「自社が販売している商品の売上をさらに伸ばしたい」
「売上が落ちているので対策を打ちたい」
商品開発、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、様々な部署での成果改善を図る手段として、顧客や市場に向けたアンケート調査は非常に有効です。アンケート調査で得られた声をもとに商品開発やマーケティング施策を練ったり、営業やカスタマーサポートの顧客への接し方を見直したりなど、より良い顧客体験の提供につながります。
ただ、アンケート回答者の心理を踏まえると、メリットやインセンティブがない場合、回答率や回答の質が低下する可能性があります。 回答に協力していただける方にとって何かしらメリットを提供することを前提に実施しなければいけません。
本記事は、有益なアンケート調査を行うためのポイント、社内での情報共有の重要性、関連ツールを中心にお伝えします。
顧客満足度アンケート作成に役立つテンプレート5選
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- NPS®(顧客ロイヤルティー指標)アンケート
- CSAT(顧客満足度指標)アンケート
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アンケート調査を回答者視点を持って実施すべき理由
商品やサービスを提供する企業にとって、アンケート結果は貴重な情報です。企業が消費者のニーズにマッチした商品を販売する「マーケットイン」の発想でビジネスを展開する場合、顧客の声に耳を傾けるプロセスは欠かせないからです。
よって、アンケート調査を行う際には、アンケート対象者に「回答しよう」と思ってもらうための動機付けが必要 です。当社HubSpotの調査では、実施したウェビナーの満足度が高いほど、アンケートの回収率が高く、コメントの内容も手厚い傾向にあることが明らかになっています。
この調査結果を踏まえると、 アンケートの回答の質と量を向上させるには「回答者から価値ある情報を引き出す前に、アンケート実施側が先に価値を届ける」という考え方が重要だと言えます。HubSpotでは、このような思想を「インバウンド」と呼んでいます。
アンケートの活用先は無限にある
アンケート調査では、あらゆる部門の課題を解決するためのヒントを得られます。商品に対する不満や気に入っている点について調査したアンケートの場合、商品開発、マーケティング、営業など複数部署で活かせる情報が詰まっているので、部門横断的にアンケートデータを共有できる環境を整えておけると良いでしょう。
アンケート調査の良い点は、自分たちでは気づけなかった問題点、または強みが見つけられるところです。 社内だけで課題を検証すると、企業側の都合、慣習、メリットなどのバイアスがかかって本質が見えづらくなりがちです。アンケート調査を通じて社外の声を集めることで、思いもよらなかった気づきが得られ、改善するべきポイントや、強みとしてもっとアピールするべき部分が見えてきます。
また、因子分析やクラスター分析などの分析手法を活用すれば、ニーズの傾向や特徴を定量的に可視化できます。営業担当者やマーケティング担当者の経験にアンケート調査結果を加えることで、より成功確率の高い施策を立案できます。
基本は「定性調査」と「定量調査」の組み合わせ
アンケート調査には、「アンケート対象者の自由表現」を収集する定性調査と、「数値で扱える回答」を得る定量調査があります。
定性調査は、顧客の心理やニーズ、行動など数値では表せない情報を収集する調査のことです。アンケートの自由記入欄のほか、一対一のインタビュー、グループ討論、行動観察、製品のモニター調査などがあります。
一方、定量調査は調査結果の統計処理や可視化を行うための調査です。アンケート作成時には、回答を数値化する必要があるため、選択肢形式の質問を行います。
一般的に定性調査を用いて仮説を立て、定量調査で仮説を検証する手順が一般的です。また、近年は様々な回答形式が可能なインターネット調査の普及により、定量調査でも定性的な情報を得やすくなりました。
多様化するアンケート調査の手法
主なアンケート調査の手法は以下の通りです。アンケート調査の目的やヒアリング対象者の利便性などを考慮して選定しましょう。
ネット調査(Web調査)
インターネットの普及、ユーザーが手軽に回答できる等の理由により、ネット調査の実施が増えました。紙媒体のアンケートと比較して、回答結果の収集や集計の手間が少ない特徴があります。
郵送調査
調査対象者にアンケート用紙を送付して、回答後に返送してもらう形式です。回答者の手間がかかるため回答率が低くなることがあります。回答率をあげるには、プレゼントなどのインセンティブを検討しましょう。
電話調査
記入などの手間がかからず、回答を直ぐに得られるメリットがあります。また、オペレータによる回答者に合わせた対応が可能です。
会場調査
自社の商品などのプレゼン後、反応や感想などの情報を収集する調査です。最近は、ウェビナーの開催が増加しています。オンライン、オフラインのどちらの場合でも、プレゼン終了後からできるだけ早くアンケートを行うのがポイントです。
街頭調査
調査員が街中でインタビューやアンケートを実施する方法です。「調査目的」と「場所とヒアリング対象者」をマッチングさせることにより、回答の質が向上できます。
訪問留置調査
調査員が対象者の自宅等に訪問し、調査協力を依頼した上でアンケートを預け、後日回収する方法です。郵送調査より比較的高い回収率が期待できます。
ホームユーステスト
自宅などで製品を一定期間使ってもらい、使用感などを回答してもらう調査方法です。ホームユーステストでは、様々な使用環境により、多様な回答が得られます。
覆面調査
「店舗や施設の接客サービスの状況」などの調査を行う際に利用される調査方法です。マーケティングでの覆面調査では、自社と競合退社の両方が調査対象になります。
アンケート調査に使えるおすすめテンプレート
アンケートの質問作成時には、アンケート目的を達成しつつ、回答してもらいやすい工夫が必要です。
そこでおすすめしたいのが、インターネット上のテンプレート、アンケートツールのテンプレートなどの利活用です。ゼロから作成するよりも、一定の工夫が盛り込まれたテンプレートを活用したほうが、短時間で質のよいアンケートが作成できます。
アンケートのテンプレートについては、HubSpotの 別の記事 でも詳しく解説しています。
アンケート調査で活用したいおすすめツール4選
アンケート向けの専用ツールを活用すれば、アンケート作成、集計などの作業効率を高めることができます。詳しくはHubSpotの 別ページ を参考にしてください。今回は、アンケート調査に役立つツールの一部をご紹介します。
Googleフォーム
Googleが提供している様々なフォームを作成するツールです。アンケートだけでなく、
イベント参加者の管理、投票、小テストなどにも活用できます。またGoogleフォームで作成した入力フォームは、そのままWebページへ組み込めます。さらにGoogleスプレッドシートによる自動集計が可能です。
Googleフォームの詳しい活用方法は、HubSpotの別ページ「 Googleフォームの使い方完全ガイド【2020年最新版】 」で紹介していますので、ぜひご覧ください。
HubSpot CRM
HubSpotが無料で提供するCRMを利用すれば、アンケートを含む様々なフォームをドラッグ&ドロップ操作で作成できます。フォームから送信された回答はCRMに保存され、回答状況などの一元管理が可能です。HubSpotのCRMを軸にしたソフトウェアの組み合わせにより、企業内のデータ共有と連携を実現できます。
formrun
formrunは株式会社ベーシックが提供するツールで、2021年3月時点で約84,000ユーザーが利用しています。アンケート、問い合わせ、資料請求などのフォーム作成、フォームの回答状況、メール対応など、アンケートに関する業務の一元化が可能です。チャットワークやSlackに通知設定をしておくと、フォームから送信された内容をリアルタイムにチェックできます。
Tayori
Tayoriは、2021年3月時点で約30,000アカウントが利用するカスタマーサポートツールです。メールフォーム、チャット、アンケートなどの作成と管理を一元化できます。回答内容はツール内のダッシュボードにリアルタイムに反映され、容易に確認できます。
アンケート調査の基本の3ステップ
本章では、アンケート調査の一般的な実施フローを紹介します。
Step1:アンケート作成準備
アンケートの第一段階では、「誰が何をするためのアンケートなのか」「アンケートで何が分かると役に立つのか」を明確にします。自社でアンケートを実施する場合、アンケート作業を外注する場合のどちらでも、しっかり検討する必要があります。
なお、アンケート結果の報告には、5W2H(Why、What、Who、When、Where、How、How much)を全て含まれるのが理想です。報告イメージを念頭において、アンケートの質問文を作成します。
Step2:アンケート作成
テンプレートやアンケート専用ツールを活用して、アンケート対象者が回答しやすい質問を作成します。回答率と回答の質を高めるため、「誰が読んでも同じ意味に理解される質問文」「質問の分量」には十分留意しましょう。アンケート作成の詳細についてはHubSpotの別ページ(Link to Child Article アンケート作成)をご覧ください。
Step3:アンケート集計・分析
アンケート回収後、因子分析などの統計計算、グラフによる可視化を行い、アンケート結果の考察を実施します。統計計算や可視化はできるだけツールを活用し、考察に注力できる環境を構築しましょう。アンケート集計や分析の詳細についてはHubSpotの 別ページ をご覧ください。
調査実施前に考慮すべき3つのポイント
アンケート調査の目的は「自社の事業課題に役立つ情報を得る」ことですが、「顧客体験を高めるために実施する」という視点を忘れてはいけません 。
アンケート調査を活かして顧客体験を高めるには、「アンケートデータは顧客接点を持つ全ての部署で共有される」ことが重要です。例えば、マーケティング部門が実施したアンケートをセールス部門やカスタマーサクセス部門、さらには開発部門と共有できれば、顧客に提供できる価値を高める活動が可能になります。
なお、実際にアンケートを実施する際は、次の3つの注意点について十分に検討しましょう。
・アンケート回答者の負担軽減
回答者の心理的負担を十分に考慮します。質問の長さ、質問数、順番、分かりやすさを考慮して、厳選した質問を準備します。
・集計者の負担軽減
回収したアンケートの入力、統計処理や集計、グラフ作成、表作成、レポート作成をサポートするツールを活用しましょう。
・アンケート調査の回収率向上
費用と時間をかけてアンケートを準備しても、回答してもらえなければ無駄になります。回収率をあげる工夫についてはHubSpotの 別ページ をご覧ください。
「顧客体験をより良くするため」という目的を忘れずに
既存製品の売上アップ、新製品投入などのなど様々な事業活動において、それぞれの課題があります。課題解決のためにはアンケートによる顧客の意見やニーズの把握が欠かせません。
HubSpotでは、インバウンドの思想に基づくアンケート調査が成功のカギと考えています 。つまり、アンケートの手法に関わらず、有益な情報を得るためには、まずアンケート回答者にどのような有益な情報を提供できるか検討します。単に質問を一方的に投げかけても、回答する可能性は低いからです。
繰り返しになりますが、アンケートは「顧客体験を高めるため」に実施します。そして、そのために「顧客接点を持つ全ての部署で回答結果を共有して活用する」必要があります。
つまり、 アンケート調査の作業効率化、社内での情報共有をサポートするツールの選定においては、インバウンドの思想に基づく仕様であることが不可欠です 。HubSpotが提供するソフトウェアを利用すれば、インバウンドマーケティングを簡単に始められます。詳しくは当社までお問い合わせください。