字幕やテロップの追加、スライドの挿入などによって、参加者の理解を深めるための工夫もできます。編集によって、クオリティの高い動画を提供できるのが録画配信の大きなメリットです。
配信トラブルが起きにくい
録画配信は、リアルタイム配信に比べて、配信トラブルを回避しやすい点もメリットです。
リアルタイム配信では、機材の不具合によって音声や映像のトラブルが発生する可能性があります。場合によっては調整に時間がかかり、配信が定刻通りに開始できないこともあるでしょう。
録画配信では機材を準備する必要がないため、配信トラブルを回避できます。安定した配信環境を整えることで参加者の離脱防止につながり、満足度が向上します。
コストを抑えられる
録画配信のために制作した動画は繰り返し使用できるため、登壇者のスケジュール調整や機材のセッティングといった運営コストの削減につながります。
動画の編集を社内で行うことで、さらにコストを抑えることも可能です。専門知識がなくても簡単に動画編集ができるソフトもあるため、利用を検討してみましょう。スマートフォンで動画を編集できる無料のアプリもあります。
質の高い動画が必要になった場合は、動画編集を専門とする企業に依頼すると良いでしょう。
ウェビナーを録画配信するデメリット
ウェビナーの録画配信には多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
- リアルタイムで参加者とコミュニケーションが取れない
- 動画編集の手間がかかる
- リアルタイムに比べて情報の鮮度が落ちる
事前にできる対策についても、あわせて紹介します。
リアルタイムで参加者とコミュニケーションが取れない
録画配信では、参加者が講演者に直接質問し、その場で回答してもらうといった双方向のコミュニケーションが取れません。
参加者の反応が見られないため、柔軟な内容の調整が難しく、一方向の情報提供に留まることが課題です。参加者が受け身の姿勢にならないよう、補完的にチャット機能を活用すると良いでしょう。開催後のフォローアップも効果的です。
また、録画配信は、質疑応答を重視したいウェビナーや、参加者の意見を取り入れながら進行する形式のウェビナーにも不向きです。
動画編集の手間がかかる
録画配信では、事前に動画を収録し、編集する工程が必要です。専門知識がなくても動画編集が可能なソフトやアプリはありますが、字幕の追加やカット編集、テロップ挿入などの作業には時間や手間がかかることを認識しておく必要があるでしょう。
また、完成した動画の品質を高めるために、複数回の確認や調整も必要です。そのため、編集作業に対応するリソースの確保が欠かせません。自社でリソースの確保が難しい場合は、外注も選択肢に入れると良いでしょう。
リアルタイムに比べて情報の鮮度が落ちる
録画配信では、事前に動画を制作・編集するため、配信までに時間がかかります。その間に状況が変わる可能性があり、最新の情報を反映しづらい点がデメリットです。
リアルタイム配信なら、直近の状況を考慮して内容を調整することが可能です。そのため、時事性の高いテーマを扱うウェビナーでは、リアルタイム配信の方が適しています。
録画配信を活用する際は、テーマに関する最新情報を収集し、動画内で補足する方法を検討しましょう。
ウェビナーを録画配信する方法
ウェビナーの録画配信のやり方には、主に次の3つがあります。
- ウェビナーツールを利用する
- オンライン会議ツールを利用する
- 動画配信プラットフォームを利用する
なお、ウェビナーの様子を録画する方法は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。配信用の動画データを準備する方法から知りたい方は参考にしてください。
ウェビナーツールを利用する
ウェビナーツールとは、ウェビナーの開催に特化したツールのことで、数百人?数千人といった大規模なウェビナーに対応しているものもあります。また、スケジュール調整機能やフォームによる事前参加の受付、質問・アンケートの管理機能など、ウェビナーの企画・進行に役立つ機能が豊富に備わっているのも特徴です。
参加者の属性や視聴データの分析が可能なツールなら、効果的な改善や開催後のマーケティング施策の立案にもつながるでしょう。
【ツール例】
- Zoom Webinars
- ネクプロ
- Cocripo(コクリポ)
オンライン会議ツールを利用する
オンライン会議ツールの画面共有機能を利用すると、あらかじめ用意しておいた動画データを参加者に共有できます。
ただし、無料のオンライン会議ツールには参加者の人数制限が設けられていることが多いため、この方法は小規模なウェビナー向けです。また、ウェビナー専用ツールのような質問やアンケートといった機能がない場合もあります。
【ツール例】
- Google Meet
- Zoom Meetings
動画配信プラットフォームを利用する
動画のデータを動画配信プラットフォームで公開する方法です。代表的なプラットフォームであるYouTubeとVimeoは無料で使用できるため、気になったツールを試してみましょう。Vimeoには、機能が充実した有料プランもあります。
公開範囲を限定する設定にすると、特定の参加者だけに動画を届けることも可能です。簡単な動画編集や視聴データの分析が可能なプラットフォームもあります。
ウェビナーを録画配信する際の注意点
ウェビナーを録画配信する際には、次の2点に注意しましょう。
- 運営担当者によるモニタリングが必要
- 著作権やプライバシーに注意
運営担当者によるモニタリングが必要
録画配信中は、運営担当者が常に状況をモニタリングし、通信トラブルがあった場合にすぐ対応できるようにしておくことが大切です。また、参加者専用の問い合わせフォームやチャット機能を用意する方法も良いでしょう。
事前準備として、ウェビナーツールに関する「よくある質問」をまとめたFAQや、ツールの操作方法が記載されたマニュアルを用意しておくと、スムーズな対応につながります。
著作権やプライバシーに注意
ウェビナーを録画配信する際には、著作権やプライバシーの保護に注意が必要です。配信で使用する資料や画像、音楽などが第三者の著作物である場合、それらを使用するには著作権者や権利管理者の許可を得なければなりません。違反が発覚した場合、法的なトラブルに発展する可能性もあります。
また、プライバシーを侵害しないよう、配信内容に個人情報が含まれていないことも確認しましょう。配信前の資料や動画内容のチェックは慎重に行うことが重要です。その他、業界特有の規制やガイドラインがあれば、遵守しましょう。
万全の準備でウェビナーの録画配信をスムーズに進めよう
ウェビナーの録画配信は、目的に合わせて編集されたクオリティの高いコンテンツを参加者に届けられるのが大きなメリットです。ただし、リアルタイム配信のように双方向のコミュニケーションが難しいため、質疑応答が欠かせないウェビナーの場合はリアルタイム配信のほうが向いています。目的に合わせて最適な方法を選択しましょう。
録画配信を成功させるためには、問い合わせに迅速に対応できる体制づくりや著作権への配慮など、事前準備を怠らないことも大切です。入念な準備で録画配信をスムーズに進め、ウェビナーの成功につなげましょう。