「CRMの導入で失敗するのはなぜ?」
「CRMの導入で失敗しないためのポイントを知りたい」
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CRMを導入するにあたってこのような疑問や不安をお持ちではありませんか。
主なCRMの導入で失敗する理由は、以下の5つです。
・CRMを導入した目的があいまい
・CRMの評価指標を設定していない
・自社に合わないCRMを選んでいる
・現場にCRM導入のメリットが浸透していない
・社員がCRMを十分に活用できていない
CRMは、企業の売上アップや顧客満足度の向上に欠かせないツールですが、導入しただけでは必ずしも成功するとは限りません。
なぜなら、CRMは幅広い機能を持っているため、導入前に目的や活用方法などを明確にしないと、効果を最大限に発揮できないばかりか、CRMとしての機能を果たさない可能性もあるからです。
導入に失敗してしまうと、多大な時間と費用が無駄になるだけでなく、かえって業務効率が下がったり、顧客離れを招いてしまったりする可能性もあります。
しかし、CRMの導入で失敗する主な理由を知り、正しい導入手順に沿って進めることで、失敗せずにスムーズに導入することが可能です。
そこで本記事では、CRM導入の失敗を防ぎたい方に向けて、以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- CRMの導入で失敗する主な理由
- 具体的な失敗事例と学ぶポイント
- CRMの失敗を避けるための正しい導入手順
本記事を読むことで、CRMの導入や運用に失敗することなく、スムーズに導入でき、会社全体の業務効率アップに貢献できるでしょう。
CRMの導入を検討している企業や導入に苦戦している企業は、ぜひ参考にしてください。
1. CRMの導入で失敗する理由5つ
CRMの導入で失敗する理由は、いくつかあります。具体的には、以下の5つです。
- CRMを導入した目的があいまい
- CRMの評価指標を設定していない
- 自社に合わないCRMを選んでいる
- 現場にCRM導入のメリットが浸透していない
- 社員がCRMを十分に活用できていない
まずは、これらの失敗理由を理解しておくことで、実際にCRMを導入する際にも失敗を避けやすくなります。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
失敗を防ぐための具体的な導入方法については、3.CRMで失敗しないためには効果が最大限見込めるステップで進めることが大事以降で詳しく解説しています。
1-1. CRMを導入した目的があいまい
CRM導入が失敗する大きな理由のひとつに、導入目的があいまいであることが挙げられます。
明確な目的がないまま導入を進めると、社内での活用が進まず、期待していた効果が得られません。
たとえば、以下のような状況では、CRM導入の目的があいまいだといえるでしょう。
【CRMを導入した目的があいまいな例】
- 現場の意見を聞かずに、経営層の一存で導入を決めてしまう
- 「とりあえず顧客情報を一元管理したい」という程度の漠然とした目的で導入する
- 「他社が導入しているから、自社も導入すべきだ」と安易に考える
- 「CRMを導入すれば、売上がアップするはず」と根拠のない期待を持って導入する
- 営業部門やマーケティング部門など、部門ごとに目的が異なり、全社的な共通認識がないまま導入する
上記のような状況では、現場の社員がCRMをどのように活用すべきか明確な指針がないため、日常業務へのCRMの活用が進みません。
また、部門間でCRMの目的が異なると全社的な方針が定まらず、運用方法もばらばらになってしまいます。
その結果、CRMへのデータ入力作業ばかりが増え、業務効率化や顧客満足度向上といった本来の目的が達成されず、最終的にはCRMが形骸化してしまうリスクが高くなるのです。
こうした失敗を避けるには、CRMの導入前に以下のような目的を明確にし、全社で共有することが重要です。
- CRMを導入することで、何を実現したいのか?
- CRMをどのように活用し、業務改善や顧客満足度につなげていくのか?
つまり、具体的な課題や目標にもとづき目的を明確に設定することが、CRM導入成功の鍵を握っているのです。
1-2. CRMの評価指標を設定していない
CRMの効果を測定するための評価指標が設定されていないことも、CRMの導入で失敗する理由のひとつです。
評価指標がないと、以下のような問題が生じます。
【CRMの評価指標を設定していないことで起こる問題】
- CRMの効果を正確に把握できない
- どの施策が成功しているのか、どこに改善が必要なのかが分からない
- 社員がCRMの効果に疑問を持ち、十分に活用しなくなる
つまり、評価指標なしではCRMを導入しても、その効果を適切に測定・分析できないのです。
その結果、改善すべき点が明らかにならず、CRMの活用が進まなくなってしまいます。
このような失敗を防ぐには、適切な評価指標を設定し、定期的に効果を検証しながらPDCAサイクルを回すことが重要です。
1-3. 自社に合わないCRMを選んでいる
自社に合わないCRMツールを選んでいることも、CRM導入の失敗の大きな理由のひとつです。
CRMにはそれぞれ特徴があり、どの企業にもぴったり合うわけではありません。
そのため、自社に合わないCRMツールを選ぶと、以下のような問題が起こる可能性があります。
【自社に合っていないCRMを選ぶことで起こる問題】
▼業務効率の低下
従業員が使いこなせず、かえって業務効率が低下してしまいます。
▼コストの無駄づかい
適切なツールを選ばないと、導入や運用にかかるコストが無駄になる可能性があります。
特に高額なツールを選んだ場合、効果が得られないと大きな損失となります。
▼従業員の不満 自社に合わない使いにくいツールを導入すると、従業員の不満が高まりツールの利用が進みません。
その結果、CRMの導入目的が達成されなくなります。
こうした失敗を避けるには、CRMを複数ピックアップして比較検討し、デモやトライアルを通じて自社に合うかを確認することが大切です。
1-4. 現場にCRM導入のメリットが浸透していない
CRMを導入しても、現場の社員がそのメリットを十分に実感できなければ、活用されず期待した効果が得られないまま、失敗に終わる可能性が高くなります。
多くの企業では、CRM導入の目的は経営層で決定されますが、現場レベルでは以下のような受け止め方をされることがあります。
「単に入力作業が増えるだけで、業務が圧迫される」
「手間ばかりかかって、労力の割に成果が見えにくい」
このように、現場の社員がCRMを負担に感じると、積極的に使おうというモチベーションが下がってしまうのです。
特に、CRMがもたらす効果や具体的な業務改善のイメージが伝わっていないと、日々の業務でCRMが使われる機会が減り、形骸化してしまう場合があります。
また、導入時のトレーニングが不十分だったり、業務にどう役立つかの具体例が不足していたりすると、現場の社員が積極的に使うきっかけをつかめません。
そのため、失敗を避けるには、現場の社員がCRMのメリットを理解し、日々の業務での活用方法を実感できるよう丁寧にサポートすることが重要です。
1-5. 社員がCRMを十分に活用できていない
社員がCRMを十分に活用できていないことも、CRMの導入が失敗する理由です。
社員がCRMをうまく使いこなせないと、せっかくの機能を活かせず導入の効果が得られません。
また、社員が正確にデータを入力できないと、CRMに蓄積されるデータの質が下がり、分析や意思決定に支障をきたします。
特に、部門や会社全体でCRMを導入する際は、システムに詳しくない従業員もデータ入力などを担当することがあるため、注意が必要です。
この問題を解決するには、社員がシステムを十分に活用できるように、導入後のサポートを継続的に行うことが大切です。
2. 【理由別】CRM導入の失敗事例
第1章では、CRMの導入で失敗する主な理由をお伝えしました。
ここからはさらに掘り下げて、1章の理由が原因で実際にどのような問題が起こってしまうのか、具体的な失敗事例をご紹介します。
【理由別】CRM導入の失敗事例
これらの失敗事例を通じて、実際の導入イメージをふくらませ、CRM導入の失敗に対する理解をさらに深めていきましょう。
2-1.「CRMを導入した目的があいまい」が理由のケース
CRMを導入する際に目的があいまいだと、導入後に十分な効果を発揮できないケースがあります。
【「CRMを導入した目的があいまい」の失敗事例】
A社では、CRM導入の目的が「営業の生産性向上」という抽象的なものでした。
具体的な業務改善目標や数値目標が設定されていなかったため、営業現場では以下のようなことが起こりました。
- CRMを使っても業務プロセスが変わらず、従来のやり方が続いた
- システムへの入力が業務の負担となり、現場の負荷が増えた
- せっかく得られたデータが、営業活動に有効活用されなかった
あいまいな目的設定により、現場の目的達成へのコミットメント不足を招き、CRM活用が表面的なものにとどまってしまったのです。
この事例から、CRM導入の目的を明確にし、その目的に沿ってデータ活用方法やプロセスを設計することが重要だと分かります。
目的があいまいだと、せっかくCRMを導入しても期待した効果を得られない可能性が高くなるのです。
CRM導入の成功には、目的の明確化が欠かせないポイントだといえるでしょう。
2-2.「CRMの評価指標が設定されていない」が理由のケース
CRMを導入する際に評価指標を設定しておかないと、導入効果を適切に測定できず、運用面でさまざまな問題が発生します。
【「CRMの評価指標が設定されていない」の失敗事例】
営業部門がCRMを利用していたものの、効果測定を行っていなかったため、他部門から「CRMの効果が見えない」「本当にシステムは役立っているのか?」という不満が噴出しました。
営業部門は体感的には便利だと感じていたものの、その成果を数値で示せず、経営層からの信頼も失ってしまいました。
結果的に、CRMの導入効果を数値的に示せず、投資対効果に対する疑問が社内で高まってしまったのです。
このように、評価指標が設定されていないと、システムの価値を示せず、社内での不信感が高まることになります。
この事例から、CRMの評価指標を設定しないと、導入効果を測定できず、現場の活用状況・業績への寄与度・顧客満足度など、重要な点を見落とすおそれがあると分かります。
CRM導入の成功には、目的に合った評価指標を設定し、定期的にモニタリングすることが不可欠です。
評価指標がないと、CRMが形骸化し、せっかくの投資が無駄になるリスクがあります。
2-3.「自社に合わないCRMを選んでいる」が理由のケース
CRMを選ぶ際に自社に合ったシステムを選ばないと、導入後にさまざまな問題が発生します。
【「自社に合わないCRMを選んでいる」の失敗事例】
中小企業のC社では、システム管理者が「とにかく高機能なCRMシステムを導入すればよい」と考え、大手企業向けの高機能なCRMを導入しました。
しかし、現場の営業チームにとってはオーバースペックなシステムであり、実際の業務に適していませんでした。その結果、以下のような問題が起こりました。
- 自社には不要な機能が多く、使いこなせない
- システムが複雑すぎて、営業担当者への教育に時間がかかり、なかなか定着しない
- 結果的にCRMの導入コストに見合った効果が得られず、投資が無駄になった
自社のニーズに合わないシステムを選んだため、必要以上の機能を持つシステムを導入してしまい、運用が困難になってしまったのです。
このように、自社に合わないCRMを選んでしまうと、現場では使いにくさ・機能不足・業務との不整合などの問題が発生します。
そのため、CRM選定では、自社のニーズ・業務プロセス・組織規模などを踏まえ、それに合ったシステムを選ぶことが重要です。
安易な選定基準で導入を決めてしまうと、現場が混乱し、投資対効果を得られない可能性が高くなるでしょう。
2-4.「現場にCRM導入のメリットが浸透していない」が理由のケース
CRMを導入する際に、現場にそのメリットが浸透していないと、さまざまな問題が発生します。
【「現場にCRM導入のメリットが浸透していない」の失敗事例】
D社では、CRMシステムを導入したものの、現場の社員がそのメリットを理解していなかったため、システムがほとんど活用されない状況が発生しました。
導入時に経営陣がCRMの導入目的や期待される効果を明確に伝えなかったため、営業部門やマーケティング部門の社員は「なぜこのシステムを使う必要があるのか」を理解できなかったのです。
その結果、にシステムへの抵抗感が強まり、CRMへのデータ入力が滞り、導入効果を発揮できない状況に陥ってしまいました。
このように、CRM導入のメリットが現場に浸透していないと、「自分たちには関係ない」「管理のためのツール」といった誤解が生まれ、積極的な活用につながりません。
結果的に、データ入力の滞りや部門間の連携不足など、運用面での問題が発生し、導入効果が十分に得られなくなります。
CRM導入の成功には、導入前から現場へのメリット説明を十分に行い、理解と協力を得ることが大切です。
現場の理解が得られないと、せっかくのCRMも形骸化してしまうリスクがあるでしょう。
2-5.「社員がCRMを十分に活用できていない」が理由のケース
CRMを導入したあと、社員に対して十分な研修やサポートを行わないと、新しいシステムに対する抵抗感が増し、問題が発生します。
【「社員がCRMを十分に活用できていない」の失敗事例】
E社では、CRMを導入したあとに十分なサポートを行わなかったため、新しいシステムへの適応が進まず、結果的に利用されなくなってしまいました。具体的には、以下のような問題が起こりました。
- 営業担当者がCRMの使い方を理解できず、使いこなせない
- CRMへのデータ入力の方法が分からず、自分なりのやり方で顧客情報を管理してしまう
- 結果的に、CRM内のデータが不完全で、活用できない状態になる
このように、導入後のサポートが不十分で社員の理解と習熟度が低いと、せっかくのCRMも宝の持ち腐れになってしまうリスクがあります。
CRM導入の成功には、導入後の継続的な研修やサポートが不可欠です。
操作方法や活用方法を身につけられるよう、定期的なトレーニングを実施することが重要といえるでしょう。
3. CRMで失敗しない!効果が最大限見込める8つのステップ
これまで、CRMの導入で失敗する原因や事例について解説してきました。
CRMの導入を失敗しないためには、いくつか重要なポイントがあることが理解できたと思います。
ここからは、そうした失敗原因を活かし、CRMで失敗しないための方法をステップ形式で解説していきます。
効果が最大限見込めるようなステップをご紹介するため、これからCRMの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
3-1. STEP1:専任の担当者を決める
CRMの導入で失敗を防ぐための第1ステップは、導入前から導入後まで、一貫して対応のできる社内の専任者を決めることです。
専任者を決めることで、経営陣の意向を理解しつつ現場の意見も汲み上げられるため、「自社に合わないCRMを選んでいる」という失敗を避けられます。
通常は、プロジェクトマネージャー・IT担当者・営業担当者などが担当者に適しています。
責任感が強く、各部門との連携を取れる人材を選びましょう。
また、導入に伴う業務負担の増加に対する現場の反発を避けるためにも、担当者はすぐに対応できる専任状態に置くことが望ましいです。
人的リソースに余裕がある場合は、各セクションから人材を集めて専任のチームを編成することも効果的です。
3-2. STEP2:導入の目的と目標を決める
専任の担当者を決めたら、次は何のためにCRMを導入するのか、目的と目標を明確にしましょう。
導入の目的と目標を明確にすることで、失敗理由の「CRMを導入した目的があいまい」「CRMの評価指標が設定されていない」「自社に合わないCRMを選んでいる」を防げます。
目的設定では、たとえば以下のようなCRMの導入によって達成したい目的を決めましょう。
【目的設定の例】
- 顧客満足度を上げる
- 売上をアップする
- 既存顧客の離脱率を下げる
- 業務効率を上げる
- 部署を超えた連携を取る
目的は具体的であるほど効果的です。
目的を明確にしないままでは、導入後に評価や改善が難しいだけでなく、自社の事業や業務に適合しないシステムを選んで活用されないリスクがあるためです。
目的が設定できたら、次はどのような状態になったら課題達成されたといえるかの数値目標(KPI)を設定します。
【数値目標(KPI)設定の例】
- 顧客満足度を◯%にする
- 売上を対前期◯%にする
- 離脱率を◯%以下にする
- リードタイムを◯日以下にする
- プロジェクトの遅延率を◯%以下にする
具体的な数値もあわせた目標を定めることで、CRM導入によってどのような効果が得られるのかを明確にイメージできます。
3-3. STEP3:現場の問題や要望を洗い出す
導入の目的や目標を決められたら、次は現場の問題や要望を洗い出すステップへ移ります。
具体的には、以下のようなポイントについて現場の社員にヒアリングを行いましょう。
【現場の社員にヒアリングすること】
- どのようなことが記録してあると業務に便利か
- 入力のタイミングはいつだとよいか
- 入力の媒体はどのようなものが使いやすいか
- 他部署の持っている情報で欲しいものは何か
- 現状の問い合わせの分類で仕分けしにくいものはないか
- 現行のツールで重複している業務はないか
上記のように業務や作業ベースに落とし込んだ内容をヒアリングすることで、スムーズに導入が進み、効果的な運用にもつながります。
そしてヒアリングの結果から、以下の点を洗い出しましょう。
【ヒアリングから洗い出す問題や要望】
- 業務フローのなかで効率が悪い部分
- 顧客管理や顧客情報の取り扱いにおける具体的な問題
- 顧客のフォローアップの目標と現実のギャップ
- サポート完了までの時間
- 他部署とのやり取りにかかる時間
また、同時にCRMに期待する具体的な要望もリストアップし、導入後の運用シーンまで落とし込んでイメージできる状態にしておきます。
専任担当者が中心となり、問題と要望の優先順位を決めていきましょう。
現場の問題や要望を丁寧に聞くことで、「自社に合わないCRMを選んでいる」「現場にCRM導入のメリットが浸透していない」という失敗を避けられます。
3-4. STEP4:適切なCRMツールの選定をする
次は、いよいよ課題の解決を支援する機能を持ったCRMを選定する段階に移ります。 CRMツールには、営業支援に特化したものや、マーケティング施策のためのものなど、さまざまな種類があります。
しかし、すべての機能が必要であるとは限らないため、優先する機能を明確にすることが大切です。
また、既存のツールとの連携がスムーズにできるかどうかも重要な確認ポイントです。
以下の手順で、自社に適したCRMを選びましょう。
【CRMを選定する手順】
- 複数のCRMを候補として絞り込む
- それぞれのCRMの特徴や使いやすさを比較する
- 自社に最も合ったCRMを選ぶ
上記のように複数のCRMを比較検討することで、自社に合ったCRMを見つけられます。
CRMツールの選び方やおすすめについて詳しく知りたい方は、下記の記事をぜひお読みください。
3-5. STEP5:データの整理と移行準備をする
CRMを導入する前に、既存の顧客データや営業データを整理し、統一性のあるフォーマットに揃えます。
CRMはデータを一元管理するシステムであり、部署や担当者に関係なく、データの重複を防げます。
しかし、導入前のデータに重複や不正確な情報が含まれていると、CRM導入後も混乱が続いてしまうのです。
データが不正確なままでは、どんなに機能の高いCRMであっても、効果的に使うことはできません。
データの重複や古い情報を整理し、移行作業がスムーズに行えるように準備しましょう。
【不正確なデータのよくある例】
- 顧客の会社名が部署によって英語表記とカタカナ表記で揺れている
- 半角と全角が混在している
- 「ピ」と「ビ」、「ビ」と「ヴィ」などの誤字や揺れがある
このように、CRMの導入前にデータの整理と移行準備をしっかり行っておくことで、「社員がCRMを十分に活用できていない」という失敗を防げます。
3-6. STEP6:試用とヒアリングを行う
選んだCRMの無料トライアルなどを用いて、テスト運用を行いましょう。
テスト運用でのポイントは、最初は特定の部門や業務に限定して運用を始め、徐々に範囲を広げていくことです。
段階的に運用の範囲を広げていくことで、仮に自社に合わないCRMを選んでしまった場合でも、調整がききやすくなります。
この試用の段階で、実際にCRMを使ってみた現場の社員から意見をヒアリングすることが重要です。
以下の点についてヒアリングを行いましょう。
【試用の段階でヒアリングすること】
- 操作性や使いやすさ
- 業務効率の向上度合い
- 機能の過不足
- 改善すべき点 など
社員の感想を早期に把握することで、問題点や使いにくい部分を速やかに発見・改善できます。
これにより、本格的な運用開始後のトラブルを未然に防げるでしょう。
3-7. STEP7:本格導入とカスタマイズを行う
CRMを本格的に導入し、必要に応じて自社のビジネスプロセスに合わせたカスタマイズを行います。
カスタマイズを行うことで、「社員がCRMを十分に活用できない」という失敗を防ぎやすくなります。
カスタマイズの範囲は製品によって異なりますが、一般的には以下の項目を自社の業務フローに沿って調整するとよいでしょう。
【カスタマイズの対象例】
- 必要な機能の選択
- 入力項目の数と名称
- 入力形式
- ステータス/分類
- データ分析/レポート形式
- レイアウト/画面デザイン
- 入力や書類作成等の自動化
- 他ツールとのデータ連携
カスタマイズの際は、作り込みすぎず、シンプルに始めることが大切です。
最初から完璧を目指さず、必要最小限の調整から始めましょう。
また、CRMの使い方やプロセスが社内に定着するまでは、サポートを継続的に利用することをおすすめします。
3-8. STEP8:導入後の運用と改善を図る
CRMを導入したら、導入前に設定したKPIにもとづいて効果をモニタリングし、必要に応じて改善を行いましょう。
CRMは一度導入したら終わりではなく、継続的に改善していくものです。
具体的には以下のような取り組みを行うことで、CRMの効果を最大限に発揮しやすくなります。
【導入後の改善の取り組み例】
- 現場の従業員から定期的にフィードバックを収集する
- 新しい機能や使い方の改善を継続的に進める
- 常に最適な形で運用する
上記のように、従業員の意見を取り入れながら、CRMを常に最新の状態に保つことが重要です。
この継続的な改善プロセスを通じて、CRMは企業の業務効率化と顧客満足度向上に大きく貢献するでしょう。
成長し続ける企業に伴走するHubSpot
HubSpotのCRMは、成長を目指す企業にとって理想的なツールです。
具体的には、以下の3つの特徴があります。
◾️無料の基本プラン
無料でスタートできるため、初期コストを抑えて導入できます。
リスクを抑えつつ、段階的に機能を拡張できる点が魅力です。
もちろん無料であっても基本的な顧客管理の機能を使えるため、コストパフォーマンスは無限大といえます。
◾️シンプルで使いやすいインターフェース
複雑な設定や専門知識を必要としない、直感的に利用できる仕様なので、現場の従業員がすぐに使い始められます。
導入後のトレーニングにかかる時間とコストが最小限に抑えられるため、早期に効果を実感できます。
◾️スケーラブルなプラットフォーム
企業の成長に合わせて柔軟にスケールアップできるため、スモールビジネスから大企業まで、あらゆる規模のビジネスに適しています。
また、CRMを軸としてマーケティングやカスタマー支援のプラットフォームもあるため、必要に応じて有料プランへの移行や機能の追加・拡張が可能です。
企業が成長してもシステムの変更や乗り換えが不要なため、長期的な導入効果の高いCRMといえます。
HubSpotのCRMは、決済情報不要の無料アカウントで簡単に始められます。
小さく始めて大きく育てたい起業家の方にもおすすめのツールです。
4. CRMの失敗を防ぎ最大限効果を発揮して営業活動を強化しよう
本記事では、CRMの導入で失敗する理由・理由別の失敗事例・失敗しないための導入ステップについて解説しました。改めて記事の要点を振り返りましょう。
【CRMの導入で失敗する理由】
- CRMを導入した目的があいまい
- CRMの評価指標を設定していない
- 自社に合わないCRMを選んでいる
- 現場にCRM導入のメリットが浸透していない
- 社員がCRMを十分に活用できていない
【失敗しないための導入8つのステップ】
- STEP1:専任の担当者を決める
- STEP2:導入の目的と目標を決める
- STEP3:現場の問題や要望を洗い出す
- STEP4:適切なCRMツールの選定をする
- STEP5:データの整理と移行準備をする
- STEP6:試用とヒアリングを行う
- STEP7:本格導入とカスタマイズを行う
- STEP8:導入後の運用と改善を図る
CRMの導入に失敗しないためには、事前に失敗の理由を理解し、適切な対策を取ることが重要です。
本記事を参考にして、効果を最大限に引き出すステップでCRMの導入を進めましょう。