ウィンザー効果とは?マーケティングでの事例や活用のメリットを解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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ウィンザー効果とは、「利害関係のない第三者からの情報には信憑性がある」と感じる心理効果のことです。ウィンザー効果をマーケティングに活用することで、ブランドや商品・サービスの信頼性を高めることが可能です。その結果、中長期的に売上も増えるでしょう。

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    本記事では、ウィンザー効果の意味やマーケティングへの活用方法、注意点を解説します。マーケティング担当の方は、ぜひご覧ください。

    ウィンザー効果とは

    ウィンザー効果とは、第三者によってもたらされる情報が、当事者が提供する情報よりも信憑性が高いと感じる心理効果のことです。

    ある商品の購入を検討する際に、企業の公式ホームページではなく、その商品を購入した人の口コミを参考にした経験がある方も多いのではないでしょうか。人は利害関係のない第三者の意見や評価をより信頼し、それに基づいて行動する傾向があり、この心理をウィンザー効果と呼びます。

    ウィンザー効果は、アーリーン・ロマノネスさんの『伯爵夫人はスパイ』という自伝的書籍に登場するウィンザー伯爵夫人の名前が由来です。ウィンザー伯爵夫人が、「第三者の褒め言葉が何よりも効果的」と述べたことから名付けられました。
     

    ウィンザー効果のメカニズム

    ウィンザー効果のメカニズム

    ウィンザー効果は、利害関係のない第三者からの情報提供によって生じます。第三者は利益を得るために情報を提供しているわけではないという考え方のもと、中立的で客観的な評価と見なされやすいためです。

    例えば、商品やサービスに関する口コミは、その内容が良くても悪くても、記載した人に利益はありません。そのため、関係者の意見よりも信頼されやすくなります。
     

    ウィンザー効果とハロー効果の違い

    ハロー効果とは、ある特定の要素が、ほかの全体的な印象に影響を与える心理効果のことです。例えば、勉強と仕事の能力は別であるにも関わらず、高学歴の人に対して、「この人は仕事もできるだろう」と判断してしまうことがあげられます。

    ハロー効果は「何かしらの特徴」で全体的な印象を評価し、ウィンザー効果は「第三者の情報」から信頼性を評価しているという違いがあります。

    また、ハロー効果は主に人の印象に対して判断を行うのに対して、ウィンザー効果はその対象が人や商品、ブランドのように幅広いのが特徴です。

     

    ウィンザー効果を活用するメリット

    ここでは、ウィンザー効果のメリットを2つ紹介します。
     

    信頼を得られ、購買促進につながる

    第三者の情報は中立的であると見なされることから、高評価のレビューや口コミがあると、その商品やサービスの信頼性が高まります。そのため、ビジネスでは第三者の意見や評価をマーケティングに活用することも多くあります。

    例えば、商品の宣伝や広告において、利用者の口コミやレビューを掲載する方法です。商品の検討段階では、第三者の意見が判断に大きく影響し、購入の決め手となる場合もあります。口コミを掲載することで、企業が発信する広告の信頼性を高める効果があります。
     

    コミュニケーションが円滑になる

    第三者を介することで、スムーズなコミュニケーションがとれることがあります。

    例えば、上司から直接、「プレゼンの内容が良かった」と褒められても、「お世辞ではないか」と疑う気持ちになることがあるでしょう。しかし、同僚から、「課長がプレゼンを褒めていたよ」と間接的に伝えられると、素直に喜べます。これは、間に利害関係のない第三者の同僚が入ることで、課長の発言に対する信頼が上がったためです。

    このように、ウィンザー効果はコミュニケーションにおいても活用できます。
     

    ウィンザー効果を活用した施策事例

    ここでは、ウィンザー効果のビジネスでの使い方を5つ紹介します。

    • レビューや口コミを載せる
    • インフルエンサーにPRしてもらう
    • SNS映えを狙った商品をつくる
    • プレスリリースを出す
    • アンケートやインタビューを行い結果を公開する
       

    レビューや口コミを載せる

    広告や宣伝文に顧客の口コミや評価を取り入れることで、商品やサービスの信頼性を上げられます。例えば、商品の特長や効果に関する実際の購入者の声を掲載し、消費者の信頼を得る広告を展開するといった方法が効果的です。
     

    インフルエンサーにPRしてもらう

    インフルエンサーとは、特定の分野に強く、影響力を持っている人のことです。SNSに多くのフォロワーがいることも多く、インフルエンサーにPRしてもらうことは、ウィンザー効果を活用する有効な施策のひとつといえるでしょう。

    フォロワーはインフルエンサーに憧れや好意を持っていることが多く、インフルエンサーが紹介する製品やサービスにも高い信頼を寄せる傾向にあります。一例として、キャンプ用品をプロモーションするのであれば、その分野で活躍するインフルエンサーとのタイアップが効果的です。

    ただし、インフルエンサーが不適切な発言などにより炎上するリスクもあります。企業イメージにも悪影響が及ぶ可能性があるため、タイアップするインフルエンサーは慎重に検討する必要があります。

    また、商品やサービスとインフルエンサーのイメージが合っていないと、フォロワーに響かない可能性もあるため注意しましょう。
     

    SNS映えを狙った商品をつくる

    SNSが活発化している現代、UGC(ユーザー発信のコンテンツ)を意識した戦略を考えることも欠かせません。SNS上で話題になりやすい要素を取り入れた商品を開発することで、口コミやシェアが促進され、ウィンザー効果を活用できます

    おしゃれなビジュアルの商品や色鮮やかなデザインなどは、SNSに投稿されやすくなります。また、ユーザーの投稿によって企業や商品が拡散されることで、購買行動の好循環が生まれます。このUGC(ユーザー生成コンテンツ)による拡散から購入までのサイクルを、「ULSSAS(ウルサス)」と呼びます。

    UGCはウィンザー効果によって信頼性も高く、購買活動の好循環にもなります。そのため、UGCを意識した商品開発も必要といえるでしょう。
     

    プレスリリースを出す

    プレスリリースとは、新商品やサービスの提供を開始する際などに、企業が発表する公式の文書のことです。プレスリリースを出すと、第三者であるメディアに取り上げてもらえる可能性があります。

    プレスリリースによって業界やマスメディアから注目してもらい、さらに第三者がプレスリリースの内容を記事化することで、ウィンザー効果を生み出せます
     

    アンケートやインタビューを行い結果を公開する

    顧客満足度や商品・サービスなどに関するアンケートやインタビューを実施したら、その結果を公開しましょう。顧客の声を直接取り入れることでウィンザー効果が働き、商品やサービスの信頼性を高める効果が期待できます。
     

    ウィンザー効果を活用する際の注意点

    ウィンザー効果を活用する際は、公平性を保つことを意識しましょう。

    ウィンザー効果を悪用したマーケティングの例として、ステルスマーケティングがあげられます。ステルスマーケティングとは、広告や宣伝であることを消費者に隠して宣伝したり、口コミを広げたりする行為のことです。景品表示法違反にあたるため、行ってはいけません。

    発覚すれば口コミの信頼性が失われるだけでなく、企業の信頼も損なわれます。商品やサービスを宣伝する際は、公平性を損なうような行為は避けることが大切です。
     

    ウィンザー効果をマーケティング戦略に活用しよう

    ウィンザー効果を正しく活用すると、ブランドや商品・サービスの信頼性が高まり、購買意欲を促進する効果が期待できます。

    レビューや口コミの公開やインフルエンサーとのタイアップ、SNS映えする商品の開発など、ウィンザー効果を取り入れたマーケティング施策を組み合わせる方法もおすすめです。

    リスクや注意点を正しく理解したうえで、ウィンザー効果を適切に活用しましょう。

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