CRM(顧客関係管理)ツールは、顧客の属性データや行動履歴などの情報を一元管理するためのツールです。ダッシュボードやコミュニケーション機能によって情報共有を行えるほか、分析データを活用してマーケティング活動を最適化できます。

CRMツールには数多くの種類が存在するため、自社に合うものを選択できずに悩んでいる担当者もいらっしゃるでしょう。ツール選択を成功させるには、ツールを活用して何を実現したいのか、目的を明らかにして比較することが重要です。
本記事では、CRMツールを比較するポイントや導入前に確認すべきこと、代表的な16のツールについて表をまじえてご紹介しています。自社に合う適切なCRMツールを選ぶ際の参考にご活用ください。
CRMツールの選び方のポイント

CRM(顧客関係管理)ツールとは、顧客と良好な関係を築けるよう、顧客情報を一元管理するためのツールです。顧客や見込み客のデータ管理・分析、メール配信、カスタマーサポート情報の記録などの機能が搭載されています。
従来の日本は、海外に比べてCRMツールが浸透しているとはいえない状態でしたが、DX推進やICTの重要性の高まりとともに、国内企業でも導入が進みつつあります。IT専門のリサーチ会社であるIDC Japan株式会社の「国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア市場および国内CRMアプリケーション市場予測」によると、国内CRMツール市場は2021~2026年において年間平均成長率10%で推移し、2026年には約2,917億円に達すると予測されています。
CRMツールで営業・マーケティング活動を最適化するためには、単に情報を集約するだけではなく、分析データを活かせるように整形する必要があります。また、CRMツールは継続的に利用してはじめて効果を発揮することから、慎重に選び分けることが大切です。
ここでは、自社に適したCRMツールの選び方について7つのポイントをご紹介します。
すでに選び方のポイントをおさえている方は、次章「【特徴別】代表的なCRMツール15選」をご覧ください。
対応範囲・連携できるツール
CRMツールにはベンダーの思想が現れやすく、開発思想の起点(営業組織や顧客、カスタマーサポートなど)によってツールの対応範囲に大きな違いがあります。
例えば、顧客データベースの作成・管理に重点を置くツールもあれば、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)まで幅広くカバーするものもあります。そのため、各ツールの機能をもとに対応範囲を明確にし、自社の目的に合うものを選択することが大切です。
CRMツールには次のような機能が搭載されています。
- 顧客情報の管理・分析機能
顧客の属性や連絡先、やり取りの内容を一元管理、条件別に顧客をセグメント化、顧客リストの作成など
- マーケティング機能
Webサイトのアクセス解析、入力フォーム・ランディングページ作成、メール配信、広告管理など
- 営業支援機能
営業活動の進捗管理、スケジュール調整、売上予測など
- カスタマーサポート機能
通話ログや問い合わせ内容の記録、レポート作成、FAQ作成、チャットボット実装など
また、外部システムとの連携によって対応範囲を拡大できるツールもあります。例えば、CMS(コンテンツ管理システム)との連携でWebサイトのアクセス情報をスムーズに収集したり、コールセンターシステムとの連携によって顧客情報と応対履歴を紐付けたりするイメージです。
CRMツールを選ぶ際は、対応範囲と連携可能なツールを確認すると良いでしょう。
インターフェースの操作性
CRMツールを導入する前に、必ずユーザーインターフェース(UI)の操作性を確認しましょう。操作性が悪いと、利用者のストレスが溜まり、利用率が低下してしまう可能性があります。また、導入後に他社のCRMツールに乗り換えるのは困難です。
操作性の確認は、決裁権を持っている人だけではなく、実際に操作する従業員が直接ユーザーインターフェースに触れるようにしましょう。無料でシステムを試用できるトライアル期間中に、複数人で操作性を確認するのが理想です。
カスタマイズ性
CRMツールの選定は、カスタマイズ性も重要な要素となります。
CRMツールのユーザーインターフェースや搭載機能は、あくまで標準的な仕様であり、必ずしも自社の業務スタイルに合うとは限りません。カスタマイズ性の高いCRMツールなら、自社の業務スタイルに合わせて操作感を変更したり、業務に必要な機能を拡充したりできるので、より操作性が向上します。
例えば、データの項目数や名称、画面のレイアウトなどを自由に変更できるCRMツールは、自社の用途に応じたカスタマイズがしやすいといえるでしょう。さらに、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でカスタマイズできるなら、内容変更時の利便性が高まります。
また、自社ですでに何らかのシステムを導入している場合は、そのシステムとの連携可否なのか、新たに開発の余地はあるのかによって選び分けることも大切です。CRMツールと別のシステムを別々に使うよりも、連携するほうが業務の効率性が向上します。
ただし、カスタマイズ性に優れたCRMツールは利用料が高くなるケースもあるため、費用対効果のバランスを見極めることが重要です。
セキュリティレベル
顧客情報を扱うCRMツールにとってセキュリティは特に重要です。セキュリティの不備によって外部に情報が流出した場合、自社の信用に大きな悪影響を与えます。
一般的にCRMツールのセキュリティ内容は、公式サイトで確認可能です。少なくとも次のような機能を持つCRMツールを選ぶと良いでしょう。
- データの暗号化・定期的な自動バックアップ
- 操作ログやアクセス履歴の記録
- IPアドレスによるアクセス制限
- 利用範囲の制限
- 多要素認証
利用者が用意したサーバーにベンダーが提供したツールをインストールして利用するオンプレミス型CRMではなく、インターネット上でサービスを利用できるクラウド型CRMを導入する際は、より入念にセキュリティレベルを確認しましょう。クラウド型CRMは、ベンダー側のサーバーにセキュリティが依存してしまうためです。
導入サポート
さまざまな機能が搭載されていることの多いCRMツールだからこそ、既存の業務フローに加えて安定して運用できるまでに時間がかかる場合があります。しかし、ベンダーによるサポートがあれば安心です。
CRMツールを選ぶ際は、事前にベンダーのサポート体制を確認すると良いでしょう。ベンダーによっては、初期設定や利用方法の説明などのサポートを行っています。また、操作マニュアルやFAQの充実度をチェックすることも大切です。
費用対効果のバランス
費用対効果のバランスを見極めることも大切です。
CRMツールの価格は、対応範囲や搭載機能によって異なります。CRMに加えてSFAやMAまでカバーしているツールほど、高額になります。
CRMツールによっては、SFAやMAの機能を外部システム連携によって拡張できることもあるため、すでにSFAやMAのシステムを導入している場合は、必要最低限の機能を持つCRMでも十分に効果を発揮できるかもしれません。
まずは複数のツールの料金体系と機能を比較し、採算性を検討すると良いでしょう。
トライアルの有無
ツールを一度導入した後で乗り換えを検討するのは、費用面だけでなく、顧客情報の移行の手間がかかります。自社にとって必要な機能が実際に使えるか、社内で問題なく運用できるかを、導入前の無料トライアル期間中に確認しましょう。
【特徴別】代表的なCRMツール15選


〇:製品情報ページに記載あり
★:同社が提供する他プラン・ツールで利用可能
ー:製品情報ページに記載なし
CRMツールは、製品によって特徴や強みが異なります。ここでは、次の特徴に分けて15種類のCRMツールをご紹介します。
CRMからMAまで、網羅的な機能が強み
まずは、CRMからSFA、MAまでの網羅的な機能を備えたCRMツールをご紹介します。

【特徴】
- 「カスタムオブジェクト機能」で、デフォルトの設定にない顧客情報を追加できる
- CRMの成果を出す方法を学べる「Trailhead」という独自コンテンツが充実している
Sales Cloud(セールスクラウド)は、業界トップシェアを誇るCRMツールです。自社のビジネス形態や業務スタイルに合わせて、ツールを柔軟にカスタマイズできるのが特徴です。
例えば、「カスタムオブジェクト機能」を使うことで、顧客の氏名やメールアドレス、取引履歴などの情報に加え、自由な項目を追加して管理を行えます。不動産であれば「物件」、広告代理店であれば「媒体」情報を管理するイメージです。
ただし、複雑なカスタマイズは専門知識がないと難しい場合があります。カスタマイズを前提にCRMツールを導入する場合は、社内の運用体制を事前に確認しましょう。マーケティング機能を拡張したい場合は、同社が提供するMarketing Cloudや外部ツールのPardotとの連携がおすすめです。

【特徴】
- CRM機能は無料で利用可能
- 見込み客のトラッキングから、顧客のアフターフォローまで網羅
- マーケティング、営業、カスタマーサービス各部門の課題に応じて機能を拡張できる有料プランを提供
HubSpot(ハブスポット)は、「顧客に先に価値提供して自社と、良好な関係を構築していく」という「インバウンド」の思想を提唱する企業です。
インバウンドの思想を実現できるよう設計された統合型CRMプラットフォーム「HubSpot CRM」には、顧客を理解し、適切な情報提供やアプローチ、サポートを実行するための機能が揃っています。CRMで顧客情報を一元管理し、必要に応じてMAなどの機能を搭載したマーケティング部門向けのツール、営業部門向けのSFAツールをセットで利用します。
Webサイトの閲覧履歴や資料のダウンロード履歴、営業担当者との商談内容や、カスタマーサポートへの問い合わせ内容など、各部門での顧客の行動履歴を一元管理できるため、一人ひとりの顧客のニーズを推測しやすく、個別最適化したアプローチをしやすいのが特徴です。
CRM機能は無料で提供しており、マーケティングや営業など各部門向けのツールは一部機能が無料で提供されており、より拡張して使いたい場合は有料プランが適用されます。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
無料
※Marketing HubやSales Hubなどのプランは6,000円~
- 主な機能:
顧客情報の管理
メールマーケティング
ランディングページ作成
チャットボット
Web広告管理
SNS配信管理
商談履歴の記録
サポートチケット管理
- トライアルの有無:
14日間
- 外部ツールとの連携:
メールソフト
会計ソフト
グループウェア
コールセンターシステム
カレンダー
- 公式サイト:
https://www.hubspot.jp/products/crm

【特徴】
- 導入費用が一切かからず、月額料金が安価
- 同社の他ツールと連携することで、ソーシャルメディア上での顧客とのコミュニケーション内容も、顧客情報として一元管理できる
Zoho CRMは、月額料金の安さにもかかわらず基本機能が充実しており、費用対効果の高いCRMツールです。過去に他のツールの導入経験があり、より専門的な機能を求める方におすすめです。
同社が提供する別のツールとの連携によって、さらに機能を拡張できます。
例えば、無料で利用できる「Zoho SalesIQ」との連携により、Webサイト上にチャット機能を実装できます。Webサイトのアクセス解析を行いたい場合は、「Zoho Marketing Hub」との連携が便利です。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
無料プラン:無料(3ユーザーまで)
スタンダード:1,680円/ユーザー
プロフェッショナル:2,760円/ユーザー
エンタープライズ:4,800円/ユーザー
アルティメット:6,240円/ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
商談管理
メール配信
ワークフローの自動化
分析レポート
- トライアルの有無:
15日間
- 外部ツールとの連携:
メールソフト
表計算ソフト
連絡先管理ツール
カレンダー
- 公式サイト:
https://www.zoho.com/jp/crm/
CRM・カスタマーサポート機能が強み
CRM・カスタマーサポート機能に強みを持つツールには、顧客情報の管理に加えて、サポート内容の記録やチャットなど、顧客との関係構築に必要な機能が搭載されています。

【特徴】
- 通話の記録・録音・メモを残す機能など、電話営業機能が充実している
- APIが豊富で、普段使用している外部ツールと連携しやすい
Zendesk(ゼンデスク)とは、デンマーク発祥のカスタマーサポート機能に優れたコミュニケーションツールで、AirbnbやUberなどBtoC業界で広く導入されています。「Zendesk sell」は、数あるZendeskのツール群のひとつです。
営業支援機能はもちろん、メールや電話での応対履歴を記録できます。顧客情報と応対履歴を組み合わせて分析することで、ニーズに合う商品開発やカスタマーサポートの品質改善につながります。
また、メールテンプレートを無制限に作成・保存できるため、効率的に顧客とコミュニケーションを取ることができます。
マーケティング機能を実装させたい場合は、既存のMAと外部システム連携をすると良いでしょう。Zendesk sellはAPIが豊富なため連携できる範囲が広く、メールソフトやコールセンターシステムなども紐付けられます。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
Team:19ドル/ユーザー
Growth:49ドル/ユーザー
Professional:99ドル/ユーザー
※年間契約時の料金
- 主な機能:
顧客情報の管理
売上予測
メールテンプレート・一斉送信
カレンダー統合
コールトラッキング・通話録音
- トライアルの有無:
14日間
- 外部ツールとの連携:
MA
メールソフト
ビジネスチャット
コールセンターシステム
- 公式サイト:
https://www.zendesk.co.jp/sell/

【特徴】
- ツール画面に専門用語が用いられておらず、シンプルなデザインで使いやすい
- アンケート配信機能を利用できる
Synergy!(シナジー)は、顧客管理に必要な機能を厳選したCRMツールです。顧客情報のデータベース作成とフォーム作成が基本機能に含まれ、必要に応じてメールやLINE配信機能、アンケート作成機能を追加できます。
ツール画面には必要な機能のメニューのみが並び、専門的なマーケティング用語がほとんど用いられていないなど。マーケティングに関する知識が少ない方でも使いやすい仕様です。
サポート体制も整っており、操作方法や設定方法がわからない場合は無料で相談できます。初めてCRMツールを導入する方でも安心して導入できるでしょう。
- 導入価格(税抜):
118,000円
- 料金プラン/月(税抜):
基本機能:15,000円~
※メール配信やアンケート機能の利用には、別途有料プランの契約が必要
- 主な機能:
顧客情報の管理
入力フォーム作成
アンケート作成
メール配信 広告連携
- トライアルの有無:
14日間
- 外部ツールとの連携:
メールソフト
ビジネスチャット
表計算ソフト
- 公式サイト:
https://www.synergy-marketing.co.jp/
SFA機能が強み
SFA(営業支援システム)とは、商談の進捗や案件の内容、担当者ごとのタスク・スケジュールなどを管理するためのツールです。SFA機能が搭載されているCRMツールは、営業活動の情報と顧客データを紐付けられるため、営業とマーケティングの部署間での連携を効率的に行いたい場合に役立ちます。

【特徴】
- 担当アドバイザーによる個別アドバイスや研修サービスなど、導入から運用までのフォロー体制が充実している
- 「地図機能」「人脈管理機能」といった便利な営業支援機能が充実
- クラウド型とオンプレミス型を選べる
eセールスマネージャーRemix cloudは、営業を効率化するための便利な機能が充実しているCRMツールです。具体的には、マップ上で訪問先の情報を登録できる「地図機能」や、各取引先の決裁者や担当者との関係性を可視化できる「人脈管理機能」などが備わっています。オプションを契約すれば、蓄積されたデータをリアルタイムでクロス集計したりグラフ化したりできるようになります。
また、サポート体制が充実しており、導入サポートや、約3か月の短期間で運用を定着させる稼働サポート、活用レベルに応じた定着サポートなど、自社の状況にあったサポートプランが利用可能です。
無料トライアルの期間は30日間あるので、操作性や機能性をじっくりと検討しながら選べるメリットがあります。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
スケジュールシェア:3,000円/ユーザー
ナレッジシェア:6,000円/ユーザー
スタンダード:11,000円/ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
商談管理
スケジュール管理
日報・週報作成
- トライアルの有無:
30日間
- 外部ツールとの連携:
MA
ビジネスチャット
Web会議システム
オンラインストレージ
CTI
- 公式サイト:
https://www.e-sales.jp/

【特徴】
- 案件ボード上に案件情報をカンバン形式で表示・管理できる
- 運用定着を支援するプランやツールから問い合わせができるチャット機能があり、サポートが充実している
Senses(センシーズ)は、営業案件の進捗を視認しやすく共有機能にも優れているため、営業現場での使いやすさに定評があるCRMツールです。
案件情報をカンバン形式で管理できる案件ボードでは、進捗状況によってカンバンの色を変えたり、アラートを出したりすることで、全案件の進捗状況を即座に把握できます。そのため、進捗が滞っている案件を把握しやすく、タスクの抜け漏れ防止に役立ちます。
また、Google カレンダーとの連携により、ツールを導入していない部署間とのスケジュール共有も可能です。
運営会社である株式会社マツリカが提供する「Notia(ノーティア)」というツールを連携させると、重要顧客のメールの仕分けを自動的に行えます。さらに、メールの開封タイミングや平均返信時間なども確認できるため、メールマーケティングやカスタマーサポートにも効果的です。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
Starter:27,500円/5ユーザー
Growth:110,000円/10ユーザー
Enterprise:330,000円/20ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
案件管理
スケジュール管理
名刺管理
分析レポート
- トライアルの有無:
14日間
- 外部ツールとの連携:
MA
ビジネスチャット
請求書発行システム
グループウェア
名刺管理ソフト
- 公式サイト:
https://product-senses.mazrica.com/

【特徴】
- 地図アプリに顧客情報や訪問頻度などのCRMデータを表示できる
- 営業訪問先での滞在時間や活動記録が自動で入力される
- 現在地付近の顧客の検索や自動抽出により、空き時間を効率的に使える
UPWARD(アップワード)は、地図アプリやGPS機能が搭載されており、営業活動に役立つツールです。東証プライム市場に上場する企業を中心に約300社の導入実績があります。
UPWARDに顧客情報を登録しておくと訪問履歴や頻度、取引先の属性などの情報を地図上に表示でき、タップ操作だけで容易に営業ルートを構築できる機能を搭載しています。
また、訪問時の滞在先を位置情報から検知し、商談にかかった時間や活動記録が自動で入力されるので、担当者は商談前後の負荷を最小限に抑えられコア業務に集中できるようになるでしょう。
- 導入価格(税抜):
100,000円
- 料金プラン/月(税抜):
ESSENTIAL:3,800円/ユーザー
STANDARD:7,800円/ユーザー
ENTERPRISE:12,800円/ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
地図表示・周辺検索
電話内容の記録
担当者アサイン
- トライアルの有無:
なし
外部ツールとの連携: CRMプラットフォーム
ビジネスチャット
- 公式サイト:
https://www.upward.jp/

【特徴】
- CRMやSFAに必要な最低限の機能を低価格で利用できる
- 使い方のレクチャーや課題のヒアリングといったサポートが充実
GENIEE SFA/CRM(ジーニー エスエフエー シーアールエム/旧 ちきゅう)は、「多機能で高額なCRMツールを導入しても使いこなせないのでは?」という不安を抱えている方におすすめのCRMツールです。同製品はプランによっては月額1,480円~と、他社のCRMツールに比べて手頃な価格帯に設定されているからです。
顧客情報の管理機能のほか、SFAに搭載されている代表的な機能の多くが備わっています。
導入に際しては、初期設定のサポートや自社の課題についてのヒアリングを無料で受けられ、運用中もチャットやメールによる問い合わせのほか、ヘルプサイトを利用できます。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
ライトプラン:29,800円/10ユーザー
スタンダードプラン:29,800円/10ユーザー
プロプラン:49,800円/10ユーザー
エンタープライズプラン:98,000円/10ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
商談管理
タスク管理
名刺管理
分析レポート
- トライアルの有無:
15日間
- 外部ツールとの連携:
MA
ビジネスチャット
Webフォーム
カレンダー
- 公式サイト:
https://chikyu.net/
MA機能が強み
MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の効率化につながる機能が実装されたツールです。CRMツールにMA機能が搭載されている場合、顧客情報の管理に加え、Webサイトのアクセス解析やフォーム作成、メール配信などを行えます。

【特徴】
- プログラミングスキルがなくてもデータを扱える
- データ分析方法の種類が豊富
- メールやLINEで顧客にメッセージ配信ができる
b→dash(ビーダッシュ)は、CRM機能を搭載したMAツールです。操作性、機能性に優れているため、データを扱うための専門的な知識がなくても、顧客データの取り込みから分析、活用までの業務を行えます。分析できるデータには、プロモーション媒体ごとのコンバージョンへの貢献度(アトリビューション)から、顧客1人あたりの購入金額まで多様な種類があります。
また、LINEやメール、SMSと連携することで、顧客とのコミュニケーションツールとして活用できます。27種類の業種に合わせて多数のテンプレートが用意されているため、より効率的な顧客コミュニケーションを実現したい企業におすすめです。
- 導入価格(税抜):
500,000円
- 料金プラン/月(税抜):
要問い合わせ
- 主な機能:
顧客情報の管理 データ分析
シナリオテンプレート
SNS連携
- トライアルの有無:
なし
- 外部ツールとの連携:
ECサイト構築ツール
グループウェア
名刺管理ソフト
- 公式サイト:
https://bdash-marketing.com/

【特徴】
- お問い合わせ前の見込み客も匿名でトラッキングできる
- 複数サイトのドメインをまたいで顧客情報を管理できる
- 条件に合わせて顧客をセグメントできる
SATORI(サトリ)は、Webサイトでのトラッキング機能に定評があるCRMツールです。
最大の特長は、情報を得ていない見込み客でも匿名でトラッキングできる点です。複数のドメインをまたいで顧客情報を管理できるので、Webサイト上での見込み客の行動を可視化し、アプローチ方法の改善に活かせます。
また、データベースを設計する手間がかからないのもメリットです。最短即日でツールを導入できるため、なるべく早めに運用をスタートしたい方に向いています。
マーケティング機能に特化しているため、営業支援機能も使いたい方は、外部のSFAツールとの連携もあわせて検討すると良いでしょう。
- 導入価格(税抜):
300,000円
- 料金プラン/月(税抜):
148,000円~
※年間契約時の料金
- 主な機能:
顧客情報の管理
Webページ作成
入力フォーム作成
メール配信
プッシュ通知
- トライアルの有無:
30日間
- 外部ツールとの連携:
CRM
SFA
グループウェア
- 公式サイト:
https://satori.marketing/

【特徴】
- オプション設定のみでSFA機能を組み合わせられる
- ヘルプページや専任スタッフによるサポートが充実している
Kairos3 Marketing(カイロススリー・マーケティング)は、豊富なcrm機能を搭載したMAツールです。顧客情報の管理はもちろん、フォームやランディングページの作成、メール配信、スコアリングといったマーケティング活動に必要な一通りの機能が揃っています。
同社が提供するSFAツール「Kairos3 SFA」と連携させれば、 CRMとMAに加え、商談管理やスケジュール管理などの機能を実装できます。選択次第でオールインワンのCRMツールに変化するのが特長です。
独自性に強み
CRMツールによっては、顧客管理機能にグループウェア機能を組み合わせたタイプも存在します。グループウェアは、社内業務全般を効率化するためのツールで、コミュニケーション機能や文書管理機能などが充実しています。

【特徴】
- 管理している情報について、社員間でチャットを通じてコミュニケーションをとったり共有したりできる
- さまざまな業務を容易にシステム化できる
Kintone(キントーン)は本来、社内の情報共有や業務の効率化を行うためのグループウェアとして提供されています。一方で、さまざまな業務も容易にシステム化でき、案件などの社外情報も管理できることから、CRMツールやSFAツールとしても活用されています。
顧客情報を入力する際は、各業界に合わせて用意されたテンプレートが役立ちます。テンプレートの項目に沿うだけで、複雑な設定をせずに顧客情報の入力を進められるのがメリットです。
Kintoneにはメール配信機能が備わっていないので注意が必要です。ツールを経由してメール配信を行いたい場合は、同社が提供するサービス「メールワイズ」との連携がおすすめです。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
ライトコース:780円/ユーザー(年額9,170円)
スタンダードコース:1,500円/ユーザー(年額17,640円)
※5ユーザーから契約可能
- 主な機能:
顧客情報の管理
コメント機能
案件管理
日報作成
問い合わせ管理
- トライアルの有無:
30日間(スタンダードコースのみ)
- 外部ツールとの連携:
SFA
MA
表計算ソフト
会計ソフト
請求書発行システム
電子契約サービス
- 公式サイト:
https://kintone.cybozu.co.jp/

【特徴】
- ユーザー数無制限で利用できる
- シンプルなグループウェアの機能で社内情報も管理できる
Knowledge Suite(ナレッジスイート)は、CRMとSFAの機能が備わったグループウェアです。ユーザー数にかかわらず一定の月額料金で利用できるため、事業規模が大きく多数の従業員が在籍する企業におすすめです。
プランによっては容易にSFA機能を実装可能です。
SFA機能が不要な場合は、最もシンプルなグループウェアプランを選ぶと良いでしょう。CRMやグループウェアの機能に加え、名刺管理やスケジュール管理などの機能を実装させたいなら、SFAスタンダードプランが向いています。
SFAスタンダードプランとSFAプロフェッショナルプランは、搭載機能は同じですが、後者のほうが、管理できる名刺の枚数やデータ容量が多くなっています。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
グループウェア:10,000円
SFAスタンダード:50,000円
SFAプロフェッショナル:80,000円
- 主な機能:
顧客情報の管理
入力フォーム作成
メール配信
スケジュール管理
名刺管理
- トライアルの有無:
30日間
- 外部ツールとの連携:
グループウェア
名刺管理ソフト
- 公式サイト:
https://ksj.co.jp/knowledgesuite/

【特徴】
- Microsoft Office製品と互換性があり、連携がスムーズ
- 財務や人事など、顧客情報以外の経営資源を管理できるプランも提供
- クラウド型とオンプレミス型を選べる
Microsoft Dynamics 365 Sales(マイクロソフト ダイナミクス)には、「人・モノ・金」などの経営資源を管理できる「ERP(企業資産管理)」機能が搭載されています。そのため、顧客情報に加えて財務状況や人的リソースを一元管理したい方におすすめです。
Microsoftが提供しているため、Office製品とスムーズに連携できます。普段からOutlookのメールを使っている場合も、メーラーと連携して顧客とのやり取りの内容をツール内に蓄積できます。
メールマーケティングの自動化やフォーム作成など、MAツールとして使いたい方には、Dynamics 365 for Marketingが向いています。
- 導入価格(税抜):
無料
- 料金プラン/月(税抜):
Sales Professional:7,070円/ユーザー
Sales Enterprise:10,330円/ユーザー
Sales Premium:14,680円/ユーザー
Microsoft Viva Sales:4,350円/ユーザー
Microsoft Relationship Sales:17,576円/ユーザー
- 主な機能:
顧客情報の管理
売上予測
分析レポート
フォーム作成
メール配信
- トライアルの有無:
30日間
- 外部ツールとの連携:
メールソフト
表計算ソフト
Web会議システム
スケジュール管理ツール
- 公式サイト:
https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/sales/overview/
CRMツールを導入する前に確認しておくべきこと

決して安価とはいえないCRMツールだからこそ、導入してからの失敗はなるべく避けたいところです。自社の課題を解決できる運用のためには次の3つのポイントを意識しましょう。
1. 自社の課題・導入の目的を明確化する
CRMツールを導入する目的を明確にしておくと必要な機能やオプションを絞り込みやすくなり、より自社に合うツールを選択できます。目的が不明確なままでは単なる顧客リストになりかねません。
導入目的を明確にするためには、課題を明らかにすると良いでしょう。
例えば、会社の規模が大きくなり、エクセルの顧客管理では情報共有の効率性が低下しているなら、スムーズに情報共有できるCRMツールが必要です。そのため、ダッシュボードの操作性や視認性の高さ、コミュニケーション機能の充実度などが求められます。
課題や目的を決めると同時にKPI(数値目標)を設定して費用対効果を検証することも大切です。商品のリピート率や離反率、LTV(顧客生涯価値)といったKPIを定め、ツール導入前と導入後にどのような変化があったかを記録・検証しましょう。
2. 導入後の運用イメージを長期的に描く
CRMツールは、顧客との長期的な関係を構築するために活用されるため、短期的な費用対効果が見えにくい傾向があります。そのため、長期的な運用イメージを描くことが大切です。
また、CRMツールを無理なく継続して利用するための工夫も必要です。入力項目を自由にカスタマイズできるCRMツールの場合、項目を増やせば増やすほど利用者の負担が大きくなります。管理者と利用者との間で十分に話し合ったうえで、本当に必要な項目のみに絞り込みましょう。
3. 推進者が現場へのサポートを徹底する
CRMツールを導入すると、おのずと従来の業務フローにも変化しますが、業務フローが変わることを嫌がったり面倒に感じたりする担当者もいるでしょう。
リーダーである推進者が、徹底して現場をサポートすることが大切です。ベンダーのサポートも活用しながら、現場担当者が抱える導入後の悩みや課題を解消し、ツールを使用する文化を醸成しましょう。
明確な目的を定めて自社に合うCRMツールを導入しよう
CRMツールにはさまざまな種類がありそれぞれのツールによって特徴や強みが異なります。まずは自社が抱える課題をもとに導入目的を明確にしましょう。目的が明らかになると、必要な機能やオプションを絞り込めます。
今本記事でご紹介したように、CRMツールは網羅的な機能を搭載したタイプや、SFAの機能に強みを持つタイプなどに分類できるため、必要な機能を明確にするほど自社に合うツールにたどり着きやすくなります。本記事を参考に、適切なCRMツールを導入してより質の高い顧客管理を実践してください。

