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マーケティングの変化は、急速に進展します。2021年もCOVID-19によるパンデミックの中、絶えず変化するオンラインおよびハイブリッドのビジネス環境に適応するために、マーケティング業界でもこれまで以上にデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進(英語)されました。

その後、経済活動が少しずつ再開され、消費者の外出が増えると、主力になっていたオンラインでのエンゲージメントやトラフィックの低迷に直面する企業もありました。

マーケティング担当者としての経験の長さにかかわらず、こうした変化への適応は容易ではありません。しかし、急速に変化するマーケティングの世界で成功を収め、オーディエンスに寄り添い続けるには、変化に先回りして対応することが不可欠です。

2022年に競争力のある最先端のマーケティング戦略を策定できるように、HubSpotブログでは、世界各地のB2B/B2C企業のマーケティング担当者1,000人以上を対象にアンケート調査を実施するとともに、複数の業界エキスパートへのインタビューを通して、新たな年に確認しておきたいマーケティングトレンドのガイドを作成しました。ぜひブックマークしてご活用ください。

→ダウンロード: マーケティング最新動向レポート決定版 2021年

2022年の最重要マーケティングトレンド

  1. インフルエンサーマーケティングがマーケティング施策として一般化する
  2. 動画マーケティングではコンテンツが短く、簡潔になる
  3. モバイルデバイスへの最適化の重要性がさらに高まる
  4. 長期間掲載されるSNS投稿の数が、エフェメラルコンテンツを上回る可能性がある
  5. 社会的責任が企業の優先課題となる
  6. 経験価値マーケティングが復活する可能性がある
  7. 検索トラフィックに適応するためにSEOに取り組む企業がさらに多くなる
  8. オンラインイベントは継続されるが、投資の規模を縮小する企業もある
  9. 消費者向けブランドでは音声コンテンツが増える
  10. インバウンドマーケティングはブランドの成長に最適な施策であり続ける

11. 消費者によるVRやARの利用が増える

12. ABMによって営業チームとマーケティングチームの連携が強化される

13. ネイティブ広告の試験運用を始める企業が増加する

 

1. インフルエンサーマーケティングがマーケティング施策として一般化する

世界各地のマーケティング担当者に対し、2022年に投資する予定のトレンドを尋ねた結果、34%がインフルエンサーマーケティングと回答し、モバイル ウェブ デザインや短編動画といったトレンドを抑えて1位を獲得しました。

インフルエンサーマーケティングは、現在活用しているマーケティング担当者の57%が「効果的」と答え、そのうちの46%が2022年に投資を増やすことを予定しています。また11%は、これまでに試した中で最もROI(投資収益率)が高いと回答しています。

インフルエンサーマーケティングが意欲的な取り組みから一般的なマーケティング施策へと発展した背景には、どのような理由と経緯があるのでしょうか? インフルエンサーは通常、さまざまなプラットフォームを使いこなし、自身が扱う分野やトピックに精通しています。既にエンゲージメントが高く、コンテンツに興味を持つオーディエンスを獲得し、情報の提供を通じてオーディエンスに影響を与えています。

インフルエンサーや業界のソートリーダーとのコラボレーションによって、マーケティング担当者はブランドの認知度を高め、インフルエンサーのオーディエンスから自社のファンを獲得できる可能性があります。

フォロワー数が数百万人に上る有名人に依頼する予算はなくても問題ありません。実際、インフルエンサーマーケティングを活用しているマーケティング担当者の56%以上は、マイクロインフルエンサーに依頼しています。

マイクロインフルエンサーのフォロワー数の規模は有名人ほどではなく、数千~数万人程度が一般的です。フォロワー数は少なめでも、投稿に対するフォロワーのエンゲージメントが高い傾向にあるため、大きな効果を期待できます。

マイクロインフルエンサーは、自身が得意とする業界を見つけることで、リードの転換、オーディエンスとのつながり、ブランド認知度の向上に大きく貢献するようになりました。

遠い存在の有名人と比較すれば身近に感じられるため、マイクロインフルエンサーからの発信は、オーディエンスが信頼する可能性も高くなります。

例えば、「The Londoner」というウェブサイトを運営するRosie氏は、旅行やライフスタイルに関する情報を発信する人気インフルエンサーで、33万人以上の熱心なフォロワーが投稿に反応しています。プロフィールにも使用された以下の画像の投稿は、「いいね!」の獲得数が約3.6万件に達し、エンゲージメント率は約11%に上ります。

SNSマーケティングのトレンド:マイクロインフルエンサー

(出典)

インフルエンサーが自社のブランドにふさわしいかどうか、ついフォロワー数だけを見て判断しがちですが、実際の影響力はエンゲージメント率(クリック、受信登録、購入の数)に現れます。実際の影響力はエンゲージメント率(クリック、受信登録、購入の数)に現れます。

今回の調査で判明したSNSに関するトレンドは、他にもあります。こちらをクリックして後述の項にお進みください。  

2. 動画マーケティングではコンテンツが短く、簡潔になる

今回の調査で、マーケティング担当者が実践している効果的なトレンドの2位に入ったのは短編動画コンテンツでした。

世界各地のマーケティング担当者の31%以上が現在短編動画コンテンツに投資し、そのうちの46%がこの戦略は成果やエンゲージメントの面で効果的と回答しています。また2022年には、世界各地のマーケティング担当者の89%が投資を継続するか、投資を増やすことを予定しています。

短編動画マーケティングのトレンドに関するデータ

長編動画では、製品、ブランド、サービスに関して大量の情報をオーディエンスに詳しく伝えることできますが、B2C(英語)とB2Bのどちらのマーケティング担当者も、短編動画で要点を簡潔に伝える方がはるかに効果的と考えるようになりました。

短編動画という形式は、作成にかかる業務負担が少ないだけでなく、閲覧しているものを次々と切り替えていくオンラインユーザーにも適しています。これが、TikTok、Instagramリール、Snapchatなどのプラットフォームが急速に拡大し、マーケティング担当者の関心を集めた理由と考えられます。

自社のマーケティング戦略にとって短編動画が有効かどうか、確信が持てないという方は、CanvaによるこちらのTikTok動画の例をご覧ください。ウェブサイト上の画像から、Canvaを使用して本格的なグラフィックを簡単に作成できることが紹介されています。

@canva_ph

Tara, design with us!✨ ##CanvaPH

♬ 아무노래 - ZICO

その他のトレンドについては、「コンテンツマーケティングのトレンド」にお進みください。

関連資料

3. モバイルデバイス最適化の重要性がさらに高まる

消費者によるモバイルデバイスの使用時間が増え続けている傾向は、何も不思議なことではありません。事実、年間のウェブサイトのトラフィックの半分以上(英語)は、タブレットを含むモバイルデバイスに由来しています。  

興味の移り変わりが激しく、常にインターネットを利用しているミレニアルやZ世代の購買力が高まり続けているため、この世代をターゲットとするビジネスは、モバイルデバイスに最適化されたデジタル体験についてこれまで以上に積極的に検討する必要があります。

こうした状況は、次のような結果を裏付けています。

  • 世界各地のマーケティング担当者の33%がモバイル ウェブデザインに投資している
  • モバイル ウェブ デザインに注力しているマーケティング担当者の84%が2022年も同等以上の予算を投入することを予定している
  • SEO(検索エンジン最適化)に携わるマーケティング担当者の64%が、モバイル最適化は効果的な投資と回答している

モバイル体験は企業のウェブサイト上だけでなく、他の主要なマーケティング戦略においても重要です。例えば、Eメールを活用しているマーケティング担当者の56%が、受信登録者へのモバイルでのEメール体験に配慮しています。

関連資料

 

4. 長期間掲載されるSNS投稿の数が、エフェメラルコンテンツを上回る可能性がある

(保存またはアーカイブされない限り)公開後24時間程度で削除されるエフェメラル(短期消滅型)コンテンツの人気が続く一方で、マーケティングキャンペーンにおいては、プラットフォームのフィードに表示され数日後にも閲覧できる通常の投稿、動画、ライブ配信イベントなどの永続的に掲載されるSNSコンテンツの方が高い効果をもたらすと考える企業が増えています。

今回の調査で永続的なSNSコンテンツについては、世界各地のマーケティング担当者の44%が投資を増やす予定で、8%が現在活用しているマーケティング戦略の中で最もROIが高いと回答しています。一方で、調査対象者の25%が、エフェメラルコンテンツは投資している中で「最も効果が低い」トレンドと回答しています。

さらに、マーケティング担当者の37%がエフェメラルコンテンツへの投資を減らすことを予定していると回答しています。

エフェメラルコンテンツよりも永続的なSNSコンテンツに投資することを予定しているマーケティング担当者が増えている

収益性を重視し、ROIを安定させる場合、エフェメラルコンテンツに注力するのは最善策ではないかもしれません。しかし、エフェメラルコンテンツと永続的なコンテンツを組み合わせると、一時的なコンテンツがもたらす切迫感と反響に加えて、永続的なSNSコンテンツならではの安定的な関係性、長期的なブランド認知度、および検索性の高さという相乗効果が得られます。

HubSpotのSNSマーケティングマネージャーを務めるKelly Hendricksonは次のように述べています。「短時間で消滅するリアルタイムのコンテンツは、時間制限があり、活発なエンゲージメントが行われるため、ブランドに気軽に接してもらえるチャンスです。こうしたコンテンツでは、簡潔さと分かりやすさが重要です」

しかし、「エフェメラルコンテンツと永続的なコンテンツのどちらを選ぶかは、多くの場合、SNSプラットフォーム自体、またはプラットフォーム上でのオーディエンスの行動によって変わります」とHendricksonは付け加えます。

最終的には、メリットとデメリットを比較して、自社のブランドやキャンペーンに最適な形式を判断する必要があります。

「ブランドボイスとブランド独自の観点から、その瞬間にどのようにコンテンツを提供するかという判断が不可欠になります。インスピレーション、ビジュアル、情報提供、遊び心、最新トレンドなど、どのように自社の存在感を創出しますか? それぞれに最適な場所(Instagramに永続的に表示されるウォールや一時的なストーリーなど)があるので、ブランドのメッセージに合わせて選びましょう」(Hendrickson)

エフェメラルコンテンツと永続的なコンテンツを組み合わせる際には、前述したデータからも分かるように、形式ごとのメリットとデメリットを比較して、どちらが適しているかを判断していくことが重要です。

このような最新トレンドについては、本記事のSNSトレンドの項目をご覧ください。
 

5. 社会的責任が企業の優先課題となる

社会的な責任を果たすための取り組みについては、マーケティング担当者の31%がキャンペーンのエンゲージメントやパフォーマンスの面で効果的ではないと回答しているものの、45%がこの1年は年間を通して投資することを予定しています。

なぜなら、現在の消費者は社会的責任、倫理、透明性を重視しているからです。

2020年から2021年にかけて世界中で起きたさまざまな出来事をきっかけに、社会的責任感のある企業から製品を購入しようという考え方への関心が高まりました。

また、COVID-19によるパンデミックが世界にが大きな打撃を与える中で、職場環境や行政施策に関連するビジネスパーソンの苦悩が浮き彫りになりました。従業員が自分たちの不満、不平等、職場での待遇について、声を上げるようになったのです。

さらに、McKinseyなどの企業が実施した調査(英語)では、全ての顧客や従業員、共通の理念を大切にする企業に対して顧客の支持が強まることが予測されました。

こうした背景から、企業はSNSの戦略を転換し、社会包摂(インクルージョン)を重視した活動、キャンペーン、製品・サービスに注力するとともに、大切にしている理念や使命を強調するようになりました。製品の売上には直結しないかもしれませんが、社会的責任感を示すことは思慮深く効果的な戦略です。

MITスローン経営大学院でリーダーシップおよびイノベーション分野の上級講師を務めるHal Gregersen氏は、このテーマに関する自身の見解を次のように述べています。

「企業がD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)を強化する絶好の機会があるとすれば、私は今だと考えています。パンデミックによって、従来の事業のあり方や働き方は一変し、変化するという考え方に抵抗がなくなりつつあるからです」
 

6. 経験価値マーケティングが復活する可能性がある

経験価値マーケティングとは、物理的な空間で、あるいはAR/VRプラットフォームを使用するなどして、没入型の体験を提供することです。

過去に話題になった経験価値キャンペーンの例として、M&M'sの「フレーバールーム」が挙げられます。

ニューヨークで開催されたM&M'sの没入型ポップアップ

(画像出典)

このイベントでは、球体の「ルーム」が複数用意され、それぞれ異なるチョコレートフレーバーの特有の装飾や香りを楽しめました。2018年にニューヨークで開催されたこのポップアップイベントでは、スナックおよびドリンクラウンジでM&M'sをテーマにしたカクテルも提供されたことで、さまざまな参加者にSNS上でM&M'sを紹介してもらう機会が生み出されていました。

このような没入型の体験は楽しく、効果的で、SNSでシェアされる可能性が非常に高いものの、2020年と2021年は、世界的なパンデミックの影響で企業も公共の場での活動を停止することを余儀なくされました。

また、ブランド独自のAR/VRの制作は大きな予算がかかり、オーディエンスがコンテンツにアクセスするためにはAR/VRヘッドセットなどのツールや最新のスマートフォンを所有している必要があるため、小規模のブランドがデジタル体験マーケティングに投資するケースは限られています。

そのため、調査対象となったマーケティング担当者のうち、2021年に経験価値マーケティングに投資していると回答したのはわずか29%、AR/VRに投資したと回答したのは14%にとどまりました。

しかし現在、公共の場での人々の活動が次第に再開され、多くのオーディエンスにとってデジタル没入型プラットフォームが身近になる中で、調査対象となった世界各地のマーケティング担当者が、2022年に向けて経験価値マーケティングの可能性を再検討し始めています。

今回の調査では、経験価値マーケティングを活用しているマーケティング担当者の58%が効果的な戦略に挙げ、そのうちの48%が2022年に経験価値マーケティングへの投資を増やすことを予定しています。加えて、マーケティング担当者の9%が2022年に初めて経験価値マーケティングに投資することを計画しています。

7. 検索トラフィックに適応するためにSEOに取り組む企業がさらに多くなる

マーケティング担当者は、(特にGoogle での)自社のウェブサイトやコンテンツの見つけやすさをできる限り高めて、長期的にも短期的にもトラフィックを生み出していく必要があります。SEOは目新しい手法ではありませんが、現代のマーケティング戦略としての重要性が高まり続けています。

SEOは調査対象者が活用しているマーケティングトレンドの6位にランクインし、マーケティング担当者の28%が現在実施していると回答しています。そのうちの49%が効果的と回答し、84%が2022年にも同等以上の投資を続けることを予定しています。

SEO戦略への関心とニーズが高まる中で、検索における最適化の領域も拡大しています。Google のアルゴリズムが進化した結果、SEOは単純な検索にヒットする基本的な内容の記事を量産するような作業ではなくなりました。現在、企業はSEO対策のエキスパートに投資してマルチメディア最適化などのあらゆる支援を受けています。

企業におけるSEOの取り組みに関する詳細なデータについては、後述のSEOトレンドの項目をご覧ください。
 

8. オンラインイベントは継続されるが、投資の規模を縮小する企業もある

2022年は、オンラインのイベントやカンファレンス(英語)と対面イベントの両方を開催するハイブリッドマーケティング戦略を採用する企業が増えることが見込まれます。世界各地のマーケティング担当者を対象とした調査からも、この予測と一致するデータが得られました。

2021年には、マーケティング担当者の51%がオンラインイベントに投資していました。一方で、そのうちの17%が2022年に投資を減らすことを予定しています。

オンラインイベントの予算規模は縮小傾向にありますが当面、オンラインのマーケティングイベントはなくならないでしょう。実際、マーケティング担当者の80%が2022年にも同等以上の予算をオンラインイベントに投入することを計画しています。
 

9. 消費者向けブランドでは音声コンテンツが増える

2021年夏、招待制の音声チャットルームアプリClubhouse(英語)の登場にマーケティング担当者は困惑しました。Clubhouseは、ほとんど映像コンテンツを公開することなく、短期間で数百万人のユーザーを獲得したのです。Clubhouseが業界に旋風を巻き起こすと当然、Twitter、LinkedIn、Facebook(英語)などのプラットフォームも急遽、同様の機能に投資し、試験運用を通してリリースしました。

一方で、この1年間、(HubSpotを含む)多くの企業がポッドキャストのコンテンツとネットワークを拡大し、リスナーをさらに増やしました。

オンラインの世界で音声コンテンツが広まる中、マーケティングのコンテンツ形式として自社のブランドにも本当にメリットがあるのかと疑問に感じられるかもしれません。

今回の調査では、コンテンツマーケティングを実施している企業の担当者の53%が、ポッドキャストなどの音声コンテンツがエンゲージメントやブランド認知度の面で効果があると回答しています。ただし、音声コンテンツを活用しているマーケティング担当者のうち、ROIを生み出すという回答はわずか1%でした。それでも回答者の80%が、2022年にも同等以上の予算を音声コンテンツやポッドキャストに投じることを検討しています。

ClubhouseやTwitterスペースなどの音声チャットルームに対する取り組みについても、同様の傾向がありました。こうしたトレンドに取り組んでいると回答したマーケティング担当者は16%にとどまるものの、そのうちの34%が効果を認めています。音声チャットルームを活用しているマーケティング担当者のうち、ROIを生み出すという回答は同じく約1%しかありませんでしたが、そのうちの84%が2022年に同等以上の投資を継続することを予定しています。

音声プラットフォームには収益化に適した機能やコンバージョンパス(リード情報獲得のための導線)はないとしても、ご紹介したデータが示唆するように、エンゲージメントやブランド認知度の向上につながり、継続的な投資に値します。
 

10. インバウンドマーケティングはブランドの成長に最適な施策であり続ける

インバウンドマーケティングの登場から既に何年も経過していますが、マーケティング担当者の27%は2022年に初めて活用する予定で、11%はこの1年の最大の取り組みになると回答しています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代において、インバウンドマーケティングを採用することは賢明だと言えます。

この2年間、世界が大きな変化に対処する中で、アウトバウンド型のマーケティング手法は、見込み客へのアプローチとしての効果がこれまで以上に失われてきました。

在宅勤務を取り入れた新たな就業形態への移行により、インバウンドマーケティングは効果的な手法と認識されるようになりました。例えば、COVID-19の影響によってオンラインイベントが大幅に増加したことで、マーケティング担当者は顧客の関心を引くための一層の工夫を強いられています。

デジタルマーケティング代理店Lighthouse Creative Groupの創業者兼コンテンツストラテジストを務めるJohn Hazard氏は、オンラインイベントは関心を呼び起こす場になるものの、次のようなありふれた内容になりがちな点と指摘します。「問題は、ビデオ会議疲れです」

更にHazard氏は次のように付け加えます。「対面施策の代替としてオンラインイベントが爆発的に増えたことで、各社がオンラインイベント、ウェビナー、バーチャルカンファレンスを展開してきました。しかし、その大半は、単なるPowerPointプレゼンテーションか、経営幹部による自宅キッチンからのトークです。これでは面白みは感じられません。2021年には制作物としての質を高めるために、単なるキッチン配信ではなく、グラフィックの向上、ディレクターやプロの司会者の起用、本格的な機材の投入といった動きがありました」

インバウンドマーケティングは、自社のコンテンツに対する顧客の関心を高める戦略として、ブランド認知度の向上とオンラインでの関係構築に大きく寄与することが期待できます。

インバウンドマーケティングの過程では、ターゲットオーディエンスやバイヤーペルソナとそのニーズに寄り添い、良質かつ有益なコンテンツを作成する必要があります。
 

企業がフライホイールを採用する理由

マーケティングファネルの考え方はもう古くなりました。現在は、フライホイールカスタマーサービス重視の考え方(英語)が一方通行のファネルに取って代わり、多くのインバウンドマーケティング戦略の中心に据えられています。

ファネルとフライホイールの違いマーケティングファネルの世界では、顧客への対応は後回しになりがちでした。契約後は、再契約の時期まで顧客のことが忘れ去られる傾向がありました。

対照的に、フライホイールでは顧客を中心に考えます。口コミは効果的なマーケティング施策の1つです。顧客には、単にサービスを提供するだけでなく、推奨者になってもらうのが賢明です。フライホイールは、このような優れたカスタマーサービス自体をマーケティング戦略に生かすプロセスを表しています。

フライホイールをマーケティング活動の中心に位置付けると、顧客の成功を後押しし、顧客に満足してもらうために役立ちます。カスタマーサービスに重点を置き、顧客の要望や課題に対応できるようにチームのトレーニングを実施することには大きな価値があります。

その結果として、顧客が自社のマーケティングのような立場で、オンライン/対面両方のつながりを通して周囲に推奨してくれるようになります。

11. 消費者によるVRやARの利用が増える

2021年には、マーケティング担当者の35%がマーケティング戦略にAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用しました。そのうちの42%が2022年にその投資を増やすことを計画しています。

また、2021年にARやVRを活用していなかったマーケティング担当者のうち、9%が2022年に初めて試みることを予定しています。

VR(英語)とは、コンピューター上で現実のように思える仮想世界の映像を体験することです。AR(英語)とは、現実世界の映像に視覚的、触覚的、嗅覚的な要素を付加することです。VRとARはそれぞれ異なる体験ですが、どちらも現在のマーケティング業界で注目されています。

私たちの生活にも変化を与え始めています。Facebookの360度動画はVRの一例です。また、自分の部屋の映像にIKEAの家具を仮想的に配置できるIKEA Placeアプリは、ARの一例です。

VRやARは、オンラインや対面イベントでの顧客体験を補完し、向上させるために利用されます。通常、高価な機器や大型のヘッドセットが必要になるため、このトレンドの採用をためらうマーケティング担当者も少なくありません。しかし、VRグラスやARアプリが身近になるにつれて、企業はこのようなテクノロジーをマーケティング戦略として採用することを検討できるようになります。
 

12. ABMによって営業チームとマーケティングチームの連携が強化される

顧客を獲得するためにABM(アカウント ベースド マーケティング)を活用しているマーケティング担当者は、62%という調査結果があります。そして2022年には、まだ利用していないマーケティング担当者のうち33%が初めて取り組むことを予定しています。

ABMは新しい手法ではありませんが、さまざまな企業の間で、急速に認知度を高めています。補足すると、ABMとは、スマーケティング(営業+マーケティング)の手法の1つで、営業チームから提供されたプロスペクトや顧客に関する情報をマーケティング担当者が活用して、プロスペクトや顧客に合ったキャンペーンを実施することです。

関連資料

 

13. ネイティブ広告の試験運用を始める企業が増加する

HubSpotによる今回の調査の対象となった世界各地のマーケティング担当者全体の24%が、2021年の時点でネイティブ広告に投資しています。まだ活用していないマーケティング担当者の23%が、2022年には初めて利用することを予定しています。

この戦略への関心が高まっている理由は、実際に効果があるからです。ネイティブ広告を利用しているマーケティング担当者のうち、36%以上が効果があると答え、約5%は最もROIの高い戦略に挙げています。

ネイティブ広告への投資とは、企業が費用を負担して、外部のウェブサイトにコンテンツとして掲載してもらうことです。誇張気味のデザインで読者の注意を奪う通常の広告とは異なり、ネイティブ広告はサイトに溶け込むコンテンツを通じて新たな未認知層にプロモーションすることを目的として設計されています。

ネイティブ広告では広告感を抑えることができるため、消費者による購入の可能性も高くなる傾向があります。実際、消費者によるネイティブ広告の閲覧回数はバナー広告よりも50%以上多くなっています。ネイティブ広告の例は、SNS、検索結果、コンテンツ レコメンデーション プラットフォーム(ページの下部に表示される、詳細や関連資料などの各種コンテンツへのリンク)、キャンペーンなどで確認できます。

例えばInstagramは、定期的に企業と連携してネイティブ広告を掲載しています。Instagramのストーリー機能やショッピング機能を活用することにより、企業は一般ユーザーのフォロワーのような投稿をシェアして、さりげなく製品を宣伝することができます。iPhoneに表示された化粧品のInstagramネイティブ広告

(画像出典)

マーケティング活動にネイティブ広告を取り入れるには、ブランドとの関連性が高い公開コンテンツを探しましょう。自然な演出を心掛け、押し付けがましい印象や露骨なプロモーションにならないように気を付けてください。

マーケティング戦略に関する調査結果のポイントは以上です。以降では、カテゴリー別のトレンドを細かく説明します。
 

コンテンツマーケティングのトレンド

少なくとも購買担当者の47%が、営業担当者に問い合わせる前に3~5つのコンテンツを閲覧しています。また、そのうちの大半が、関心を高めてくれるコンテンツを企業に期待しています。世界中の企業でコンテンツマーケティングへの投資の規模が拡大し続けているのはそのためです。

2022年にマーケティング部門のリーダーが積極的な採用を検討している職種にも、コンテンツ作成者、コンテンツマーケティング担当マネージャー、コンテンツストラテジストが挙がっています。

2022年に企業が採用する主要なマーケティング職種

具体的に企業はどのようなコンテンツ戦略に注力しているのでしょうか? ここでは、2022年のトレンドを簡単に紹介します。

関連資料

 

14. マーケティングのコンテンツ形式としては引き続き動画が最有力

HubSpotの「マーケティング最新動向レポート決定版」(2021年版)によると、マーケティングで最も効果的なコンテンツ形式は動画でした。今回の調査でも、この傾向は全く変わっていません。

最も効果的なコンテンツ戦略としては、動画マーケティングがブログやEメールマーケティングを抑えて1位を獲得しています。

2022年の動画マーケティングのトレンドに関するデータ

今回の調査では、調査対象者全体の59%がコンテンツマーケティングとして動画を活用し、そのうちの76%が最も効果的なコンテンツ形式として動画を挙げています。また、動画を活用しているマーケティング担当者の約4人に1人(27%)が、最もROIが高いコンテンツ形式は動画と答えています。

NP Digitalの共同創業者でCMOを務めるNeil Patel氏は、次のように述べています。「動画は、潜在的な顧客基盤とのつながりを深める役割を果たすだけでなく、企業が動画コンテンツを再利用してポッドキャストやテキストベースのコンテンツなどを作成することも簡単です。一方、先にテキストコンテンツや音声コンテンツを作成して、それを動画にするのは困難です。そのため、2022年には、企業が作成する動画コンテンツの増加が見込まれます。通常の動画だけでなく、リールなどの短い動画や、ライブ配信など、多様化すると考えられます」

以前は、人材、機材、制作にかかるコストの高さが理由で、動画の作成や動画マーケティング戦略に取り組む企業は限られていました。しかし現在では、はるかに取り組みやすくなりました。コスト面のハードルが下がったことで、動画を気軽にマーケティング活動に取り入れやすくなっています。

「2022年は動画の年になるでしょう。なぜなら、企業が動画の活用に慣れてきて、オーディエンスとの関係構築、製品やサービスの紹介、インフォテインメント(情報とエンターテインメントの組み合わせ)の手段になると気付いたからです」とJotformの創業者兼CEO、Aytekin Tank氏は指摘します。

「当社では、YouTubeでの動画配信を強化してきました。現在のチャンネル登録者数は16,000人を超え、YouTube動画への投資によってウェブサイトのトラフィックや申し込みの件数が大幅に増加しました。多くのB2BおよびB2C企業と同様に、当社も動画に全力で取り組んでおり、2022年はさらに力を入れる予定です」

制作チームのメンバーを採用したり、マーケティング代理店に依頼したりする必要はありません。必要なのは、iPhoneなどのスマートフォンと手頃な価格の編集ソフトだけです。信じられないという方は、こちらの記事(英語)をご覧ください。HubSpotの動画マーケティング担当者が自宅で動画コンテンツを作成した方法を紹介しています。
 

15. ブログはなくならない

ブログは、企業のウェブサイトが構築され始めて以来、広く利用されてきたマーケティング戦略です。しかし、長期間存在している手法を時代遅れと見なす必要はありません。ブログが長年利用されているのは、実際に効果があるからです。

コンテンツマーケティング戦略としてブログを運用している企業は全体の48%ですが、ブログを活用しているマーケティング担当者のうち56%が効果的と回答し、10%が最もROIが高いコンテンツ形式に挙げています。

マーケティング担当者からのこのようなデータは、それほど意外なことではありません。消費者を対象に実施したアンケート結果では、週に複数回ブログを読み企業のブログを読んだ後にそのブランドから何かを購入したことがある消費者が少なくないことが示されています。

ブログは、消費者とのエンゲージメントやコンバージョンの可能性につながるだけでなく、ウェブサイトやオンラインページの検索での見つけやすさという大きなメリットをもたらします。

ブログが充実しているサイトは、そうでないサイトよりも検索される可能性が高く、SEO戦略を実践する面でもはるかに簡単です。

例えば、次のように考えてみてください。オンラインの会計相談サービスの利用を検討している人がいるとします。会計事務所のウェブサイトに税金に関するヒントや会計戦略を紹介するブログ記事があれば、Google 検索でヒットした記事を読み、ウェブサイトを閲覧し、会計相談・支援サービスについて問い合わせようと考える可能性があります。

これまでブログを検討していなかったものの、このデータに興味を持ったという方は、この項の末尾に記載の関連資料をチェックして、戦略の立案に役立ててください。
 

16. 導入事例が、リードの創出やブランドの信頼性に貢献することは変わらない

長文の導入事例では、製品、サービス、戦略が顧客やブランドにもたらすメリットについて、提供元ならではの詳細を説明することができます。潜在層への訴求材料として自社ウェブページで公開している企業もあれば、PDF版の無料ダウンロードと引き換えに情報を入力してもらう(リードコンバージョンを求める)企業もあります。

導入事例はB2C業界などのマーケティングではあまり活用されていませんが、活用しているマーケティング担当者は導入事例の効果を実感しています。今回の調査では、導入事例を公開しているマーケティング担当者の64%が効果があると答え、15%が利用しているコンテンツ形式の中で最もROIが高いと回答しています。

また、コンテンツマーケティングに導入事例を活用する企業は増え続けています。調査対象となったマーケティング担当者の37%が2022年に初めてマーケティング戦略に導入事例を取り入れることを予定しています。
 

17. インフォグラフィックの活用が増える

図解は何文字もの文章に相当すると考えられることが一般的ですが、インフォグラフィックなら、さらに分かりやすくなります。

インフォグラフィックは、美しい写真のようにシェアしやすくて視覚に訴えるだけでなく、参考になる有益なデータや情報が詰まっています。そのため、ウェブ訪問者やSNSのオーディエンスからの反応も高まる傾向があります。

今回の調査では、マーケティング担当者の38%が2022年に初めてインフォグラフィックを利用することを予定しています。なお、45%は既に活用しています。

インフォグラフィックマーケティングのトレンドの統計データを示したインフォグラフィック

コンテンツ戦略上、インフォグラフィックを定期的に活用しているマーケティング担当者のうち、56%が最も効果的なコンテンツ形式としてインフォグラフィックを挙げています。

信頼できるデータによって、マーケティング担当者、ブログ執筆者、コンテンツ作成者はストーリーに説得力を持たせることができるのです。それは、本記事の作成において1,000人以上のマーケティング担当者を対象に調査を実施した理由でもあります。

関連資料

 

ソーシャル メディア マーケティングのトレンド

米国だけで人口の79%が何らかのSNSアカウントを持ち、全世界のSNSユーザーは37億人を超えています。

そのため、SNSマーケティングは企業のマーケティング戦略に欠かせないコミュニケーションチャネルになっています。SNSマーケティングでは、オーディエンス個人と確かな信頼関係でつながり、ブランドに対する親近感を醸成することができます。
 

18. ライブ配信コンテンツがSNSコンテンツ形式の主流に

今回のマーケティング戦略調査の対象となったSNSマーケティング担当者のうち、68%が最も効果的なSNSコンテンツとして音声チャットルーム(ClubhouseのルームやTwitterスペースなど)を挙げ、59%はライブ配信動画も同等と回答しています。

また回答者の9%が、利用している中で最もROIが高いSNSコンテンツ形式はライブ配信動画コンテンツと回答した一方で、ライブ配信音声コンテンツに投資しているマーケティング担当者の96%が、2022年は年間を通じて同等以上の予算を投入することを予定しています。

現代の消費者は、特に企業が提供するコンテンツには、共感できるとともに信頼できることを期待しています。動画のライブ配信や音声チャットルームを通じて、オーディエンス同士のつながりが深まると同時に、自社ブランドや製品に関する情報、専門知識、方針に関して話し合うこともできます。音声や動画のライブ配信の場合、編集されていないリアルな環境でエキスパートと接することができる上に、コメント、エンゲージメント、挙手などの機能を利用できることが多く、オーディエンスとストリーミングの主催者との対話が可能になっています。
 

19. TikTokは引き続き企業の関心を集める

3年前にTikTokが大流行して以来、企業はTikTokの真価を引き出そうとしてきました。現在、TikTokのユーザー数は全世界で10億人を超え、幅広いオーディエンスやマーケティング担当者向けのアプリとしての位置付けを確立しています。同社からは、さまざまな規模の企業向けに広告およびマーケティングの新機能も多数リリースされ始めています。

そのため、マーケティング担当者の67%が2022年にTikTokへの投資を増やすことを予定していても不思議ではありません。一方で、SNSに携わるマーケティング担当者のうち、この1年間を通じて最大の投資を行うプラットフォームとしてTikTokを挙げた割合は10%でした。
 

20. 3~5つのSNS プラットフォームに注力する

マーケティングに利用するSNSの最適な数は、企業によって異なります。調査対象となったSNSマーケティング担当者が現在利用しているプラットフォーム数は、「1~2」がわずか11%、「7以上」も7%にとどまり、「3~5」が64%を占めています。

運用・管理の面で、この3~5というプラットフォーム数は現実的です。企業の規模を問わず、幅広いオーディエンスにリーチするとともに、SNSマーケティング担当者の業務負担を増やすことなく各プラットフォームを適切に運用できるからです。

必要なプラットフォームの数を判断するには、以下の項目について考えてみてください。

  • チームのSNSマーケティング担当者の数は?
  • 自社のターゲットに最適なオーディエンスが利用しているSNSは?
  • ターゲットとなる各プラットフォーム向けの戦略を習得するために必要な時間は?
  • 現時点で、全体的なマーケティング戦略上のメリットがないプラットフォームはあるか?
  • 魅力的なコンテンツを再利用しやすいプラットフォーム(TikTokとYouTube ショートなど)はあるか?

上記のような項目について検討することで、プラットフォームごとの効果的な戦略を策定するために必要な時間と注力すべきプラットフォームの優先順位を、SNSチーム、そして組織の観点で判断することができます。

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SEOに関するトレンド

マーケティング担当者を対象にした調査(英語)で、全体の61%がSEO(検索エンジン最適化)を強化しオーガニック検索のオンラインプレゼンスを向上することを、インバウンドマーケティングの最優先課題に挙げています。

これは貴社にも当てはまりますか? SEO、オーガニック検索におけるプレゼンスの向上について何か具体策は把握できていますか? 消費者の特定の行動に基づいて最適化を行うと、オンラインで自社を見つけてもらうために役立ちます。
 

21. キーワードの最適化が重要

HubSpotブログが実践してきた重点施策の1つにサーチ インサイト レポートがあります。このレポートでは、重点キーワードのリストと、そのキーワードのGoogle 検索で上位を狙うために新規作成または更新するブログ記事を記載しています。

SIRを利用したブログ運用は今、HubSpot以外にも広がりを見せています。実際、SEOに携わるマーケティング担当者の47%が自社の戦略としてサーチ インサイト レポートを導入していると回答しています。

コンテンツチームの規模が小さく、時間的な余裕もSEOの知識も十分ではなくても、サーチ インサイト レポートの作成に差し支えることはありません。調査対象のSEOマーケティング担当者のうちサーチ インサイト レポートを導入しているのは約半数で、その55%が少なくとも取り組んでいる事項として検索キーワードでのコンテンツの最適化を挙げています。この戦略には、費用や時間はそれほどかかりません。

例えば、自社のビジネス、製品、今後のコンテンツに関連する簡単なSEOキーワード調査にはAhrefsやSEMRushなどのツールを利用することで、コンテンツのどの部分(タイトル、小見出し、本文、説明文など)のキーワードを最適化し、パフォーマンスを高められる余地があるかが分かります。
 

22. 動画と画像に関するSEOも不可欠

SEOの取り組みは、ページ文面の変更にとどまりません。Google 画像検索や検索エンジンの動画カルーセルの上位に表示されるためには、ページの内容に適した動画や画像を選定し、最適化する必要もあります。

画像の最適化は、ファイルを圧縮してページの読み込み時間を短縮したり、キーワードを最適化した代替テキストを画像に付けたりする作業です。動画の最適化としては、動画と共に類似のトピックやキーワードをブログ記事に埋め込むなどの方法が考えられます。

SEOに携わるマーケティング担当者の53%が、動画や画像の最適化戦略を策定しています。また、そのうちの49%がSEO施策として最も効果があると回答しています。
 

23. リンクの構築が権威性と検索ランクの向上に役立つ

検索結果の上位のウェブサイトから自社サイトへのリンクが増えると、Google のクローラーによって、「このウェブサイトの情報は信頼性が高い、つまりその分野で権威性を確立している可能性がある」と判断されます。これがGoogle での検索順位の向上につながります。他のウェブサイトから自社サイトにリンクしてもらうリンク構築の目的はここにあります。

共有に値するコンテンツの作成、他のウェブサイトへのリンク依頼、自社の記事への流入リンクの確認などの作業は大変で時間もかかりますが、こうした時間と労力に見合う効果があることは調査で報告されています。SEOに携わるマーケティング担当者の48%がバックリンクやリンク構築に取り組み、そのうちの63%が自社ブランドのSEO施策として最も効果があると回答しています。
 

24. 過去のウェブページの最適化を通じて新たなトラフィックを創出

マーケティング担当者は、新しいアイデアを生み出すよりも、過去に効果のあったコンテンツを現在に最適化することが増えるでしょう。

SEOの観点からは、常に最新の状態に更新されている充実したコンテンツの方が、統計やリンクが古くキーワードの関連性も低下したコンテンツよりも重要と見なされます。しかも、既存のコンテンツを再利用して新しいポッドキャスト、ウェビナー、ブログ記事などを作成すれば、検索エンジンにおける関連性を効率的に維持できる可能性があります。

SEOに携わるマーケティング担当者の4人に1人が、戦略として過去のコンテンツの最適化に取り組んでいます。また、そのうちの29%がSEO戦略として効果があると回答しています。
 

25. SEOにおける音声検索への配慮の必要性は変わらない

HubSpotによる今回の調査の対象となったマーケティング担当者のうち、現在自社の戦略で音声検索を活用しているのは全体の12%にとどまったものの、そのうちの34%が2021年に活用した中で最も効果的なトレンドに音声検索を挙げ、41%が2022年に投資を増やすことを計画しています。

音声検索は新しい技術に思えるかもしれませんが、こうした投資規模の拡大は必然と言えます。

Siri、Alexa、Google アシスタントなど、数多く提供されているバーチャルアシスタントを利用したことがある人は少なくないはずです。

これらのデジタルアシスタントは、「『ミッション:インポッシブル』の出演者は?」「今日の千代田区の天気は?」といった情報の短い質問だけでなく、地域に密着した情報の会話形式での検索にも対応し始めています。例えば、「今日仕事ができる近くのカフェは?」「何時まで開いている?」「メニューにアイスコーヒーはある?」といった質問です。

このような新しいライフスタイルが生まれていることから、企業は情報提供のあり方を適応させる必要があります。Google の手動検索アルゴリズムに合わせるのではなく、コンテンツを質疑形式に最適化しましょう。

このように音声検索に取り組むことで、ユーザーの要望やニーズにマッチした回答を提供できるようになります。ユーザーは、前述のような会話形式で問いかけて精度の高い回答を引き出したり、他の作業をしながら質問して回答を聞いたり、求めている答えを素早く見つけたりすることが可能になります。

HubSpotの英語コンテンツSEO責任者Aja Frostは、次のように述べています。「企業は、あるトピックについてユーザーがどのように質問するかを考えるべきです。次に、その想定に基づいてサブトピックを検討し、質問をヘッダーとして挿入できる場所を探します。これにより、音声アシスタントが質問を特定し、コンテンツを解決策として認識しやすくなります」

業界のトピックについて検索の利用者がどのように質問するかを予測する必要がある(Aja Frostのコメント)

Frostは、強調スニペットの活用を検討することも勧めています。強調スニペットとは、ユーザーが言葉の定義や質問を検索した場合にGoogle に表示されるプレビューです。音声アシスタントの回答としても利用されることが一般的になっています。

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AI・自動化に関するマーケティングトレンド

現在、マーケティング担当者の実に70%が自動化を利用しています。一方で、まだ自動化を利用していないマーケティング担当者のうち33%が2022年に導入することを計画しています。以下に、自動化の導入方法、または自動化の継続的な活用法の例を紹介します。
 

26. 企業による自動化やAIへの投資はさらに増える

AI(人工知能)は、人間の知能が必要とされる作業の処理方法を機械に学習させるコンピューターサイエンスの一分野です。学ぶ、見る、話す、交流する、推論する、問題を解決するなどの行動を想像してみてください。コンピューターが遂行できれば、それはAIと見なされます。

AIは、私たちの日々の生活と業務にすっかり浸透しています。Spotifyによるお薦めの曲の紹介、Facebookによる人物の認識とタグ付け、Siriを使用したテキストメッセージの友人への送信など、AIを利用しているはずです。私たちが(特に消費者として)ますますAIを活用するようになれば、マーケティング担当者や企業は対応を迫られます。

AIの目的は、人の置き換え、つまり人間的な対応の必要性をなくすことではありません。企業がオーディエンスとつながり、問題を迅速かつ確実に解決する能力を向上し、拡大することです。また、データを収集して分析し、データに基づく意思決定を下す際にも、AIは非常に役立ちます。

現在、AIは企業で次のように活用されています。

  • チャットボットやバーチャルアシスタント:ボットは、単純なものから複雑なものまで、さまざまな問題に関する簡単な答えを素早く提供します。デジタル環境では、必ずしも人が1対1で会話を行う必要はなくなったと言えます。チャットボットのトレンドに関する詳細な説明については、次の項目をご覧ください。
  • コンテンツの作成とキュレーション(英語):コンテストに入選するようなマーケティングコンテンツをボットによって作成することはまだできませんが、ツイートやシンプルなウェブ記事、自動送信Eメールなど、短いコンテンツの作成を効率化するために使用することは可能です。
  • 予測リードスコアリング(英語):自動のリード スコアリング ツールを活用すると、マーケティング担当者や営業チームは有力なプロスペクトになるリードの判定作業を簡素化し、販売や取引に関する本質的な業務に集中できます。
  • 予測型マーケティング(英語):自社のキャンペーン、広告、コンテンツに関してオーディエンスの反応を期待できるかどうかを調べるには、予測型マーケティングを活用すると、過去のデータ(オーディエンスの行動データなど)からエンゲージメントの最大化につながる施策を見極めるために役立ちます。 

 

27. チャットボットが引き続き対話型マーケティングの効率化に寄与する

消費者の過半数が、マーケティング、営業、カスタマーサービスへのあらゆる問い合わせに対して、10分以内に回答が得られることを期待しています。このような対応は可能でしょうか?

少なくとも、人間には難しい話です。自動化を活用しているマーケティング担当者のうち、チャットボットを導入している割合が40%に達している理由もここにあると考えられます。

ボットとは、特定の作業を自動化するコンピュータープログラムで、ユーザーとの対話を行うものが一般的です。複雑な依頼を理解し、個別の回答を用意できるとともに、次第にコミュニケーションを向上できるAIによって実現されています。

ボットは何百人もの顧客に対応し、1人ひとりに寄り添う専任のカスタマーサービスのように感じさせることができます。これは、人間のカスタマーサービス担当者やカスタマー サービス チームには不可能なことです。

販売やカスタマーサービスの担当者が変わるたびに同じ説明を繰り返すことにうんざりしている消費者(正確には33%の消費者)にとっても、チャットボットはスムーズな体験の創出に寄与し続けることができます。適切に利用すると、大量のコミュニケーションを管理し、複数のデータソース(カレンダー、ナレッジベース、ブログ記事、動画など)からデータを集約できます。

HubSpotのマーケティング担当シニア バイス プレジデントJon Dickは、「スムーズな体験を実現できるかどうかは企業次第です」と述べています。

「ウェブチャットの利用が望まれるなら提供すべきです。先月同じ問題が3回発生していた、といったことも把握できるので、解決するための計画を立てましょう」(Jon Dick)

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プライバシーに関するマーケティングトレンド

28. 企業には、顧客自身による詳細なデータ制御に対応することが求められる

マーケティングにおけるデータは非常に価値があるものです。それは、マーケティング担当者や経営者にとってだけでなく、Eメールアドレス、クレジットカード情報、スマートフォンの位置情報など、消費者も自分のデータの重要性を認識しているため、企業はそれを大切に管理する責任があります。

データは、ソフトウェア会社から銀行、行政機関、飲食店に至るまで、あらゆる事業運営に利用されています。今やマーケティング、営業、カスタマーサービスなどに欠かせない要素になりました。

しかし、情報が悪用されたり、漏洩したりすれば、企業に対する強い不信感が生まれ、消費者にも被害が及ぶおそれがあります。

そのような観点に基づいて制定されたのが、一般データ保護規則(GDPR)です。

GDPRは、消費者による自身のデータの詳細な制御を可能にすることを目的とした欧州連合(EU)における取り組みです。GDPRの下で組織は、消費者のデータを合法的かつ安全に収集すること、および当該データを収集、管理する組織がデータを保護し、消費者の権利を尊重することを保証する必要があります。

GDPRのガイドラインに準拠することは負担に思えるかもしれませんが、違反した場合の罰金の方がはるかに重く感じられるでしょう。罰金は1,000万ユーロから会社の年間グローバル売上高の4%までと規定されています。

そして2022年の今、プライバシー保護の取り組みはGDPRにとどまりません。Google、Appleなどの企業もユーザーデータを保護する姿勢を打ち出しています。

2021年、AppleのiOSアップデートにより、iPhoneおよびiPadユーザーは、ターゲティング広告に使用されるサードパーティーデータをどのアプリが追跡できるかを選択可能になりました。

2022年にロールアウトが完了するもう1つのiOSアップデートでは、Apple Mailユーザー向けのEメールのプライバシー保護機能が強化されます。GoogleもChromeでのサードパーティーCookieの使用を廃止し、代わりにプライバシーサンドボックスの利用を広告主に推奨する予定です。

企業や行政機関の目標は、自分のデータを提供するユーザーの選択肢をさらに増やすことです。消費者にとっては喜ばしいことですが、個人情報をキャンペーンに活用している企業は、重要なデータを利用できなくなる状態に備えて、代替戦略の策定と計画の転換を図ることが必要になります。
 

マーケティングトレンドを参考にさらなる成長を

現時点での最新情報は以上ですが、マーケティングトレンドを把握し続け、変化を受け入れる姿勢を維持すれば、他社に後れを取る心配はないでしょう。

しかし全ての情報を追い続けることは難しい、と感じている方もご安心ください。HubSpotブログではマーケティング担当者を対象に実施した調査データに基づくマーケティング戦略の記事を定期的に公開するほか、新しいトレンドが浮上した場合にこの記事を更新する予定です。

マーケティングのエキスパートからのデータやヒントについては、以下の「マーケティング最新動向レポート」も参考に、2021年の主要な戦略を振り返ってみてください。
 

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

マーケティング最新動向レポート決定版 2021年

編集メモ:この記事は2019年8月に投稿した内容を、2021年11月にHubSpotブログの最新のトレンドデータで更新したものです。

 マーケティング最新動向レポート決定版 2021年

元記事発行日: 2022年3月06日、最終更新日: 2022年4月14日

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