Instagram(インスタグラム)では、ビジネスアカウントを利用することで、広告出稿が可能です。画像や動画がメインとなるため、X(旧:Twitter)広告やリスティング広告に比べてさまざまな表現で訴求ができます。
Instagram広告で成果を出したい方向け広告ガイド
Instagram広告設定の手順、指標の確認や管理の方法などの基礎をまとめましたので、運用方法に迷っている方はぜひお役立てください。実際の出稿時に使えるチェックリストもすべて無料でダウンロードいただけます。
Instagram広告では、詳細なターゲット設定や多くの広告フォーマットなど、さまざまな設定項目があるため、それぞれのポイントを押さえることが重要です。
本記事ではInstagram広告の特徴や種類、配信設定などを解説します。Instagram広告でユーザーにアカウントの存在を知ってもらい、ブランドのファンを増やしていきましょう。
初心者でも簡単に出稿可能!Instagram広告基本ガイド
Instagram広告の掲載方法から、目標の設定、エンゲージメントの管理、成果の測定まで
- 最適なInstagram広告を作成するための詳しい手順
- パフォーマンス測定指標の確認とエンゲージメントの管理
- HubSpotが実際に学んだ知見とポイント
- 付録:Instagram広告に関するチェックリスト
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全てのフィールドが必須です。
Instagram広告とは
Instagramは、月間アクティブアカウント数(MAA)20億人以上、国内の月間利用者数3,300万人以上を誇る、写真投稿型SNSです。
Instagramのミッションは「大切な人や大好きなこととあなたを近づける」ことで、ビジネスでのInstagramの提供価値は「好きと欲しいをつくる」です。
Instagram広告では、この考えに基づき、ビジネスアカウントの運用に役立つさまざまな機能が実装されています。結果、世界中で利用される巨大SNSプラットフォームとして成長し、多くのユーザーに愛されています。
Instagram広告の特徴
企業・ブランドがユーザーとのコミュニケーションを図るツールとして有効であり、Instagramを利用している企業・ブランドに対するイメージとして、ポジティブな反応が多いことが特徴です。
Instagram広告がビジネスで活用される背景
Instagram for Businessによると、Instagramユーザーの90%が、何らかのビジネスアカウントをフォローしているといいます。さらに、50%のユーザーが、「Instagramで広告を見るとブランドへの興味が高まる」と回答しました。
企業はInstagram広告の活用によって、ブランド認知度向上やロイヤリティ向上だけではなく、顧客数増加や売上向上も期待できます。
Instagram広告の種類
Instagram広告には、複数の配信面や投稿の形式があります。それぞれの特徴を知り、目的に合った最適な配信方法を選択しましょう。
配信面の種類と特徴
Instagram広告には、ストーリーズやフィードなど、さまざまな閲覧画面があり、それぞれに広告の出稿ができます。
各配信面の特徴は以下の通りです。
ストーリーズ広告
Instagramストーリーズは、24時間のみ表示される短尺の画像や動画の投稿です。ブランドの認知度向上やWebサイトのトラフィック増加などに役立ちます。
【ストーリーズ広告のメリット】
- フルスクリーンのため他の画像や動画が表示されない
- タップで手軽にWebサイトへアクセスできるためエンゲージメントの向上につながる
- 質問スタンプやアンケートスタンプを使って利用者とのコミュニケーションが取れる
- 商品タグによりアプリ内での購入も可能になる
ストーリーズ広告についてはこちらの記事をご参考ください。
フィード広告
フィードとは、Instagramのフィード(タイムラン)上に流れる広告のことです。ビジネス利用の際には、商品やサービスについて、ストーリーを視覚的に伝えて関心を高めてもらう役割を果たします。
【フィード広告のメリット】
- カルーセル広告の活用により最大10点の写真や動画を使って商品の魅力を伝えられる
- ワンタップで広告が作成できる・既存コンテンツを広告に活用できる
- コレクション広告(メイン画像とサブ画像を同時に表示できる広告)
- 商品タグによりアプリ内での購入も可能になる
フィード広告の一つに、プロフィールフィード広告もあります。プロフィールフィード広告とは、ユーザーのInstagram公開プロフィールのフィードビューに掲載される広告のことです。オーディエンスに基づいたターゲット設定により表示されるため、同じプロフィールを見た場合でも、閲覧者の興味・関心によって異なる広告が表示されます。
発見タブ
発見タブとは、ユーザーの興味・関心に基づいておすすめの画像や動画が表示されるページのことです。下のメニューのうち、虫眼鏡のアイコンをタップしたときに表示されます。フォロー中以外のアカウントの投稿も表示される場所のため、自分の興味に合った新しいコンテンツを探している人にリーチするのが特徴です。
【発見タブのメリット】
- 新しい情報を能動的に探すユーザーが見るページのため、ビジネスや商品などをアプローチしやすい
- フィード広告のクリエイティブを再利用できる
- 自動配置の選択時にオプトインすることで、簡単にキャンペーンの拡大が可能
リール
リールとは、最長90秒の動画を投稿できる機能です。撮影した動画に音楽やエフェクト、テキスト、スタンプなどを追加し、効果的なクリエイティブを作成できます。
【リール広告のメリット】
- 写真だけでは伝えきれない商品・サービスの魅力をアピールできる
- Instagramにあるクリエイティブツールを使って簡単に動画の作成・編集ができる(音源・エフェクト(ARカメラエフェクト)・速度・タイマー・位置合わせの機能)
- 縦型のフルスクリーンで表示が可能
投稿形式の種類と特徴
次に投稿形式です。Instagram広告では、主に以下の3つの形式での投稿が可能です。
- 写真広告
- 動画広告
- カルーセル広告
写真広告
一番基本となる、写真形式による投稿です。1枚の画像から投稿が可能なため、手軽に作成できるのが特徴です。写真は、正方形・横型・縦型のどのパターンでも使用できます。
動画広告
動画とテキスト(キャプション)で構成される投稿です。動画は画面上に表示されると自動的に再生される仕組みのため、ユーザーの興味を引きやすく、画像と比べて長時間見てもらいやすいのが特徴です。
動画の長さは配信面によって異なり、ストーリーズなら15秒、リールなら最大90秒となっています。また、サイズは、ストーリーズでの表示を除き正方形か横型で表示されます。
なお、2022年7月の仕様変更により、Instagramに投稿される15分未満の動画がすべて「リール」扱いになりました。
動画広告についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
カルーセル広告
カルーセルとは、複数の写真や動画を並べて、スワイプ形式でユーザーに投稿を見せる投稿形式です。1投稿につき最大10枚まで設定できます。
それぞれの画像・動画にリンク先ページ載せることもできるため、テーマに合った商品を複数紹介したい場合に適しています。また、複数の画像にストーリーを持たせてアピールしたい場合にも有効でしょう。例えば、商品の使い方を手順で紹介するといった方法があります。
その他:Instagramショップ
出典:InstagramショッピングとはInstagramショッピングを始めるために必要なもの | Instagram for Business
Instagramショップとは、Instagramに投稿された写真や動画から買い物ができる機能のことです。商品タグを付けて投稿すると、ユーザーはその写真や動画をタップするだけで商品詳細を確認でき、気に入ったらコンテンツの取り込みやWebサイトへの誘導ができる仕組みです。
【Instagramショップのメリット】
- 直接商品の購入に結び付けられる
- コレクション機能を使えば、新着アイテム・季節のトレンドなど、テーマに合った商品をまとめられる
- フィード・ストーリーズ・リールなど、配信面や投稿形式を問わず設定が可能
2020年、18~50歳のアクティブユーザー4,500人を対象に実施された「Instagram Trends Research Study」の調査では、44%が毎週商品タグやショップタグの機能を使って買い物をしているという結果が出ました。また同調査では、約半数のユーザーがInstagramで新商品やサービスを発見しているというデータも出ています。
魅力的な画像や動画を作成し、Instagramショップを活用することで、多くの利用者に商品やサービスを届けられるでしょう。
Instagram広告を活用するメリット
Instagram広告には、ほかにはない独自のメリットがあります。
届けたいユーザーに広告配信できる
Instagram広告は精度の高いターゲティングを実現します。
たとえば、配信設定には以下のような項目が挙げられます。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 職業
- 興味関心
- 結婚有無
このように、ユーザー情報をもとにした詳細な配信設定によって、自社の商品・サービスを知ってもらいたい属性に的を絞った広告配信が可能です。
例えば、地域のターゲット設定は日本という広い地域から、都道府県、市町村、特定のポイントから半径何kmといった細かい地域まで詳細に設定できます。
広告の種類が豊富なので目的に合わせて配信しやすい
Instagram広告では、配信ターゲットや配信目的に合わせて豊富なデザインの中から広告レイアウトを選択できます。
例えば、インタラクティブなアンケート広告や、ECサイトへの導線を設定できるショッピング広告など、広告機能が豊富なのでより高い訴求効果が得られます。
自社だけでなくクリエイターとのタイアップ投稿も可能
近年、企業目線の宣伝広告はユーザーに避けられる傾向にあります。特にInstagramはユーザー同士のエンゲージメント(信頼・愛着)が高いツールであるため、「誰が発信したのか」が重視されています。
Instagram広告では、インフルエンサーを含むクリエイターとタイアップした投稿も可能です。クリエイターの視点を通して商品やサービスを伝えてもらうことで、よりユーザーの共感が得られやすくなります。
高い誘導率を実現できる
Instagram広告を使うことで、高い誘導率を実現できるのもメリットの一つです。例えば、商業施設のInstagramアカウントで「店舗来店時に使える割引クーポン」を広告配信したところ、クーポン配布数の60%が利用されたといった事例もありました。
InstagramマーケティングJPによると、Instagramユーザーの83%がInstagramで商品やサービスを見つけ、その内44%が後日ブランドサイトやECサイトで商品を確認し、購入をしているといいます。このようにInstagramは、商品・サービスの認知から購買までの行動に大きく貢献することがわかります。
若年層のユーザーへピンポイントにリーチしやすい
総務省が発表した「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、Instagramの利用率は、10代が70.0%、20代が73.3%と、若年層を中心に広く利用されていることがわかります。
若年層向けの商品・サービスを提供する企業がターゲットのユーザーへ情報を届けやすいのも、Instagram広告のメリットでしょう。
低予算で始められる
Instagram広告は、さまざまなインターネット広告のなかでも低予算で始められます。予算は商品やターゲット、配信期間によっても異なりますが、月々数万円でも成果を得られるケースもあります。
Instagram広告の配信における課金の種類
Instagram広告では出稿のために金額を設定する必要がありますが、どのくらいの金額が必要かを知るには課金方式について知る必要があります。
Instagram広告で使用されるのは、以下の4つの方式です。
CPM
Cost Per Milleを指し、Mile(1,000回のインプレッション)ごとに課金が発生する方式です。費用の相場は1インプレッションごとに0.2~0.6円ほどで、低コストでリーチを増やせるメリットがあります。
CPI
Cost Per Installを指し、アプリの1インストールごとに課金が発生します。費用の相場はインストール1回ごとに100~200円ほどです。
CPC
Cost Per Clickを指し、クリックごとに課金が発生します。費用の相場は1クリックあたり40~100円ほどであり、CPMより高くなりやすいものの、ユーザーのアクションに対して予算を使えるという特徴があります。
CPV
Cost Per Viewを指し、Facebook・Instagram広告においては「Thruplay(スループレイ)」と呼ばれます。動画の1再生ごとに課金が発生する方式で、費用の相場は1再生ごとに100~200円ほどです。
Instagram広告の出稿費用については、以下のコラムにて詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
Instagram広告の配信方法
Instagram広告を出稿するには、まずビジネスアカウントを準備し、その後に広告の設定をします。
アカウントの準備
Instagram広告を出稿するための準備を以下の手順で進めます。
- Facebookページを作成する
- ビジネスアカウントを取得する
- ビジネスマネージャにFacebookページを連携する
- 広告アカウントを作成する
- InstagramアカウントとFacebookページを連携する
それぞれ手順を詳しく解説します。
1. Facebookページを作成
Instagram広告を出稿するためにはFacebookページが必要です。Facebookの登録画面にアクセスし、「ビジネスまたはブランド」を選択します。
※Facebookアカウントをお持ちでない場合は、アカウント作成から行います。
2. ビジネスアカウントを取得
Instagram広告はFacebookページからも出稿が可能ですが、ビジネスマネージャの中にある広告マネージャの使用がおすすめです。
ビジネスマネージャを利用するためには、こちらからビジネスマネージャのアカウントを作成する必要があります。
3. ビジネスマネージャにFacebookページを連携
ビジネスマネージャとFacebookページを連携します。まずはFacebookページを開き、左カラムの「設定」をクリックします。
次に左カラムの「Instagram」をクリックし、「アカウントをリンク」をクリックします。
その後は指示に従い、Instagramアカウントを連携できれば完了です。Instagramから連携を行う場合は、まずアカウントをプロアカウントに設定しておきます。
その後、プロフィール画面から「プロフィールを編集」をタップします。
次に、「リンクまたは作成」をタップします。
まだFacebookページがない場合は、「Facebookページを作成」をタップすることで、Instagramアカウントと同名のFacebookページを作成できます。
すでにFacebookページがある場合は、「既存ページをリンク」をタップすることでアカウントを選択できます。
なお、Instagramアカウントがまだアカウントセンターに追加されていない場合、設定画面へ移ります。案内に沿ってタップしていけば、かんたんに追加できます。
4. 広告アカウントの作成
広告アカウントは以下の手順で作成します。
- ビジネスマネージャのメニューをクリックし、「ビジネス設定」を選択
- ビジネス設定の中から、「アカウント>広告アカウント」を選択
- 「追加」をクリックし、「新しい広告アカウントを作成」を選択
- 広告アカウント名を入力(任意)し、「次へ」をクリック
- 「この広告アカウントで宣伝するビジネス」が表示されたら、広告を配信するビジネスを選択し、「作成」をクリック
5. InstagramアカウントとFacebookページを連携
InstagramアカウントをFacebookページと連携する前に、広告を配信したいInstagramアカウントをプロアカウントに変更します。
プロアカウントに変更しなくても広告配信は可能ですが、プロアカウントに切り替えることで配信結果の分析が行えるようになるため、切り替えをおすすめします。
ここからはプロアカウントへの切り替えも含めて、Facebookページとの連携手順を解説します。
- Instagramプロフィール画面のメニューから「設定」を開く
- 設定の中から、「アカウント」を選択する
- アカウントの最下部にある「プロアカウントに切り替える」をタップする
- 広告配信するビジネスに合ったカテゴリを選択する
- クリエイターかビジネスかを質問されるのでビジネスを選択する
- 連絡先情報(メールアドレス、電話番号、ビジネスの住所)を入力する
- Facebookページをリンクさせる(Facebookページがない場合は新たに作成します)
Instagram広告の作成手順
準備が完了したら、広告作成を開始します。Instagram広告はMetaが提供する「広告マネージャ」を使い、Facebook広告とあわせて管理を行います。デフォルトではFacebookとInstagram両方に同様の広告を配信する設定になっていますが、Instagramだけにチェックボックスを入れることも可能です。
また、Instagram広告(Facebook広告)は、特徴として設定が3段階の入れ子構造になっています。
- キャンペーン
- 広告セット
- 広告
1つ大きな「キャンペーン」を作り、その下に1つないし複数の「広告セット」を作り、広告セットの下に1つないし複数の「広告」を作る、という仕組みです。
キャンペーン
キャンペーンでは、広告の目的やカテゴリなどの設定を行います。場合によっては、ここで複数の広告セットをまとめて運用する予算設定をすることもあります。
作成ボタンを押すと、まずはキャンペーンの目的を問われます。以下の中から選びましょう。
- 認知度:広告の記憶が残る可能性がもっとも高い人に広告を表示
- トラフィック:Webサイト・アプリ・Facebookイベントなどのリンク先に利用者を誘導
- エンゲージメント:メッセージ・動画の再生数・投稿のエンゲージメント・ページへの「いいね!」・イベントへの参加を増やす
- リード:ビジネスやブランドのリードを創出
- アプリの宣伝:アプリをインストールして継続的に使ってくれる人を見つける
- 売上:商品やサービスを購入する確率が高い人を見つける
参考:広告マネージャ
目的を選んだら、キャンペーンの各設定に入ります。
- 特別な広告カテゴリ:信用や政治など、特殊なカテゴリの広告配信の際に申告
- キャンペーン詳細:購入タイプ、上限予算などを設定
- A/Bテスト:パフォーマンスの高い広告を試すためのA/Bテストを設定
- Advantageのキャンペーン予算:広告セットが2つ以上ある場合に、広告セットを横断して予算を自動的に管理(予算は通常、広告セットごとに行う)
広告セット
広告セットでは、キャンペーンで設定した目的にあわせ、予算やオーディエンス、広告の出稿場所を設定します。
- 最適化と配置:広告の配信の仕方を設定。リーチを増やしたいのか、動画再生を増やしたいのかなどで選択が変わる
- 予算と掲載期間:
- 広告セットの予算は、1日単位か掲載期間全体で指定
- [1日の予算]:アルゴリズムによって予算消化のペースがその日ごとに自動調整される
- [通算予算]:アルゴリズムによって予算消化のペースが掲載期間全体の中で自動調整される
- 掲載期間は、キャンペーンの開始と終了のタイミングを分単位まで細かく指定できる
- 広告セットの予算は、1日単位か掲載期間全体で指定
なお、[通算予算]を選択した場合、特定の時間帯や曜日にのみ広告が配信されるようにスケジュールの設定も可能です。この設定は[広告スケジュール]のセクションで行います。
入札単価の設定は、広告の効果的な配信方法を決める要素です。広告システムの中では、自社と同じようなオーディエンスにアプローチしようとしている他の広告主を相手に、常にオークションが行われています。
入札戦略には、システムによる最適化や詳細な設定項目があります。システムによる最適化では、広告の配信をFacebookのアルゴリズムに任せることになり、少ない費用でクリック数を最大化できる可能性があります。
これに対し、詳細なコスト設定ではリンクのクリック単価などを自分で指定できます。ユーザーにクリックしてほしいリンクがある場合は、推奨額よりも高い入札単価を指定すると、優先的に自社の広告が表示されます。
請求のタイミングは、インプレッションベースもしくはリンクのクリックベースのうち、自社の都合に合うものを選びます。
- オーディエンス:コアオーディエンス・カスタムオーディエンス・類似オーディエンスの3種類の3種類からターゲティング方法を設定
- コアオーディエンス:位置情報や興味関心、役職などのユーザー属性に応じて広告配信先を絞り込む方法。最も細かくターゲティングができ、設定次第で、配信先や配信ボリュームが大きく変わる。細かく設定しすぎると、ほとんど広告が配信できなくなるため、リーチ数を調整しながら条件設定を行う
- カスタムオーディエンス:すでに自社で所有しているユーザーリストをアップロードし、ユーザーリスト限定の広告配信や、ユーザーリスト以外への広告配信を行う方法
- 類似オーディエンス:既存顧客やリアクションのあった配信ユーザーと類似した属性をInstagram側で拡張した方法
このように顧客リストの有無や配信状況に応じて、さまざまなターゲティング方法を組み合わせることで、Instagram広告では費用対効果を最適化できます。
- 配置:広告の出稿場所を設定。デフォルトでは「Advantage+ 配置(推奨)」に設定されている
「Advantage+ 配置(推奨)」では、Facebook、Instagramをとおして最もパフォーマンスが高くなりそうな配置を自動で設定できます。基本はこの設定が推奨されていますが、Instagramのみに出稿したい場合は「手動配置」を選択しましょう。
手動配置を選択後、プラットフォームのチェックボックスでInstagramのみを選択します。その後、さらに細かく配置場所を設定できます。
InstagramをBtoBビジネスでも活用したい方は、こちらの記事もご覧ください。
広告
広告作成画面では以下を設定していきます。それぞれ広告の実際の見た目を決める項目であり、画面右側にプレビューを表示しながら作成を進めることができます。
- 広告フォーマット:「シングル画像または動画」「カルーセル」「コレクション」の3つから選択します。コレクションは商品やサービスを表示し、ユーザーの購入を促すことができます。
- メディア(画像・動画)/メインテキスト:通常の投稿と同じように画像・動画、キャプションを設定します。
- 見出し/説明:広告独自のテキスト。特定の配置において表示され、ユーザーのアクションを促します。
- CTA:「詳しくはこちら」「注文する」などのテキストを選択できます。
- リンク先:任意のウェブサイトのURLを設定できる他、全画面表示で視覚的に強く訴えられる「インスタントエクスペリエンス」を作成できます。
掲載結果の確認
Instagram広告の掲載が始まったら、状況を常にチェックすることが重要です。広告の設定のほとんどは後から調整可能なので、修正したい部分が見つかった場合や、画像が思ったように表示されない場合は、適宜修正しましょう。
広告の掲載結果は、次の2つのツールで確認できます。
- Facebook広告マネージャ
- 普段お使いのマーケティングソフトウェア
【Facebook広告マネージャの場合】
すべてのキャンペーンの結果を一度に確認できる多機能のダッシュボードが搭載されており、設定をカスタマイズしなくても、広告のリーチや入札単価、消費した金額のデータを見ることができます。
画面右上に表示されている[列:パフォーマンス]ボタンをクリックして、[列をカスタマイズ]を選択すると、レポートに表示するデータを絞り込むための画面が表示されます。
表示できるデータには、CPC(クリック単価)やCTR(クリックスルー率)のような一般的なものから、eコマースサイトの「カートへの追加」のような細かいものまで、さまざまな種類があります。
表示可能な測定指標には、次のようなものがあります。
- パフォーマンス(リーチ、結果、フリークエンシーなど)
- エンゲージメント(投稿のリアクション、コメント、シェアなど)
- 設定(開始日時、終了日時、広告セット名、広告ID、広告の目的など)
【普段お使いのマーケティングソフトウェアの場合】
追跡する測定指標が多すぎると、キャンペーンの成果の全体像を見失いがちです。キャンペーンの成果を正しく把握するには、広告に設定したUTMコードを使ってファネル全体に対する広告の効果を測定できるよう、マーケティングソフトウェアを活用しましょう。
マーケティングソフトウェアでトラッキングコードを管理すれば、Instagramの広告キャンペーンで実際に創出したリード(あるいは顧客)の人数を確認し、この数字を踏まえて今後のキャンペーンの方針を決めることができます。
なお、HubSpotをご利用の方は、Instagramの広告キャンペーンに使用する一意のトラッキングコードを、こちらのページの手順で作成できます。URLを入力し、キャンペーンを指定して、ソースレポートでURLと結び付けるソースを選択するだけです。
広告の掲載をスタートして、ウェブサイトでトラフィックやコンバージョンが発生するようになると、創出したサイト訪問者やコンタクト、顧客の人数を簡単に追跡できるようになります。
Instagram広告を配信する際のポイント・注意点
Instagram広告を多くのユーザーに見てもらい、コンバージョンまでつなげるためには、次のようなポイントを意識しましょう。
広告出稿のゴールを明確にする
Instagram広告に限ったことではありませんが、まずは広告出稿のゴールを明確にしましょう。その際に、「フォロワーを増やしたい」「売上を増やしたい」など曖昧なものではなく、具体的に数値で落とし込むようにします。
- いつまで(期日)
- なにを(商品/サービス)
- どれくらい(量)
- どうする(成果)
このように決めていくことで、より目指すべきゴールが具体的になります。
たとえば、「Instagram広告を使って3か月後にフォロワー数を300人増やす」「ショッピング広告を使って〇〇(商品名)の売上を2か月で〇〇万円まで伸ばす」のように決めると良いでしょう。
具体的なゴールを設定し、そこから逆算してやるべきことや課題を明確にします。
広告クリエイティブの最適化
Instagram広告では、なによりも写真・動画などのクリエイティブの質が大切です。ユーザーはスマートフォンであらゆるクリエイティブを閲覧するため、その中で興味・関心を持ってもらえるかは、一瞬の判断に委ねられます。
見た目の美しさや、色使い、構図、フォント、人物などの要素をいかにこだわるかが重要です。
また広告配置によって画像・動画のサイズを適切に調整することも大切です。Instagramでは広告フォーマットに応じて最適な画像サイズを推奨しています。
参照:Facebook広告ガイド(Meta for Business)
Instagramストーリーズには、広告クリエイティブが自動的に最適化される機能が備わっています。ユーザーが好みそうな広告デザインが自動で表示されるため、ユーザーによって見え方が異なるという特徴があります。
CTAはわかりやすく設定する
広告商品に対してユーザーにアクションしてもらうには、CTAの設置が欠かせません。Instagram広告の効果を高めるために、わかりやすいCTAになるよう文言や配置場所、デザインを工夫しましょう。
ポイントは、情報を増やして複雑にするのではなく、できるだけシンプルでわかりやすくすることです。
「すぐに購入するならこちら」「公式サイトはこちら」といったような、このボタンをクリックするとどのようなアクションに繋がるのかが明確にわかるようなクリエイティブを意識しましょう。
動画広告は冒頭で興味を引ける工夫をする
Instagramは、ユーザーが投稿している画像や動画を直感的操作で次々と見られる点が特徴です。広告についても同様で、見方を変えれば表示されてもすぐに閉じられてしまう場合があります。
とくに、動画広告を掲載する場合は、最初の数秒しか見てもらえないこともあるでしょう。そのため、動画広告を掲載する際は、冒頭でユーザーの興味を引くようなインパクトのあるクリエイティブを作ることが大切です。
ハッシュタグを付けすぎない
通常のフィード投稿では、ハッシュタグを付けることで検索結果に投稿が表示され、リーチ数を増やすことができます。
一方、Instagram広告出稿の目的が商品購入ページや自社サイトにユーザーを遷移させることである場合は、ハッシュタグを無理に付ける必要はないでしょう。ハッシュタグを付けることで、ユーザーの興味がハッシュタグをタップして別の投稿を検索することに移ってしまう懸念もあります。
商品やサービスの認知拡大が目的の場合はハッシュタグを付けましょう。ハッシュタグを通じて情報を探すユーザーも多いため、付けて投稿することで多くのユーザーにリーチする可能性が高まります。ただし、ハッシュタグの数は3~5個程度が良いといわれているため、認知拡大が目的だとしても付けすぎには注意しましょう。
A/Bテストを実施する
Instagram広告の広告マネージャには、A/Bテスト機能があります。活用することで、掲載する広告の改善点が確認できます。
A/Bテストとは、期間を定めたうえで特定の情報を掲載するページを2種類用意し、どちらのほうが効果があるかを確認するマーケティング手法の1つです。
Instagram広告の場合、ターゲット層やキャッチコピー、画像、CTAといった部分を変えたパターンでA/Bテスト機能を実施すると、効果的な改善点を発見できるかもしれません。
常にブラッシュアップを試みる
Instagram広告は出稿後も自由に調整が可能です。実績に応じて、広告予算や、クリエイティブのブラッシュアップを行うことで成果の改善が見込めます。
前述したようにプロアカウントに切り替えることで、インサイト機能(アクセス解析)を使用できるので、PDCA(計画・実行・検証・改善のサイクル)を回し続けることが大切です。
その際、成果が出ている他社のクリエイティブをチェックすることで、自社に足りない要素や課題が見えてくるでしょう。広告出稿をすればすぐに成果につながると期待しがちですが、実際には日々地道に改善を繰り返すことが大切です。
自社の中で勝ちパターンを見つけることができれば、どこかのタイミングでブレイクスルーが起きる可能性が高まります。
Instagram広告で成果を出すには、ユーザー視点の創意工夫が重要
Instagram広告では動画や画像などさまざまな広告フォーマットや、配信目的に応じた自動最適化など柔軟な設定ができます。そのため広告配置調整や広告予算調整などのテクニック的な部分に注目がいきがちです。
しかしInstagramはユーザーロイヤリティが高いツールなので、企業側目線の売り込みは逆にブランドへの信頼やイメージを損ねる可能性もあります。
Instagram広告でより高い効果を出すためには、ユーザーの興味関心が得られる魅力的なクリエイティブ制作はもちろん、自社の商品・サービスを「だれに届けるか」といったターゲティングが重要です。
まずは今回紹介した内容を試しながら、どういった反応が得られるか確認してみましょう。その上で、成果を出している他社の取り組みを参考にしながら、改善を繰り返すことが大切です。
広告クリエイティブやハッシュタグの使い方、ターゲット設定など一つひとつユーザー視点を持って相違工夫を繰り返すことが成果につながるはずです。