インサイドセールスの仕組みを構築するには、マーケティングと営業の業務をつなぐツールの導入が不可欠です。一方で、必要なツールはインサイドセールスに求める機能やインサイドセールスの役割によって異なるため、自社ではどのようなツールを導入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
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本記事では、インサイドセールスに必要なツールの考え方をはじめ、主なツールを目的別に紹介しています。ツールを選ぶ際に重視しておきたいポイントについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
インサイドセールスに必要なツールとは
結論からお伝えすると、インサイドセールスの仕組みを単独で構築できるツールは存在しないのが実情です。インサイドセールスの成果を最大化させるには、自社の目的に応じて複数のツールを組み合わせて活用していく必要があります。
インサイドセールスの役割は、非対面の営業手法を駆使して顧客との信頼関係を醸成し、購買体験を向上させることにあります。そのために欠かせないのが部門間の連携です。マーケティング部門やフィールドセールス(営業)部門と緊密に連携を図り、営業活動を分業化していく必要があります。
インサイドセールスにおいて活用されるツールは、いずれもこの「部門間の連携」を実現することが大きな目的である点を押さえておくことが重要です。部門間連携について知りたい場合には、以下の記事もお読みください。
インサイドセールスを支える6つのツール
インサイドセールスを支える主なツールとして、下記の6種類が挙げられます。
- MA(マーケティングオートメーション)
- CRM(顧客関係管理)ツール
- SFA(営業支援)ツール
- クラウド電話システム
- Web会議ツール
- スケジュール管理ツール
各ツールの役割とあわせて、具体的なツール例をそれぞれ見ていきましょう。
1. MA(マーケティングオートメーション)
MAとは、マーケティング活動で発生するさまざまな作業を自動化するツールです。たとえば、Eメール配信やSNS投稿、Webサイト分析といったタスクを自動化できます。データを活用した顧客ニーズ分析によって「最適なコンテンツを」「最適なタイミングで」提供し、見込み客の購買意欲を効果的に高める効果が期待できるツールです。具体的なツール例として、下表のものが挙げられます。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・Webマーケティングに関わる基本機能を搭載 |
10万社以上 |
・カスタマーサポート |
無料ツール:0円 |
|
・カスタマイズ性が高く業界特有の要件に対応 |
― |
・ユーザーコミュニティ |
Growth:月額15万円 |
|
・外部ツールとの連携性に強み |
5,000社以上 |
・ユーザーコミュニティ |
Select |
2. CRM(顧客関係管理)ツール
顧客情報を共有し、インサイドセールス部門のほかマーケティング部門やフィールドセールス部門において横断的に活用するためのツールです。すべてのツールの基盤となるデータを扱うため、最優先で導入を検討しておきたいツールといえるでしょう。
【CRMの活用イメージ】
他ツールとの連携性に優れたCRMとして、下表の3つが挙げられます。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・柔軟なカスタマイズ性 |
15万社以上 |
・ユーザーコミュニティ |
Essentials:月額3,000円/ユーザー |
|
・営業活動に必要なすべての情報を一元管理 |
18万4,000社以上 |
・カスタマーサポート |
無料ツール:0円 |
|
・豊富な機能を低コストで利用可能 |
25万社以上 |
・ウェビナー |
スタンダード:月額1,680円~/ユーザー |
3. SFA(営業支援)ツール
商談管理や活動分析などの機能を備え、営業担当者の負担を軽減するツールです。CRMツールの中にはSFA機能が含まれているものもあるため、CRMと同時に導入するか、CRMの導入後に取り入れるとよいでしょう。SFAのツール例として、下表の3つが挙げられます。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・HubSpot CRMと自動連携 |
18万4,000社 |
・カスタマーサポート |
無料版:0円 |
|
・国産SFA |
5,500社以上 |
・ウェビナー |
スタンダード:月額1万1,000円/ユーザー |
|
・直感的に使えるUI |
2,800社以上 |
・リアルタイムチャットサポート |
Starter:月額2万7,500円~ |
4. クラウド電話システム
電話によるコミュニケーションを効率化するためのツールです。CRMをはじめさまざまなツールと連携させることにより、コミュニケーションツールの集約化を実現できるでしょう。具体的なツール例として、下表の2つを紹介します。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・リーズナブルな料金体系 |
国内1,800社以上 |
・セミナー |
Standard:月額1,000円/ユーザー |
|
・最短即日で利用を開始できる |
アカウント数2,400以上 |
・サポート動画 |
Starter:月額2,400円/ライセンス |
5. Web会議ツール
オンライン上でお互いの顔を見ながら、商談やヒアリングができるツールです。遠方の見込み客と、リアルタイムでコミュニケーションをとりたい場合に適しています。主要なツールとして挙げられるのは下記の3点です。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・最大参加人数1,000人 |
75万社以上 |
・ラーニングセンター |
ベーシック:0円 |
|
・コミュニケーションツールを集約 |
月間アクティブユーザー数2億8,000万人 |
・ビデオトレーニング |
無料プラン:0円 |
|
・高度なセキュリティレベル |
500万社以上 |
・ラーニングセンター |
Business Starter:月額680円/ユーザー |
6. スケジュール管理ツール
担当者間・部門間でのスケジュール共有に役立つツールです。営業活動を分業化する上で、スケジュールの共有化・可視化は非常に重要なポイントといえます。顧客単位・プロジェクト単位など、さまざまな用途で横断的に予定を管理したい場合には必須のツールといえるでしょう。主なツール例として、下記の2つが挙げられます。
ツール名 |
特徴 |
販売実績 |
サポート体制 |
プラン例 |
・無料利用が可能な範囲が広い |
ユーザー数5,000万人以上 |
・ワークフローガイド |
FREE:0円 |
|
・業務量をポートフォリオで可視化 |
13万9,000社以上 |
・Asanaアカデミー |
Basic:0円 |
ツールを選ぶ際に重視しておきたいこと
ここまで見てきたとおり、インサイドセールスに役立つツールは数多くの種類があります。自社に最適なツールを選ぶには、重視すべきポイントを押さえておくことが大切です。
1. 他ツールとの連携性
複数のツールを組み合わせて活用していく関係上、各ツールの連携性は非常に重要なポイントの1つです。既存の業務ツールと連携できるか必ず確認しておきましょう。
また、将来的に新たなツールを導入する可能性もあります。主要なツールとの連携が可能かどうか、チェックしておくことが大切です。業界特有のシステムなどを利用している場合には、できるだけ拡張性に優れたツールを選ぶことをおすすめします。
2. 部門をまたいだ情報の一元管理
インサイドセールスを成功させるには、マーケティング部門やフィールドセールス部門との連携が欠かせません。各部門の情報を一元管理できるツールを選ぶ必要があります。
情報を一元管理することによって収集したデータの形式や粒度がそろい、管理や比較がしやすくなります。結果として、施策の軌道修正のスピードや売上予測の精度が向上するでしょう。情報の一貫性が保たれることにより、顧客の購買体験の向上にも寄与します。部門を横断して情報を統合的に管理できるツールを選択するのがポイントです。
3. 機能面・コスト面が自社に適しているか
ツールの費用対効果を十分に検証しておくことも重要です。自社にとって必須の機能が備わっており、かつ機能に相応の料金であるか確認しておきましょう。トライアル期間や無料プランを活用して、操作性や活用可能な機能を実際に見ておくことをおすすめします。
注意点として、機能が豊富なツールほど使いやすいとは限りません。機能が多すぎることで、かえって操作が複雑になったり、不要な機能のために料金が高くなったりすることも懸念されます。機能面・コスト面が自社に適しているか、慎重に検討することが大切です。
社内体制とツールの両面からインサイドセールスの成功を目指そう
今回紹介したツールは、いずれもインサイドセールスの体制構築に役立つものばかりです。ただし、ツールさえ導入すればインサイドセールスの効果を引き出せるわけではありません。部門間の連携や情報を共有する意義など、営業活動に携わるすべての担当者がインサイドセールスを導入するメリットを理解しておく必要があります。
こうした社内体制の整備と同時並行でツール導入を推進していくことが、インサイドセールスの成功へとつながっていくはずです。