クレーム対応におけるフローチャートは、対応時の指針となる重要な要素のひとつです。適切にフローチャートを作成できれば、顧客の課題の迅速かつ適切な解決につながります。また、オペレーターのスキルに関わらず、顧客体験を向上させるうえでも有効です。
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本記事では、クレーム対応のフローチャートの具体例と作成のポイントを解説します。適切なクレーム対応で顧客満足度を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
クレーム対応のフローチャート
下図は、クレーム対応フローチャートの具体例です。
ここでは、フローチャートに記載している番号に沿って、対応の流れを解説します。
- クレームの発生
- 不快な思いをさせた事実に対するお詫び
- 原因の確認
1.自社に原因がある場合
2.顧客に原因や悪意がある場合
3.双方の捉え方の違いによるクレーム
1. クレームの発生
クレームを受けた際には、まず顧客の不満を真摯に受け止める姿勢が大切です。クレームを入れる顧客は、その多くが自分の不満を理解してもらいたいと考えています。顧客の話をしっかりと聞き、冷静に対応することで、顧客も落ち着いて話ができます。
この段階では、問題の詳細を確認する前に顧客の話を聞くことが重要です。状況把握のための質問は顧客の話が終わってからにして、途中で話を遮らないようにします。クレーム内容を要約して復唱し、顧客が伝えたいことを理解できているかどうかを確認するとさらに良いでしょう。
2. 不快な思いをさせた事実に対するお詫び
クレームが発生した際は、まず謝罪することが大切です。たとえ企業側に過失がなかったとしても、不快な思いをさせた事実に対して謝罪を行います。
ただし、謝罪の仕方には注意が必要です。すべての責任を企業側が負うような言い方は避けるようにしましょう。あくまでも不快な思いをさせた事実に対するお詫びであることを意識してください。
例えば、「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」「ご不便をおかけし、申し訳ございません」のように、企業としての誠意を示します。謝罪の表現に工夫を凝らすことで、顧客の感情を和らげることにつながるでしょう。
3. 原因の確認
この段階では、クレームの原因を切り分けましょう。クレームの原因は、大きく分けて次の3つです。
- 自社に原因がある場合
- 顧客に原因や悪意がある場合
- 双方の捉え方の違いによるクレーム
原因が自社にあるか否かで対応が変わってくるので、ヒアリングして切り分けることが大切です。
3.1. 自社に原因がある場合
自社に落ち度があるとわかった場合は、顧客の要望をしっかりと確認します。
例えば、「届いた商品が壊れていた」など、解決すべき問題が具体的にある場合は、返金対応や新しい商品の再送付といった解決策の提案を行います。顧客の要求が「謝罪」なのか、それとも「商品の交換や返金」といった具体的な対応なのかを確認したうえで対応しましょう。
3.2. 顧客に原因や悪意がある場合
顧客が商品やツールの使い方を間違っていることもよくあります。なかには、クレームに悪意が含まれている場合もあるでしょう。
この段階では、クレームに悪意があるのか、あるいは不当な要求を含んでいるかを判断しましょう。悪意のある不当な要求は断ることも必要です。
顧客に悪意がなく、単なる勘違いや操作ミスであった場合は、顧客の話を聞いた後で丁寧に正しい情報を伝えることで解決することもあります。
3.3. 双方の捉え方の違いによるクレーム
企業と顧客の捉え方の違いによるクレームの代表的な例は、時間感覚の違いです。この場合は、顧客が不満に感じているという事実に対して、謝罪をするべきといえるでしょう。
例えば、「少々お待ちください」ではなく、「1時間程度、お待ちいただく必要がございます」などと、時間を具体的に伝えることなどが対策として考えられます。また、同じクレームが発生しないように対策を練ることも重要です。
クレーム対応のフローチャート作成のポイント
ここでは、クレーム対応におけるフローチャート作成のポイントを4つ解説します。
- フローチャートの目的を明確にする
- プロセスを洗い出す
- 要素は時系列に配置する
- シンプルなデザインでわかりやすく表現する
フローチャートの目的を明確にする
フローチャートを作成する際は、誰がどのような場面で使うのかを明確にすることが大切です。
対応時に役立つフローチャートをつくるために、次のことを明確にしましょう。
- どのようなクレームか:通常のクレーム対応、悪質なクレームへの対処
- 使用者は誰か:一般の担当者、責任者
解決したい課題を明確にすることで、より効果的なフローチャートの作成が可能になります。
プロセスを洗い出す
フローチャートを作成するためには、クレーム対応の全体像を把握する必要があります。まずは、クレーム対応の際に必要なプロセスをすべて洗い出し、どのようなアクションが必要かをリストアップします。工程を洗い出したうえで、フローチャートに必要な要素を選定しましょう。
選定のポイントは、クレーム対応時に重要かどうかです。切り分けによってその後の対応が変わるようなものは重要なポイントなので、フローチャートに含めると良いでしょう。
要素は時系列に配置する
フローチャートを作成する目的は、手順などの流れを視覚化してわかりやすくすることです。人は視線の流れに沿った図であれば、流れが理解しやすくなります。
視線は「上から下」あるいは「左から右」に動くのが一般的なので、どちらかを選び、クレーム対応のプロセスが時系列になるように要素を配置しましょう。次に何を行うべきかが感覚的にわかるので、スムーズな対応につながります。
シンプルなデザインでわかりやすく表現する
クレーム対応中は迅速な判断が求められる場面が多く焦ってしまいやすいため、フローチャートはできるだけシンプルにしましょう。色を使いすぎたり、文字が多かったりすると見づらくなるため、注意が必要です。
緊急の対応で慌てている状況でも迷わず対応できるよう、箇条書きを使うなど簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。
クレーム対応のフローチャートを作成して迅速な対応を実現しよう
クレーム対応のフローチャートは、企業が迅速かつ的確に顧客対応を行うための指針となります。担当者が迷わず次のアクションを取るために、フローチャートの作成前には、目的を明確にしましょう。
また、クレーム対応時は担当者が焦っていることも多く、じっくり文章を読み込む余裕はありません。そのため、シンプルなデザインで簡潔な表現を使うことも大切です。誰でも流れが理解できるフローチャートを作成することで、迅速な解決に導けるでしょう。