「ホームページ」と「Webサイト」はどう違うのか、疑問に感じたことはありませんか。どちらも同じような意味で使っていたり、とくに使い分けを意識していなかったりするケースも多いかもしれません。
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今回は、ホームページという言葉の意味合いや、主な種類と特徴についてわかりやすく解説します。ホームページとWebサイトの使い分け方についても状況別にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
ホームページの3つの意味
ホームページには、大きく分けて3つの意味があります。
それぞれの用法について見ていきましょう。
1. Webサイトのトップページ
1つめの意味は、Webサイトのトップページです。トップページとは、Webサイトの入口となる最初のページのことを指します。サイト内の各ページへのリンクが集約されている点が特徴です。
【トップページの例】
一般的に、企業や組織のドメイン直下のURLがホームページに相当します。たとえば、HubSpotのサイトであればhttps://hubspot.jp/がホームページです。
この意味で使われる「ホームページ」は、サイトの顔となる重要なページといえます。ユーザーの第一印象を決定づける傾向があることから、とくにデザインに注力する企業も少なくありません。
2. ブラウザのスタートページ
第二の意味は「ブラウザのスタートページ」です。ブラウザとはChromeやEdge、Safariといった、Webサイトを閲覧するためのアプリのことを指します。Webブラウザを起動すると、最初に表示されるのがスタートページ(初期画面)です。
【ブラウザのスタートページの例】
ブラウザの多くは、ユーザーが指定したWebサイトをスタートページに設定できる機能を備えています。ブラウザを開くたびに、あらかじめ設定したWebサイトが自動的に表示されるという仕組みです。
3. Webサイト全体
第三の意味は「Webサイト全体」を指すパターンです。この場合、「ホームページ=Webサイト」と解釈されていると考えて差し支えありません。
実は、Webサイト全般をホームページと呼ぶのは日本特有の慣習です。英語の原語であるhomepageもしくはhome pageは、前述のとおり「Webサイトのトップページ」や「ブラウザのスタートページ」を表しています。一方、日本ではインターネット黎明期に「ホームページ」という言葉が広く浸透し、Webサイトと同じ意味を表す言葉として定着したというのが実情です。
現在でも、日本では「ホームページ」はWebサイト全般を表す言葉として捉えられているケースが多く見られます。本記事においても、以降「ホームページ=Webサイト全体」との定義にもとづいて解説していきますが、より厳密な定義を重視する場合には上記の説明を参照してください。
ホームページの主な種類と特徴
次に、ホームページの中身について解説します。
ホームページには、目的に応じてさまざまな種類があります。代表的な種類として挙げられるのは次の5点です。
- コーポレートサイト:企業情報発信の要となるホームページ
- ランディングページ:商品やサービスの販売に特化したホームページ
- ECサイト:オンラインショッピングを実現するホームページ
- ポートフォリオサイト:制作物や実績をアピールするホームページ
- メディアサイト:情報発信や広告収入が目的のホームページ
1. コーポレートサイト:企業情報発信の要となるホームページ
1つめは「コーポレートサイト」です。
コーポレートサイトとは、企業の顔として機能する公式Webサイトを指します。
顧客・取引先・従業員・株主・投資家など、さまざまなステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを図る、重要な役割を担うホームページです。
【コーポレートサイトの主要な構成要素】
構成要素 |
概要 |
---|---|
会社情報 |
会社概要・沿革・経営理念・事業所案内などを掲載します。 |
事業紹介 |
企業の事業内容や製品・サービスの詳細を紹介します。 |
IR情報 |
投資家向けに、財務情報や株主総会の情報などを開示します。 |
求人情報 |
求人情報や採用プロセス、社員インタビューなどを掲載します。 |
ニュース&トピックス |
企業の最新ニュースやプレスリリースを発信します。 |
お問い合わせ |
問い合わせフォームや連絡先を提供し、コミュニケーションを促進します。 |
コーポレートサイトは、企業のブランド価値や信頼性を左右します。戦略的な情報設計とデザインにより、自社の魅力を効果的に伝え、ステークホルダーとの良好な関係構築に寄与するホームページを目指すことが大切です。
2. ランディングページ:商品やサービスの販売に特化したホームページ
2つめは「ランディングページ」です。
ランディングページは、特定の商品やサービスの販売に特化したWebページです。
商品やサービスの魅力を最大限に訴求し、ユーザーを購入や申し込みへと誘導する狙いがあります。
広告や各種マーケティング活動との連動により、高い販売効果が期待できます。
【ランディングページの特徴】
特徴 |
概要 |
---|---|
集中した構成 |
商品やサービスの情報に特化し、ユーザーの興味関心を集中的に高める構成となっています。 |
限定的な導線 |
サイト内の導線を限定し、ユーザーを目的のアクションへと効率的に誘導します。 |
効果的な訴求 |
商品やサービスのメリットを強調し、ユーザーを購入などのアクションへと説得力をもって導きます。 |
明確なCTA(Call To Action:行動喚起) |
「今すぐ購入」「無料で試す」など、ユーザーに求める行動を明確に示します。 |
ランディングページを制作する際は、ターゲットユーザーの心理や行動パターンに対する深い理解が欠かせません。
魅力的な見出しやコピー、ビジュアル素材を用いて、ユーザーの関心を引き付け、購買意欲を高めます。また、導線を最適化し、ユーザーがスムーズに次のアクションへ移れるよう設計します。
詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
3. ECサイト:オンラインショッピングを実現するホームページ
3つめは「ECサイト」です。単一の商品に特化するランディングページとは異なり、多様な商品を取り扱うオンラインショッピングを実現するサイトをECサイトといいます。
ユーザーが商品を探し、購入し、決済まで完了できるよう、さまざまな機能を備えています。
【ECサイトの主要な機能】
機能 |
概要 |
---|---|
商品検索 |
商品カテゴリーや検索ワードを用いて、目当ての商品を素早く見つけ出せる機能です。 |
商品ページ |
各商品の詳細情報を掲載したページで、画像・説明文・価格などを確認できます。 |
ショッピングカート |
購入予定の商品を一時的に保管し、まとめて決済処理ができる仕組みです。 |
決済機能 |
クレジットカード決済や銀行振込など、さまざまな支払方法での決済に対応します。 |
会員機能 |
会員登録により、注文履歴の確認やポイント付与などの仕組みを実装します。 |
ECサイトの運営では、商品管理・在庫管理・受注処理・配送手配など、多岐にわたる業務と連携する必要があります。
また、セキュリティ面での対策も重要です。個人情報の保護やクレジットカード情報の暗号化など、ユーザーが安心して利用できる環境を整備しなければなりません。
ECサイトを構築する際は、自社の事業規模や扱う商品の特性を踏まえ、最適なプラットフォームを選択することが大切です。
詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
4. ポートフォリオサイト:制作物や実績をアピールするホームページ
4つめは「ポートフォリオサイト」です。
ポートフォリオサイトは、主にフリーランサーやクリエイターが実績や作品を紹介するためのWebサイトです。
自身のスキルや感性を表現し、クライアントや協業者とのマッチングを図ることを目的としています。
【ポートフォリオサイトの目的】
目的 |
概要 |
---|---|
スキルのアピール |
デザインや写真、イラストなど、自身の作品を魅力的に展示して、スキルをアピールします。 |
実績の紹介 |
過去に手がけた仕事やプロジェクトを紹介し、実績を証明します。 |
ブランディング |
独自の世界観を表現し、個人のブランドを確立します。 |
クライアントとのマッチング |
ポートフォリオを通じて、仕事の依頼や提案を獲得することを目指します。 |
ポートフォリオサイトは、とくにフリーランス・個人事業主の方にとって、ビジネスチャンスを広げる有効な手段となります。
5. メディアサイト:情報発信や広告収入が目的のホームページ
5つめは「メディアサイト」です。
メディアサイトは、記事や動画などの情報コンテンツを発信することを目的としたWebサイトです。
メディアサイトを通じて収益化するビジネスモデルの例には、さまざまなパターンがあります。
【メディアサイトのビジネスモデルの例】
ビジネスモデル |
概要 |
---|---|
広告モデル |
バナー広告や記事広告などを掲載し、広告主からの広告料によって収益を得るビジネスモデルです。サイトのアクセス数や広告のクリック数に応じて広告収入が増減します。 |
アフィリエイト |
商品やサービスを紹介する記事や広告を掲載し、読者がそこから購入や申し込みを行った場合に、アフィリエイト報酬を得るビジネスモデルです。紹介した商品やサービスの売上に応じて収益が決まります。 |
有料会員制 |
サイト内の一部または全部のコンテンツを有料会員向けに限定公開し、会員登録料や月額課金によって収益を得るビジネスモデルです。専門性の高い情報や、特別な価値を提供することが求められます。 |
オウンドメディア |
企業が自社の商品やサービス、ブランドに関する情報を発信することを目的としたメディアサイトです。直接的な収益化を目指すのではなく、自社の専門性やユニークな価値観を訴求し、認知度向上やブランドイメージの構築に役立てます。 |
メディアサイト運営では、ターゲットユーザーのニーズを捉えた価値あるコンテンツの継続的な提供が欠かせません。
加えて、SEO(検索エンジン最適化)を意識した記事構成やソーシャルメディアとの連携により、認知度向上や収入拡大を図ります。
上記のうち、オウンドメディアについては詳しく解説した記事がありますので、以下をご覧ください。
ホームページとWebサイトの使い分け
ホームページとWebサイトは、シーンによって使い分けたほうがよい場合があります。主な使い分け方を確認しておきましょう。
SEOを重視する場合
Webサイトに掲載する記事コンテンツなど、SEOを重視するケースでは「ホームページ」を意識的に使用するケースが見られます。キーワードとしては「Webサイト」よりも「ホームページ」のほうが大きく、SEOの効果が表れやすい可能性があるからです。
「ホームページ」の検索ボリュームのほうが大きい背景には、日本語では「Webサイト」よりも日常的に多く使われていることがあります。本来の厳密な意味合いで使用する場合を除き、キーワードには「ホームページ」を使用するのがおすすめです。
相手に合わせて使い分ける場合
コミュニケーションを交わす相手に合わせて使い分けるのも1つの考え方です。たとえば、IT/Web関連の業種・職種の方々と話す際には「Webサイト」を用い、それ以外の業種・職種の方々には「ホームページ」を用いるといった使い分け方が想定されます。
また、技術的な話題であれば「Webサイト」、一般的な話題であれば「ホームページ」を用いるといったように、場面に応じて使い分けるのもおすすめです。
正確な意味合いを伝えたい場合
Webサイトそのものの設計やデザインなどに関わる話題においては、本来の厳密な意味合いで用語を使い分けるほうが無難です。ホームページと表現した場合、Webサイトのトップページのみを指しているのか、Webサイト全体を指しているのか、相手が混乱する可能性があります。
こうした行き違いが生じないよう、サイト全体はWebサイト、トップページについてはホームページと呼ぶことを、事前にコミュニケーションを交わす相手との間で決めておくとよいでしょう。
ホームページとWebサイトを意識的に使い分けよう
ホームページとWebサイトは、日本においてはほぼ同列の言葉として用いられています。一方で、本来は区別して用いられている言葉のため、状況に応じて使い分けることが大切です。今回紹介した両者の違いを参考に用語を適切に使い分けて、誤解や行き違いのないコミュニケーションを実現しましょう。