CRMツール(CRMシステム)とは、文字通り、CRMを効率よく進めるツールです。
CRMとは「顧客とのやりとりの情報を集約して管理する」という概念のこと。
このCRMの概念を大切にすることが、ビジネスの大きな成長につながります。
たとえば、顧客に関する細かな情報や、顧客の購買プロセスにおける行動がわかれば、どんな情報をどのように届ければいいかがわかり、顧客にとって対してどのようなアプローチをとればいいかがわかります。
その結果、顧客からの信頼が得られ、やがて「お得意さま」が増えます。
見込み客に対しても同様。顧客や見込み客に寄り添い、ビジネスをより良く進めるためには、CRMの考えが欠かせないのです。
ただし、CRMを賢く進めるためには、顧客とのやりとりをこまめに記録し、必要なときに必要な情報をすぐに取り出せるようにしておくことが大切です。
顧客のプロフィールなどの属性情報をただ管理するだけなら、それこそExcelのような表計算アプリでも管理できますが、顧客とのやりとりを記録するとなると、管理すべき情報は多岐に渡ります。
たとえば、どんな商品を購入したのかといった「行動履歴」だったり、どんなお問い合わせがあり、どんな返信をしたかといった「やりとりの履歴」だったりと、記録すべき情報は多種多様です。
そこで、CRMツール(CRMシステム)の出番というわけです。
CRMツールを使うメリットは、大きく分けて5つ。
- 顧客情報や取引情報を効率よく記録できる
- 顧客とコミュニケーションをとるための機能が充実している
- 他部署との連携がしやすい
- PCだけでなくスマートフォンなど、さまざまな環境からアクセスできる
- バックアップをとる必要がなく、クラウド上にデータが保存される
これらのメリットは、まさにCRMツールならではです。
この記事では、CRMツール「HubSpot CRM」を提供しているHubSpotが、CRMツールの導入を検討されている方に向けて、 CRMツールの具体的な機能や、自社に合ったCRMツールを選ぶポイントについて解説します。
>こちらのページでは、CRMの考え方についてより詳しく解説しています。当記事とあわせてお読みください。
1.CRMツールは「顧客情報を記録し、使えるデータとして管理するためのツール」
CRMツールは「顧客情報を記録し、使えるデータとして管理するためのツール」です。
まずは、一般的なCRMツールにはどんな機能が入っているのかを見ていきましょう。
CRMツールと一口に言っても、ツールによって機能はさまざま。
ここでは、顧客情報の管理からマーケティングまでを一気通貫で対応可能なCRM「HubSpot CRM」の機能をもとに、一般的なCRMツールに備わっている機能を解説します。
1-1.CRMツールの主な機能
一般的なCRMツールには、主に以下のような機能が備わっています。
機能1:顧客情報の管理機能
顧客や見込み客の「属性」と「購買履歴」の情報を一か所で管理できる機能です。
(「属性」とは名前や業界といったプロフィール情報のようなものと考えてください)
機能2:マーケティング機能(顧客にアプローチするための機能)
顧客や見込み客を、商品の購入履歴や購入前の行動などの情報を用いて、特定のカテゴリに分けてリスト化します。
その後、特定の顧客にのみ自動でメールを送信したり、顧客や見込み客の状況を理解した上で電話をかけてアプローチできる機能です。
機能3:営業支援機能
日報を入力してチーム内で共有したり、営業活動のスケジュールや担当者のタスクを管理するなど、営業活動をサポートする機能です。
機能4:顧客のサポート機能(カスタマーサポート機能)
顧客の「属性」「購買履歴」の情報に、メールや電話で顧客とやり取りした内容をひも付けて記録できる機能です。
上記の機能をもう少し具体的に説明するために、当社HubSpotが提供する「HubSpot CRM」を例にして、次のような説明の表をつくってみました。
CRMツールを使ったことがない方にとっては少し難解に感じるかもしれませんが、ひとまず「こんなに多くの機能があるのか」ということを知っていただくだけで大丈夫です。
各機能 | できること | 具体的な機能 |
---|---|---|
顧客の管理機能 | 顧客情報の一元化 | ・顧客の連絡先の管理 ・取引先の会社の情報を記録 ・顧客とのやり取り(メール、Webチャットなど)の内容を一元管理 ・顧客からの問い合わせを担当者に割り当て、対応状況を確認 ・条件別で顧客をセグメント・リスト作成 |
顧客データベースのカスタマイズ | ・記録したい顧客情報の項目を追加・編集 | |
顧客のサポート機能(カスタマーサポート機能) | サポート内容の記録 | ・電話の発信・通話ログを記録 |
チャット機能 | ・ウェブチャット ・チャットボット | |
サポート内容のレポート機能 | ・問い合わせ対応のレポートを作成 (対応終了までに要した時間、ジャンルなど) ・担当者の対応時間・対応件数の記録 | |
サポートノウハウの蓄積 | ・メールテンプレートの作成・保存 ・よくある質問の回答の作成・保存 | |
マーケティング機能(顧客にアプローチするための機能) | 見込み客・顧客のトラッキング | ・ウェブサイトの閲覧履歴の取得 (ページビュー数、フォーム送信の有無など) ・匿名顧客のトラッキング・サイト訪問者の情報確認 ・メール開封時の通知 |
フォーム作成 | ・フォーム作成 ・ランディングページ作成 ・モバイルでのフォームのプレビュー | |
広告との連携 | ・広告管理 | |
外部ツールとの連携 | ・GmailやOutlookとの連携 ・Messengerとの連携 | |
メール配信 | ・メールの自動配信設定 ・メールの一括送信 | |
営業支援機能 | 案件の進捗管理・見える化 | ・商談内容の管理・レポート作成 ・企業情報取得の自動化 |
レポート作成 | ・営業活動のレポート作成 ・見積もり作成 | |
スケジュール調整 | ・顧客とのミーティングを自動で設定 | |
売上予測機能 | ・収益の予測機能 |
通常、営業活動を見える化する機能は「SFA(Sales Force Automation)」、マーケティングを自動化する機能は「MA(Marketing Automation)」というツールに含まれます。
(「SFA」と「MA」は、元々「CRM」という言葉と同じく「概念」を指す言葉でしたが、最近はツールそのものを指すケースが増えています)
しかし、一般的に提供されているCRMツールの中には、それらの機能を含むものがあり、CRMとSFAやMAとの垣根がなくなってきています。
ただし、CRMを成功させるためには、SFAとMAの概念を詳しく知っておくことも大切です。
よって続いては、CRMツールとSFAツール、MAツール、カスタマーサポートツール、それぞれ何ができてどう違うのかを説明しておきます。
1-2.CRMツールとSFA、MA、カスタマーサポートツールとの違い
CRMツールと他のツールとの違いを、次の表にまとめました。
CRM (Customer Relationship Management) | SFA (Sales Force Automation) | MA (Marketing Automation) | カスタマーサポート | |
---|---|---|---|---|
日本語名 | 顧客情報管理 | 営業支援 | マーケティングオートメーション | ー |
管理する情報 | ・顧客の購買データ (商品購入履歴など) ・顧客のアフターフォローにおける対応履歴 | ・見込み客の連絡先などの基本情報 ・営業や商談の内容や進捗、スケジュール、売上など | ・見込み客の連絡先などの基本情報 ・MAツール上で取得した情報 (顧客のサイト閲覧履歴、資料ダウンロード数など) | ・見込み客・顧客とのメールや電話でのやり取りの内容 |
利用する目的 | 顧客との良好な関係の構築 (リピーター化) | 営業業務の効率化・推進 | マーケティング業務の効率化 | 顧客対応の質の向上 |
主な機能 | ・顧客データベース作成 ・顧客のセグメント(リスト作成) | ・案件管理 ・スケジュール管理 ・日報管理 ・予実管理 ・帳票作成 | ・条件に合わせたメール配信の自動化 ・トラッキング ・フォーム作成 ・データ分析やレポート作成 | ・チャット ・対応内容のレポート作成 ・メールテンプレ―トの作成 |
このように、各ツールが管理する情報や利用する目的はそれぞれ異なります。
元々、CRMツールの機能は「顧客データベース作成」や「顧客のセグメント」などに限定されていました。
しかし、顧客と良好な関係を築くためには、それらの機能だけでは不十分です。
よって、CRMツールにSFAやMAの機能も含まれることが増えてきました。
ただし、後述するように、CRMツールにはあえて特定の機能に特化したものなどがあります。
よって、CRMツールを選ぶ際は、自社の課題を洗い出した上で、その課題の解決にふさわしいツールを選ぶ必要があります。
とはいえ、どのCRMツールにどんな機能が備わっているかを確認するのは大変です。
よって、この記事の後半では、各社のCRMツールの機能の違いを取り上げます。
ちなみにCRMツールは、「クラウド型」と「オンプレミス型」という大きな2つのタイプに分かれます。
その2つのタイプの違いについて詳しく説明します。
1-3.「クラウド型」と「オンプレミス型」とは?
「クラウド型」と「オンプレミス型」という2つのタイプの違いは、次のようなものです。
1.クラウド型
サービスを提供するベンダー側でシステム構築されたものを、インターネットを介して利用できる形態を指します。
利用者側でサーバーを用意する必要がなく、導入ハードルが低いのが特長です。
2.オンプレミス型
サービス利用者側が用意したサーバーに、ベンダー側が用意したソフトをインストールして利用する形態を指します。
自社サーバーを用いるため、利用者側でカスタマイズしやすいという特長があります。
また、利用者側の設備で管理するため、情報漏洩のリスクが少ないといわれています。
(ただし、クラウド型では、ベンダー側のプロフェッショナルがセキュリティを管理するため、むしろクラウド型のほうが安心という人もいます)
クラウド型とオンプレミス型のメリットとデメリットをさらにまとめてみました。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
メリット | ・費用を抑えて運用できる ・データのバックアップや自社内でのツールのメンテナンスが不要 ・すぐに導入できる ・スマホやタブレットからツールにアクセス可能 | ・自社の環境に合わせて柔軟にカスタマイズが可能 ・オフラインの環境でも使用可能 |
デメリット | ・ユーザー数ごとの従量課金制のサービスが多く、利用するユーザー数を気にする必要がある ・自社の用途に合わせたカスタマイズが難しい場合がある | ・導入・運用にある程度のIT知識が必要なため、導入ハードルが高い場合がある ・スマホなど社外での利用が難しい |
クラウド型、オンプレミス型、どちらも一長一短ではありますが、オンプレミス型は導入にそれなりのコストと手間が発生します。
よって、「CRMの経験がなく、まずはチャレンジしてみたい」という方にとっては、クラウド型をオススメします。
クラウド型なら、サーバーの用意が不要ですぐに導入できるだけでなく、無料のトライアル期間が用意されているサービスも多く、ツールの使い勝手を試しやすいからです。
そのため、ここからはクラウド型のCRMツールをもとに解説していきます。
もし、オンプレミス型のCRMツールを導入したいという方は、今回紹介している「定番のCRMツール14選」の中に、オンプレミス型も選べるツールを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
2.自社に合ったCRMツールの選び方
それでは、ここからはクラウド型のCRMツールをもとに、自社に合ったCRMツールの選び方をお教えします。
自社に合ったCRMツールの選ぶ際は、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
【選び方1】
自社の課題を解決できる機能が備わっているか
たとえば、毎月のメール配信数が多い場合は、月間のメール配信可能数がどれくらいなのかを把握する必要があります。
また、Webサイト上での顧客の行動を見える化したい場合は、顧客のトラッキング機能が必要です。
「CRMツール」と呼ばれるツールの中には、営業支援機能はあるがデータ分析機能は不十分・・・というものもあるため、見たい数字を記録・可視化できるかどうかは事前に確認しましょう。
【選び方2】
無料版・お試し期間があるかどうか(トライアルの有無)
ツールを一度導入したあとで乗り換えを検討するのは、費用面だけでなく、顧客情報の移行の手間がかかります。
自社にとって必要な機能が実際に使えるか、また社内で問題なく運用できそうかを、導入前の「無料トライアル」の期間で確認しましょう。
トライアル期間は、14日前後の場合が多いので気を付けてください。
【選び方3】
サポート体制が充実しているかどうか
CRMツールは、社内に運用の文化が定着してから、ようやく成果が出るものです。
運用の文化が社内に定着するためには、ツールの運用をスムーズにおこなうことが不可欠。
そんなとき、各社からサポートが受けられると助かります。
CRMツールを提供する会社の中には、導入時のサポートだけでなく、動画コンテンツなどでスムーズなツールの運用をアシストしている場合があります。
【選び方4】
自社の利用シーンに合わせて使えるかどうか
CRMツールは、いつ誰がどう使うのかによって、必要な機能が異なります。
たとえば、営業マンが外出先でツールを使用する際はモバイル対応が必要になります。
また、オフラインで使用したい場合には、オンプレミス型のツールが必要です。
利用シーンに合った機能が備わったツールを選びましょう。
それでは、いよいよ次から、私たちがオススメするCRMツールを厳選して紹介します。
3.CRMツールの導入時にぜひ検討したい定番ツール14選
今回紹介するCRMツールは、次の3つの条件を満たしたものです。
- 無料のトライアル期間がある
- サポート体制が充実している
(日本語に対応している、導入時のサポ―トプランやマニュアルが用意されている) - クラウド上で導入できる
この3つの条件を満たしたCRMツールを選んだ上で、各社ツールに備わっている機能を軸に比較してみました。
3-1.機能別のツール比較表
各社のCRMツールに備わっている機能を表にまとめました。
表にする際に各社の製品情報を参考にしましたが、記載のない情報もありましたので、以下の3つの記号を用いて、各情報がどういう情報なのかをわかりやすくしています。
〇:製品情報ページに記載あり
★:同社が提供する他プラン・ツールで利用可能
ー:製品情報ページに記載なし
「ー」と記載された機能についても、外部ツールとの連携で使用できるケースがありますので、以下の順序で確認してください。
- 次の表で、自社にとって優先度の高い機能を備えているツールを選ぶ
- そのツールについて、このあとの紹介文で概要をチェック
- 最終的に、各製品情報のページへ行き、使いたい機能がすべて備わっているかを詳細に確認
(機能が備わっていない場合は、外部連携でカバーできないか確認する)
Sales Cloud | HubSpot CRM | Zoho CRM | Sansan | Zendesk Sell | Synergy! | eセールスマネージャーRemix cloud | ちきゅう | Senses | B→dash | SATORI | Kintone | Knowledge Suite | Microsoft Dynamics 365 for Sales | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
強み | CRM~MAまで網羅 | CRM・カスタマーサポート | SFA | MA | 独自性 | ||||||||||
顧客情報の管理 | 顧客情報の一元化 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
顧客サポート | サポート内容の記録 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | ー | ー | ★ | ー | ー | 〇 | ー | ★ |
チャット機能 | ★ | 〇 | ★ | ー | 〇 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ★ | |
マーケティング機能 | 見込み客・顧客のトラッキング | 〇 | 〇 | ★ | ー | 〇 | 〇 | ー | ー | ー | 〇 | 〇 | ー | ー | ★ |
フォーム作成 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | ー | ★ | ー | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | |
広告との連携 | ★ | 〇 | 〇 | ー | ー | 〇 | ー | ★ | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー | |
顧客へのプッシュ通知・ポップアップ機能 | ★ | ー | ★ | ー | ★ | ー | ー | ー | ー | 〇 | 〇 | ー | ー | ★ | |
メール配信 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | |
営業支援機能 | 商談の進捗管理・見える化 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー | 〇 | 〇 | 〇 |
レポート・帳票作成機能 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | |
名刺OCR機能 | ★ | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー | 〇 | ★ | 〇 | ー | ー | ー | 〇 | 〇 | |
モバイル対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー | 〇 | 〇 | 〇 |
※「メール配信」は「メールの送受信の内容をCRMツール内に蓄積できる」機能を指しています。
そのため、「CRMツールに備わっているメール送信・受信機能」もしくは「Gmailなど外部メーラーとの連携機能」のいずれかが含まれている場合、〇もしくは★で評価しています。
※「名刺OCR(Optical Character Recognition)機能」とは、名刺をスマホや専用機器でスキャンし、名刺の情報をデータ化できる機能です。
※上記は2021年2月時点の情報です。
3-2.【特徴別】定番のCRMツール14選
続いて、先ほど紹介したCRMツールの各特徴を詳しく説明していきます。
カテゴリのアルファベット名は便宜的に用いているだけですので、各社のCRMツールに優劣はありません。
- A.CRMからMAまで、網羅的な機能が強み
- 1.Sales Cloud
2.HubSpot CRM
3.Zoho CRM - B.CRM・カスタマーサポート機能が強み
- 4.Sansan
5.Zendesk Sell
6.Synergy! - C.SFA機能が強み
- 7.eセールスマネージャーRemix cloud
8.ちきゅう
9.Senses - D.MA機能が強み
- 10.B→dash
11.SATORI - E.独自性に強み
- 12.Kintone
13.Knowledge Suite
14.Microsoft Dynamics 365 for Sales
A.CRMからMAまで、網羅的な機能が強み
CRM、SFA、MA、カスタマーサポート機能をまんべんなく備えているツールです。
1.Sales Cloud
特徴
- 「カスタムオブジェクト機能」で、デフォルトの設定にない顧客情報を追加できる
- ツールを活用し、CRMの成果を出す方法を学べる「Trailhead」という独自コンテンツが充実している
業界トップのシェアを誇る「Sales Cloud」は、「売上を最大化する」ために自社のビジネス形態に合わせてツールを柔軟にカスタマイズできるのが最大の特徴です。
具体的には「カスタムオブジェクト機能」を使うと、CRMツールでもともと管理できる基本情報(氏名・メールアドレス・取引情報など)に加え、特定の業種の企業が管理したい情報、例えば不動産であれば「物件」、広告代理店であれば「媒体」情報なども管理できるようになります。
ただし、複雑なカスタマイズは専門知識がないと難しい場合もあるため、カスタマイズ前提で導入する場合は、社内の運用体制を事前に確認しましょう。
また、MAの機能も備わっていますが、顧客に合わせたメールマーケティングなど、マーケティング機能を拡張したい場合は、同社が提供する「Marketing Cloud」や外部ツールの「Pardot」との連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
---|---|
導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
※Essentialsプランの場合、利用できるユーザー数は10名まで |
関連リンク |
2.HubSpot CRM
特徴
- ずっと無料で使える
- 見込み客のトラッキングから、顧客のアフターフォローの機能まで網羅
- 自社の課題に合わせて機能を拡張できる有料プランを備えている
HubSpotは「顧客に自社商品を見つけてもらう」という「インバウンドマーケティング」を提唱した会社です。
インバウンドマーケティングでは、まず見込み客を惹きつけ、関心をもった見込み客と信頼関係を築き、商品購入後の顧客に引き続き満足してもらえるようアフターフォローをします。
同社が提供する「HubSpot CRM」には、その過程で必要な機能がまんべんなくそなわっています。
そのため、見込み客のWebサイト上での行動から、アフターフォローまで一括して確認でき、顧客に合わせたマーケティング施策を考えやすい体制を作れます。
SFA、MA、カスタマーサポートのそれぞれの機能は「Marketing Hub」など他プランを契約することでより拡張させることができます。
項目 | 詳細 |
---|---|
導入価格(税抜) | 無料 |
料金プラン / 月(税抜) | 無料 ※Marketing Hubなど、他プランは6,000円 / 月~から提供 |
関連リンク |
3.Zoho CRM
特徴
- 初期費用が一切かからず、月額の費用が安価
- Zoho内の他ツールと連携することで、ソーシャルメディア上での顧客とのコミュニケーション内容も、顧客情報として一元管理できる
「Zoho CRM」は、有料CRMツールの中では、月額の料金プランが比較的安価な上に基本機能が充実しており、非常にコストパフォーマンスが高いCRMツールです。
機能が豊富なため、過去に他のツールの導入経験があり、より専門的な機能を使いたいという方にもオススメです。
Zoho CRMの機能を拡張したい場合は、同社の別プランやツールを連携できます。
たとえば、サイト上に表示するチャット機能は、無料でも利用できる「Zoho SalesIQ」(https://www.zoho.com/jp/salesiq/pricing.html)との連携で利用できます。
また、Webサイトでの見込み客のトラッキング機能など、MA機能をより充実させたい場合は「Zoho Marketing Hub」(https://www.zoho.com/jp/marketinghub/)との連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 無料 |
料金プラン / 月(税抜) |
|
関連リンク |
B.CRM・カスタマーサポート機能が強み
「名刺情報もデータ化したい」「CRMの中でもカスタマーサポートに注力したい」という方向けのCRMツールです。
4.Sansan
特徴
- 名刺情報を起点に顧客データベースを作成できる
- OCRとオペレーターの手入力により、ほぼ100%の精度で名刺情報をデータ化できる
- 社内の人脈を可視化できる
法人向け名刺管理ツールとして、国内シェアNo.1の「Sansan」。
高い精度で名刺の情報をデータ化し、顧客データベースを作成できることからCRMツールとしても活用されています。
CRMがうまくいかない事例の一つに「重複した企業データや名刺データが存在し、データ精度が落ちる」というケースがあります。
しかし「Sansan」では「自動名寄せ機能」により、入力した情報が重複していた場合も一人の顧客に情報が紐づけられるため、同じ顧客への情報がバラバラに保存されることを防げます。
また、自社の社員の名刺情報も管理できることから、社員間の人脈を可視化できるため、誰がどの領域について詳しいのかなどがすぐに把握でき、部署を越えてコミュニケーションをとりやすくなります。
「Sansan」の顧客情報を活用したい場合は、他SFA、MAとの連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
※契約期間1年 |
関連リンク |
5.Zendesk Sell
特徴
- APIが豊富で、普段使用している外部ツールと連携しやすい
- 通話の記録・録音・メモを残す機能など、電話営業機能が充実している
「Zendesk」はデンマークは発祥のカスタマーサポート機能に優れたコミュニケーションツールで、AirbnbやUberなどBtoC業界で広く導入されています。
「Zendesk sell」は「Zendesk」のツール群のうちの一つで、営業支援機能はもちろんのこと、メール・電話の顧客とのやり取りの内容を記録することができるなどカスタマーサポート機能に強みがあります。
また、メールテンプレートを無制限に作成・保存できることから、効率よく顧客に合ったコミュニケーションを取ることができます。
そのためカスタマーサポート対応の業務を効率化したい、対応の質を上げたいという人にもオススメのツールです。
APIが豊富なため、MA機能をより充実させたいと考えた場合も、外部ツールとすぐに連携できます。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
6.Synergy!
特徴
- ツール画面に専門用語が用いられておらず、シンプルなデザインで使いやすい
- アンケート配信機能を利用できる
- 顧客情報の分析など、自社の課題について相談できる有料プランが豊富
「Synergy!」は顧客管理に必要な機能だけを厳選したCRMツールです。
顧客情報のデータベース作成とフォーム作成が基本機能に含まれ、必要に応じてメールやLINE配信機能、アンケート作成機能を追加できます。
また、データ分析を依頼できる有料プランが豊富で、自社の課題に合わせて利用することで、CRMツールに蓄積した顧客情報を有効活用できます。
ツール画面には、必要な機能のメニューのみが並んでおり、専門的なマーケティング用語もほぼ用いられていないため、マーケティングについてあまり知識がない人にも使いやすい仕様になっています。
カスタマーサポートではツールの操作方法についても無償で相談できるため、初めてCRMツールを導入する人も安心して導入できます。
名刺をスキャンして取り込みたい場合は、本記事でも紹介している「Sansan」などの名刺管理ツールとの連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 118,000円 |
料金プラン / 月(税抜) | データベース / フォーム(基本機能):15,000円~ / 月 ※メール配信などをおこなう場合は別途有料で他プランの契約が必要 |
関連リンク |
C.SFA機能が強み
CRMの運用と合わせて「案件を効率よく管理したい」「営業業務の手間を省きたい」という方向けのCRMツールです。
7.eセールスマネージャーRemix cloud
特徴
- 担当アドバイザーによる個別アドバイスや研修サービスなど、導入から運用までのフォロー体制が充実している
- 「地図機能」「人脈管理機能」など便利な営業支援機能が充実
- クラウド型とオンプレミス型を選べる
「eセールスマネージャーRemix cloud」は、営業を効率化するための便利な機能が充実している点が最大の特徴です。
具体的には、マップ上で訪問先の情報を登録ができる「地図機能」や、各取引先の決裁者などコンタクトを取るべき人を見える化できる「人脈管理機能」などが備わっています。
またツール導入時には、自社の状況に合わせて「オンライン導入プラン」や、短期間で運用を定着させる「スピード導入プラン」などのサポートプランを利用できます。
蓄積されたデータをリアルタイムでクロス集計したり、グラフ化する場合はオプション機能の利用が必要です。
また、マーケティング機能を使いたい場合は、外部ツールとの連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
8.ちきゅう
特徴
- CRMに必要な最低限の機能を低価格で利用できる
- 導入事例紹介のイベントが定期開催されるなど、導入時のサポートが充実している
「多機能で高額なCRMツールを導入したけれど使いこなせなかった」というケースは少なくありません。
「ちきゅう」は、まずは自社に必要な最低限の機能をそろえて、ツールの運用を定着させたい人にオススメのツールです。
10名以上で契約する必要はありますが、ユーザー一人あたりの月額費用がかなり抑えられており、安価に運用を始められます。
導入事例の紹介をおこなうイベントが定期的に開催されていたり、初期設定のサポ―トや自社の課題についてのヒアリングが受けられるため、ツール導入に不安がある人も安心です。
(※サポート時の費用については要問い合わせ)
サイトを訪れた顧客へのポップアップ機能や広告との連携は、外部のMAツール「MAJIN」の利用がオススメされています。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
※最低利用期間は1年 |
関連リンク |
9.Senses
特徴
- 営業案件を「案件ボード」上でカンバン形式で管理できる
- 運用定着を支援するプランやツール上にお問い合わせ用のチャット機能があり、サポートが充実している
「Senses」は営業案件の進捗が視覚的に確認しやすく、営業現場でも使いやすいことに定評があります。
各案件をカンバン形式で管理できる「案件ボード」では、案件の進捗状況によってカンバンの色を変えたり、アラートを出したりすることで、すべての案件の進捗状況を一目で確認できます。
そのため、進捗が滞っている案件を把握しやすく、タスクの抜け漏れを防止できます。
また、Googleカレンダーとの連携により、ツールを導入していない部署間とのスケジュール共有も可能です。
メールの一斉配信機能は、オプションの追加、もしくはグロースプラン以降で利用できます。
また「Senses」の運営会社「株式会社マツリカ」が提供する「Notia(ノーティア)」というツールを連携させると、重要顧客のメールを自動で仕分けたり、メールの開封タイミングや平均返信時間などを知ることができ、メールマーケティングやカスタマーサポートに役立てられます。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 無料 |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
D.MA機能が強み
とくにMA機能を利用したいという方や、確度の高い顧客にアプローチするためにより詳しい顧客の行動・ニーズを把握したいという方という方向けのCRMツールです。
10.B→dash
特徴
- プログラミングスキルがなくてもデータを扱える
- データ分析方法の種類が豊富
- LINE、SMSで顧客にメッセージ配信ができる
「b→dash」はCRM機能も備えたMAツールで、データを扱うための専門的な知識がなくても、顧客データの取込から活用までおこなえるツールです。
とくに分析できるデータの種類が豊富で、プロモーション媒体ごとのコンバージョンへの貢献度の測定(アトリビューション)から、顧客一人当たりの購入金額の算出(LTV分析)までを一貫しておこなえます。
また、LINE、SMSとも連携し、顧客とのコミュニケーションに活用できるため、データ分析結果を踏まえ、顧客へのアプローチを速く進められます。
なお、SFAツールとしての機能はあまり備えていないため、SFAの機能がほしい場合は外部ツールが必要です。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
11.SATORI
特徴
- お問い合わせ前の見込み客も匿名でトラッキングできる
- 複数サイトのドメインをまたぎ、顧客情報を管理できる(複数ドメイントラッキング機能)
- 条件に合わせて、顧客をセグメントできる
「SATORI」は、Webサイト上での顧客の行動をより詳細に把握できる機能に定評があるMAツールです。
最大の特徴は、情報を得ていない見込み客でも匿名でトラッキングできる点です。
複数のドメインをまたいで顧客情報を管理することもできるため、今まで見えなかったWebサイト上での見込み客の行動を見える化し、見込み客へのアプローチ方法の改善に活かせます。
また、データベースの設計・導入作業をする必要が無いため、ツール導入を急ぐ場合も最短即日で運用をスタートできます。
スマホでの使用も検討している人は、モバイル対応しているかどうか導入前に問い合わせるのがオススメです。
また、営業支援機能も使いたい方は、外部のSFAツールとの連携も合わせて検討しましょう。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 300,000円 |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
E.独自性に強み
社内業務を管理し、効率化する「グループウェア」にCRMの機能が備わったツールです。
顧客情報とともに、社内の情報や業務も同じツール上で管理したいという方向けのCRMツールです。
12.Kintone
特徴
- 管理している情報について、社員間でチャットでコミュニケーションをとったり情報共有したりできる
- さまざまな業務をカンタンにシステム化できる
本来「Kintone」は、社内の情報共有や業務の効率化をおこなうための「グループウェア」として提供されています。
しかし、どんな業務もカンタンにシステム化でき、案件などの社外情報も管理できることから、CRMツールやSFAツールとしても活用されています。
顧客情報を入力する際は、各業界に合わせたテンプレートが用意されているため、事前に複雑な設定をせずに顧客情報の入力を進められます。
「Kintone」自体にはメール配信機能は備わっていないため、ツールからメール配信をおこないたい場合は、同社のサービス「メールワイズ」との連携がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 無料 |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
13.Knowledge Suite
特徴
- ユーザー数無制限で利用できる
- シンプルなグループウェアの機能で、社内情報も管理できる
「Knowledge Suite」は、CRMとSFAの機能が備わったグループウェアです。
最大の特徴はユーザー数無制限で利用できる点であり、より多くの社員にツールを運用してもらいたい場合にも、追加料金を気にせず利用できます。
「ライトプラン」には、基本的には社内の情報共有および業務効率化をできる機能が備わっています。
そのため、顧客情報の管理や共有、CRMツールでフォーム作成などをおこないたい場合は「SFAスタンダード」もしくは「SFAプロフェッショナル」のプランの利用がオススメです。
項目 | 詳細 |
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導入価格(税抜) | 無料 |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
14.Microsoft Dynamics 365 for Sales
特徴
- Microsoft Office製品との互換性・連携がスムーズ
- 財務や人事など、顧客情報以外の企業資産を管理できるプランも提供
- クラウド型とオンプレミス型を選べる
「Microsoft Dynamics 365 for Sales」には、「人・モノ・金」などの企業資産を管理する「ERP(企業資産管理)」を進めるツールとしても利用できます。
そのため、顧客情報だけでなく、自社の財務状況や人事に関わる業務についても、同じツールで一括して管理したい人にオススメです。
顧客情報の一元管理などCRM、SFAツールとして使う場合は「Microsoft Dynamics 365 for Sales」のプラン、メールマーケティングの自動化などMAツールとして使う場合は「Dynamics 365 for Marketing」のプランがオススメです。
また、Microsoftが提供しているため、Office製品とスムーズに連携できます。
普段からOutlookのメールを使っている場合も、メーラーと連携して顧客とのやり取りの内容をツール内に蓄積できます。
項目 | 詳細 |
---|---|
導入価格(税抜) | 要問い合わせ |
料金プラン / 月(税抜) |
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関連リンク |
まとめ:CRMツールを賢く使って、顧客とさらに良好な関係を築こう
自社のニーズに合ったツールは見つかりましたか?
CRMツールと一口に言っても、ツールによって機能はさまざま。
もし、どのCRMツールを選べばいいかわからない場合は、ぜひ私たちが提供する「HubSpot CRM」も検討してみてください。
使いやすくわかりやすいインターフェイスに触れていただくことで、CRMを現場に導入するイメージをすぐにつかんでいただけると思います。
ちなみに、「HubSpot CRM」は完全に、永久無料でご利用いただけるCRMです。
機能を追加されたい場合に費用が発生しますが、無料で使える機能だけでも、十二分にCRMの世界に触れていただけるはずです。
CRMに力を入れる企業が増えれば増えるほど、顧客との温かい関係が世界中に広がっていく。
今回の記事が、すべての企業さまの良好なビジネス実現の一助となれば幸いです。
元記事発行日: 2021年3月09日、最終更新日: 2021年4月16日
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