メルマガは顧客や見込み客に対してダイレクトアプローチが可能なマーケティング手法です。しかし、いざメルマガを書くとなると、「読者に響く内容にするには何を書けばいいのか」「どういった構成でメルマガを作成すればいいのか」と悩んでしまう方も少なくありません。
本記事では、メルマガで成果を出すために知っておきたいポイントを解説します。メルマガの基本構成や読者の注目を高めるためのテクニックなど、実践的な内容を紹介しますので、特にメルマガ作成が初めての方はぜひ参考にしてください。
メルマガ配信ガイド&事例集(2021年最新版)
メルマガを配信する目的は?
メルマガを作成する前に、なぜメルマガを配信する必要があるのか、メルマガをどのように自社のマーケティングに活かすのか、目的を明確にすることが大切です。
メルマガ配信の主な目的は次の3つが挙げられます。
- 販売促進
- 課題の喚起
- 信頼関係の構築
メルマガの目的ごとに配信内容や頻度が異なります。
現状を踏まえ、どのような成果が求められているかを整理したうえで、目的に見合ったメルマガを配信しましょう。
メルマガの目的 | メルマガの内容 | 配信頻度 |
---|---|---|
販売促進(購入・申込み) |
イベント・セミナー・キャンペーン告知など |
不定期 |
課題の喚起 |
業界の最新トレンド、顧客の活用事例など |
不定期 |
信頼関係の構築 |
オウンドメディア・ブログの更新情報など |
定期 |
メルマガの基本的な構成
メルマガは主に次の項目で構成します。
- タイトル
- ヘッダー
- 挨拶
- リード文
- 本文
- フッター
項目ごとに詳しく解説します。
タイトル
タイトルは読者がメルマガを受け取った際に最初に目にする部分です。メルマガ配信の要であり、読者がメールを開くかどうかの重要な判断材料となります。
読者の興味を惹くタイトルをつける際のテクニックとして「4Uの原則」があります。
4Uの原則
- Useful(有益性)
- Urgent(緊急性)
- Ultra specific(超具体性)
- Unique(独自性)
4Uの原則とは、これらの単語の頭文字を取った、セールスライティングでも使われる技法です。特にメルマガタイトルで意識したいのが、有益性と緊急性です。
- 有益性:効果2倍、50%オフなど
- 緊急性:今だけ、期間限定
これらを意識的に盛り込むだけでも、読者に興味を持ってもらえるようになります。
たとえば、販売促進を目的としたセミナーやセールの案内を配信する場合には以下のようなタイトルをつけます。
例1. 【3日間限定】最大80%オフ!冬物コレクション特別セールのご案内
例2. 【あと6時間で終了!】本日17時まで開催「〇〇EXPO 2021」
続いて、課題の喚起を目的とするメルマガ配信の場合、ターゲットが抱える悩み+解決方法が一目で伝わるタイトルにしましょう。
例1. 【デザインセンス不要】はじめてのWebサイトデザインテクニック
例2. 【はじめての方向け】クラウド会計ソフトを用いた確定申告のキホンを紹介
読者との信頼関係の構築が目的の場合は、読者にとってメルマガの内容が有益であることが端的に伝わるようにしましょう。
例1. 【2021年最新版】SEO内部施策で重要な3つのポイントを紹介
例2. 【新着記事のお知らせ】Webサイト改善を成功に導く5つの極意
ヘッダー
ヘッダーはメール本文の最上位に記載する項目です。ヘッダーの役割は、メルマガの配信元を読者に伝えることです。
- ///////////// WEEKLY MAIL MAGAZINE 2021/12/01 /////////////
- ○○通信 ○月○日号 本日のテーマは「△△について」
このように、誰から送られてきたメルマガなのか、読者がわかるように意識しましょう。
また、人によっては、なぜメルマガが自分宛てに届くのかわからないと感じる方もいます。下記のような一文を入れておくことで読者に安心感を与えることができます。
- 私と名刺交換などで面識のある方に送らせていただいています
- 本メルマガは会員様限定で配信させていただいています
ヘッダーのデザインは一度決めたら極力変更しないようにしましょう。お決まりのパターンにすることで、読者は親近感や安心感を抱くようになります。
挨拶
ヘッダーの次に挨拶となる文章を入れます。本題に入る前に挨拶を入れることで、読者の警戒心を和らげる効果があります。
- 時候の挨拶
- 時事ネタ
いきなり本題に入るよりも、こうした一文があることで相手に親近感を持ってもらえる可能性が高まり、続きを読んでもらいやすくなります。
たとえば「株式会社〇〇 △△様」といったように顧客の所属先・名前を入れるだけでも、「自分宛てに送ってくれたのだな」と相手に特別な印象を与えられます。
メール配信システムでは、メール本文内に読者の名前をかんたんに挿入できる機能があります。これを使えば一斉送信のメルマガでも、宛名だけを自動で差し替えられるので非常に便利です。
リード文
リード文とは、メルマガの冒頭部分の文章を指します。リード文の役割は、簡潔に記事の内容を伝えて読者が本文を読み進めたくなるようにすることです。効果的なリード文作成におすすめなのが、「PASONAの法則」です。
- Problem(問題):悩み、不満を示し問題提起する
- Affinity(親近感):同じ境遇を共感する
- Solution(解決策):問題解決策として商品サービスを紹介する
- Offer(提案):具体的な提案をする
- Narrowing Down(絞込):対象や期間を限定する
- Action(行動):行動を促す
これらの頭文字をとったのがPASONAの法則です。顕在化された悩みに寄り添いながら、具体的な提案につなげることができ、読者の興味・関心が高まります。
本文
本文は、メルマガの核となる重要な項目です。タイトルやリード文で読者を惹きつけた上で、読者にとって役立つ有益な情報が盛り込まれていれば、読者は期待以上の価値を感じ、自社のファンになってくれるでしょう。
記載する内容が本当に読者にとって有益な情報といえるかどうかは、あらかじめ検討しておきましょう。
その他に意識することは読みやすさです。箇条書き・改行・飾り文字など、レイアウトを整えることで、さらに読者満足度の向上が期待できます。
特に最近はスマートフォンでメルマガを読むケースが増えているため、スマートフォンの画面に最適化させることが大切です。
具体的には次のポイントを意識します。
- 結論ファーストを意識し、重要なポイントはなるべく最初に触れる
- テーマが複数ある場合、各テーマの前に見出しをつける
- 等幅フォント、箇条書きなどを使用し、レイアウトを整える
- 機種依存文字は文字化けの原因になるので使用しない
本文が長すぎたり、改行がなく画面が文字で埋め尽くされていると、読者が途中で読むのを止めてしまう可能性が高まります。伝えたいテーマが複数ある場合は次回配信にするなど、なるべくテーマは1つに絞ることが大切です。
フッター
フッターはメルマガの末尾に入る項目です。フッターには以下の内容を必ず記載します。
- 配信者の氏名または名称
- 送信者の住所
- 問い合わせの受付先
- 受信拒否が出来る旨の記述
これらの内容は、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)によって義務付けられています。配信停止については、購読解除ページを用意してそちらへ導線を作るのが良いでしょう。
成果が出るメルマガの書き方のコツ
メルマガは単にお知らせや情報を配信して終わりではありません。最終的にはサービス購入・申込みなど、読者が実際に行動を起こすような仕掛け作りが重要です。 成果が出るメルマガに共通する特徴は次の5つが挙げられます。
- タイトルからメルマガの内容が一目でわかるようにする
- 読みやすいレイアウトを意識する
- 主要なテーマを絞る
- 読了後に読者が取るべき行動を明確にする
- 改行や余白を適切に入れる
それぞれの特徴について解説していきます。
タイトルからメルマガの内容が一目でわかるようにする
タイトルは読者がメルマガで一番はじめに触れる部分です。Benchmark Japanが行った「日本のメールマガジン購読状況調査 2021年度版」によると、メルマガの開封に影響する要素は何か?という質問に対し、件名・タイトルと回答した方が48.9% と約半数を占めることがわかりました。
タイトルからメルマガの内容がわかるようにし、読者の興味関心を引く工夫が必要です。
〇良いメルマガ
- タイトルの時点でメールの中身がわかる
- タイトルが簡潔でわかりやすい
例:『【●月●日 無料セミナー開催】営業担当者必見!効果的なメールマーケティングの極意』
✕悪いメルマガ
- タイトルを見ただけではメルマガの内容を把握できない
例:『◯◯メルマガ事務局通信 ○月○日号』
中にはメルマガの内容を明確にせずに含みをもたせる方法もありますが、さじ加減が難しいため、メルマガ初心者にはあまりおすすめしません。
読みやすいレイアウトを意識する
メルマガは文章だけではなく、見やすさを意識し、レイアウトを工夫することも大切です。読者はスマートフォンで読むことが多いため、テキストで埋め尽くされたメルマガでは途中で読む気力を失ってしまいます。
〇良いメルマガ
- 段落分け・改行などが整っていて目で追いやすい
- 文字装飾や項目ごとに見出しが整理されている
✕悪いメルマガ
- 文字で画面が埋め尽くされている
- 文字装飾がされておらずメリハリがない
主要なテーマを絞る
メルマガ配信は、1メルマガ1テーマが基本です。あれもこれもと情報を詰め込み過ぎると、結局何が伝えたいのかがわからなくなり、読者も混乱してしまいます。
また、情報が増えればその分メルマガも長くなりがちです。長くなればなるほど、最後まで読み切る完読率は下がってしまうため、1回を長くするよりも、配信頻度を増やすようにしましょう。
どうしても伝えたい追加情報がある場合は「補足情報」とするなど、あくまでもメイン情報とメリハリをつけると読者に伝わりやすくなります。
〇良いメルマガ
- セミナーの案内であれば、セミナーの概要・日時・申し込み方法などに絞る
✕悪いメルマガ
- 2~3つのテーマが盛り込まれており、情報量が多い
読了後に読者が取るべき行動を明確にする
メルマガの配信目的の一つは「読者の行動喚起」です。たとえばセミナー案内のメルマガであれば「セミナー申込み獲得」がゴールとなります。
メルマガを作成する際は、読者が取るべき行動を明確にし、そこから逆算して構成を考えるようにしましょう。
〇良いメルマガ
- 読者の具体的なアクションまで想定して書かれている
- 申し込み方法の記載、リンク設定、申込ボタンの配置・装飾などが工夫されている
✕悪いメルマガ
- メルマガを読んだ後に何をすればいいのか具体的な行動がイメージできない
- 申し込みページのリンクが目立たず、読者が見つけられない
改行や余白を適切に入れる
メルマガを作成する際は、改行や余白を入れるなど、全体的な見やすさを意識します。たとえば、改行や余白が一切なく文字で埋め尽くされたメルマガが届いたら、それだけでメールの画面を閉じてしまうでしょう。
特に、読者の多くは移動中やスキマ時間を活用してスマホでメルマガをチェックしますので、気軽に読めないメルマガはすぐに閉じられてしまいます。改行・余白を意識するだけで、同じ内容のメルマガでも読みやすさが格段に向上します。
〇良いメルマガ
- 適度な位置で改行されており、バランスよく余白がある
- 目立たせたいポイントで改行を多めに入れている
✕悪いメルマガ
- 改行がなく文章が全体的に詰まっている
最後まで読みたくなるメルマガにする文章の作り方
最後まで読みたくなるメルマガにするためのポイントは3つあります。
- ターゲットを詳細に決める
- フレームワークの活用
- 適宜箇条書きを用いる
それぞれ解説します。
ターゲットを詳細に決める
メルマガには必ず読者が存在します。メルマガを作成する際は、あらかじめ誰に読んでもらいたいかを想定し、詳細なターゲット設定を行います。
その際、多くの人に読んでもらいたいからといって、ターゲットを広く設定することはおすすめしません。「みなさん」と呼びかけるよりも「あなただけ」と呼びかける方が、共感が得られやすくなります。 共感が得られれば、最終的なアクション(購入・申込等)につながりやすくなります。
ターゲットを決める際は、基本情報(年齢・性別・居住地・職業・収入など)のほか、趣味・特技、悩みごと、抱えている感情などを決めていき、具体的な架空の人物を作り上げます。この架空の人物のことを「ペルソナ」といいます。
フレームワークの活用
読者が読み進めたくなるメルマガを作成するために有効なのが「フレームワーク」です。フレームワークに沿って構成を作り、文章を組み立てることで、初心者でも読者に伝わるメルマガを作成できるようになります。
メルマガに最適なフレームワークには次の3つが挙げられます。
PREP(プレップ)法 |
伝えたい情報をわかりやすく論理的に展開できる手法
|
BEAF(ビーフ)の法則 |
商品・サービスの魅力を徹底的にアピールできる手法
|
SUCCESs(サクセス)の法則 |
記憶に残り、相手に影響を与えるようなメッセージに共通する6つの項目
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商品詳細ページにアクセスしたとき |
オンライン商談日程調整の案内 |
フレームワークによって、期待できる効果が異なります。そのため、メルマガの目的や伝えたいメッセージに合わせて、最適なフレームワークを選択しましょう。
適宜箇条書きを用いる
メルマガでは箇条書きを意識的に増やすと、文章が格段に読みやすくなります。箇条書きを使うことのメリットは主に3つあります。
- 一文が短くなるため、情報が頭に入りやすい
- 横に文字が続かないので、視覚的に見やすい
- 情報のグループがわかりやすくなる
特にスマートフォンの場合はスクロールで読み進めるため、情報の中身だけではなく視覚的な見やすさも重要です。
メルマガの基本の構成やポイントを押さえて成果を上げよう
メルマガは見込み客や顧客との信頼関係を築き、自社のファンになってもらうために有効なマーケティング手法です。手軽にはじめることができるので、マーケティング初心者にも最適です。
メルマガは中長期的に取り組むものですので、目の前の成果(売上や成約)ばかりを求めず、顧客との信頼関係の構築に重きを置いて取り組むようにしましょう。そのために、まずは顧客が抱える悩みや知りたい情報を汲み取った上で、求められるコンテンツを模索し、配信と効果検証を繰り返していくことが大切です。
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