「ホームページって、そもそも何を指す?」「ホームページの仕組みが理解できない」「ホームページを作成したいけれど、何から始めたらいいの?」
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近年、インターネットの普及に伴い、ホームページは私たちの生活に欠かせない存在となりました。
企業にとってホームページは、顧客とのコミュニケーションや販売促進の重要なツールです。個人にとっても、自己表現やブランディングの場として、ホームページは大きな役割を果たします。
しかし、ホームページに関する基本的な知識がないと、効果的なホームページを作ることはできません。
本記事では、ホームページの基礎知識を網羅的に解説します。
ホームページの意味や仕組み、種類や特徴、立ち上げの基本手順など、今さら聞けないホームページに関する疑問にお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1. ホームページとは?意味や定義を整理
「ホームページ」という言葉は、さまざまな場面で使われています。
まずは、ホームページの意味を整理し、関連する用語との違いを明確にしておきましょう。
1-1. ホームページの3つの意味
ホームページには、おもに以下の3つの意味があります。
まず、「Webサイトのトップページ」は、Webサイトの入口となる最初のページであり、サイト内の各ページへのリンクが集約されています。
【トップページの例】
一般的に、企業や組織のドメイン直下のURLがホームページに該当します。たとえば、HubSpotであれば https://hubspot.jp/ がホームページとなります。
この意味における “ホームページ” は、サイトの顔となる重要なページであり、ユーザーに対して強い印象を与える役割を担っています。
次に、「ブラウザのスタートページ」は、Safari・Edge・ChromeなどのWebブラウザを起動したときに最初に表示される、スタートページ(初期画面)のことです。
【ブラウザのスタートページの例】
多くのブラウザは、ユーザーがお気に入りのWebサイトをスタートページに設定できる機能を備えています。この場合、ブラウザを開くたびに、設定したWebサイトが自動的に表示されます。
最後の「Webサイト全体」に関しては、“ホームページ” の語句が、サイト内のすべてのページを指す場合もある、ということです。
これは日本特有の用法です。以下に続きます。
1-2. 「ホームページ = Webサイト全体」の用法は日本特有
「ホームページ = Webサイト全体」の用法は、日本語で多く見られる、本来の意味から派生した用法です。
英語の原語である「homepage(またはhome page)」は、前述のとおり、Webサイトのトップページやブラウザのスタートページを指す言葉です。「website」とは別の意味になります。
- website:Web上にあるひとまとまりのページ群
- homepage:websiteの表紙(入口)にあたるページ
しかしながら、日本にホームページの語が入ってきた際に、Webサイト全体を指す言葉として解釈され、Webサイトと同じ意味での使用法も定着した経緯があります。
本記事では、以降「ホームページ = Webサイト全体」の定義でホームページの語を使用しますが、厳密な定義を重視される方は、上記の説明を参考にしてください。
2. ホームページの仕組みをシンプルに理解
続いて、ホームページがどのように表示されるのか、その仕組みを見ていきましょう。
ここでは、ホームページを構成する要素と、その関係性をシンプルに解説します。
- ドメイン・サーバー・HTMLの関係
- ホームページ立ち上げの手順(シンプルバージョン)
- ホームページの作り方の選択肢
2-1. ドメイン・サーバー・HTMLの関係
ホームページを構成する3つの要素、ドメイン・サーバー・HTMLの関係を理解することは、ホームページの仕組みを知るうえで欠かせません。
まず、「ドメイン」は、ホームページのアドレス(住所)となる文字列です。
ユーザーが特定のホームページにアクセスするために使用します。たとえば、HubSpotなら「hubspot.jp」がドメインに該当します。
【ドメインの例】
次に「サーバー」は、Webサイトのデータを保存し、ユーザーからのアクセスに応じてデータを送信するコンピューターを指します。
通常は、レンタルサーバーを利用してホームページを公開します。
最後に、「HTML」は、Webページの構造や内容を記述する言語です(マークアップ言語といいます)。
基本的にホームページはHTMLで構成されており、サーバーにHTMLファイルを置くことで、ホームページが表示されます。
【HTMLの例】
出典:総務省
ホームページの仕組みをシンプルにいえば、「ユーザーがブラウザにドメインを入力してアクセスすると、サーバーからHTMLファイルが送られ、ブラウザ上にWebページとして表示される」ということになります。
2-2. ホームページ立ち上げの手順(シンプルバージョン)
「ホームページって、どうやって作るの?」という疑問をお持ちの方は多いでしょう。
「ごく原始的な、シンプルバージョンでの立ち上げ方法を以下にご紹介します。
【ホームページ立ち上げの手順】
- ドメインの取得:ドメイン登録サービス(お名前.com、ムームードメインなど)を利用して、独自ドメインを取得します。
- レンタルサーバーの契約:レンタルサーバーサービス(エックスサーバー、mixhostなど)を利用して、レンタルサーバーを契約します。サーバー管理画面にログインし、取得したドメインとサーバーを連携させる設定を行います。
- HTMLファイルの作成:テキストエディタ(TextPad、CotEditorなど)を使って、HTMLファイルを作成します。拡張子を「.html」にして保存します。
- ファイルのアップロード:作成したファイルをFTPソフト(FFFTPなど)やレンタルサーバーの管理画面を通じて、レンタルサーバーにアップロードします。多くの場合、「public_html」や「www」といったディレクトリに置きます。
洗練されたホームページを制作するには、デザインや機能の実装など、より複雑な工程が必要となります。
しかしながら、骨子としては、上記のシンプルな工程のみでホームページは公開できます。根本的な仕組みとして、インプットしておきましょう
2-3. ホームページの作り方の選択肢
ホームページの作り方の骨子は上記のとおりです。
一方、より効率的に、あるいはより簡単にホームページを作るために、さまざまなツールやサービスが開発されてきました。
その一例として、以下が挙げられます。
- ホームページ作成サービス:Wix、Jimdoなど、ホームページを簡単に作れるオンラインサービスです。あらかじめ用意されたテンプレートを選んで、マウスでドラッグ&ドロップするだけで編集できるので、HTMLの知識がなくても直感的に利用できます。
- CMS:WordPress、Movable Typeなど、コンテンツ管理システム(Content Management System)と呼ばれるソフトウェアです。ブラウザ上で記事の投稿や更新、デザインの変更などができます。プラグインを使えば、機能の追加も可能です。
- ホームページ作成ソフト:Adobe Dreamweaverなど、ホームページ制作に特化したソフトウェアです。コードを直接編集する方法と、ビジュアルに編集する方法を切り替えられるので、HTMLの知識がなくてもデザインに凝ったホームページを作れます。
- HTMLエディタ:Bracketsなど、HTMLやCSSなどのコードを編集するためのソフトウェアです。コードの色分けやオートコンプリート(自動補完)機能などがあるので、コーディング作業がはかどります。
それぞれの詳細は以下の記事で解説しています。深く知りたい方は、あわせてご覧ください。
3. ホームページの種類と特徴
続いて、ホームページの「中身」に焦点を移しましょう。
ホームページには、目的に応じてさまざまな種類があります。ここでは、代表的なホームページの種類と特徴を解説します。
- コーポレートサイト:企業情報発信の要となるホームページ
- ランディングページ:商品やサービスの販売に特化したホームページ
- ECサイト:オンラインショッピングを実現するホームページ
- ポートフォリオサイト:制作物や実績をアピールするホームページ
- メディアサイト:情報発信や広告収入が目的のホームページ
3-1. コーポレートサイト:企業情報発信の要となるホームページ
1つめは「コーポレートサイト」です。
コーポレートサイトとは、企業の顔として機能する公式Webサイトを指します。
顧客・取引先・従業員・株主・投資家など、さまざまなステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを図る、重要な役割を担うホームページです。
【コーポレートサイトの主要な構成要素】
- 会社情報:会社概要・沿革・経営理念・事業所案内などを掲載します。
- 事業紹介:企業の事業内容や製品・サービスの詳細を紹介します。
- IR情報:投資家向けに、財務情報や株主総会の情報などを開示します。
- 採用情報:求人情報や採用プロセス、社員インタビューなどを掲載します。
- ニュース&トピックス:企業の最新ニュースやプレスリリースを発信します。
- お問い合わせ:問い合わせフォームや連絡先を提供し、コミュニケーションを促進します。
コーポレートサイトは、企業のブランド価値や信頼性を左右します。
戦略的な情報設計とデザインにより、自社の魅力を効果的に伝え、ステークホルダーとの良好な関係構築に寄与するホームページを目指すことが大切です。
3-2. ランディングページ:商品やサービスの販売に特化したホームページ
2つめは「ランディングページ」です。
ランディングページは、特定の商品やサービスの販売に特化したWebページです。
商品やサービスの魅力を最大限に訴求し、ユーザーを購入や申し込みへと誘導する狙いがあります。
広告や各種マーケティング活動との連動により、高い販売効果が期待できます。
【ランディングページの特徴】
- 集中した構成:商品やサービスの情報に特化し、ユーザーの興味関心を集中的に高める構成となっています。
- 限定的な導線:サイト内の導線を限定し、ユーザーを目的のアクションへと効率的に誘導します。
- 効果的な訴求:商品やサービスのメリットを強調し、ユーザーを購入などのアクションへと説得力をもって導きます。
- 明確なCTA(Call To Action:行動喚起):「今すぐ購入」「無料で試す」など、ユーザーに求める行動を明確に示します。
ランディングページを制作する際は、ターゲットユーザーの心理や行動パターンに対する深い理解が欠かせません。
魅力的な見出しやコピー、ビジュアル素材を用いて、ユーザーの関心を引き付け、購買意欲を高めます。また、導線を最適化し、ユーザーがスムーズに次のアクションへ移れるよう設計します。
詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
3-3. ECサイト:オンラインショッピングを実現するホームページ
3つめは「ECサイト」です。
単一の商品に特化するランディングページとは異なり、多様な商品を取り扱うオンラインショッピングを実現するサイトをECサイトといいます。
ユーザーが商品を探し、購入し、決済まで完了できるよう、さまざまな機能を備えています。
【ECサイトの主要な機能】
- 商品検索:商品カテゴリーや検索ワードを用いて、目当ての商品を素早く見つけ出せる機能です。
- 商品ページ:各商品の詳細情報を掲載したページで、画像・説明文・価格などを確認できます。
- ショッピングカート:購入予定の商品を一時的に保管し、まとめて決済処理ができる仕組みです。
- 決済機能:クレジットカード決済や銀行振込など、さまざまな支払方法での決済に対応します。
- 会員機能:会員登録により、注文履歴の確認やポイント付与などの仕組みを実装します。
ECサイトの運営では、商品管理・在庫管理・受注処理・配送手配など、多岐にわたる業務と連携する必要があります。
また、セキュリティ面での対策も重要です。個人情報の保護やクレジットカード情報の暗号化など、ユーザーが安心して利用できる環境を整備しなければなりません。
ECサイトを構築する際は、自社の事業規模や扱う商品の特性を踏まえ、最適なプラットフォームを選択することが大切です。
詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
3-4. ポートフォリオサイト:制作物や実績をアピールするホームページ
4つめは「ポートフォリオサイト」です。
ポートフォリオサイトは、おもにフリーランサーやクリエイターが実績や作品を紹介するためのWebサイトです。
自身のスキルや感性を表現し、クライアントや協業者とのマッチングを図ることを目的としています。
【ポートフォリオサイトの目的】
- スキルのアピール:デザインや写真、イラストなど、自身の作品を魅力的に展示して、スキルをアピールします。
- 実績の紹介:過去に手がけた仕事やプロジェクトを紹介し、実績を証明します。
- ブランディング:独自の世界観を表現し、個人のブランドを確立します。
- クライアントとのマッチング:ポートフォリオを通じて、仕事の依頼や提案を獲得することを目指します。
ポートフォリオサイトは、とくにフリーランス・個人事業主の方にとって、ビジネスチャンスを広げる有効な手段となります。
3-5. メディアサイト:情報発信や広告収入が目的のホームページ
5つめは「メディアサイト」です。
メディアサイトは、記事や動画などの情報コンテンツを発信することを目的としたWebサイトです。
メディアサイトを通じて収益化するビジネスモデルの例には、さまざまなパターンがあります。
【メディアサイトのビジネスモデルの例】
- 広告モデル:バナー広告や記事広告などを掲載し、広告主からの広告料によって収益を得るビジネスモデルです。サイトのアクセス数や広告のクリック数に応じて広告収入が増減します。
- アフィリエイト:商品やサービスを紹介する記事や広告を掲載し、読者がそこから購入や申し込みを行った場合に、アフィリエイト報酬を得るビジネスモデルです。紹介した商品やサービスの売上に応じて収益が決まります。
- 有料会員制:サイト内の一部または全部のコンテンツを有料会員向けに限定公開し、会員登録料や月額課金によって収益を得るビジネスモデルです。専門性の高い情報や、特別な価値を提供することが求められます。
- オウンドメディア:企業が自社の商品やサービス、ブランドに関する情報を発信することを目的としたメディアサイトです。直接的な収益化を目指すのではなく、自社の専門性やユニークな価値観を訴求し、認知度向上やブランドイメージの構築に役立てます。
メディアサイト運営では、ターゲットユーザーのニーズを捉えた価値あるコンテンツの継続的な提供が欠かせません。
加えて、SEOを意識した記事構成やソーシャルメディアとの連携により、認知度向上や収入拡大を図ります。
上記のうち、オウンドメディアについては詳しく解説した記事がありますので、以下をご覧ください。
4. ホームページ作成で最初に知っておくとよいこと
最後に、これからホームページ作成にチャレンジされる方が “先に知っておくとよいこと” をお伝えします。
達成したい目標や得たい成果に対して、効果的なホームページを制作するためには、以下のポイントを押さえることが有益です。
- 目的意識:何のためのホームページか明確に
- ツール選び:達成したい成果に適したツールを見極める
- ユーザビリティ:ユーザー視点に立った使いやすさ
- アクセシビリティ:誰もが情報にアクセスし利用できること
- セキュリティ:SSL化でWebサイトの信頼性を高める
- SEO:検索エンジンに見つけてもらうための工夫
4-1. 目的意識:何のためのホームページか明確に
1つめのポイントは「目的意識」です。
ホームページを立ち上げる目的は、企業や個人によってさまざまですが、目的を明確に定義づけることが、効果的なホームページ制作の出発点となります。
目的を明確にすることで、ターゲットユーザーを特定し、訴求すべきポイントを絞り込めるようになります。
【ホームページ制作の目的例】
- 商品やサービスの販売促進:自社の商品やサービスを訴求し、販売促進につなげることを目的とします。ターゲットユーザーのニーズを捉えたコンテンツを提供し、問い合わせや購入へと導きます。
- ブランディング:企業や個人のブランドイメージを構築し、認知度向上を図ることを目的とします。ビジョンや価値観を明確に伝え、ユーザーとの信頼関係を築きます。
- 情報発信:企業情報や専門知識など、有益な情報を発信することを目的とします。ユーザーに価値ある情報を提供し、ファン化や問い合わせにつなげます。
- 集客:店舗やイベントへの集客を目的とした情報発信を行います。魅力的なコンテンツやキャンペーン情報を掲載し、来店や参加を促進します。
- コミュニケーション:ユーザーとの双方向のコミュニケーションを目的とします。ブログやSNSとの連携により、ユーザーとの対話を通じて信頼関係を構築し、絆を深めます。
目的に合わせて、ホームページの構成やコンテンツ設計を最適化することが、ホームページの成果を高める鍵となるでしょう。
4-2. ツール選び:達成したい成果に適したツールを見極める
2つめのポイントは「ツール選び」です。
ホームページ制作では、目的に適したツールの選択が大切です。
多様なホームページ作成ツールが存在するなか、自社の目的や規模、予算に合ったツールを見極めることが、効率的なホームページ制作につながります。
【ホームページ作成ツールの選択基準】
- 目的との適合性:ホームページの目的に適したツールを選択します。販売を主眼とする場合は、ECサイト構築に適したツールを、情報発信が目的であれば、CMSなどのコンテンツ管理に長けたツールを選びます。
- カスタマイズ性:デザインやレイアウトのカスタマイズ性が高いツールを選択します。テンプレートのみで制限されるのではなく、独自のデザインを実現できるツールが望ましいでしょう。
- 拡張性:将来的な機能拡張やサイト規模の拡大に対応できるツールを選びます。プラグインや外部サービスとの連携など、柔軟な拡張性を備えたツールが適しています。
- サポート体制:ツールの利用方法や不具合への対応など、手厚いサポート体制が整っているか確認します。とくに初心者の方の場合、充実したサポートは心強い味方となります。
- コストパフォーマンス:初期費用や運用コストを考慮し、費用対効果の高いツールを選択します。無料プランや低価格プランも多数存在するため、自社の予算に見合ったツールを探しましょう。
ツール選びは、ホームページ制作の成否を左右する重要な要素です。
なお、新規顧客の開拓や売上アップなど、ビジネス成果を目的としてホームページを開設する方には、「Content Hub」のご利用をおすすめします。
【Content Hubの機能(一部抜粋)】
SEO対策、SNS投稿用テキストの生成、AIを活用したブログ記事作成、A/Bテストなど、成果に直結する機能が満載です。
詳しくは、以下のページにてご確認ください。
ContentHub:HubSpotコンテンツマーケティングソフトウェアのご利用をおすすめします。
4-3. ユーザビリティ:ユーザー視点に立った使いやすさ
3つめのポイントは「ユーザビリティ」です。
ホームページのユーザビリティは、ユーザーがストレスなくWebサイトを利用できるかどうかを示す指標です。
ユーザー視点に立ち、直感的な操作性や情報の見つけやすさを追求することが、ユーザビリティの向上につながります。
【ユーザビリティを高めるポイント】
- シンプルで直感的なナビゲーション:ユーザーが目的のページにたどり着きやすいよう、シンプルでわかりやすいナビゲーション設計を心がけます。カテゴリーを明確に分類し、階層構造を最適化しましょう。
- 読みやすいレイアウトとデザイン:情報の視認性を高めるため、読みやすいレイアウトとデザインを採用します。適切な文字サイズや行間を確保し、内容を把握しやすい構成に留意します。
- 適切な情報量とコンテンツの優先順位:ユーザーを情報過多に陥らせないよう、適切な情報量を意識します。重要な情報から優先的に提示し、ユーザーの関心に沿ったコンテンツ設計を行います。
- モバイル対応のレスポンシブデザイン:スマートフォンやタブレットなど、多様なデバイスに対応したレスポンシブデザインを採用します。モバイル環境でもストレスなく閲覧できるよう、タップ操作の最適化やコンテンツの読みやすさを確保します。
- ユーザビリティテスト(使いやすさの検証)の実施:実際のユーザーに協力してもらい、ユーザビリティテストを実施します。操作性の改善点やわかりにくい点を洗い出し、継続的な改善に役立てましょう。
ユーザビリティは、ユーザーの満足度に直結します。ユーザー視点でホームページを最適化し、使いやすさを追求することが、成果につながります。
具体的な実践は、以下の資料が参考になるでしょう。ぜひあわせてご覧ください。
4-4. アクセシビリティ:誰もが情報にアクセスし利用できること
4つめのポイントは「アクセシビリティ」です。
ホームページのアクセシビリティとは、年齢や障がいの有無などに関わらず、誰もが情報にアクセスし利用できることを指します。
【アクセシビリティを確保するポイント】
- コンテンツの構造や意味に即したHTMLの記述:適切な見出しタグや段落タグを使用し、セマンティックな(意味のある)HTMLマークアップを行います。音声読み上げソフトなどの支援技術が、コンテンツを正しく解釈できるようにします。
- 代替テキストの提供:画像には代替テキスト(ALTタグ)を付与し、視覚に障がいのあるユーザーにも画像の内容が伝わるようにします。一方、装飾的な画像には空の代替テキストを指定し、読み上げを省略するよう配慮します。
- 十分なコントラスト比の確保:文字と背景のコントラスト比(明暗差)を十分に確保し、視認性を高めます。カラーユニバーサルデザイン(参考:東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン)に配慮し、色覚に障がいのあるユーザーにも見やすいデザインを心がけましょう。
- キーボードでの操作性確保:マウスを使用できないユーザーのために、キーボードのみでもすべての機能を操作できるようにします。フォームのラベル付けやフォーカス移動の最適化を行います。
- 文字サイズ調整への対応:ユーザーが文字サイズを調整できるよう、相対的な単位(em、rem)を使用します。ズーム機能にも対応し、拡大縮小時のレイアウト崩れを防ぎます。
アクセシビリティは、Webの基本理念である「すべての人に平等にアクセスできること」を実現するための重要な要素です。
以下にデジタル庁が作成しているガイドブックのリンクをご紹介します。目を通して、ガイドブックに沿ったホームページ作成を心がけましょう。
4-5. セキュリティ:SSL化でWebサイトの信頼性を高める
5つめのポイントは「セキュリティ」です。
ホームページを作るとき、セキュリティ対策は欠かせません。
とくに、SSL(Secure Sockets Layer)という通信の暗号化技術を使って、Webサイトの信頼性を高めることが重要です。
【SSLの重要性】
- 個人情報の保護:SSLは、ユーザーの個人情報を暗号化して送信するため、第三者に盗み見られるリスクを軽減できます。
- 信頼性の向上:SSL化されたWebサイトは、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されるため、ユーザーに安全性をアピールできます。
※ SSL化されたホームページは、URLが「http://」ではなく「https://」で始まり、鍵マークが表示されます。
HTTPSは「Hypertext Transfer Protocol Secure」の略で、データを暗号化して送受信する仕組みを示しています。
レンタルサーバーを利用する場合、主要なサーバー会社の多くでSSLが標準装備されています。各社が提供する手順に従って、SSL設定を進めましょう。
一方、注意したいのは、SSLを設定しているにもかかわらず、エラーが発生してしまう場合です。
ユーザーから見ると、SSLの鍵マークにアラートが表示されるため、「危険なサイトではないか?」と不安を抱くことになります。
【SSL化に関するエラー】
- 「安全な接続ではありません」エラー:SSL証明書の設定が間違っている場合や、有効期限が切れている場合、証明書が信頼できる認証局から発行されていない場合などに表示されます。証明書の設定方法や有効期限、発行元を確認しましょう。
- 「混合コンテンツ」の警告:ページの中で、HTTPとHTTPSが混ざっているときに表示されます。画像やスクリプトなど、ページ内のすべての要素をHTTPSで読み込むようにします。SSL化したページから、SSL化していないページにリンクしているときにも、この警告が出ることがあります。リンク先のページもSSL化するか、リンクを変更する必要があります。
初心者の方にとっては、SSLの対応は難しく感じるかもしれません。
しかし、ユーザーに安心して使ってもらうためには、SSLは不可欠です。サーバー会社のサポート窓口などに相談しながら、正しくSSL化を進めていきましょう。
詳しくは以下の記事もご参照ください。
4-6. SEO:検索エンジンに見つけてもらうための工夫
6つめのポイントは「SEO」です。
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、検索エンジンで自社のホームページを上位に表示させるための最適化技術です。
検索エンジンからの流入を増やすためには、SEOを意識したホームページ制作が不可欠です。
【SEO対策のポイント】
- キーワードの選定と最適化:ユーザーが検索で使用するキーワードを選定し、ページタイトルや見出し、本文中に自然な形で配置します。キーワードの詰め込みすぎには注意しましょう。
- わかりやすいURL構造:URLはできるだけシンプルでわかりやすい構造にします。キーワードを含む、意味のあるURLを設計することが重要です。
- 適切なメタタグの設定:title、description、keywordsなどのメタタグを適切に設定します。ページの内容を的確に表現し、ユーザーの検索意図に合致したメタタグを心がけます。
- コンテンツの充実化:検索エンジンは検索順位を決める際に、コンテンツの質を重視します。ユーザーにとって価値のある、オリジナリティのある充実したコンテンツを提供することが求められます。
- 内部リンクの最適化:サイト内のページ間にリンクを適切に張り、検索エンジンのクロール(巡回)を促進して、重要なページに適切なリンク流入を誘導します。
SEO対策は、検索エンジンからの自然な流入を増やし、ビジネスの成果を高めるための重要な取り組みです。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
5. ホームページの基礎知識を身につけ一歩を踏み出そう
本記事では「ホームページ」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
ホームページの3つの意味として、以下を解説しました。
- Webサイトのトップページ
- ブラウザのスタートページ
- Webサイト全体
ホームページの仕組みとして以下を解説しました。
- ドメイン・サーバー・HTMLの関係
- ホームページ立ち上げの手順(シンプルバージョン)
- ホームページの作り方の選択肢
ホームページの種類として、次の5種類を取り上げました。
- コーポレートサイト:企業情報発信の要となるホームページ
- ランディングページ:商品やサービスの販売に特化したホームページ
- ECサイト:オンラインショッピングを実現するホームページ
- ポートフォリオサイト:制作物や実績をアピールするホームページ
- メディアサイト:情報発信や広告収入が目的のホームページ
ホームページ作成で最初に知っておくとよいことは、次のとおりです。
- 目的意識:何のためのホームページか明確に
- ツール選び:達成したい成果に適したツールを見極める
- ユーザビリティ:ユーザー視点に立った使いやすさ
- アクセシビリティ:誰もが情報にアクセスし利用できること
- セキュリティ:SSL化でWebサイトの信頼性を高める
- SEO:検索エンジンに見つけてもらうための工夫
ホームページは、情報発信の有効な手段であり、ビジネスにおいて欠かせないツールとなっています。本記事で解説した基礎知識を踏まえ、ホームページ作成に挑戦していただければと思います。