自社のWebサイトは今どんな状況なのか?成果を改善したいと考えているなら、まずは現状を正しく理解しましょう。
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WEBサイト トラフィック分析ダッシュボードは、ユーザーの動向が簡単に把握できるテンプレートです。可視化されたデータは、最善のSEOとコンテンツ戦略を導き出してくれるでしょう。
Webサイトの分析は、大きく分けて「定量分析」と「定性分析」があります。定量分析は、Google アナリティクスなどを使った数値に基づくもので、定性分析はユーザビリティテストなど数値では表せない分析内容を指します。
本記事では、定量分析・定性分析を行う際に押さえておきたいポイントや、おすすめの分析ツールについてご紹介します。
本記事で主に取り上げるGoogle アナリティクスは手軽にWebサイトのアクセス解析を行えるツールですが、分析を始めるにはまず目的を定めましょう。
セッションやページビュー、直帰率などの数値をなんとなく眺めていただけでは、増えたとしても減ったとしても、なぜそうなったのか、次にどうすればいいのかがわからずに時間だけを浪費してしまいます。
Webサイト分析の大きな目的は、コンバージョンに至ったユーザーの意図を理解すること、およびコンテンツを改善して流入を増やすことにあります。こうすることでWebサイトのユーザー体験は向上し、成長が期待できるでしょう。
そのうえで、自社のWebサイトではどのような数値を追うのか、KPIを設定し改善を繰り返します。
Webサイト分析の目的については、以下コラムもあわせてご覧ください。
無料で利用できるWebサイト分析ツール「Google アナリティクス」は、Webサイト運営には欠かせない存在です。無料とは思えないほど多彩な機能がある一方、確認できる項目が多すぎて、最初はどこをどう見るべきかわからないと感じる方も多いでしょう。
実際のところ、基本的なWebサイト分析で見るべき項目はそれほど多くはありません。最低限確認しておきたい指標を見ていましょう。
まず見るべきは、サイト全体のアクセス数です。Google アナリティクスの左メニュー「レポート」から、「エンゲージメント」「ページとスクリーン」へ進むことで以下の画面を確認できます。
ここではサイト全体の表示回数(ページビュー)、ユーザー数、アクセス数の多いページなどが確認できます。右上の日付を設定することで、アクセス数を見たい期間を変えられます。
なお、Google アナリティクスは2023年7月から新プロパティ「GA4」へ完全移行しており、セッションではなくユーザー数ベースの分析に変わっています。セッション数も確認できますが、このページではユーザー数を確認できるようになっています。
ユーザーがどのように自社サイトへアクセスしてきたのかを知ることも、今後の施策を考える上で重要です。
Google アナリティクスでは、「レポート」「集客」「トラフィック獲得」と進むことで、以下の画面を確認できます。
それぞれの指標は、以下のような意味があります。
なお、Webサイトへの流入経路をさらに詳しく知るにはGoogle の別ツール「サーチコンソール」を利用するのがおすすめです。
サーチコンソールとは、Webサイトへの流入経路について分析できるツールです。Google アナリティクスがWebサイトへ流入してからのユーザーの動きなどを分析するツールである一方で、サーチコンソールは流入するまでの分析を行います。
サーチコンソールでは例えば、オーガニック検索からの流入においてどのようなキーワードで検索されているか、SEO上問題のあるページはあるかなどをチェックできます。
Google アナリティクスでは、サイト内のユーザーの行動を可視化することもできます。
左メニューの「探索」から、初めて使う場合は「経路データ検索」から新しいデータ検索を作成することで以下のページを確認できます。
デフォルトでは「ステップ+1」の部分も「イベント名」になっているので、「ページタイトルとスクリーン名」に変更します。すると、セッションスタートからのユーザーのサイト内回遊が見えるようになります。
反対に、ゴールとなるページ(コンバージョンページ)から逆算し、どのように遷移してきたかを見ることもできます。
Google アナリティクスでは、コンバージョンを設定することでそれが達成されたかどうかを確認できます。
ページ右下の「設定」から「イベント」をクリックすると、以下のページを確認できます。
Google アナリティクスでは、ユーザーがサイト内で行った行動をすべて「イベント」として計測しています。イベントにはページビューやスクロールなどがあり、特定のページへのアクセスなど自身でカスタムすることもできます。
上図のページにてイベント数が計測されているので、コンバージョンとして設定したいイベントのトグルをオンにします。
その後、「レポート」「エンゲージメント」「コンバージョン」と進みます。
ここで設定した期間のコンバージョン数が確認できるので、ユーザー数あるいは表示回数などで割ることでコンバージョン率を算出できます。
以下コラムでは、Google アナリティクス(GA4)の使い方や分析内容を詳しく解説しています。
Google アナリティクスではユーザー行動の結果こそ分析できますが、Webサイト閲覧時のユーザー心理までは読み取れません。
しかしWebサイトを正しい方向に改善していくには、ユーザー心理についてもしっかり把握する必要があります。ここで必要になるのは、アナリティクス分析などの定量分析に対し、ユーザーの心理を理解するための定性分析です。
定性分析には、ユーザーヒアリングやユーザビリティテストなどがあります。例えばユーザーテストでは、実際にユーザーにWebサイトを利用してもらい、商品・サービスWebサイトのコンテンツがユーザーの課題解決にきちんと役立っているかどうかを確認します。
定性分析では、定量分析のようにはっきりとわかりやすい指標は出ませんが、クリティカルなシーンにおける課題解決策を見つけられるでしょう。
定性分析には、具体的に以下のような手法があります。
定性分析の中でも特に定番のものが、デプスインタビューです。
デプスインタビューとはグループインタビューに対して1対1のインタビューを指し、インタビュー相手とじっくり話しながら考えていることを引き出せる特徴があります。
グループインタビューでは、インタビュアーが複数人相手に同時にインタビューを行います。
話題を広く取ってインタビューできる他、共通の話題や認識から話が弾む場合もあり、思わぬ意見を拾えることがあります。
ユーザビリティテストでは、実際にWebサイトを触ってもらい、ストレスなくタスクを実行できるかを確認するテストです。
ディレクターの意図どおりにタスクを完了できればよし、引っかかるところがあれば改善の余地があるということです。
ヒューリスティック分析とは、ユーザビリティテストとやることは近いですが、実行者がUI・UXに精通した専門家である点が異なります。
専門家ならではの視点でUI・UXの欠点を洗い出し、ユーザビリティテストでは顕在化してこない改善点を発見します。
ヒートマップとは、Webページのどこにユーザーの視線が集まっているのか、あるいはマウスが通っているのかを分析するものです。
専用のツールを使うことで、サーモグラフィで温度差を見るように注目箇所を知ることができます。
ヒートマップで分析を行うことで、コピーの位置やCTAの位置を改善できます。
CRM(顧客関係管理)ツール、あるいはMA(マーケティングオートメーション)ツールを用いることで、Webサイトを訪れたユーザーのアクションをその前後とあわせて追跡できます。
CRM・MAは定量分析にも活かせますが、カスタマージャーニーマップとあわせてどこで離脱が起きているかを見ることで、定性的な分析も可能です。
ここではWebサイトの分析に役立つ無料ツールを6つ紹介します。いずれも手軽に利用できる定番ツールです。ぜひ使ってみてください。
先ほどチェック項目を解説した「Googlアナリティクス」は、アクセス分析に必須のツールです。
ユーザーが①どこから、②何を目的にサイトを訪れ、③何をどの時間見て、④目的を果たしたのかを解析できます。
「Juicer」は、人工知能がGoogle アナリティクスと連携してデータを解析し、ユーザーの属性や興味、心理などを教えてくれるツールです。
たとえばペルソナ分析では、データから導かれたユーザー像を提示してくれます。リードスコアリングでは、認知からコンバージョンに至るまでの各ステージにいる人数を確認できます。
「USER HEAT」はユーザーのマウスの動きや熟読エリア、離脱エリアなどをサーモグラフィのように色で表示するヒートマップツールです。
数値にできない行動が理解でき、コンテンツのリライトやデザインの改修に活用できます。
「WooRank(英語)」は、SEOの観点からサイトを解析するツールです。
入力されたURLのサイトについて、タイトル文字数やhタグ利用数など50の要素をもとにチェックして点数化。SEO上弱い部分を見つけて改善するのに役立ちます。
「AIアナリスト」はGoogle アナリティクスと連携し、自動解析から改善提案まで行ってくれる解析ツールです。
これまでご紹介してきたツールは、改善を検討する上で必要なデータを抽出するものだったのに対し、AIアナリストは改善点まで提案してくれるという特徴を持ちます。
「Content Hub」は、当社HubSpotが提供しているマーケティングソフトウェアです。
HubSpot独自のCMSを含むコンテンツ作成ツールですが、HubSpotのツール群と簡単に連携できるため、同一のプラットフォーム内でアナリティクスも利用できます。
ビジネス向けのテーマで作成したWebサイトを高度なアナリティクスで分析でき、レポートも自動で作成可能です。
次にWebサイトの分析・改善を行う上で押さえておくべきポイントを5つ解説します。
分析の結果、課題を発見できたと同時に解決策も考えるようにしましょう。
Google アナリティクスを巡回して課題をいくつか見つけたものの、そのまま放置してしまって手をつけていない・・・ということにならないよう、ネクストアクションもセットで考えると良いでしょう。
発見したひとつひとつの課題について、具体的な対策をできる限り考えましょう。
主観的な解釈ではなく、客観的事実に基づいて分析を行いましょう。
アクセス解析ツールから得られたデータをどう受け止めるかは担当者次第。自分の仮説に合わせて都合よく解釈してしまうのはよくあることです。
主観を完全に排除するのは難しいので、チームメンバーの意見やユーザーインタビューなどを通じてできるかぎり客観的な視点を取り入れるようにしましょう。
分析によって得られたデータは、過去のデータとの比較が大切です。
日々のPV数やセッション数の増減に目が行きがちですが、週単位・月単位など長期的にデータを比較し続けることで、施策の効果やトレンドなどを把握できるようになります。
アクセス数の変動はWebサイト自体だけでなく、外部要因が影響する場合もあります。
たとえば、Google では検索アルゴリズムを見直す「コアアップデート」を年に数回実施しています。これにより検索結果の順位が落ち、自然検索による流入が減少することはよくあります。
近年あった大きな外部要因としては、新型コロナウイルスの影響があります。また、競合他社の広告が自社のWebサイトに影響することもあります。
こうした外部要因まで広く考慮し、アクセス数の変動のうち本当に自社が原因である部分を見極めることが重要です。
PDCAを継続的に回し続けることも大切です。期間限定公開などの一部の例外を除き、ほとんどのWebサイトは長期的に運営されるものであり、それに伴い改善施策も長期間かけて取り組まなければいけません。
アクセス分析についてのさらなるコツについては、以下のコラムをご覧ください。
まず必要なことは自社Webサイトの分析ですが、継続的に成長していくためには競合他社のWebサイトの分析も重要です。
マーケティングにおいて、競合他社の動きを分析しない手はありません。
Webサイトにおいても同様であり、競合他社のWebサイトも分析することで自社にない要素、競合他社が行っている戦略などがわかるようになります。
また、ターゲットのニーズを分析することにもつながります。
競合サイトの分析ツールとして有名なものの1つが、「SimilarWeb」です。
SimillarWebは、競合サイトのアクセス状況をリサーチできるツールです。アクセス数だけでなく、流入キーワードや外部リンクまで検索可能ですが、無料版では対象期間が1カ月と短くデータ不足になることもあります。
より長い期間の分析がしたい場合は有料版に登録しましょう。
競合他社の分析において、気軽に始められるのはアクセス数の比較です。
分析のやり方としては、例えば同業であれば繁忙期が被ると考えられますが、自社Webサイトではあまりトラフィックが増えていないのに競合他社では増えているとすると、自社にはない要素や施策があると考えられるでしょう。
競合サイトを分析するためのさらに詳しいコツや、その他の便利なツールについては、以下コラムをご覧ください。
今回はWebサイトの分析において押さえておきたいチェック項目や、おすすめの無料分析ツールのほか、意識すべきポイントなどを解説しました。
Webサイト分析に取り組む際、データの向こうには「人間」がいるということを忘れないようにしてください。数値は結果でしかなく、その結果が出るに至ったユーザーの欲求や心理の変化があるはずです。
定量分析だけではなく、できれば実際に利用していただいているユーザーに直接話を聞いてみましょう。
データだけではわからなかった、意外なインサイトが見えてくるかもしれません。