優秀な営業担当者だけが持つ10の資質

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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営業成績がトップクラスの同僚には、どのような共通点があるのか、皆さんも一度は考えたことがあると思います。営業スタイルはそれぞれ違うかもしれませんが、営業成績の上位にいつも同じ顔ぶれが並ぶのは、決して偶然ではありません。

優秀な営業担当者だけが持つ10の資質

上位に入るには、成績トップの同僚たちは他の人と何が違うのかを知る必要があります。そこでこの記事では、いつも同僚たちを上回る成績を上げている営業担当者の特徴について考えます。

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営業で必要なスキル & ロールプレイング ガイド

1. 常に冷静さを失わない

成績トップの営業担当者は、早口でまくし立てたり、冷静さを失ったりすることがほとんどありません。常に落ち着いていると、人から自然と信頼されるようになります。また、後から後悔するような事をうっかり言ってしまうのも避けられます。

たとえば、プロスペクトから顧客事例やトライアルの延長を求められたとしましょう。間を置かずに即答すると、「はい、できます」と答えてしまいがちです。冷静に考えれば、「それでお客様の意思決定プロセスにどう役に立つのか、教えていただけますか?」と返すべきでしょう。

泰然とした態度は交渉の場面でも不可欠です。イライラしていると物事を戦略的に考えられなくなります。また、冷静さを失っていることに気付かれれば、交渉相手がより強気に出てくる可能性もあります。
 

2. 自意識過剰でない

最近、恥ずかしい思いをしたことを思い出してみてください。なかなか思い出せないとしたら、それは良いサインです。優秀な営業担当者1,000人以上を対象に実施した調査(英語)では、自意識の強い人は5%未満だったといいます。

この調査を実施したSteve W. Martin氏は「自意識の強さは同時に、内向性や活動抑制につながる」と説明しています。同氏は南カリフォルニア大学マーシャル・スクール・オブ・ビジネスで営業戦略の科目を担当しています。

自意識が強すぎず、人の評価を気にしすぎないということは、リスクを恐れず、根気強く取引成約を目指せるということです。また、拒絶されたり失敗したりしても、自分が営業に向いていないと考えるのではなく、学習や改善のチャンスだととらえられるので、立ち直りが早いということでもあります。このような打たれ強さは、営業活動で避けては通れない苦しい経験を乗り越えるのに役立ちます。

こうした資質は有効な営業手法として知られる「チャレンジャーセールス」の実践に欠かせません。好かれることよりも最終的な目標を追求し、プロスペクトの言いなりにならないようにするには、強い自信を持つことが不可欠です。
 

3. 時間を大切にする

営業担当者にとって、時間とエネルギーは貴重なリソースです。そのため、優秀な営業担当者はあらゆるタスクを投資のように考え、「Xの投資をした場合、少なくともYのリターンが得られるか?」と自問自答しています。こうした自問自答を通じて、リターンの大きい活動とそうではない活動を見分けることができ、たとえばバイヤーペルソナとかけ離れているプロスペクトに時間を費やさなくなります。自分にとっても、相手にとっても時間の無駄だからです。

一方、バイヤーペルソナとぴったり合致するプロスペクトについては、最終的に利益につながる可能性がずっと高いため、時間を割いて調査するようになります。

また、優秀な担当者は単純な反復作業の自動化によって時間を節約しています。電話の内容の記録やEメールのコピー&ペースト、フォローアップのスケジュール管理などの時間を短縮すれば、その分の時間を純粋な営業活動に充てられるからです。

「SuperStar Selling: 12 Keys to Becoming a Sales Superstar」(英語)という書籍によると、平均的な営業担当者は、収益を生む活動に対して1日2時間しか時間を充てていないのに対し、トップレベルの担当者は、1日6時間を費やしているとされています。
 

4. 業界全体の事情に通じている

良い営業担当者は自社の製品の特長や機能、用途などを熟知しているものですが、一流の営業担当者の知識は、そのさらに上を行きます。業界の状況から日常業務の内容まで、プロスペクトのビジネスのあらゆる側面を理解しています。

業界の専門知識を持つ営業担当者は貴重な存在です。顧客に製品の説明をするだけでなく、顧客のビジネスのさまざまな要素を考慮して、サポートやアドバイスを提供できるからです。

業界の事情に通じていることは、現時点では競合との差別化につながります。しかし、ハブスポットの元CRO(最高売上責任者)で、現在はハーバード ビジネス スクールで教鞭を執るMark Roberge氏は、それがいずれは生き残りに欠かせない条件になると指摘しています。

インターネットの普及により、営業担当者に基本的な情報の提供を求める人はほとんどいなくなりました。プロスペクトが本当に求めているのは協力者です。つまり、コンサルタントとして、他者にない価値を提供することが重要になります。
 

5. 学習を怠らない

売上ノルマを達成したら、もう自分には学習することはないと考えたくなるものです。しかし、トップレベルの営業担当者は、常に貪欲に新たな知識を身に着けようとします。

結局のところ、自分のスキルを磨き、新しい知識やテクニックを身に着けなければ、それなりのキャリアアップは望めません。そして、学ぶ努力をすれば確実に見返りがあります。ある調査によると、営業担当者のトレーニングを継続的に実施している企業は、純売上高で他社を50%も上回っている(英語)そうです。

加えて、営業活動そのものも進化しています。10年前に効果的だった戦略は、おそらく今はもう通用しないでしょう。まして20年前の戦略ともなれば、間違いなく失敗します。当てずっぽうに電話をかけ、接待ゴルフでプロスペクトを育てる時代は終わりました。コールドコールからミーティングまで漕ぎ着けられる割合は1~3%しかありません(英語)。現代のプロスペクトが求めているのは、ビジネス戦略に関するユニークな視点とアドバイスであり、ゴルフの無料プレーなどではないのです。

現代の顧客のニーズに考え方を合わせなければ、一緒に仕事をすることは不可能でしょう。
 

6. 悲観的側面に目を向ける

営業担当者に、自分は楽観的か悲観的のどちらだと思うかを尋ねたら、ほとんど全員が楽観的だと答えるでしょう(英語)

しかし、「グラスに水が半分しか残っていない」という悲観的な考え方は、決して悪いものではありません。先ほど紹介したMartin氏の調査によると、成績上位の営業担当者の3分の2は、悲観的な性質を持っていると言います。

Martin氏は「営業担当者の心の中にある悲観的な思考は、取引の成約可能性や買い手の信頼性への疑問を促す」と述べています。

悲観的な性質を持つ営業担当者は、物事を簡単に信用しないため、より踏み込んだ質問をして交渉相手を評価し、組織内で本当に決定権を持つ人を特定します。

自分は元から悲観的ではないという方も心配はいりません。ニューヨーク大学の心理学の教授で、人間が将来についてどのように考えるかを20年にわたって研究しているGabriele Oettingen氏は、W.O.O.Pという手法を考案しました。この手法は次の4つの要素で構成されます。

  • W:自分の願い(Wish)について考える
  • O:自分が目標とする結果(Outcome)について考える
  • O:目標達成の途中にある障害(Obstacle)について考える
  • P:障害を乗り越えるための計画(Plan)を立てる

予想される障害に対して備えておくことで、生来の楽観的な性質を維持しながら、ネガティブ思考の利点をうまく活用できます。
 

7. 相手を尊重しつつ、粘り強くアプローチする

営業担当者のおよそ半数は、1回のフォローアップでプロスペクトへのアプローチを止めてしまいます。しかし、取引を成約させるには、複数回のフォローアップを必要とする場合がほとんどです。そのため、優秀な営業担当者の多くは粘り強さを持っています。他の担当者と比べて簡単にはあきらめないからこそ、はるかに多くの取引を成約させられるのです。

ただし、残念なことに、粘り強いことは押しが強いことだと勘違いする人がいます。プロスペクトに何度も電話やEメールで連絡を取り、名前を見ただけで相手が不快に感じるようになってしまえば、明らかにやりすぎです。フォローアップに意味があるのは良好な関係につながる場合であって、ストーカーのように思われては元も子もありません。トップレベルの営業担当者は、プロスペクトをフォローアップすることと追い詰めることの違いをよくわかっています。

たとえば、「その後はいかがでしょうか」と言いながら電話やEメールで連絡しても、煩わしいと思われます。一方で、特定の目標の達成についてまだ興味があるかを尋ね、それと関連のある提案をすれば、粘り強い営業活動だと受け取られます。

では、育成段階のプロスペクトに製品のデモを行うのはどうでしょうか? それは時期尚早です。まずは相手の問題点を深く掘り下げ、役立ちそうなソリューションを特定しながら信頼を勝ち取りましょう。その後、タイミングを見てデモを実施すれば、良い返事がもらえるはずです。
 

8. 目標を立ててモチベーションを高める

目標がなければ前には進めません。優れた営業成績を上げるには、個人の月間売上目標や活動目標のほか、少し無理をしなければ達成できないストレッチ目標を設定することが重要です。

ノルマを達成するために、何の計画もなく動こうとすれば苦労は免れないでしょう。しかし、ハーバード大学が実施したある調査によると、具体的な目標を設定することで、本当にモチベーションが高まるそうです。

1か月を通じて自分の目標の達成状況をチェックすると共に、目標を細分化して達成の喜びを何度も得られるようにしましょう。ハーバード・ビジネス・レビューで公表された調査(英語)によると、たとえ小さな成果でも、積み重ねることでインナー ワーク ライフ(仕事から得られる経験や感情)は飛躍的に豊かになります。

さらに、メンターの力を借りて目標を設定し、営業スキルの向上だけでなく、プロとしての成長や発展を目指すのも効果的です。以下の記事では営業目標を賢く設定する方法について解説していますので、ぜひご覧ください。

9. 技術面に強い

デモの最中には、さまざまなトラブルが付き物です。PowerPointを使って顧客の目の前でプレゼンテーションを行う場合でも、ビデオ会議でホストを務める場合でも、現代の営業担当者が成果を上げるには、技術面にも強くなくてはなりません。

そこで、社内のITエキスパートに1時間ほど時間を取ってもらい、トラブルシューティングの方法を教わりましょう。インターネット接続の問題や、フリーズした画面の直し方など、よくある技術的な問題に対処できるようにしておきます。
 

10. 人との関係作りがうまい

言うまでもありませんが、営業担当者はだれとでも信頼関係を築けなければなりません。優秀な営業担当者は、まったくの初対面の人とも会話のきっかけをつかみ、相手の心を開くことができるうえ、聞き上手でもあります。

営業テクニックに詳しい信頼できるメンターを見つけて、良好な関係作りの極意を教えてもらいましょう。打ち合わせの前の下調べや、場を和ませるためのジョーク、フォローアップのための巧みな質問など、長年経験を積んだ先輩社員の教えは、どんなことでも優れた教材となってくれます。

優れた営業成績を収めるために必要なことをおわかりいただけたところで、ご自身が既に持っている資質と、改善すべきところを考えてみましょう。努力を続ければ、チームの中で「断トツの」とまでは行かないにしても、トップレベルの営業担当者になれるはずです。

優秀な営業担当になるには、相手企業がどのような営業を求めているかを知ることも重要です。HubSpotでは、「日本の営業に関する意識・実態調査2023」を発表しています。

例えば、買い手が購買の判断要素として最重要視しているのは「信頼できる企業であること」だという結果が出ています

10. 人との関係作りがうまい

商品やサービスを購入する際に重視する要素として「信頼できる」ことが2022年に引き続き1位となっており、ポイントも8.1増加しています。優れた営業担当になるためには、買い手との関わり方の質を高めていくことが重要になることが分かります。

さらなる調査結果については、以下のページをご覧ください。

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