Instagram広告を入稿する際は、1日の予算額または通算予算額を設定する必要があります。予算を適切に設定するには、まずInstagram広告でどの程度の費用が必要なのかを理解しておくことが大切です。

Instagram広告の費用の相場を知り、基礎知識を身に付けることにより、適切な予算設定や課金方式の設定ができるようになります。
そこで本記事では、Instagram広告を初めて出稿する方に向けて、Instagram広告の費用相場や課金方式、予算の設定方法を詳しく解説します。費用を適切にコントロールしてInstagram広告の効果を高めましょう。
Instagram広告とはInstagram内で表示される広告のこと

通常のストーリーやフィード投稿と同じようなフォーマットで表示させられる広告です。投稿の左上に「広告」と表示されているかどうかで見分けられます。
Instagramの広告には「広告マネージャ」といったツールがあり、これを活用することで広告の作成・管理・配信などの管理を詳細に行えます。
Instagramの広告には「集客」や「認知拡大」などの様々な効果が期待できるため、宣伝との相性がよく費用対効果も見込めます。
Instgram広告を使用する前に必要な準備は?
Instagram広告を使用するには通常のアカウントからプロアカウントへの移行が必要です。プロアカウントへ移行するとInstagramでの作成に加え、Facebook広告のツールからInstagramに配信や表示する広告の作成も可能です。
他にもInstagram広告では「広告マネージャ」で広告キャンペーンの作成も行えます。
通常の投稿との違い
Instagram広告は通常の投稿と似ていますが、いくつか違う点があります。広告を配信した場合の異なる表示は以下の通りです。
- 広告ラベルが表示される
- コールトゥアクション(CTA)ボタンを設置できる
- 縦型・横型・画像・動画の広告が使用可能
Instagramで広告を打ち出すと「発見」タブに表示されるようになるため拡散力が見込めます。1つの配置でのみ広告を使用した場合は、広告マネージャでの広告の作成が必要です。
広告マネージャとは?
広告マネージャは、広告の作成や場所・掲載期間の管理、マーケティング目標に向けたキャンペーンパフォーマンスの分析などが行えます。
広告マネージャを使用すると、ターゲットにしたい顧客層に直接発信できるため、無駄な費用をかけず効率的に広告を広げられます。また、一度実施した設定は管理画面に記録として残せるため、次の広告を配信設定する際に時間をかけずに発信できます。
Instagram広告の目安予算:まずは月間3万円〜10万円程度

Instagram広告は、「1日の予算額」または「通算予算」を任意で設定でき、最低100円から出稿できます。予算の設定は、「Meta for Business」と呼ばれるプラットフォームの広告マネージャで新規広告を作成する際に行います。
少ない予算で出稿できるのは大きなメリットですが、予算が少なすぎると競合とのオークションに負けてしまい、掲載順位が下がってしまうことがあります。場合によっては広告を出稿できないこともあるので注意が必要です。
予算は少なくとも1日あたり1,000円、月間3万円を目安にすると良いでしょう。月3万円の予算があれば、CPMが100円の場合は月3万回のインプレッションが、CPCが50円の場合は月600回の広告クリックが見込めるため、費用対効果を十分に測定できるようになります。
Instagram広告の4種類の課金方式を費用相場とともに解説
Instagram広告には以下4種類の課金方式が存在します。
課金方式 |
料金発生のタイミング
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費用相場
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CPM(Cost Per Mille) |
広告1,000回表示ごと
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0.2~0.6円/インプレッション
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CPC(Cost Per Click) |
1クリックごと
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40~100円/クリック
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CPI(Cost Per Install) |
アプリ1インストールごと
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100~200円/インストール
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Thruplay |
1つの動画で15秒以上再生
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100~200円/再生
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それぞれの課金方式と費用相場について解説します。
CPM(Cost Per Mille)
CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。広告が表示されることを「インプレッション」と呼ぶことから、「インプレッション課金」ともいいます。
費用相場は1インプレッションにつき0.2~0.6円ほどで、低コストで数多くのInstagramユーザーにリーチできるメリットがあります。商品やサービスの認知度を高める場合やブランディングを目的とする場合におすすめの課金方式です。Webサイトへの流入やアプリのダウンロードなど、ユーザーに具体的なアクションを起こしてもらうのが目的の場合は、CPCやCPIの方が適しています。
CPC(Cost Per Click)
CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされる度に費用が発生する課金方式です。 費用相場は1クリックあたり40~100円となっています。
CPMよりもトータルコストが高くなりやすいものの、ユーザーのアクションがあって初めて料金が発生するため、目的に対して予算を効率的に使えるのが利点です。すでに商品やサービスが一定の認知度を得ており、積極的に販売促進したい場合に向いています。
CPI(Cost Per Install)
CPI(Cost Per Install)は、広告を通じて自社アプリがインストールされたタイミングで費用が発生する課金方式です。
費用相場はインストール1回につき100~200円となっています。アプリを提供している場合はコンバージョンに「アプリインストール」を設定していることが多いため、成果が分かりやすい課金方式だと言えます。
Thruplay(スループレイ)
Instagram広告やFacebook広告のオリジナル課金方式です。ほかのSNS広告では「CPV(Cost Per View)」と呼ばれ、広告動画の1再生ごとに費用が発生します。ただしThruplayの場合は、動画が15秒以上視聴されると料金が発生するという特殊な仕様になっています。
CPVの場合は動画が少しでも再生されれば費用が発生するため、「動画をじっくり見てもらえているか」という点までは分かりません。しかしThruplayは、最低でも動画を15秒以上視聴してもらって初めて費用が発生するので、コストに見合う成果が得やすいと言えるでしょう。
費用相場は再生回数1回につき100~200円ほどです。1再生5円前後で出稿できるCPVに比べてコストが高くなりやすいため、質の高いクリエイティブを作成してしっかりとアクションにつなげることが大切です。
Instagram広告の課金方式の適切な選び方

Instagramで新規広告を作成する場合は、まず次の9種類のなかから目的を選びます。目的によって選択できる課金方式が決まるため、以下の表を参考に適切な目的と課金方式を選びましょう。
広告の目的 |
対応する課金方式 |
ブランドの認知度アップ
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リーチ
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トラフィック
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エンゲージメント
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アプリのインストール
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動画の再生数アップ
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リード創出
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メッセージ
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コンバージョン
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Instagram広告全4種類の特徴と費用の違いを解説

Instagramの広告にはいくつか種類があり、広告の種類によって効果が変わります。Instagramの広告は以下4種類です。
- 写真(画像)広告
- 動画広告
- カルーセル広告
- コレクション広告
また、Instagramで利用できる配信面は以下の通りです。
- Instagramフィード
- Instagram発見タブ
- Instagram発見ホーム
- Instagramストーリー
広告を打ち出す目的が認知なのか、集客なのか、目的に応じて配信面に適した方法を選ぶことで効率化に直結します。
また費用面では、クリック単価はフィード投稿の方が、インプレッション単価はストーリー投稿の方が安い傾向にあります。
①写真(画像)広告:リールでは利用できない
Instagramの写真 (画像)はフィードとも呼ばれます。フィード広告はInstagramを開いたときに表示される投稿です。フィード投稿では、サービスや製品、ブランドを紹介でき、商品の詳細を認知してもらえる効果が期待できます。
Instagramの中でフィード投稿は、何枚もの写真を一度の投稿で紹介できるため、シリーズ物で一気に拡散したい場合にも使用される傾向にあります。
なお、リールでは利用できない点には注意しましょう。
②動画広告:リールでも配信可能
Instagramの動画広告は、フィード投稿と同じように活用できます。動画広告のメリットは、動画や音声を入れて商品やサービス、ブランドをユニークに伝えられることです。
フィード投稿とは違って、クリエイティブ要素を追加できるため、商品やサービスをリアルに伝えられるのも、動画投稿ならではの広告と言えます。
動画広告はリールでも配信できるため、動きを加えて伝えたいときにおすすめです。
③カルーセル広告:ストーリーズとフィードのみ利用可能
カルーセル広告とは、一度の広告で最大10点の画像や動画を表示し、それぞれに別のリンクを付けられる広告です。一度の広告で複数の商品やサービスを紹介したい場合、まとめて広告を打ち出せます。
カルーセル広告はフィード投稿だけでなく、ストーリーでも別々のリンクを貼れます。一度に複数の商品やサービスを配信したいときにおすすめです。
④コレクション広告:ストーリーズとフィードのみ利用可能
コレクション広告は、見る人に合わせて商品カタログのアイテムを表示させられます。ターゲットに直接広告を配信できるため、視覚的に没入感の高い形で製品やサービスを訴求し、認知から検討、購入まで誘導できるのです。
カバー画像またはカバー動画があり、そのあとに3点の商品画像が続くのが特徴で、フィード・ストーリーにも掲載可能です
Instagram広告の費用・予算の設定方法

Instagram広告は、Facebook広告を提供するMeta社(旧Facebook社)のサービスです。そのため、Instagram広告とFacebook広告は、「Meta for Business」という同一のプラットフォームから出稿でき、基本的な設定方法も変わりません。
ここでは、以下の手順に沿ってInstagram広告の費用・予算の設定方法を解説します。
- ジネスマネージャから新規広告を作成
- 広告セットを新規作成し予算を設定
- 課金方式を設定
1.ビジネスマネージャから新規広告を作成
Meta for Businessには、「キャンペーン > 広告セット > 広告」という3つのカテゴリがあります。
- キャンペーン:広告全体の目的を設定する
- 広告セット:予算やターゲティングを設定する
- 広告:アカウントの選択やクリエイティブのアップロードを行う
まずは、Meta for Businessの広告マネージャにアクセスし、新規広告を作成しましょう。広告マネージャのトップ画面にある「作成」という項目を選択します。

ここでキャンペーンの目的を選択してください。

新規キャンペーンを作成する画面が開くので、キャンペーン名の入力や、予算最適化のオン・オフなどの設定を行います。

設定が完了し、画面下の「次へ」を押すと広告セットの作成画面に移行します。そのまま画面を下にスクロールさせ、「配置」の項目まで移動してください。

「手動配置」の項目にチェックを入れ、プラットフォームの「Facebook」「Audience Network」「Messenger」のチェックを外し、「Instagram」の項目のみにチェックが入るよう設定しましょう。
2.広告セットを新規作成し予算を設定
画面を下にスクロールさせ、「予算と掲載期間」の項目へ移動します。

「予算」の欄から「1日の予算」か「通算予算」を選択し、100円以上の金額を入力してください。
3.課金方式を設定
さらに画面を下にスクロールし、「最適化と配信」の項目へ移動しましょう。画面下部にある「その他のオプション」をクリックします。

「課金対象」の右側にある「編集」をクリックしてください。

「課金対象」のなかから任意の課金形式を選択します。

これで広告セットの設定は完了です。
画面下の「次へ」をクリックし、広告作成の画面へ移動しましょう。広告作成画面でフォーマットの設定やクリエイティブのアップロードが完了したら、画面下の「公開」をクリックして入稿手続きを完了させます。
Instagram広告の特徴について:Z世代のInstagram利用率は70%超える

Instagram広告は、自分の用途に合った広告を配信できます。広告と聞くとターゲット関係なく配信するイメージも持たれがちですが、Instagram広告ではターゲットを絞った広告配信が可能です。
そのため、Instagramの利用率が70%を超えるZ世代やInstagram内で買い物をするユーザーに向けて、自社の商品やサービスを直接伝えられます。
Instagram広告の特徴①:自社の目的に合った広告配信が簡単にできる
Instagram広告は自分が狙いたいターゲット層に直接配信できるため、コンバージョンしそうにないユーザーへの配信がなくなり、余分な広告費用をかけずに済みます。
フィードやストーリーなど投稿の種類によって得られる効果が変わってくるため、目的を明確にしてからフォーマットを決めることをおすすめいたします。広告の種類によっては、フィード投稿ができてもストーリー投稿ができない場合もあるので、それぞれの特徴に注意しつつ活用しましょう。
Instagram広告の特徴②:Z世代の利用率の高い広告枠にも配信できる
近年ではZ世代といわれる若い年代層がSNSを活用しています。Z世代は流行りに敏感かつ拡散力もあるため、この層へ向けてのリーチで商品やサービスを多くの人にアピールすることができます。
Z世代はテレビではなくSNSを見る傾向が高まっていることからも、Instagram広告は認知拡大や集客におすすめです。
Instagram広告の特徴③:Instagram内で買い物をするユーザーにリーチ可能
インターネットの普及により、外出をして商品を購入するのではなく、ネット上で完結する方が増えてきました。それに比例するように、SNSを通した商品購入も増加傾向にあります。
Instagramは写真や動画をより身近に紹介できる点が強み。Instagram内で買い物をしているユーザーに直接広告を配信できます。
狙いたいターゲット層に向けて広告を配信するのであれば、Instagram広告を使用してみてはいかがでしょうか。
Instagram利用者の特性を理解して費用対効果の高い広告展開をしよう!
Instagram広告は、マス広告と比べて少ない費用で出稿できるのが大きなメリットですが、予算が少なすぎると広告の表示回数が著しく減少してしまう可能性があります。そのため、商材に合わせた適切な予算設定が鍵となります。
適切な予算設定を行うには、Instagram広告の課金方式や費用の相場などについて理解を深めることが大切です。また、適切なターゲティング設定やクリエイティブの最適化などを行い、より費用対効果を高める工夫も必要です。
適切な予算設定を行い、Instagram広告を効果的に運用しましょう。

