「独自の機能を持ったオリジナルCRMを導入したい…でも、どうやって構築するのだろう?」
初めてのCRM導入ポイント解説
顧客管理の課題を解決したいBtoB事業者様向けCRM導入のポイント※こちらの資料内容はHubSpotが2023年1月19日に開催したウェビナーの動画とeBookです。
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自社にとって最適な機能を開発してCRM構築をしたいと考えた際に、選択肢のひとつとしてあげられるのが「オリジナルのCRMを構築する」ではないでしょうか。
オリジナルのCRM構築は、主に「自社で開発」もしくは「ベンダーに依頼する」の2つの方法でおこなえます。
どちらの方法を選ぶかで、費用や開発までの期間、そして自社の負担が大きく変わってくるので、それぞれの特徴を理解しておかなければいけません。
ただし、オリジナルのCRM構築は多額の費用が必要になるため、どの企業にもおすすめというわけではないので注意が必要です。
オリジナルでCRM(顧客関係管理)を構築するべきか考える際には、以下の判断基準を段階をふみながら考えてみましょう。
オリジナル構築すべきかの4段階の判断基準
ステップ1:独自の機能を開発・運用したいか
ステップ2:まとまった金額の初期費用・運用費用を確保できるか
ステップ3:IT知識のある専門部署を社内に設置できるか
ステップ4:厳格なセキュリティで情報を守りたいか
オリジナルのCRM構築は、開発の自由度が高いものの、多額の費用面などを考えるとCRM導入のハードルが高いのも事実です。
近年では豊富な機能を搭載しているクラウド型CRMも増えており、コストを抑えてCRM導入をすることもできるでしょう。
だからこそ、すぐにオリジナルCRM構築をスタートするのではなく、しっかりクラウド型CRMと比較検討するべきです。
そこでこの記事では、オリジナルCRM構築をすべきか判断できるように、構築方法についての基礎知識を中心にお伝えしていきます。
この記事でわかること
- オリジナルCRMの構築方法2つがわかる
- オリジナルCRM構築が向いている企業の特徴を理解できる
誰しもが、ビジネス全体の業務効率を向上するためにCRM導入を検討しているからこそ、構築段階で悩みすぎて時間がかかってしまったり、失敗したくないものです。
ぜひこの記事を参考に、自社にとって最適な構築方法でCRMを導入できるように準備していきましょう。
1. CRMをオリジナルで構築する方法は2つ
CRM導入を考えた場合、すでにシステムが構築されており搭載機能も決まっているCRMではなく、より自社に最適なオリジナルのCRMを構築することも可能です。
オリジナルのCRMは、主に「自社で開発する」か「ベンダーに依頼する」のいずれかの方法で構築できます。
ある程度の事業規模の企業の場合、手軽に導入できるCRMではなく、より自社に最適なシステムや機能を搭載したCRMを構築したいと考えているかと思います。
基本的には、自社開発とベンダー開発どちらを選んだ場合でも、より柔軟なシステム・機能構築が可能でし。
ただし、ウェブサイト構築と同様に「誰が」システム構築をするのかで、費用面/構築期間/構築手段/運用方法などが大きく変わってきます。
ケースによっては、会社の組織体制を変える必要も出てくるかもしれません。
オリジナルでのCRM構築は、しっかりと比較検討したうえで、構築豊富の段階から考えていくべきです。
そこで次章からは、自社開発とベンダー開発の違いについてわかりやすくお伝えしていきます。
2. 【オリジナルCRMの構築方法1】自社で開発する場合
社内でITの専門部署などがあり、システム構築等をおこなえる場合は、オリジナルCRMを自社で開発できます。
オリジナルのCRMを自社で開発する場合の特徴は、主に以下のとおりです。
自社で開発 |
|
---|---|
導入費用 |
・人件費 費用を抑えることも可能だが、社内での人件費などを総合的に見ると高額になりやすい |
導入期間 |
数ヶ月以上〜長期になる傾向がある |
運用費用 |
・サーバー維持費 利用人数によって変動するライセンス費用などが必要ないので、費用を抑えられる |
設置場所 |
自社サーバー(オンプレミス) |
主な手段 |
・フルスクラッチ |
自社の人材設置 |
・開発のための専門部署が必要 |
システム管理面 |
システムメンテナンスや追加機能開発などすべてを社内で行わなければいけない |
セキュリティ面 |
自社でセキュリティ維持に努めなければいけない |
社内負担 |
非常に大きい |
自社で開発する場合、
- ゼロからソースコードを記述しながら、システムを構築していく「フルスクラッチ」
- 第三者が開発したCRMのソースコードを無料で活用できる「オープンソース」
などの手段を活用して、オリジナルでCRM構築をおこなえます。
システム・機能開発の制限はほぼないといえるので、より自由度の高いCRM構築ができるでしょう。
ただし、いずれの場合も、社内にITの専門部署があり、専門知識のある人材がシステム構築・管理などを継続的におこなわなければいけません。
2-1. メリット
オリジナルのCRMを自社で開発する場合のメリットは、主に以下のとおりです。
自社で開発するメリット4つ
- より社内の意見を反映させた、自社に最適な機能を開発できる
- 予算にあわせて、柔軟にCRM構築をすすめていける
- 追加機能が欲しい時に、社内ですぐに対応ができる
- 導入費用は高額になりやすいが、運用コストを大幅に抑えられる
オリジナルのCRMを自社で開発した場合、機能開発の自由度が高いという点と並んでメリットとしてあげられるのが、長期的にみたコストパフォーマンスの良さです。
自社で開発する場合は、下記のような費用が発生ない場合がほとんどでしょう。
- ベンダーへの保守管理費用
- CRM利用のためのライセンス費用
- ベンダーへの追加機能開発費用
ベンダーに依頼した場合や、クラウド型CRMを利用した場合は、毎月一定額の費用が発生しますが、自社で開発する場合は基本的にサーバー維持費のみです。
たとえ利用人数が増えたり、機能を新たに追加開発した場合でも運用コストは大きく変動しない点は大きなメリットといえるでしょう。
2-2. デメリット
オリジナルのCRMを自社で開発する場合に考えられるデメリットには、以下のようなものがあげられます。
自社で開発するデメリット4つ
- 社内に開発専門部署や、高い専門知識とスキルのある人材が必要になる
- 社内の人材だけでは、開発できることに偏りが出てしまうケースが多い
- セキュリティ維持や追加機能開発の負担が大きい
- 他のCRMに乗り換える際に、手間がかかる
自社で開発する場合の大きなデメリットは、すべての構築作業・管理作業などを社内の人材で行わなければいけないという点です。
システム開発だけでなく、導入後のシステムメンテナンスやセキュリティ管理など、専門知識のある人材でなければ対処ができないケースも多発するでしょう。
常に臨機応変に対応をしなければいけないので、社内での負担も大きくなってしまいます。
もちろん、システム開発会社のように、すでにシステム構築の専門知識や経験がある企業であれば、比較的デメリットも少なくCRM構築をすすめていけるでしょう。
しかし、システム開発の経験が少ない自社で開発しようとすると、CRM構築だけではなく構築後の運用中の負担も膨大なものとなってしまいます。
3.【オリジナルCRM構築の方法2】ベンダーに依頼する場合
オリジナルのCRM構築は、システム開発の専門業者であるベンダーに依頼して構築することもできます。
ベンダーによるCRM構築の特徴は、以下のとおりです。
ベンダーに依頼 |
|
---|---|
導入費用 |
・サーバー代 数十万円〜500万円以上を超える場合もあり、依頼するベンダーによって費用は大きく変わる。 |
導入期間 |
数ヶ月程度 |
運用費用 |
・サーバー維持費 毎月数万円〜数十万円かかる場合がある |
設置場所 |
自社サーバー(オンプレミス) |
主な手段 |
・フルスクラッチ |
自社の人材設置 |
・ベンダーとやり取りをする担当者が必要 |
システム管理面 |
ベンダーに保守管理を依頼する場合がほとんどで、社内対応の必要はない |
社内負担 |
比較的軽い |
ベンダーにオリジナルのCRM構築を依頼する場合、
- ゼロからシステム構築していく「フルスクラッチ」
- 第三者が開発したCRMのソースコードを活用する「オープンソース」
- ベンダーがすでに開発しているCRMシステムのソースコードを使ってアレンジする「パッケージ」
などの手段を活用して、CRM構築が可能です。
依頼するベンダーによって、どのような手段を使ってCRM構築をするのかが変わり、費用も大きく変動します。
そのため、どのベンダーにオリジナルのCRM構築を依頼するのか、しっかりと比較検討しなければいけません。
3-1. メリット
システム開発に特化したベンダーにCRM構築を依頼する場合、以下のようなメリットがあると考えられます。
ベンダーに依頼するメリット4つ
- 社内に専門知識のある人材がいなくても、問題なくシステム開発してくれる
- 追加機能が必要な場合でも、機能開発を任せられる
- 開発期間がダラダラと長期になりすぎない
- 専門家の視点から、自社に最適なCRM構築を提案してもらえる
ベンダーにCRM構築を依頼する大きなメリットは、たとえ自社に専門知識のある人材がいない場合でも、安心してシステム構築を任せられるという点でしょう。
「こんな機能が欲しいけれど、開発できるだろうか?」
「もっと業務効率をあげたいけれど、どんな機能があればいいのだろう?」
「セキュリティ面が不安だけれど、大丈夫?」
そんな企業の悩みをヒアリングしたうえで、最適な独自のCRM構築を提案してくれます。
自社に専門部署や人材はいないけれど、独自機能をもったCRMを構築したいと考えている企業の可能性を広げてくれるのが、ベンダーに依頼してCRMを構築する方法です。
3-2. デメリット
オリジナルのCRM構築をベンダーに依頼するデメリットは、以下のとおりです。
ベンダーに依頼するデメリット4つ
- 自社開発よりも開発・導入費用が高くなる場合が多い
- ベンダーのスキル次第で、求めている機能の品質が期待できない場合もある
- CRM導入後の追加機能開発には、別途費用がかかる
- 保守管理費用などの運用コストがかかる
ベンダーに依頼してCRM構築をおこなう場合、さまざまな費用が発生してしまうため、トータルでみた際のコストが、自社開発よりも高額になる場合がほとんどです。
毎月の運用コストが高額になってしまうと、長期的な運用が難しくなってしまう可能性もあるため、予算計画をしっかり立てておく必要があります。
4. CRMのオリジナル構築が向いているかを判断するステップ4つ
独自のシステムや機能を搭載した、オリジナルのCRMの構築方法がわかってきたところで、改めて「本当に、オリジナルでCRMを開発するべきなのか」を考えてみましょう。
自社にとって、CRMのオリジナル構築が向いているか判断したい場合は、下記のステップに沿って判断基準を段階別で確認してみるのがおすすめです。
オリジナル構築すべきかの4段階の判断基準
ステップ1:独自の機能を開発・運用したいか
ステップ2:まとまった金額の初期費用・運用費用を確保できるか
ステップ3:IT知識のある専門部署を社内に設置できるか
ステップ4:厳格なセキュリティで情報を守る必要があるか
「自社で開発」と「ベンダーに依頼」のどちらを選んだとしても、手軽に導入できるCRMツールと比較すると、費用が高くなるだけでなく自社の負担も大きくなってしまいます。
そのため、オリジナルのCRM構築はハードルが高いのも事実なのです。
システム構築をスタートしてしまうと、「やっぱり、オリジナル構築はまだ早いかも」と気づいても、開発を止められなくなっているかもしれません。
高額の費用をかけて後悔しないためにも、オリジナルCRM構築をするべきかしっかりと判断できるように、ステップで順序よくみていきましょう。
4-1. ステップ1:独自の機能を開発・運用したいか
オリジナルのCRM構築が向いているかの最初の判断基準は、独自の機能を開発・運用したいかどうかです。
一般的なCRMツールには搭載されていない機能で、「この機能があれば、業務効率が改善するのに」と考えているものがある場合は、オリジナルCRM構築が向いています。
たとえば、以下のようなケースです。
- 特殊な業界で利用する機能が欲しい
- 自社特有の課題を解決してくれる機能が欲しい
- 自社が求めるニーズを100%満たしてくれる機能が欲しい
「他のCRMツールを調べたけれど、求めている機能が搭載されていない」と悩んでいる場合は、自社のニーズに合わせた機能を開発するのも選択肢となるでしょう。
導入したい機能を搭載したCRMツールが見つからない場合は、独自の機能を搭載したオリジナルCRMの構築が選択肢となるでしょう。
反対に、独自機能は必要ないけれどCRMを導入したい場合は、よりコストを抑えて導入できる一般的なCRMツールを検討してみるのもおすすめです。
4-2. ステップ2:まとまった金額の初期費用・運用費用を確保できるか
大前提として、オリジナルのCRM構築には多額の開発費用が必要になってくるため、まとまった金額の初期費用を確保できるかどうかも判断基準となります。
独自機能開発のためにオリジナルCRMを構築するのであれば、しっかりと予算を確保して構築をすすめていかなければいけません。
「自社で開発」と「ベンダーに依頼」どちらの場合でも、必要となる費用は以下のように幅広いのが現実です。
- 初期費用:数十万円〜500万円以上
- 運用費用:数万円〜数十万円以上
もちろん、システム・機能開発にこだわるほど初期費用は高額になります。さらに運用費用は、サポートの範囲やセキュリティ対策にかかる費用、追加機能の開発などで変動してしまうのです。
このように多額の費用が必要になるため、オリジナルのCRM構築にしっかりと予算を確保できる企業に向いています。
「独自機能は欲しいけれど、予算確保に不安がある…」という場合は、豊富な機能をカスタマイズできるようなCRMツールも選択肢として挙げておきましょう。
4-3. ステップ3:IT知識のある人材や専門部署を設置できるか
CRMのオリジナル構築は、社内にIT知識のある人材の配置もしくは専門部署の設置が欠かせません。
なぜなら、どちらの構築方法を選んだ場合でも、システム開発をおこなう人材や臨機応変にトラブルに対処できる人材が必要となるからです。
自社で開発する場合は、もちろんシステム開発を担当する専門部署が必要となります。ベンダーに依頼する場合も、ある程度のIT知識のある人材を担当者として配置するべきでしょう。
通常業務に加えて、オリジナル構築したCRMツールの管理業務などをおこなうことを前提に、社内人材の配置についてもしっかりと考えておくべきです。
4-4. ステップ4:厳格なセキュリティで情報を守りたいか
最後に忘れてはいけないのが、CRMで管理する情報をどれほどのセキュリティレベルで保護したいのかどうかです。
オリジナルのCRMでは、顧客情報だけでなく社内の機密情報等も管理していくというケースも少なくありません。
そのため求められるセキュリティレベルによって、どの手法でオリジナルCRM構築をすべきかが変わってきます。
より具体的なオリジナルCRM構築をしていくために、必ず考えなければいけない要素でもあるので、判断を間違えないようにしなければいけません。
たとえば、厳格なセキュリティで情報を守りたい場合は、インターネットを介さずにCRM管理ができるタイプを選びましょう。
反対に、そこまで厳格である必要はない場合は、クラウド型などを選ぶことで、ある程度のセキュリティレベルで十分なケースもあるのです。
企業規模が大きくなる程、社内で取り扱っている情報量も増えるからこそ、セキュリティレベルを意識したオリジナルCRMを構築できるようにしておきましょう。
5. 自由度の高いオリジナルCRMの構築だが、近年ではクラウド型を採用する企業も増えている
オリジナルCRMの構築の特徴と向いている企業がわかってきたことで、自社にとって本当にオリジナルCRMの構築が現実的であるか、客観的に考えられたのではないでしょうか。
以前までは、独自システムや機能を搭載したCRMを構築したい時に、挙げられる主な選択肢がオリジナルのCRM構築でした。
しかし、近年ではクラウド型のCRMにも豊富な機能や外部サービス連携が提供されており、カスタマイズ性の高いCRM構築が可能になったのをご存じでしょうか。
実際に、クラウド型と自社サーバーに設置するオリジナルCRM(オンプレミス型)の市場規模を比べると、以下のようなデータが出ています。
出典:デトロイトーマツミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2022年度版クラウド型CRM市場編 (第6版)」
上記のデータは、2022年9月段階での数値ですが、予測値だけみても自社サーバーにシステムを構築するオンプレミス型よりも、クラウド型の導入が増えているのです。
クラウド型のCRMにも、業界に特化した機能を搭載したCRMや、成長フェーズにあわせて柔軟に機能をカスタマイズできるCRMも増えています。
ケースによっては、自社で新たな機能を構築する必要もない可能性があるのです。
だからこそ、すぐにオリジナルCRMの構築を始めるのではなく、コストを抑えて始められるCRMツールについて調べてみましょう。
もしかすると、より費用対効果が高く、かつ求めている機能を搭載したCRMに出会えるかもしれません。
さまざまなCRMツールを比較して検討してみたいという方は、ぜひ下記リンクより、CRMツールの徹底比較記事を参考にしてみてください。
6. 独自のCRMならオリジナル構築だが、クラウド型でもカバーできる可能性大!
この記事では、独自のシステムや機能を搭載したオリジナルCRMを構築するための方法について、具体的に解説してきました。
オリジナルのCRM構築は、主に「自社で開発」もしくは「ベンダーに依頼する」ことで開発できますが、最近ではクラウド型CRMでもニーズにあった機能を搭載できます。
まずは、さまざまなCRMツールを比較したうえで、本当にオリジナル構築するべきなのかを検討してみるべきです。
ぜひこの記事で解説した内容を参考に、自社にとって最適なCRMの構築方法を選んで行けるようにしていきましょう。