ザイオンス効果とは?マーケティングや営業での活用例と注意点を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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ザイオンス効果は、マーケティングや営業など、ビジネスシーンでもよく活用されている心理的効果の一種です。「もともと興味がなかった商品をCMで何回も見るうちに使ってみたくなった」という経験がある人も多いでしょう。この気持ちの変化は、ザイオンス効果が働いたために起こったものです。

ザイオンス効果とは?マーケティングや営業での活用例と注意点を解説

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    見込み客や顧客のニーズに合ったコミュニケーションを行ったうえで、ザイオンス効果を活用すると、信頼関係が構築できます。結果的に、マーケティングや営業活動の成果向上にもつながるでしょう。

    本記事では、ザイオンス効果の目的や具体的な活用方法、活用時の注意点を解説します。マーケティングや営業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

    ザイオンス効果とは

    ザイオンス効果

    ザイオンス効果とは、対象と何度も接するうちに、その対象に好意を持つようになる心理効果のことです。ポーランド出身でアメリカで活動していた心理学者、ロバート・ザイオンス氏の名前から名づけられたもので、「単純接触効果」とも呼ばれます。

    例えば、「テレビやスーパーで流れる曲を何度も聞くうちに好きになる」、「毎朝見るニュースキャスターが好きになる」などの現象は、ザイオンス効果が働いた結果といえます。CMや広告でも活用されており、ブランド認知度の向上や商品への好意的な感情形成にも効果的です。
     

    ザイオンス効果活用の目的・メリット

    ここでは、ザイオンス効果をビジネスで活用する際の目的やメリットを紹介します。
     

    見込み客・顧客との信頼関係の構築

    見込み客・顧客が、自社の商品名やブランドと何度も接触すると、親近感を抱くようになります。相手が知りたい情報や悩みの解決につながる知識を提供すると、次第に親近感が信頼に変わっていくでしょう。

    自社の商品やサービスを売り込むのではなく、相手のニーズを理解し、期待に応えることで良好な信頼関係を構築できます。見込み客・顧客と継続的に接点を持つことにもつながり、ロイヤルティの向上をはかることも可能です。
     

    売上増加や成果向上につながる

    見込み客・顧客が自社と継続的に接点を持つことは、購買意欲の醸成にもつながります。購買行動が増えることで、売上の増加やビジネスの成果向上も期待できるでしょう。
     

    ザイオンス効果の注意点

    ザイオンス効果には、次のような注意点があります。接触しすぎると逆効果になるため、バランスを取りながらコミュニケーションをはかることが重要です。

    • 接触回数を多くしすぎない
    • 期間を空けすぎない
    • 悪印象を覆すのは難しい
       

    接触回数を多くしすぎない

    接触回数を適切に保つことは、潜在客や見込み客との良好な関係構築において重要なポイントです。

    接触回数に絶対的な正解はありませんが、「7回の接触で購買意欲が高まる」とされる「セブンヒッツ理論」が参考になるでしょう。3回の接触で商品やサービスが認知され、7回で商品を手に取って購入する確率が上がるといわれているため、接触回数の目安は7~10回と考えましょう。

    Web広告では、1ユーザー当たりの広告の表示回数(フリークエンシー)を設定できます。表示回数の上限を1日、1週間、1か月の単位で決められるので、接触頻度を減らしたい場合は調整すると良いでしょう。
     

    期間を空けすぎない

    前の接触から次の接触までに、あまりにも期間を空けてしまうと、効果が薄れるとされています。例えば、テレビCMを出す際に、ひと月に1回しか見ないCMよりも週に2回見たCMのほうが記憶に残りやすくなります。

    長期間に渡って何度も接触するより、短期間で複数回の接触を試みるのが効果的です。
     

    悪印象を覆すのは難しい

    すでに自社の商品やサービスに、ネガティブな印象を持っている人に対しては、ザイオンス効果は働きません。ネガティブな印象を持っている人に何度も接触してしまうと「しつこい」と思われ、逆効果になる可能性もあるので注意しましょう。

    ザイオンス効果は、良い印象も悪い印象も持っていない人や、多少なりとも好意を持っている人に対して効果が発揮されます。
     

    ザイオンス効果の活用例

    ここでは、ザイオンス効果の活用例をマーケティングと営業に分けて紹介します。
     

    マーケティング活動

    マーケティングでのザイオンス効果の活用方法の例には、次のようなものがあります。
     

    メルマガ配信

    メルマガを定期的に配信することで、見込み客・顧客との継続的な接触を行い、ザイオンス効果を活用します。メルマガでは、商品やサービスの情報提供だけでなく、相手が知りたい情報や特別なキャンペーン情報の提供などを通じて関係構築をはかりましょう

    定期的な接触を試みることで親近感が醸成され、サイト訪問や商品購入、アップセル、クロスセルなどにつながります。

    効果的なメルマガの作成方法は、次の記事で解説しています。

     

    SNS運用

    ザイオンス効果はSNSと非常に相性が良い心理効果です。SNSを毎日チェックしている人は多く、自社に興味を持っていない人も目にする可能性があり、高い訴求効果があります。

    ただし、SNSは流し読みされることがほとんどなので、写真を使うなどして一瞬で目に留まるような工夫をすることが大切です。SNSでブランドや企業の情報を定期的に発信することで、ザイオンス効果を生み出せるでしょう。
     

    リターゲティング広告の活用

    リターゲティング広告とは、自社サイトを訪問したことがあるユーザーに対して表示する広告です。ユーザーがすでに商品やサービスを認知しているため、ザイオンス効果が働きやすくなります。リターゲティング広告によって接触回数を増やすことで、購買につながることが期待できるでしょう。

     

    営業活動

    商談をメインに営業活動を行っている企業では、電話やメールをうまく活用して見込み客との接触頻度を増やしましょう。商談の回数を増やすよりも相手に負担をかけずに済み、コミュニケーションを絶やさないことで、「自分のことを気にかけてくれている」と感じてもらえます

    訪問の前に資料をメールで送ったり、面談前に電話で悩み事をヒアリングしたりするなど、相手にもメリットがある内容で接触しましょう。
     

    ザイオンス効果をビジネスに活用しよう

    ザイオンス効果は、短時間の接触の繰り返しによって、人々の意識や態度を変化させられる強力な心理効果です。顧客創出やブランドロイヤルティの構築にも大きな影響を与えます。

    ザイオンス効果をビジネスに活かすためには、相手の立場に立った信頼関係作りと継続的なアプローチが重要です。見込み客や顧客との接点を大切にして、良好な関係を築きましょう。

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