ホワイトペーパーは、潜在顧客や見込み客が抱える悩みの解決をサポートする資料です。ダウンロードしてもらえれば、潜在客とのつながりが生まれてリードが創出できるだけでなく、見込み客への価値提供によって関係構築が可能になります。

しかし、思うようにホワイトペーパーのダウンロード数が伸びないことに悩む企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、ホワイトペーパーのダウンロードが伸び悩んでいるときに見直したいポイントを解説します。多くのユーザーにホワイトペーパーをダウンロードしてもらい、Webマーケティングを成功させるための具体的な行動を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ホワイトペーパーの目的や活用方法、作り方といった基礎知識は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ホワイトペーパーのダウンロード数が伸び悩む原因

ホワイトペーパーのダウンロード数が伸び悩んでいる場合は、以下の4つの原因の中で当てはまるものがないかどうか確認してみてください。
1. ターゲットにとって読みたくなるタイトル・紹介文になっていない
ホワイトペーパーのダウンロードにつなげるためには、ダウンロードページを見た人が思わず読みたくなるようなタイトルや概要、紹介文などの情報を記載する必要があります。
ホワイトペーパーを提供する対象となるのは、現段階ではまだ自社の顧客ではない潜在客か、自社製品・サービスの購入までには至っていない見込み客のいずれかです。そのため、潜在客・見込み客との関係性を構築することを重視しましょう。その方が欲していると推測できる情報が掲載されている点を強調する、課題解決できそうだと思ってもらえる魅力的なタイトルや紹介文に仕上げる必要があります。
2. ダウンロードまでの手順が煩雑
ホワイトペーパーは見込み客の創出や醸成を目的としているため、相手とコミュニケーションがとれるよう氏名やメールアドレスなどの入力を求めます。しかし、入力フォームの使い勝手が悪かったり入力項目が多すぎたりすると、心理的なハードルが上がり、途中離脱する可能性が高まります。
はじめてダウンロードページに来たユーザーでもスムーズに入力できるように、入力フォームの最適化(EFO)を実施するのが有効です。フォーム最適化はダウンロード率に大きな影響を与えるため、優先的に取り組みたい施策です。
3. 個人情報の提供に抵抗がある
多くの人は、個人情報の提供に抵抗感を覚えます。
入力した個人情報をもとにセールスの電話がかかってきたり、メールマガジンが配信されたりすることを求めないユーザーも多くいます。送信した個人情報の取り扱いの方針に関する記載がないと、不安に思うユーザーが離脱しやすくなります。
プライバシーポリシーを明確に打ち出す、電話による営業やメールマガジンの配信を任意にするなどの対策が有効です。
4. そもそも認知されていない
ホワイトペーパーのダウンロードページの情報が魅力的であっても、そもそもページ自体を相手が発見できなければ、ダウンロードページまでたどり着くことはありません。
この場合は、流入経路を増やすことが重要です。自社のホームページやメールマガジンのほか、SEOやWeb広告など外部からの流入経路を増やすよう意識します。複数のメディアを組み合わせ、自社のファンやフォロワーとなるような見込み客を多く創出できるように情報発信していきましょう。
ホワイトペーパーのダウンロードを増やすポイント

ホワイトペーパーのダウンロードを増やし、見込み客の創出・醸成を加速させるポイントを7つご紹介します。ひとつずつ取り組めば、着実にダウンロード数を伸ばすことができるので、ぜひ実践してみてください。
1. 明確なターゲットを設定する
ホワイトペーパーをダウンロードしてほしいターゲットを明確に設定すると、課題やニーズが把握できるようになり、より魅力的で有益なホワイトペーパーを作成できます。適切なPR方法や宣伝媒体も自然と絞れるでしょう。
はじめに決めるターゲット像は、自社の製品やサービスのターゲットではなく、ホワイトペーパーを読んでもらいたいターゲットを想定することが重要です。それによって、ターゲットをより引きつけられるテーマを設定できるようになります。訴求したい内容に関心を持っている人は、自分たちに必要な情報であると感じるため、ダウンロード数が増えやすくなります。
2.自社だけが持っている情報・ノウハウを提供する
自社だけが持っている情報やノウハウは競合他社との差異化につながり、ダウンロード数の向上が期待できます。
自社でのアンケート調査結果や過去に行った業務でのヒアリング結果、業界の分析結果など独自の情報を提供できれば、興味のある人にダウンロードしてもらいやすくなります。
また、自社製品やサービスを導入している企業の導入から成果までを事例として紹介するのもおすすめです。導入後のイメージがしやすく、興味を持った見込み客の成約を促すことができます。
3. 興味を引くタイトルやキャッチコピーをつける
ホワイトペーパーはダウンロードするまで内容がわからないため、タイトルやキャッチコピーで相手の興味を引きつける必要があります。タイトルやキャッチコピーは、ホワイトペーパーが有益かどうか判断する材料になるからです。
ホワイトペーパーのタイトルやキャッチコピーを作成する際は、ターゲットを明確にして課題解決につながるフレーズを入れる、数字を使ってメリットを表現することが重要です。
ターゲットとメリットが明らかになったら、実際にタイトルに落とし込んでいきます。ただし、見込み客を創出したいからといって、過剰表現を用いるのはおすすめできません。ホワイトペーパーを読んだ人が不信感を抱き、興味を失ってしまうからです。
ホワイトペーパーのタイトルは、こちらの記事で詳しく解説しています。具体的に作成する方法を紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
4. ダウンロードページの情報を充実させる
ホワイトペーパーのダウンロードページには、タイトルや概要、スクリーンショット、目次などの限定的な情報しかありません。限られた情報の中からホワイトペーパーの魅力を伝え、ユーザーのダウンロードにつなげるためには、それぞれの情報をできるだけ充実させる必要があります。
例えば、タイトルや概要文に具体的な数値を盛り込むと、相手の興味を引きつけることができます。自社の導入実績や信頼できるデータ元から引用するのが良いでしょう。
また、権威性のある有識者によって作成されたホワイトペーパーである点を強調すると、情報の価値や精度が高いと感じてもらいやすくなり、ダウンロードにつながりやすくなります。
5. EFO(入力フォーム最適化)に取り組む
必要な情報の入力をしてもらい、ダウンロードまで相手を誘導するために、EFO(入力フォーム最適化)を行いましょう。EFOには、次のような取り組みがあります。
- 入力項目を減らす
- 住所などの入力補助機能を実装する
- 入力間違いを入力途中で表示する
- 入力漏れを指摘する
- スマートフォン表示に対応する
入力しやすいフォームはユーザーのストレスを軽減し、途中離脱を防ぎます。ユーザーのモチベーションが続いている間にダウンロードリンクまで誘導することが重要です。
6. SEOやWeb広告で流入経路を増やす
ホワイトペーパーは、PDF形式で公開されます。HTML形式で公開されたWebページに比べてPDFは検索エンジンに評価されにくく、検索上位に表示されるには相当な時間がかかる可能性があります。
そのため、オウンドメディアのコンテンツでホワイトペーパーを紹介する、Web広告に出稿して幅広いユーザーにアプローチするなどの施策を通じて、流入経路を増やすことが重要です。サイトを訪問するユーザーが増えると、ホワイトペーパーのダウンロード数も増える可能性が高まります。
7. ホワイトペーパー作成代行会社に依頼する
自社にホワイトペーパーを作成するノウハウがない場合は、代行会社に依頼するのもおすすめです。質の高いホワイトペーパーの作成が可能になるだけでなく、自社では気付けないような他社との差異化のポイントや思わぬ長所が見つかることもあります。
代行会社によっては、ホワイトペーパーの運用コンサルティングやEFOのサポートをしてくれる会社もあります。費用と成果のバランスを見ながら外注を検討しましょう。
ホワイトペーパーのダウンロードにつなげる周知方法

ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすには、より多くの人に周知する必要があります。周知の方法には、次の5つがあります。
- 自社サイトへの掲載
- Web広告やポータルサイトへの掲載
- 既存顧客へメールマガジンを配信
- ホワイトペーパーのダウンロードサイトを利用
- セミナーで配布
それぞれ詳しく解説します。
1. 自社サイトへの掲載
ホワイトペーパーのダウンロードリンクを、自社のホームページやオウンドメディアに掲載します。ダウンロードリンクまでの導線設計をデザインして、ユーザーをダウンロードまで誘導する流れです。
SEO対策を行えば、検索エンジンからの流入を増やす効果も期待できます。
また最近では、コーポレートサイトや自社メディアに、ホワイトペーパー専用のバナーやリンクを設置している企業も増えています。
2. Web広告への掲載
Web広告などの外部媒体にホワイトペーパーのダウンロードリンクを掲載すると、幅広いユーザーに周知できます。
自社の予算やターゲットに合わせて、無料媒体と有料媒体をうまく組み合わせて使い分けましょう。
3. 既存顧客へメールマガジンを配信
潜在客や見込み客だけではなく、既存顧客へのアプローチもホワイトペーパーのダウンロード数を増やすのに効果的です。
自社の製品やサービスを導入した顧客にとって有益な情報を盛り込んだホワイトペーパーを作成すれば、顧客との関係が深まります。また、過去に成約まで至らなかった顧客に再度アプローチして、あらためて自社に興味を持ってもらえるよう促すことも可能です。
お役立ち情報や最新の分析データ、導入後によくあるトラブルの解決方法など、潜在客・見込み客と既存顧客の両方にとって有益な情報を発信しましょう。
4. セミナーで配布
セミナーやウェビナーで配布するのも有効です。セミナーは課題解決や購買意欲のあるユーザーが参加しているため参加者の関心を集めやすく、ダウンロードにつなげやすいのが特徴です。
事前に参加者から課題や悩みをヒアリングして、解決できる内容を盛り込んだホワイトペーパーを用意します。そこからターゲットの印象に残る魅力的なタイトルや紹介文を作成すれば、集客につながる可能性が高まります。
5. ホワイトペーパーのダウンロードサイトを利用
ホワイトペーパーのダウンロードサイトを訪問するユーザーは、特定の悩みを解決できるホワイトペーパーを探していることが多く、他の媒体に比べてダウンロードに意欲的なユーザーが多いといえます。また、幅広いユーザーへのアプローチが可能で、自社製品やサービスの認知や見込み客創出の機会が増加します。
ホワイトペーパーのダウンロードができる主なサイトは、次の通りです。
- ホワイトペーパー ダウンロードセンター
- Selectbox
- 日経クロステック Active
- ITトレンド
- ITreview
- メディアレーダー
- LISKUL DL
ホワイトペーパーのダウンロードサイトは、サービス利用料がかかります。掲載期間や料金を確認して、自社に合ったプランを探してみてください。
ホワイトペーパーのダウンロードを増やしてマーケティングを加速させよう
ホワイトペーパーを作成してもユーザーにうまく届けられず、活用できていない企業も多くあります。ホワイトペーパーのダウンロード数を増やすには、まずダウンロード数が伸び悩む原因を突き止めることからはじめましょう。
その後、ユーザーがはじめに触れる情報をブラッシュアップしていきます。ユーザーの興味を引くタイトルやキャッチコピー、独自の情報を盛り込むなどして、ユーザーが読むメリットを感じられるように仕上げます。
ダウンロードへの導線ができたら、自社サイトや広告、ホワイトペーパーのダウンロードサイトなど流入経路を増やして、多くのユーザーにホワイトペーパーを周知しましょう。

